怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです   作:S・DOMAN

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(毎日投稿から不定期になっちゃったので)初投稿です。


ちょっと内容が太い()です。


忘れもしませぬ。あれは拙僧が黎明卿と一緒にカートリッジを作っていたころ・・・31

ハマシラマの寄せ鍋を食した後、拙僧らは『前線基地』を一望できる丘の上に立っておりました。

 

 

しかし絶景ですなァ!この世界の技術ではどうやっても再現できないでしょうに。よくもここまで整備できたものです。

 

 

かの黎明卿の周辺だけ技術レベルがオカシイと思うのですよ。

 

 

 

 

「あの建物ゆっくり回ってる……どうなってるの?」

 

 

「どうやって回ってるかはオイラにもわかんねぇ。ま、入口ならわかるけどよー。ほら、あそこに回ってない部分があるだろ?出入口は基本あそこしか無いんだよ」

 

 

「ナナチ…アタシたち大丈夫かなぁ?またアイツに捕まって実験動物にされたりしないかな?」

 

 

「んなぁ…オマエら、一塊になって絶対に離れるんじゃねえぞ。離れたら最後、バラバラに『祈手』に連れ去られてみんな仲良くモルモットだ」

 

 

 

 

まあ警戒してもしすぎることは無いでしょう。お二人にとっては何かと感慨深い場所でしょうからねェ。

 

 

なにせお二人が成れ果てられた場所なのですから。

 

 

…何か良からぬ事が起こってもすぐに対処できるよう、式神の調整をしておかねばなりますまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

基地の入り口に近づくと、緑色の探窟用装備を着けた女子が出迎えてくれました。

 

 

 

 

「アンタらがパパの客?ずいぶんとちっこいじゃない!…まあ、一人は超でっかいけど」

 

 

「ッ…なあナナチ、知り合いか?」

 

 

「いや、違う。オイラの後に来たみたいだ」

 

 

「しっかしアンタらよくここまで来れたわねー。どーやって来たんだ?」

 

 

「……支え水の、結晶を…」

 

 

「ウッソォ!?支え水の結晶を渡ってきたの?あんなのいつ崩れるかわ分かんないじゃない!」

 

 

(んなぁー!おいレグ、あまり相手に情報を渡すんじゃねー!『情報は力』だぞ!)

 

 

(そ、そうだった!すまない!)

 

 

「嘘ついたってわかるんだからね!アタシ見たことあるし…ねえホントはどうやって来たのさ!」

 

「ねーえー!こーたーえーてーよ!!」

 

「なーあー、なんか喋ってよ…ウソって言ったの怒ってるのか?そうだ!アタシの帽子さわってみる?」

 

 

(なんなんだこのユルさ…ど、どうしたらいいんだ!四人とも見てないで助けてくれ!)

 

 

「は、話してぇ…つらいぃ……あっ!」

 

「名前だ!アタシ、プルシュカ!アンタらは?」

 

 

「レ、レグだ」

 

 

「私はリコ!」

 

 

「わぁっ…!こっちの二人は?うーん、ふかふかしててかわいいわねー…ねえ、その耳ホンモノ?喋れるの?!」

 

 

「ん、んなぁー…」

 

 

 

 

ンンン、拙僧だけスルーされておりますが…なぜです?やはり幼子には拙僧は恐ろしく感じるのでしょうか…

 

 

いえ、おかしいですね…彼女は『さおはぶ』卿にも物怖じせずコミュニケーションをとっていけるほどメンタルが強いお方ですから、単純に興味がなかっただけなのでしょうな…

 

 

ソソソ、拙僧は悲しい…

 

 

 

 

 

 

「あっ、パパ!」

 

 

 

 

 

 

レグ殿らがプルシュカ殿と戯れていると、奥から複数の足跡が聞こえてくるのが分かりました。

 

 

目をやれば、そこには表面に青く光る不思議な文様が描かれたヘルメットを被った者たちがおりました。

 

 

中でも、その集団のリーダー格であろう人物のヘルメットは紫色の光を放っております。

 

 

 

 

ああ、ああ!ついに(まみ)えることとなりましたか!

 

 

かの白笛が一人、黎明卿『新しきボンドルド』!そしてその隷下の探窟隊『祈り手(アンブラハンズ)』!

 

 

 

 

まるで死体に群がる小蝿のようですなァ?いったいどれほどの数がいるのでしょうかねェ…彼奴らはここで完全に滅ぼしておかねばならぬゆえ、あまり多すぎては困るのですが。

 

 

 

 

「やあ皆さん。よく来てくれました。ナナチ、元気そうで何よりです。その帽子、よく似合っていますよ」

 

「それに……おやおや、あなたはミーティですか?先日あなたの『肉電球』が消えていたので、てっきりナナチがついに成し遂げた(・・・・・)のかと思ったのですが…」

 

 

「おめでとう、ナナチ。ミーティ。これでまた仲良く二人で過ごすことができますね」

 

 

「こ、コイツ…」

 

「レグ、抑えろ!」

 

 

「ああ、見たところ貴方がリーダーでしょうか?……おやおや!貴方は笛を持っておられないのですか?」

 

