「ラプラスの悪魔」
フランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスが18世紀に考えた概念、悪魔
世界全ての原子の質量と運動量をデータとして持ち無限の計算能力を持っている悪魔。言うなればインターネットを使うスーパーコンピュータみたいなもの
もしも、ある瞬間における全ての物質の位置と運動量を知る事ができかつもしもそれら全ての情報を解析、処理する能力を持つ知性が存在するとすれば
───この知性にとっては不確実な事は何もなくなり、その目には未来も過去同様に全て見えているであろう
「確率の解析的理論」より
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「兄ちゃん。どうしたリンガいんのか?」
「・・・・・・・・・ちょいまち。考えてる」
俺の肉体はさっき爆発に巻き込まれて吹き飛んだはずだ。だが、またこのおっちゃんの目の前にいる。しかも、俺の記憶が正しければ3回。うち2回は直前に確かに死を感じた
もしかして、もしかしてだが、俺は死んだら時間が巻き戻る能力を持ってんじゃねーか?
もしそうだとすれば一回目はサテラの様子を見に行って腹に激痛が走り死んだ
2回目も腹を割かれ爆死した
・・・俺この短期間で2回も腹を割かれたのか。そして、いずれも犯人はエルザだ
なるほど、だいたいわかったぜ
「なぁ、おっちゃんサテラって知ってる?」
「なっ・・・急に何言い出すんだよ!」
「え?」
「兄ちゃん、もしかして知らないのか?変な服装して目つき悪いなとは思ってたけど常識も欠けてたか・・・」
「急に憐れんだ目でみんなよ!」
「まっ、悪いことは言わねぇ。その言葉はあまり口に出さない方がいい」
「そんなにヤバい言葉なのか?」
「そうだな」
「じゃあ、サテラって名前の娘いると思うか?」
「子供にそんな最悪の象徴みたいな名前つける親はいないだろ」
「なるほどな」
「で、兄ちゃん。リンガ買うのか」
「ふっ」
俺は息を吸い込んで勢いよく
「俺の名はナツキ・スバル。天上天下唯我独尊の無一文だ!!」
「とっとと、失せろーー!!」
ものすごい怒号をくらってしまった
さて、さっきのおっちゃんから得られた情報をもとにこれからの予定をたてるか
先ず第一にサテラは恐らく偽名である可能性が高いのでもとい銀髪美少女への恩返しだ。この3回目の世界じゃ助けられてないから彼女には俺を助けたって自覚はないかもだけど、それだと俺の気が済まない
そして、第二に徽章だ。徽章は盗品蔵に行けば百パー出会える
最後に第三エルザだ。俺が2回も死んでる原因であるこいつをどうするかだ。1番良いのは遭遇しないことなんだが・・・フェルトから買い取るんだったら必然的にエルザとも会わないといけねえ
エルザに対抗する仲間が必要だな
「っても仲間ねぇ・・・異世界に来たばっかの俺は誰に頼ればいいんだろうな。なぁ、おっさん」
「なぁ、なんて言われても私は知らないよ」
異世界も他所モンには冷たいな・・・
いや、、待てよ。俺最初っから徽章が盗まれる前提で考えてたけど徽章が盗まれなければオールハッピーなのでは!?
「そうと決まれば善は急げだ!」
走って急いでさっきまでいたおっちゃんのところに向かわねば
「はぁ、はぁ、はぁ、なぁおっちゃん」
「なんだ、無一文」
「ここらへんでスリ騒ぎなかったか?」
「そんなもんここらじゃ、珍しくないがさっきのは珍しかったな。魔法が2、3発ぶっ放された」
おっちゃんの視線をおうと建物の壁に穴があいていた
「出遅れたか。徽章が盗まれなければひょっとしてと思ったんだけど・・・」
「何がひょっとするんだ?」
「いや、こっちの話。しかし、おっちゃん無一文の俺に親切に教えてくれてありがとな」
俺が申し訳ない顔でいうとおっちゃんは笑って
「大したこっちゃねぇよ。ついさっき迷子の娘がアンタと同じ無一文に助けられたばっかりだからな」
「あっ」
そうかこの世界でも・・・
「運命の強制力ってやつか・・・」
思わず笑みが溢れる
「何笑ってやがる?」
「いや、何でもねえ。次来るときはリンガ買わせてもらうからな」
「おう!買うんだったらお客様だ。働けよ無一文!!」
おっちゃんの応援?を受けて俺はまた走り出した。んで、行き着いた先があの路地裏か帰巣本能でもここにあんのかね?
