怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです   作:S・DOMAN

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忘れもしませぬ。あれは拙僧が老いたる獣の秘湯を発見していたころ・・・23

ドーマンがあの球の中に入ってから一日が経った。

 

 

 

 

「ドーマン遅いねー。一体あの中で何やってるのかなー?」

 

 

「うーむ。ボクは医学にはあまり詳しくないから、よくわからないな」

 

 

「…まあ、ドーマンだしきっと大丈夫でしょ!」

 

 

「……ああ、そうだな」

 

 

 

 

うーん、こいつらは今までドーマンといっしょにここ(深界四層)まで降りてきたみたいだけど。

 

 

こいつらの中でドーマンっていうのはどんな存在なんだ?

 

 

 

 

「んなぁ~…そういやよぅ。オマエらから見たドーマンってどんな奴なんだ?」

 

 

「え?うーん……どんな人、って一言でパシッて決められないっていうか。うーん………?」

 

 

「…やはり、『度し難いヤツ』ではないか?」

 

 

「んな?どーいうことだ、レグ?」

 

 

「……恐らくだが、ドーマンの心の中を完璧に理解できる人間なんて、この世界には存在しない、と思う」

 

「ドーマンは確かに優しい人間だよ。僕たちの冒険を助けてくれるし、今までもドーマンがいなければ危機に陥っていたような時は何度もあった………思い返せばその度に、ドーマンが助けてくれたな。僕の『火葬砲』の時も……」

 

 

「あっ!『火葬砲(インシネレーター)』!!あの時はスゴかったねー!」

 

 

「んなぁー、その機械の腕のことか?ただ伸びるだけじゃねーんだな」

 

 

「うんっ!!そりゃぁモチロン!レグはすごいんだよー、私がナキカバネに襲われた時も、ドーマンより早く(・・・・・・・・)助けてくれたし!そのときにねー、すっごい太い光線を出したんだよ!地形が変わっちゃうぐらいの!」

 

 

「……へぇーそーなのか。やるじゃねぇか、レグ」

 

 

「む。むぅ、照れるな…」

 

 

 

 

ああ、そうだったのか。

 

 

こいつらの話し方や表情を見れば分かる。例えドーマンがいなくてもこいつらは奈落に挑み、なんやかんやありながらもオイラの前に現れるんだろう。

 

 

もしも、ドーマンがいなかったら…

 

 

 

オイラはレグにミーティを殺してもらってたんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

(ああ、しかし。これは何とも扱いづらい…)

 

 

 

 

『殻』の中に閉じこもって既に一日が経っているというのに、拙僧は未だ英霊のままでありました。

 

 

 

(不死の肉体とは、これほどまでに複雑なものですか!唯人と比べて明らかに人間離れ(・・・・)している。ンンン、どうしましょうかねェ?)

 

 

 

 

拙僧のこの肉体のもといた世界ではどうかは分かりませんが。この世界における不死とは、祝福にございまする。

 

 

祝福とはそれを受けた本人にしか扱うことのできぬモノだと、そのように聞いておりました。

ですので拙僧は、その本人に成り代わる(・・・・・)事でその祝福を奪い取ろうとしたのですが……どうやらそう上手くはいかないようなのです。

 

 

『魂の紋』…ンンンンン。非常に興味深い……

 

 

どうにかしてこれを欺かなければならぬ。何か、冴えたやり方は無いものか。

 

 

喉元までは出かかっておるのです、必要なのは只一つの閃きのみ…

 

 

 

 

………嗚呼、ああ!なるほど!斯様なものでありましたか、魂というものは!

 

 

ふふふふふ、あの暗殺者が魂を飴細工であると揶揄した理由が分かりました!ああ、なんともはや。これは……ンンン、

 

 

 

実に、実に度し難い。

 

 

 

 

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