怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
拙僧は只今、レグ殿の強化アイテムが手に入ったと思ったらそれが役立たずであったという、何とも言えぬやるせなさに打ちひしがれておりまする。
ああー…しばらく動けませぬぞこれは…
「なんと…なんという…」
「そ、そんなに気を落とさなくてもいいんじゃない…?」
「ああ…多分。いや、絶対慣れてみせるから!これも船酔いとかと同じヤツだと思うから、だからドーマン、ドーマン?…オーイ!」
「んなぁ…オマエらさー、なんでこんな面白いコトになってんの?」
「あ、ナナチ!」
「実は…」
「ほーん、レグの強化ねー…でそれが大コケしたと!そりゃケッサクだな!まぁそれはそれとして飯にしようぜ?ミーティが腹減ったらしいからよ」
「ナナチ…君はよくそんなに食べれるな…」
「なははー言うなよ…それにさ、腹いっぱい飯食っときゃ気が滅入る事も忘れちまうもんだぜ?」
ナナチ殿はそう笑い、うなだれている拙僧の頭にポンと手を置かれます。
くッ、やわらかいですね。そのまま撫でて下され…ンン、フカフカですなぁ…
「ほら、そんなにいじけてないでこっち来いよドーマン。リコが火ぃ起こしてくれたぜ?この前雪に埋めてたハマシラマがまだ残ってるから、アレで寄せ鍋にしようぜー?」
「…………ええ、そうしましょうか…」
「タメたな~~~!」
拙僧が立ち上がると、ナナチ殿はそのまま拙僧の手を引いて行きます。
このような幼子に気を使われるほどに拙僧はみっともない姿を晒していたのでしょうか?そう考えると今更になって気恥ずかしくなってしまいます。ふふ、拙僧らしくもない…
ですが不思議と嫌な気持ちはしないのです。不死身になり圧倒的な力も手に入れたというのに。
(ンンン……ひとまず今後の最重要課題は、向こうで泣きながら鍋を食しておられるプルシュカ殿の懐柔、ですかねェ…)
なんともメンドクサイ…ンンン!失礼、やりがいのある仕事でありましょうか!いざとなれば洗脳してしまえばよろしいので気楽にやりましょうか。
少なくともミーティ殿を人型に戻した時よりかは難易度が低いのですから。
「うぅー、グズッ……ぱぱぁ…ぱぱぁ…」
…ンンン、拙僧泣いておる子供のあやし方なぞ知りませぬぞ?一体どうしたものか…
ですが悲しみながらも、リコ殿の作るハマシラマの鍋を食すだけの元気はあるのですなぁ。ンフフ!元気なのは良いことです!
―――ん?この感覚は…
「うわぁ!?ど、ドーマン!!そいつは…っ!!」
「…えーっと…あーっ!!
「おやめなされ!こう見えて顕光殿は繊細なる心の持ち主、そのような心無き言葉を掛けられると―――」
『『『掛けられると…?』』』
「二日は寝込まれまする」
「あ、寝込むんだ…」
「呪わないんだね!」
「………顕光殿も元は人間ですから、そこまで常識の無いことはせぬでしょう」
「タメたなー…」
またまたまたまた失踪します。