くそっ!
目の前の状況に思わず心の中で悪態をつく
緊張感と恐怖で血の巡りが速いように感じる中で今までに起こった出来事が走馬灯のようにフラッシュバックした
俺の身に突然起こった異世界召喚?
路地裏でお手本のようなピンチら3人に襲われた所を謎の銀髪美少女サテラに助けて貰った
その恩を返すために彼女が盗られたという徽章を取り返す為に一緒に街を探索してここ「盗品蔵」にたどり着いたと思ったら腹に激痛が走って死んだと思ったら果物屋のおっちゃんの前にいて
また、ここに来たら
目の前でロム爺(ここの多分店主みたいなもん)とフェルト(サテラの徽章を盗んだ張本人)とフェルトの依頼主、エルザとかいうナイスバデーのとんでもないおっかねぇ女との戦いが始まった
「ヤバイ・・・」目の前現状を前にしてそう言わざるおえないな
「大丈夫だ。ロム爺が喧嘩で負けるわけねー。アタシが物心ついた時からロム爺が喧嘩で負けた所なんて見たことないからな」
隣のフェルトが自信満々に言うが正直気休めにもなるかどうかだ。なんなら異世界系のテンプレだとロム爺みたいな外見めちゃくちゃ強そうな奴より、エルザみたいに大して普通の人と外見は変わらない方が強いんだけどな
「ぬおぉぉ!!」
証拠にロム爺の棍棒はエルザにかすりもしてない。それを言ったらエルザの攻撃もロム爺にあたってないがあっちにはうまく言えないが余裕がある
もしロム爺が負けちまったら・・・
もしかして俺死ぬのか・・・
巫山戯んじゃねぇ、せっかく異世界に来たのにそんな簡単に死んでたまるか
それにまだ、あの娘に恩返しすらできてない
だが、俺に何ができる?
ロム爺みたいに人外な膂力があるわけでもない、エルザみたいな身のこなしができるわけでもない
素手じゃ太刀打ちできない。なら、武器だ。武器がいる。ナイフ、刀、いやこの場合近接戦闘だとロム爺の攻撃に巻き込まれるかもしれない
遠距離から攻撃できる弓・・・いや、銃だ銃がいいな
そうだよ!!武器さえあれば俺は戦える!!!
───なら創ればいい
「ッ!?」
なんで俺の手元に急に銃があるんだよ!?いや、今はそんなことを考えてる場合じゃねぇ!
「うおおおおおおおおお!!」
パァンパァンパァンと乾いた音が3連続でなる。銃口から煙がたち、硝煙の匂いがかすかに感じられた
「ッ!?」
「あたった!!」
「なんじゃっ!?」
2発の銃弾が確かにマントに、風穴をあけエルザに身体にのめり込んだ。そして、エルザはその場で倒れ込んだ
「・・・おい、兄ちゃん。何やったんだ?」
「えっと・・・銃で撃った」
「銃?銃って今手に持ってるやつか?これって武器なのかよ?」
「ちょちょ、そんな触んなよ。危ないんだから」
ジロジロと銃を眺めてはベタベタと銃を触りだすフェルトに危機感というか普通に暴発しそうで怖い
「はぁ・・・そんな強い武器を持っとるんじゃったら最初っから使ってくれたらよいものを・・・」.
やれやれと肩をすくめるロム爺
「いや、持ってたつーかいつの間にか俺の手元にあったっていうか・・・」
俺もなんて言えばよくわかないな。事実俺の手にいつの間にか握られてたんだなら
「いつの間にか・・・加護みたいなもんなのかのお?」
「加護?」
「加護っつーのはまぁ、アタシもよく説明できないんだけど世界からの福音で自然とどいうやつで使い方とかがわかんだよ」
「へーー」
やはりそんなファンタジー設定みたいなやつがあるんだな。感心、感心って待てよ
「ってことは遂に俺の能力が目覚めたってことか!?」
そう考えたら命の危機で覚醒した俺の能力。めちゃくちゃかっこいいじゃん!!火神槌。・・・そういえばあの時頭の中に自然とこの言葉が浮かびあがったんだよな
これがこの能力の名前かでも、能力の詳細まではわかんないな
「まぁ、これで一件落着ということで」そう言った矢先
空気を凶刃が切り裂く音がした
「ぬおっ・・・!!」
俺と向かい合っていたロム爺の右腕がいとも容易く切断され反撃することなく喉元を、切り裂かれた。切断面は血のシャワーを吹き出しその巨躯は力なく倒れた
「え・・・?」
なんでこいつは銃弾をうけてこんなに動けるんだ?いや、まず死んだはずでは?
「さっきのは中々に驚いたわ。その武器は初めてみるもの・・・いいえ武器じゃなくてそれもミーティアなのかしら?どちらにせよ、少しは楽しめそうね」
エルザを舌なめずりをして、猛禽類が狩りをするときのような目つきで俺をみつめた
「くっ、クソッタレ!!」
さっきまで動かなかった手足が嘘のように命の危険を感じ取って目の前のやつを殺そうと脳はけたたましくアドレナリンを分泌させるように命令し派手に動く
パァン!パァン!
