怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
朝餉も終わりましたので本日の予定などを皆様方に尋ねますと、それぞれが全く別の行動を取ろうとしていたため、どうしたものかと頭を悩ませておりました。
リコ殿とレグ殿は村全体の探索、ナナチ殿とミーティ殿、プルシュカ殿は商店街巡りをご希望のようですからね。
ンンン、悩ましい。拙僧はいったい何方の班と行動すれば…
などと迷うておりましたら、皆様は拙僧を置いてサッサと行ってしまわれました。皆さま?酷いですぞ…
このように被害者ヅラを被り嘆いておいて言うのも恥ずかしいことですが、実は拙僧、先程から何度も皆様に『早くしないと置いていくよ〜!?』と告げられていたのですよ。ですので、皆様方が急に拙僧に対する慈悲をお捨てになったとか、そういう事ではありませぬのでご心配なく!
……さて。女将殿も食材の下ごしらえのために店の奥へと行ってしまわれたため、とうとう拙僧は一人ぼっちになってしまいました。
…ようやっと一人になれたわけです。ええ、では。
分裂しますか。
「あっ、ドーマン!こっちに来たんだね〜」
「んなぁ…オイラはてっきりリコたちの方に行くもんだとばかり思ってたぜ」
「いえいえ!もちろん拙僧も大分悩みましたとも!」
「へ〜!ドーマンもおみやげとかに興味があるのか?」
「えぇ。まあそんな所です」
ふふふ……久しく会話をしておりませんでしたが、そうでしたそうでした。プルシュカ殿は非常に活動的な御方で…
このような関係の事を水魚の交わりなどというのでしたかな?よくミーティ殿と走り回っている姿などを見かけますが。
「あららぁ〜…行っちまったよ」
「ンフフフフ!元気があって良いではありませぬか!“成れ果て”ておられた頃と比べても、ねェ?」
「……そうだな」
二本の足で立ち、元気に走り回っておられるミーティ殿を見て、ナナチ殿も感慨深そうにしておられます。
…?
「ナナチ殿?ナナチ殿!?」
「―――んなっ」
「ああ、良かった。何やら様子がおかしかったものですから、何事かと心配してしまいましたぞ?」
「…うおぉ。そうだったか、すまねぇなドーマン〜」
そう言ってナナチ殿は走り去ってしまわれました。……なんですかあれ。急に目の輝きが消え失せて、さながら
「またこれは……ミーティ殿も難儀なことですよ」
このまま放っておくのも面白そうですが、十中八九良い方向には転ばぬでしょうし、ここは拙僧が一肌脱いで、今晩にでも感情操作の術を掛けておきましょうかね。
……あの有様を見るに、焼け石に水な気もいたしますが。
「……―――おぉッと!これなるは殲滅卿直筆の手記でありますか!?危ない危ない、買いそびれるところでした…」
ンンン!リコ殿への土産が一つ増えましたな!