(第三話をちょっと加筆修正しました。そちらもよろしくお願いします)
キコルとの再会から三ヶ月経ち東京にて、俺は既にスーツを装着して9号の出現するタイミングを待っていた。
「原作の記憶からするとここら辺だけど…」
前の10号による基地の襲撃に俺はキコルが心配で我慢出来ず内緒に出撃した。その事でアドニスさんからは咎められた。
『君の気持ちは分かる。しかし、君が過度な介入をして本筋から大きく外れてしまえば、君が危惧している事が起きてしまうだろう。だけど大丈夫だ。彼女らを信じよう──』
『──君が思う程、彼女らは弱くない』
頭の中でアドニスさんの言葉を思い出す。そうだ、彼女達は弱くない。原作でも日比野カフカが怪獣8号だとバレた後も、あの基地の隊員達はより一層訓練に励んでいた。
考えを改めた俺に合わせたように通信越しにアドニスさんの声が聞こえる。
『地下から熱源を探知、来るよ、ダイゴ君』
「はい」
道路の中心に大穴が空く。その穴から蟻の怪獣がウジャウジャと這い出てきた。そこを中心に人々が阿鼻叫喚となり、蜘蛛の子を散らすように逃げる。
俺は大量の怪獣達が地上に出る前に全エネルギーの内三割を込めて光線を放った。
「タアァッ!」
怪獣の出る大穴を一つを潰したとはいえ、大穴は他にも存在する。
「アドニスさん、防衛隊はまだですか?」
『ダイゴ君、防衛隊は今到着した。予定通り、君は西側にいる怪獣8号の下に向かえ』
「了解」
今回の作戦は二つ。一つ、功おじさんの護衛。二つ、怪獣9号の討伐。
「シュアッ!」
俺は全速力で現場の司令部に向かった。
『作戦中失礼する』
「何者だ」
現場の仮説拠点の司令部にて作戦中に通信機器が全てジャックされて混乱に陥ると同時にスーツを身に纏った異形の人間が現れた。
『私はゼットン星人のアドニス。君たちが光の巨人と呼称する存在のスポンサーとして活動している』
「そうか、それで目的は何だ」
司令部が緊張状態の中で四ノ宮功は表面上冷静になって問いかける。それに対してアドニスは落ち着いた声で応える。
『怪獣による人類の被害を減らす…と言えば信じてくれるだろうか』
「信用する要素が無い」
『それでは少しでも信用を得られるように、彼に来てもらおう』
「何…?」
「報告!謎の熱源がこちらに急接近しま…ッ!?」
アドニスの言う
静寂の中に鉄の足音が響く。そして司令部に光の巨人を模した人型が入った。この静かな状況でアドニスが喋る。
『紹介しよう。我らがウルトラマンティガの円ダイゴ君だ』
「そうか、君だったのか…」
「お久しぶりです。功おじさん」
功の呟きに返すように人型…いや、青年はマスクを外して笑みを浮かべる。それに思わず四ノ宮功は微笑する。
「元気そうで良かった。ダイゴ」
『感動の再会に浸りたい所悪いが来るよ、四ノ宮長官』
「シェアァッ!」
「ギャアッ!?」
轟ッ!!の音と共にダイゴは回し蹴りを後ろに放った。それにぶつかったのは気配もなく現れていた怪獣9号だった。
「総員退避ッ!」
非戦闘員が避難する中、四ノ宮功は2号を直ぐに装備して9号を睨む。そして隣でダイゴが構えと取る。
「まさか、君と共に戦うとは」
「聞きたいことが沢山あると思いますが、今はコイツを倒しましょう」
「厄介ダナア…ウルトラマン」
「功おじさん、俺がカバーするので前衛をお願いします」
「いいだろう」
功の前身に9号が接近させまいと4本の触手を向けるが、全てダイゴの光弾に潰される。迎撃を封殺された9号に近づいた四ノ宮功はスーツのパワーを最大戦力まで上げて強く握りしめた拳を9号の土手っ腹にぶつけた。
9号は吹っ飛び司令部のテントから押し出される。幸い避難は迅速に済んだおかげで周りに人はいない。衝撃で動かない9号にダイゴはスパークレンスNEOのブレードを展開させて9号の核に刃を突き立てた。
「終わったか」
「いえ、まだです。さっきコイツと同等の反応が遠くで二つ、それらより強いヤツが此処に来る!」
「予想外ダヨ…ウルトラマン。γヲ完封スルナンテ」
カタコトな言葉と同時に地面から身体を突き出しさっきより強大な怪獣9号が現れた。それを見た四ノ宮功はつぶやく。
「そうか、
「ココカラハ全力ダ、ウルトラマン…!」
おびたたしい数の触手をダイゴ達に向ける。その瞬間、触手達はバラバラにされた。それを節目に髑髏の面に2本の角が生えた人型の怪獣が怪獣9号を殴り飛ばした。
「そうはさせねえぞ、怪獣9号」
「今度こそぶっ倒す」
「ダイゴ!パパ!」
上から日本防衛隊第1部隊長の鳴海弦、怪獣8号の日比野カフカ、そして四ノ宮功の娘でウルトラマンティガことダイゴの幼馴染の四ノ宮キコル。それぞれの戦場でひと段落した時に怪獣9号の狙いが四ノ宮功だったことに気づいて急行した三人である。
「アァ…コレハ無理ガアルナ…撤退ダ」
「逃さん!クッ…!」
穴を掘り逃げようとする9号に怪獣8号と弦は接近して攻撃するが、そこに9号の分体が盾となって逃してしまった。
結果的に怪獣9号には逃げられたものの、ダイゴ達の目的は一部果たされたのであった。
怪獣9号がこの場にいなくなり防衛隊のメンバーと怪獣8号はダイゴに視線が集中してた。そこでアドニスの声が聞こえた。
『さて、此度の戦闘はこれで終了した。次は我々とお話しをする時間だ」
「アドニスさん、それは怪獣災害の事後処理の後でしましょう」
『それもそうだ。それではダイゴ君、連絡係のついでに君は防衛隊の手伝いをしてあげなさい」
「…わかりました」
『それでは防衛隊諸君、彼は君たちに預ける。我々に連絡するなら彼を通してくれ』
それを節目にブツんと通信が切れてアドニスの声が聞こえなくなった。それを節目にダイゴはウルトラマンスーツを解除して私服に戻りスパークレンスNEOを功に投げ渡した。功はスパークレンスNEOをキコルに手渡す。
「ダイゴ」
「はい」
「おかえり」
「…はい。ただいま」
功はそう言うとダイゴの頭を撫でた。ダイゴは笑顔でそう返した。それを節目にキコルがダイゴに飛びついた。
「ダイゴぉ!」
「ぐぉっ!?」
「心配したんだから…!このバカ弟ぉ!」
「ごめん、けど…ただいま。姉さん」
泣きつくキコルの頭をダイゴは救援の部隊がくるまで撫でた。