怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
「んなぁ~…そうだなぁー。探窟家なんて久しぶりに見たからなぁー、どうだ?オイラのアジトに来ねえか?歓迎するぜ?」
ナナチ殿がそうおっしゃると、リコ殿は目を輝かせて抱きつきます。
「ええ?!キミ、ここに住んでるの!?行く行く!見てみたーい!」
「んぅっ、んなぁー!だ、き、つ、く、な!離れろー!まったく、調子狂うぜ…」
「ソソソソ、申し訳ありませぬ、ナナチ殿。リコ殿も悪気があるわけではありませぬゆえ……」
「んぬぬぬぬぬ…はあ。ほら、ついてきなよ。早くしないとタマちゃんとかが来ちまうぜ?」
「『タマチャン』?ドーマン、タマチャンとは何だろうか」
「ンン?おそらくタマウガチの事ではないでしょうか……ああ、しかしナナチ殿はすごいですなァ。レグ殿?」
「?どういう事だ」
「タマウガチとは、原生生物の中でも特に危険な部類のモノでありまする。全身に毒の針を持つ巨大な白き獣、しかもその巨体に似合わぬ俊敏性まで持ち合わせているのだとか。今までに殺された探窟家は数知れず……そのような恐ろしき獣に愛称を付けておられるのですから、ねェ?」
「つ、つまり。ムキムキなのか…?」
「―――ンンンンンンン?????」
「ほら、着いたぜ。ココがオイラのアジトだよ」
「すっごい。深界四層なのにこんな立派な家があるなんて!!どーやって建てたの?」
「ん、んなぁ~……向こうの方に生えてた草とか木を編んだんだよ。どうだ、カッコイイだろ?」
「ンンンンン!!草を編んで、コレを?!」
「そうだよー?…んなぁー。オマエ、ど、どうしたんだよ?」
そんな………拙僧が、負けた?
いや。拙僧ならばもっとスゴイのを建てられる筈…じ、『陣地作成:B』殿が敗北するなぞ有り得ぬのですから!
ンンン、これで勝ったなどと思わぬ事ですな。ナナチ殿!
「そーいえば、お前らどうして四層に来たんだ?」
「んーとねぇ、わたしの―――」
さて、リコ殿とナナチ殿が話に花を咲かせておられる間、拙僧らはハブられておるわけで。
暇を持て余した拙僧は奥の方、ナナチ殿の寝室へ行きまする。
「ん。ドーマン、どうしたんだ?」
「ンン、少しばかり探索をと思いまして。ナナチ殿、構いませぬかな?」
「んなぁー………ああ、いいぜ」
「ンンンンン!では遠慮なく!」
寝室を仕切っているカーテンをくぐると、
ええ、まあ、おりますよねェ。成れ果てとなられたミーティ殿が。
「ドーマン?何かあった…こ、これはっ」
「ンンンンー?目で見る限りでは人には見えませぬが、これは確かに人でありまするな……ナナチ殿?どうか、説明していただけますでしょうか」
「…………んなぁー、いいぜ。どうせ話そうと思ってたしなぁ」