「そしてこれも運命の強制力ってか?いい加減お前等にも見飽きたぜトン、チン、カン」
まぁ、実際はそんな名前じゃないだろうけどな
「何ブツブツ言ってやがる!」
「痛い目にあいたくなけりゃ、出すもん出しな!」
さて目の前の三人組をどうするか。銃であっさりと制圧できるだろう。銃はまるで息をするかのように自然に創れるようになっていた
だが、ここで揉め事を起こすのは紳士的じゃねえ。ここは一つ
「助けてーーーーーー衛兵さーーん!!!!」
「んなっ、てめぇ!!」
へへっ、驚いた顔してやがる。っていうことはこの世界にも警察っぽいものが存在してるってことだな
「そこまでだ」
そして颯爽と現れたるは
「燃える赤髪、空色の瞳、龍爪が刻まれた剣。まさか『剣聖』ラインハルト!?」
「自己紹介の必要はなさそうだ。もっともその二つ名はまだ僕には重すぎる・・・さて、これ以上騒ぎを起こさずに通りへ戻るのなら見逃すけどまだ続けるのなら僕は微力を尽くして彼を助けよう」
ラインハルトさん?が一歩前へでると
「じょっ、冗談じゃねぇ!!」
「わりにあわねえ」
「くそっ、覚えてろよ」
と、いかにも小物っぽい台詞を吐いてどこかへ逃げていった
「大丈夫かい?」
俺を気にかけるその姿はまさに騎士。見た目ならず中身もイケメンなのか
「あ、あぁ。この度は助けていただき誠に感謝を申し上げて候」
やべぇ、騎士の前と、思うと口調が変になって・・・
「ははっ、そんな堅苦しくなくていいよ」
「そ、そうかラインハルトさん?」
「ラインハルトでいいよ。そういえばまだ名前を聞いていなかったね」
「俺の名はナツキ・スバル。改めて助けてくれてありがとな、ラインハルト」
「なに礼には及ばないよ。僕は騎士として微力を尽くしたまでさ」
「お、おぅ」
こいつ距離の詰め方エゲツないくらい速いな
「しかしスバルは名前といい格好も見慣れないな。どこから来たんだい?」
「いやー東の果の黄金の国ジパングもとい日本というかなんというか」
「ニホン。聞いたことがない地名だ」
「んまぁ、そこらへんは詮索しないでくれると助かる」
「わかった、そういうことにしておこう。ところで何か困っているんじゃないか?良ければ僕が手伝うけど」
「まっ、マジっ!?じゃあ・・・」
いや、ここで助けて貰ってさらにあんな殺人鬼と戦わないといけないかもしれないのに手伝って貰うのは気が引けるな・・・
「いや、大丈夫だ。その代わりと言っちゃなんだが聞きたい事があるんだがいいか?」
「なんだい。僕に答えられることならなんでも答えるよ」
「全身黒い衣装で、ククリナイフ刃が曲がった刃物を使う妙に腸を切り裂くことに執着している殺人鬼知らないか?」
「・・・ふむ」
さすがにこんだけじゃわからないか。いや、まず知ってるとも限らないもんな
「それは多分腸狩りのことじゃないかな」
「なんだその物騒な名前」
「王都でも今お尋ね者になっていてね。でも、どうしてそんなことを?」
「いや、夢でそんな奴に会う夢を見てさ・・・」
「もしかしてそれは正夢というやつじゃないか?やはり、僕が手伝った方が・・・」
本気で心配そうな顔をする、ラインハルト。今さっき会ったばかりなのにここまで心配してくれるなんて本当に優しいやつなんだな
「いや、大丈夫だ。ラインハルトを巻き込むわけにはいかない。でも、本当にヤバくなったらまた大声でお前のことを呼ぶからその時は頼りにしてるぜ!!」
「わかったそこまで言うのなら。呼ばれたら直ぐに駆けつけると約束しよう」
「おう。所でなんか道案内とかしてくれる場所とかある?」
「道案内・・・多分詰所に行けば教えてもらえる筈だ」
「なるほど・・・ありがとなラインハルト。俺はちょっくら行ってくるとするぜ」
「わかったよ。気をつけるんだよ、スバル」
「わかってるって」
ラインハルトに手を降って大通りに向かって再び足を動かす。さぁ、仲間探しへの旅へ!!
<世界関数>
能力・・・思考能力上昇
作中のスバル君は思考能力がとても上昇していて、物事を冷静に判断しています。スバル君が何が起こっているのかわからないと思ったため異能が発現しました
さて、そんなスバル君は仲間探しに行きますが正直言うと誰を仲間にするか決まってないし仲間見つからなくてもいいんじゃないかなーとも考えています
スバルの行く末
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公爵家へ
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メイザース領へ