 

「いえいえお気になさらず。実は、原生生物に襲われた際に奪われてしまいまして…ですがご安心召されよ、すぐに新しい笛を見繕いまするゆえ」

 

 

「おやおやおやおや、ですが皆さんは『絶界行』をされるのでしょう?ここに来る方は皆、そのために来るのですから。それともその前に一度地上へ戻られるのですか?」

 

 

「ふふふ!まさか、ご冗談を!せっかくここまで来たのです。再び地上に上がることなぞ我らの誰も、考えておりませぬとも!」

 

 

「おや、それは勇敢ですねぇ……ところでお名前をお伺いしてもよろしいですか?」

 

 

「…人の名を聞く前に、先ず自分が名乗られては如何ですかな?」

 

 

「ああ、そういえばまだ名乗っていませんでしたね」

 

 

 

 

「私はボンドルド、奈落の探窟家です。黎明卿と人は呼びます」

 

 

「ンンン、そうですねェ…では拙僧も名乗らせていただきましょう」

 

「拙僧はキャスター・リンボと申す法師陰陽師にて。今は探掘家の真似事なぞやっておりまする」

 

「どうか、以後お見知りおきを。黎明卿殿?」

 

 

 

 

 

 

「皆さん、今日はお疲れでしょう。立ち話もなんですから休まれてはいかがですか?部屋を用意しておきました。私が案内しますよ」

 

「プルシュカ、ついてきてくれますか?どうかあなたに部屋の説明をお願いしたいのです」

 

 

「うん!まっかせてー!じゃあ行くよ!」

 

 

 

 

そう言って走っていくプルシュカ殿の後を、拙僧らはボンドルド殿と一緒に追いかけていきました。

 

 

後ろではただ立ち尽くすのみの『祈手』が拙僧らを見つめるばかりでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

当初の計画よりも大幅なズレ(・・)ができてしまいました。

 

 

ナナチたちと共にこの基地へ来た彼らこそが。プルシュカを『完成』させてくれるのだと考えておりましたが………

 

 

一人見慣れない人物がおられました。

 

 

途中からナナチが視界をふさぐような目隠しをしていたせいで、視界の覗き見が困難だったうえ、今ではもう覗き見という行為自体が不可能になっています。その時に彼らの隊のメンバーとなったのでしょうが…

 

 

恐らくミーティを復活させたのも彼の仕業なのでしょう。ああ。実に、実に興味深い。

 

 

私の知らない法師、陰陽師という職業、私の知らない技術…そして何より、私の知らない知識……

 

 

 

 

ああ。ぜひ、欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちらが部屋になります。」

 

 

「掃除したのはアタシなんだよー!」

 

 

 

 

ほォう?中々良い部屋ですねェ…地上では安宿となるのでしょうが、深界五層では五ッ星ホテルのように思えてくるのはとても面白い事ですなァ。

 

まあ、唯一気に食わぬことがあるとするならば。

 

 

 

拙僧とそれ以外の隊員とで部屋が分けられている(・・・・・・・)事ぐらいでしょうか?

 

 

 

…いえ、普通に考えれば当たり前なのですがね?……まあ良いでしょう。どうせ拙僧にとっては大きな障害とはなりえませぬゆえ。

 

 

 

 

「じゃあドーマン!また明日ね!」

 

 

「ええ、よい夢を。リコ殿」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ~ん……トイレぇ~…」

 

 

 

ここに来るまでに予想以上に疲れていたのか、ベッドに横になった瞬間意識が落ちてしまった。

 

 

夜中に起きることもなくぐっすり眠れるかと思ってたけど、さすがに尿意には抗えずスベスベなシーツの呪縛から逃れようと身をよじらせる。この年になってまでお漏らしなんてしてたら、ドーマンやリーダーになんて言われるか…

 

 

 

 

「『枢機へ還す光(スパラグモス)』」     「『枢機へ還す光(スパラグモス)』」

            「『枢機へ還す光(スパラグモス)』」

 

 

 

「ふふふふふふふ、邪魔ですぞ?死ねェい!」

 

「おわわわわわわわわ!!!おろしてくれドーマンうぅぅぅぅ!!!」

              「んなななななあッ!!」

「わばばばばばば?!」

 

 

 

 

………何の音?部屋の外で“ピシュゥゥン”って音が何回も聞こえる。それと一緒にドーマン達の声が…

 

 

 

 

「ッええ!?ドーマン?!ちょっとー!!」

 

 

 

 

私は探掘用の装備をつけることも忘れて、急いでドアを開けると―――

 

 

 

 

増援

             「新たな増援

         「増援」

 「増援

 

 

『『『枢機へ還す光』』』

 

 

 

 

「………えっ?」

 

 

 

三人の『祈手』たちの仮面から放たれた青色(・・)の光線が、私の方へ向かってきて―――

 

 

 

 

「急々如律令!!」

 

 

 

 

私たちは部屋に置いてあった荷物と一緒に〈前線基地〉の外にいた。

 

 

 

ドーマンだけが、ここにいない。

 

 

 

 




ここからどうするか考えてないんで疾走します。


はしるーはしるー♪オレーたーちー♪
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