怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです   作:S・DOMAN

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クォーロ→クオロ→クロオ→間黒男→ブラック・ジャック???

ホントかなー


“青髪の子供”2

「クォーロ、私はちょっと出てくるよ。帰りは遅くなるかもしれないから先に寝ときな」

 

 

「飯は一応持っていっておけよ?」

 

 

「……言われずとも分かってるよ」

 

 

「いーや。その反応は十中八九忘れて―――アァーーッ゛!」

 

 

 

 

 クォーロを締め上げた後、私は少しばかり早足になりながら道を駆けていた。

 あの職員が伝えてきた人相はマルルクのそれと酷似していた。あの奇抜な格好は私の趣味ではない。ないったらないのだ。ああいう服を着せとくとこういう時に役に立つのさ。

 届けられた荷物はオースじゃ大して珍しくもない菓子の一種だった。だが念の為手は付けていない、そもそも届けた人間の存在自体が怪しい(・・・・・・・・)からである。

 聞くところの風貌は完全にマルルクのものだが、それに扮した別人の可能性だってある。そいつが悪意を持っているとするなら尚更だろう。

 

 

「ンん?こっちか…?」

 

 

 白笛としてのカン(あてずっぽう)と周囲の人間からの聞き込みから、場所の把握はある程度済んでいる。後は追いつくのみ―――

 

 

 

 

 

 

「………マルルク」

 

 

「―――どうされましたか?お師さま」

 

 

 そして、そこに居たのは見知った顔だった。

 青と白で構成されたメイド服を着てマルルクはそこにいた。

 何でもないように日傘も差さず(・・・・・・)に、一人で外を出歩いていたのだ。

 

 

「マルルク。いつもの傘はどうしたんだい?」

 

 

「ああ!実はアレ、要らなくなったんです」

 

 

「…」

 

 

「あの時ドーマンさんに抱きしめられて……あれから陽の下に出てもなんともならなくなったんですよ!」

 

 

「………もういい

 

 

「え?お、お師さま?どうされましたか?」

 

 

「その三文芝居をとっとと止めろと言っているんだ。マルルクはねぇ、自分の体にそんな重大な変化が起こって、それを私にも、〈地臥せり〉の連中にも伝えないなんて子じゃあないんだよ」

 

 

「…」

 

 

「アンタ、いったい何処の誰だ?マルルクの中にいるのは何処のどいつだい。とっとと答えないと…その首叩き折るよ?

 

 

 沈黙が耳に痛い。私が問いかけてみれば、マルルク―――いや、眼の前の不審者は表情を失い、瞳の奥に全く光を宿さなくなった。

 

 痺れを切らした私が戦闘準備を、と思い、地面に手を置くと、コイツが口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そのような蛮行、この身体に働くことなど出来ぬでしょうに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 マルルクの口から出てきた声は一応、マルルク本人のモノではあった。だが口調は似ても似つかない……忌々しいことに、私はこの口調に聞き覚えがある。

 

 そう。あの時ライザの娘らの付き添いで潜っていた、笛すら持たない、道化の格好をした大男。監視基地での戦闘においてこの私に膝を付かせた正真正銘の化物(バケモノ)。彼女らにドーマンと呼ばれていた男の特徴的な物言いが、マルルクの口から発せられていた。

 

 

―――へぇ?あの時の道化かい。いったいどうやったんだい、ソレ

 

 

「ンン!?何と!拙僧のことを覚えていらしたのですか?それはまた何とも…!ああ、いえいえ。申し訳ありませぬ、少し取り乱しました」

 

「そうそう。拙僧がどの様にしてマルルク殿の身体を奪ったのか、でしたかな?………それはご想像にお任せしますとも!オーゼン殿が眠っておられる間に何かしらの遺物を使用したのでしょうか?それとも監視基地にて調理した食材に、何かしらの細工が仕掛けられていたのでしょうか?それとも…」

 

 

 

「別れ際に拙僧がマルルク殿と抱き合った時、何らかの遺物が使用されたのですかなァ?」

 

 

 

「さてさて!いったいどれなのでしょうねェ!?」

 

 

 

 眼の前のコレが言い終わるが早いか、私は掴んでいた地面を抉り出し、勢いよく投擲していた。

 

 

「フフハハハハハハ!!良い!実に良いですなァその御尊顔!あぁなんとスバラシイ!!」

 

 

「煩い。その声で喚くな」

 

 

 マルルク……いや。ドーマンは宙へと飛び上がった。そして、どこからともなく紙状の遺物を取り出すと、それはたちまち紫電を迸るようになり、私に向けて放ってくる。

 

 

「さてさて、戦闘開始。というヤツですかな?」

 

 

 

『 』

 

 

 

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