怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
「来たれ、暗黒の帳」
「太陽は此処に生まれ変わる」
「疑似神格並列接続。暗黒太陽、臨界!」
「さあ見るがいい!之こそが貴様を灼き尽くす、暗黒の太陽なるぞ!」
やった!最早この術式は我が手中に無い!なれば拙僧に対する妨害も意味を成さないのです!
ンンふふふふ、拙僧の勝利です。残念でしたァ―――
残っていた他の祈手達の明星へ登るは全て妨害され、彼に届きませんでした。ですが唯一、私のものだけが彼に届き
彼の体を2つに裂きました。
彼が苦しみ、悶えながら落ちていきます。
ですが日は昇ったまま。むしろ先程よりも大きくなっています。
もはや打つ手はありませんでした。黒い太陽は煌めき、その外周をぐるりと囲む目は、全て限界まで見開かれ私を見つめています。
そこから暗黒の波動が放出されて私に迫ってくるのを見たとき、太陽の前に黒い人影があるのを見た気がしました。
波は私を覆い、そして私を追い越しました。通り過ぎた後少し遅れて激痛が走ります。生理的反応から思わず私は蹲ります。
彼の体が堕ちてゆきます。私の体の激痛は、ますますひどくなっていきます。まるで…そう、まるで。
私が私で無くなっていくような…?
この痛みの意味を理解した瞬間、私の体が変形を始めます。祝福を授かった時とはまた違う。これは、なにか、もっとおぞましいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
「ン"ン"ッ。ふフフ、我ながら何と恐ろしい呪術であろうか…」
拙僧の誇る最強宝具(他にサーヴァントがおりませんので、逆説的に拙僧が最強なのです)。『狂瀾怒濤、悪霊左府』は、ざっくりと言ってしまえば『対象となった生物を成れ果てさせて、そのモノ達で蠱毒(呪術の一種)を行わせる』もの。
この対象はズバリ、都全体。都市の総ては我が悪霊左府の内側なれば!あらゆる民草、権力者を都諸共殺し尽くすのです。
ああ、もっと多く話していたいのですが…そろそろ拙僧地面に激突してしまいそうで。受け身を取らねばなりませぬゆえ、このあたりと致しましょう。
「あ"あ"ぁ、がッ、グうぅぅ…リ、リンボドの。素晴ラしい……このよウナ技を持っていタ”ト”ハ”」
「ふ、フフフ…ええ、貴方もです。まさかあれほどの光線を、同時に撃てたとは。して、やられました……」
何とかボンドルド殿の近くに落ちられました。ですが、拙僧も激痛を堪えるのに必死で…
あとは、このまま緩やかに死んでゆくのみです。
「アア”ア”、スバラしい、素晴らシイ、素バララッガアアアアア!!???」
もう、考えることも億劫になってきました。他の祈手たちも私と同じ状況なのでしょう。『
層を跨いで同期することはできない。地上の祈手との定期連絡も絶えて久しい。
詰み、ですか。
ああ、私がここで終わってしまうなら…せめて彼と相討ちにならなければ良かったのに。
彼の太陽がこの深淵をどこまで照らしてゆくのか、あの暗黒の太陽は、一体どこまで沈んでいくのか。
知りタカった。
「ンン…まだ、意識を。保っておられるならば…どうか、お聞きくだされ」
…何でしょョウカ?
「この戦いが終わった後、拙僧達と、共に…」
(…ああ。私の何もかもが、ここで終わるならば)
(それもまた、よいのかもしれませんね)
ワタしももう、意識が…。オソラク彼も、そロソロ限カ、い………
(―――ああ、なんと素晴らしい)
ここが、私の意識の限界でした。
(猟犬の剣技が使いにくすぎるんで)失踪します。
猟犬のステップに慣れると使いづらく感じる…感じませんか?