怪しさMAXの陰陽師は、奈落の底を目指すようです 作:S・DOMAN
「はー…あのあと結局、ここまでついてきちゃったんですよねー…」
「ふふふ。おやおやァ?拙僧はお邪魔でしたかな?」
孤児院の子供たちに温かぁく見送られた後。拙僧はリコ殿、レグ殿と共に食事を摂っております。
ああ!そうでしたそうでした。説明が必要でしたねぇ?
岸壁街より飛び降り着地した後。お二方は未だ拙僧を警戒しているのか、拙僧より少しばかり離れてヒソヒソと作戦会議なぞやっておりました。
どうやら早く二層まで降りようと急いていたようなのですが、『まだ余裕があるだろう』という事で先に腹を満たす事にしたようです。
“それならば!”と微力ではありますが、拙僧が食材集めを手助けさせていただいたのです。
…何やら鱗が虹色に光っている魚が採れましたのでリコ殿に調理していただきました。リコ殿の味噌汁は大変美味しゅうございましたよ!
原作ではその時に投げ飛ばされてしまった遺物『星の羅針盤』も、リコ殿に投げ飛ばされ手を離れた直後に、彼女の右隣で味噌汁を啜っていた拙僧が見事キャッチしまして。傷一つなく無事でありますれば!心配ご無用です!
しかしまァ、これこそが枢機の姿でありますか。この不可思議なる羅針盤の正体はいったい何なのでしょうねぇ…
握っていると少々活力が湧いてくる感覚がありまするぞ。
「いやぁお邪魔っていうかなんというか……今のところ邪魔ではないしむしろ助かってる。決して!邪魔じゃないん、だが…」
「うん。さっきも珍しいお魚獲ってくれたし………けど…」
「なんというか……うん、そうだな。これは」
『『度し難い、っていうか…』』
「……それ言葉の使い方正しいのですかねェ?」
ンンンンンンン、ヒドイ……拙僧はこんなにも皆様のお役に立っておりまするのに、なぜ怪しまれているのでしょう?不思議ですねェ……
やはりこの身長のせいなのでしょうか?
「いや、そういうわけではないんだが…」
「うーん。なんだろう……なんというか、雰囲気が胡散臭いっていうかー…」
「おやおや、口に出ておりましたか?これは失敬!」
ああ。げに忌々しきはこの前世からの癖、いけませんいけません…早く治しておかなければ。
「それで、このペースで進んでゆくことができれば昼頃には深界二層につくワケでありまするが……その後はどうするのでしょう?そのまま三層に行かれるので?」
「ええ!?奈落に潜るのに
「……ああ!申し訳ありませぬ。何分拙僧オースの街に来てからまだ一月も経っておらぬ身でありまして」
「それでよく奈落に潜ろうって思いましたねー……二層の途中には監視基地っていう施設があるんです。下層に降りる探掘家たちの休憩地点なんですよ!」
「へえ、そんなものがあるのか」
「レグさー孤児院で習ったじゃんか…」
しかしまァなんとも、このようにわざわざ知っている事を繰り返し問うたり聞かされたりしなければならないのは、少しばかりメンドクサイですなぁ。
まあこれも必要経費というモノ。この物語を進めるため、成り立たせるためにも必要不可欠なわけですが!
「ああ!そういえば。自己紹介がまだでしたねェ!」
「え?あ、そーでした!私リコって言います!んでーこっちはレグ」
「レグだ。その……よろしく」
「なんと。どうやらまだまだ警戒されているご様子で……ああ、そうでした。自己紹介でしたね」
「拙僧、名を蘆屋道満と申す法師にて陰陽師───」
「探掘家なぞ、これっぽっちもやったことはありませぬが!ええ!」
「───まあ、何はともあれ、以後、よろしくお願いいたします。リコ殿、レグ殿?」
ええ、ええ。それこそ地の果て。奈落の底まで、ねェ?
「あぁそれと。拙僧に敬語なぞは不要ですよ、リコ殿、レグ殿。拙僧のことはどうか、使い捨ての道具とでも思うてくだされ」
「ほあぁぁぁぁぁ………そ、その!」
「ンン?」
「その、ホウシ?オンミョウジ?っていうのなんなの?!聞いたことない!ねえねえなんなの!!?」
「おい!り、リコ!?何してるんだ!?」
「ンンンンンン!?リコ殿?!鎮まりなされ!鎮まりなされ!!」
感想が嬉しくて……書いちゃった。
多分そろそろ失踪します。