怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
なんで左クリックが攻撃じゃないんです?
あの愉快な子どもたちと……いや。あの男の率いる隊と別れた後、僕はベラフと今後の予定について話していた。今は見張り役の住民を三名ほどつけている。それに加え明日からは、ウチの住民の中でも愛嬌のある者を当てる。なんとか彼らを懐柔できれば僕らの“救い”になると思うんだけどねぇ…
『確かにあの男……我々の滅びとなりそうだ』
「でしょー?でもさぁ、あのイカした見た目!アレいいよねー!ここに来る前は何かしら演劇でもやってたのかな?」
『…やはりお前は変わらないな。“神がかりの預言者”は未だ健在ということか』
「……まあねぇ…」
そう言って茶を一口啜る。少しぬるくなったそれが僕の喉を潤した。飲水の心配をしなくてもいいってのは幸せな事だよねー…
ベラフも僕に続いて口に含むけど、能面のような顔が面白いように歪んで少し震えている。心無しか表面の鱗の光沢が鈍くなっているような気もするね!
「あれぇ。苦かったかな」
『―――ッ!ァ゛ァ゛ッ……口が二つある私のためにわざわざ二杯用意してくれたのはありがたいがこれは流石に…』
「そっかー」
慣れるとクセになるんだけどねぇ、この苦さ。
ワズキャン殿らと別れてしばらく。程なくして皆様の腹の虫がぐうぐうと激しく自己主張を始められましたので、宿を探すより先に腹ごしらえをすることとなりました。
原作でリコ殿が食された“睾丸焼き”なる料理……いったいどのような味なのでしょう!今から楽しみですなぁ。
「女将さ〜ん!なんかこう、甘くて美味しいのください!」
「ハディまえ…」
「………あれぇ?おっかしいなー…」
「リコ殿、どうやらここの住民は独自の言語を持っているようで……ですがご安心召されよ!先程市場にて〈タンゴチョウ〉なる物を購入いたしまして!ここは拙僧にお任せあれ!」
「いつ買ったんだ!?まったく、行動が恐ろしく早いな…」
まぁこの単語帳、拙僧がここに来てから作成した物なのですけれど。他人の記憶を覗けば言語の修得など赤子の手をひねるようなものなれば!
……とは言っても、会話の際にはさすがに単語帳を見なければなりませぬがね。
『御主人!辛くて食欲をそそるような料理はありますかな?』
『あるにゃああるがね、アンタらお金あるんか?』
『……物々交換ではダメでしょうか?今ならば少し奮発しまして、ここの清掃代行も付きまするが…』
『―――あははは!おっもしれーなー!うん、いいぜ。今回はまけといてやるよ。でも早いとこ〈価値〉を取っときな?やっぱ金がなきゃ不便だしよ』
『ソソソソソ……ご忠告痛み入ります。ではそれを人数分…』
『アイヨ!』
睾丸焼き……名前のインパクトも然ることながら、味も大変美味しゅうございました。あの刺激的な味わいは地上では久しく味わっておりませなんだ…
地上で辛味といえば辛子饅頭などがありますが、あれも拙僧の舌を満足させるには力不足。只々管に辛いだけというのは芸がない。
……そういえば、ここに来てから暫くたった頃に食した麻婆豆腐。あれは実に美味でしたなァ…
ああいえ、実際には麻婆豆腐とは似て非なるものでありまして、言うなればそう。“豆腐を抜いた代わりに野菜を多く入れた麻婆”の様なモノ。
あの店主殿、今頃元気にしておられるのでしょうかねぇ?巻き込まれて死んで無ければ良いのですが。まぁきっと大丈夫でしょう。滅多なことでは死なぬであろう顔をしておられましたから!ハハハハハ!
「ドーマン?頼んだのと違うやつが出てきたんだけど…」
「ンン〜?はて、何のことやら!」