怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです   作:S・DOMAN

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忘れもしませぬ。あれは拙僧が老いたる獣の秘湯を発見していたころ・・・19

ナナチ殿の口から語られたのは、拙僧にしてみれば一度聞き、そしてナナチ殿の記憶の中で視たもの。ですがそれは無垢なる幼子二人には些か衝撃的だったようでありまする。

 

 

 

 

「そんな、そんなことが…」

 

 

「ね、ねえドーマン!ミーティのこと、オンミョージュツでどうにかできないの!?」

 

 

「ンンン……出来ないと言えば、ウソになりまする」

 

 

「できるのか?!で、でもどうやって?成れ果てた人間をもとに戻すなんて、あのボンドルドでもできっこないぜ?」

 

 

「…説明するには、少しばかり時間がかかりまするが。よろしいですかな?」

 

 

「おう、頼むッ!!」

 

 

 

 

ナナチ殿がミーティ殿を抱える腕に力を込めるのを見ながら、拙僧は己の術について話し始めます。

 

 

 

 

「拙僧の扱おうとしておりますものは、一般に外法などと呼ばれるものにございまする。人体の錬成、その一端―――まあ変質ですので、厳密には違いますが」

 

「もしもミーティ殿の魂までもが変質していれば、またややこしいことになっていたのですがねェ?ミーティ殿の魂は肉体という檻に囚われたまま、成れ果てた後にむしろ純化されておりますれば、その必要も無いでしょう」

 

「極端な話、魂は癒やさずとも良いとして。問題は体ですが……やはり変質させるしか、ないでしょうなァ」

 

 

「んんぅ?どういう、ことだ?」

 

 

「つまりはですねェ、さらに成れ果てさせるのです。もちろん、簡単に言えばですが」

 

 

 

 

絶句する皆様を置いて、拙僧は続けます。

 

 

 

 

「ああ、別に酷いことをする訳ではありませぬ。ミーティ殿の肉体を変質させて、さらに良く(・・)成れ果てておられるナナチ殿の肉体により近い形に組み替えるのですよ」

 

「肉体さえ持って来れられたなら、記憶も肉体に引っ張ってこられまするので。まあそれ故に、肉体を変質させるのが難しいワケですが」

 

「問題は不死の肉体をどのようにして変質させるか(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)、でありますぞ。ンンンンン、実に悩ましい。どうしたものか…」

 

 

「………ほんとうに、本当に、治せるんだな?ミーティを」

 

 

「ンンン!ええ、ええ。治せますとも!心配せずとも拙僧がどうにかいたしましょう!」

 

 

 

 

拙僧がそう言うと、ナナチ殿は感極まってついには泣き出してしまいました。

 

 

ンンンンン!いやあ、しかし!今日ほどこの拙僧のよく回る口に感謝したい日はありませぬ!ナナチ殿からミーティ殿を癒やす、実質的な許可をいただいたのですから!

 

 

ああ、ああ!これでまた目的に一歩近づいたワケです!もうすぐ叶うのです、拙僧の悲願が!!もう、すぐそこでありますれば!!

 

 

 

 

拙僧の、受肉が!!

 

 

 

 

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