撃ち込んだ2発の銃弾は一発は切り捨てられ一発は右に避けられた
嘘だろ!もう銃に慣れたのかよ
「おい!アタシも忘れるなよ」
右に避けたエルザに剣を抜いたフェルトが斬りかかった
「あら、あなたも私の相手をしてくれるのね。いいわ、そっちの方が楽しめそうだもの」
一旦エルザとの距離をおいたフェルトは踏み込み、姿が、消えた。それと同時に風が吹きあげる
と、突風が吹き上げるくらい速く動いてるっつーわけか。どうりで、姿が見えないわけだ
頼もしいが、目に見えないから無闇に銃を撃つわけにはいかないな・・・
これにはあのエルザも驚いた素振りを見せたが直ぐに元に戻って顔を紅潮させた
「風の加護。ああ、素敵。世界に愛されているのね、あなた。───嫉ましい」
その表情すらも一変させ憎悪を孕んだ表情となり、腕を振るった
「ぅあ・・・」
たったそれだけでフェルトは左肩から袈裟斬りにされ、地面に叩きつけられ瞳から光が失われた
「は・・・?」
「さて、お爺さんと女の子は倒れてしまったのだけれどあなたはどうするのかしら?」
「そんなの決まってんだろうがぁ!!」
三度、エルザに銃口を向け発砲する。ただひたすらに。ロム爺が死にフェルトが死にその犯人が目の前にいるのにこのまま泣き喚いて今更逃げられるかよ!!
キンッ、キンッ!と金属同士の音と火花が散り、エルザは銃弾を全てククリナイフで撃ち落とた。銃の引き金を引いてもカチッ、カチッと音がなるだけ
「弾切れかよ!」
完全に興奮して弾切れのこと忘れてたな・・・
「あら、もう終わりなの?」
ヤバイ、ヤバイ!!脳内で警鐘が鳴り響く。咄嗟に姿を見失ったエルザを見て銃をそこらへんに投げ、腕を顔の前でクロスさせる
「ッ───」
腹部への回し蹴り。骨がメキメキと嫌な音をたてカベに激しく飛ばされた
「中々良い目をしているようだけれど、体術なんかは全然駄目そうね。カウンターにあっさりひっかかってしまうなんて・・・少しは楽しめると思ったけれど、あの武器がないと駄目なのかしら?」
「・・・・・・・・・」
「もう、いいわ。終わりにしましょう」
エルザは天使のような笑み、それでいて悪魔を宿した瞳で俺を見下ろし腕を振り上げた
「終わってたまるかよ!!」
「ッ───!」
最初から狙いは腹だと予想して間一髪で斬撃を回避して握っていた銃でありったけの鉛玉をぶちこむ
「あぁ・・・痛いわ」
急いでエルザと距離をとりエルザを観察する。手に持っていた兇器は銃弾がめり込んで使えなくなり本人も何発かくらってるはず。流石にこんだけすりゃ・・・
「・・・一体何者だよお前・・・」
目の前の光景に背筋が寒くなる。冷や汗が急に止まらなくなってきた
エルザは背中から隠していた2本のククリナイフを取り出し、不敵な笑みを浮かべ、俺をみつめた
「何もなかったところにいきなり武器が現れた。聞いたことはないけれどそれがあなたの加護かしら?驚いたわ」
驚くのはこっちだっつーの
「あぁ、そうかよ!!」
話している間に空になった弾倉を詰め替えエルザに向け再び発砲する
「でも、少し単調すぎるわね」
「なっ・・・」
今まで最も速い速度で俺の懐に入り込み俺の腹を切り裂いた
「あ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁ!!!」
痛い!?熱い!?腹がっ!?
「あぁ、思った通り。あなたの腸をとてもきれいな色をしているわ」
痛いのかなんなのかよくわからない腹を抑えてただ床にうずくまることしかできないのか?
「痛い? 苦しい? 辛い? 悲しい? 死んじゃいたい?」
こいつに、もう一度抗う術ないのか??
「でも、簡単にはだめ」
そうだ。簡単にやられてたまるか。どうせ、やられるなら、派手にやられてやる。エルザぁお前も道連れだ
爆発に巻き込んでやる
「エルザ」
「何かしら?まだ、そんなにギラギラとした目つきをして。そんなに私を昂ぶらせて」
「死ぬんだったらお前も道連れだ」
「え?」
もう何度目かわからないいつの間にか握られていた手榴弾のピンを俺は抜いた
爆発音とともに俺の肉体は吹き飛ばされた
意見、感想などを書いてくれたら有り難い。何分書くのは初めてなので
〈火神槌〉
能力・・・?????
スバルの行く末
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公爵家へ
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メイザース領へ