怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです   作:S・DOMAN

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“青髪の子供”1

 

 

 

「連絡は取れなかったのか?音声通信は不可能とはいえ、石塔信号*1ならば通じるだろう?」

 

 

「いえ、駄目でした。他の物は無事だったのですが、前線基地の物だけ(・・)爆発しました」

 

 

「……なにか凄まじい量のエネルギーを一度に注ぎ込まれたのか?」

 

 

「それ以外には(破裂させる方法が)ありませんので、そうでしょう」

 

 

 快癒卿の推察は即座に肯定された。それ以外に理由が考えられないので、当然と言えば当然だが。

 だがそうなると新たな疑問が湧いてくる。あのボンドルドが間違えて(・・・・)、通信機に莫大な電気を流すなんてヘマをするだろうか?いや、するはずがない。

 

 

「ふーむ……今から五層までババアを送り込むのも下策だろうし…アアーーッ!!イタイイタイイタイ!わかったわかった!」

 

 

「ハぁ、このバカは……で?これからどうするつもりなんだい?」

 

 

 

 

「これは完全に直感だが……今回の祈手(アンブラハンズ)の大量殺害事件と前線基地(イドフロント)の消失。どうも無関係じゃないような気がする」

 

 

 

 

「―――いや待て、理由を思いついた。おい君ィ!通信室まで案内しろ!」

 

 

「かしこまりました」

 

 

「おいオーゼン。荷物運び、手伝ってもらうぞ」

 

 

「はいはい」

 

 

 

 

 

 

「こちらが通信室になります。まだ瓦礫の撤去中ですのであまり近づかれないほうが―――」

 

 

駄目だ!瓦礫は撤去せずにそのまま残しておけ!」

 

 

「……かしこまりました」

 

 

「―――この感覚」

 

 

「ああ、なんとなく感じるだろう?あの文字から感じていた不気味な感覚と、全く同じものをだ」

 

 

「……じゃあ何だい?犯人は()で手練れの探掘家をダース単位で殺す計画を練っておきながら、前線基地(イドフロント)まで行ってボンドルドを殺したっていうのかい?いくら遺物でもそんなイカレたことできないと思うけどねェ」

 

 

「それ以外に何が考えられるか?これ以上しっくりくる推測もなかなか無いぞ」

 

 

「……にわかには信じがたいが…」

 

 

「いや。遺物ならばあり得るだろう」

 

 

「それを言ってしまえばお終いだろう?死人だって生き返らせる魔法の品なんだからさぁ」

 

 

「それはそうだが……ではそれ以外に何があるというんだ?」

 

 

 師弟が問答を交わしていると、慌ただしく作業をしていた職員が一人近づいてきて、オーゼンに話しかける。

 

 

「すみませんオーゼン様」

 

 

「あァン?何だい」

 

 

青髪のメイド服姿の子供(・・・・・・・・・・・)が先ほどこちらを訪ねてきまして……オーゼン殿に渡したいものがある、と」

 

 

「―――付き添いは?」

 

 

「いえ、一人だけ(・・・・)です。渡したあとはすぐに帰ってしまい…」

 

 

「……ほうほうほうホウ?こりゃァまたキナ臭くなってきたな…」

 

 

 

*1
メイドインアビス版モールス信号

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