ユクリパ "綴られる歴史"   作:ユクリパ

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まず初めに 

この世界での単位や物理法則は地球世界とは異なるが、これを読者諸君にわかりやすくするため地球世界の単位に変換して、表記していることを念頭に置いて読んでくれ。


本編
ユクリパ綴られる歴史 第1話 ”トリガーを引かされた道化”


帝国標準歴78年13月35日

 

帝国東部地域国境線

帝国軍東部軍管区第3軍第2軍団第3師団(以下第323師団と呼称)司令部

 

「プルゥヴ大佐...これは本当かね?間違いではないだろうな?」

 

少将は、戸惑いと苛立ちを隠しきれずに靴先で床を叩きながら、命令書を睨みつけつつ、再度確認する。

だがプルゥヴ大佐も、同じ気持ちのようで歯を食いしばりながら苦々しそうに、少将へ答えた。

 

「はい、間違いなく帝都から東部軍管区を経由して、我ら第323師団宛に出された指示で間違いありません、ですが...少将...本当にこの指示に...?」

 

大佐の返事を聞き終わってから、少将は苛立ちを隠しきれない様子で手に持っていた命令書を無意識のうちに握りしめ、忌々しそうに大佐へと投げ渡した。

 

「プルゥヴ大佐?我々は命令には絶対なのだよ...軍管区も承認した指示ということは、間違いなく上も覚悟を決めているはずだ...引き金を引く役をつかまされたのは腹立たしいが、我々は我々の為すべき職務を果たすだけだ...とにかくだ、各部隊へ準備をするように伝達してくれ」

 

少将は、怒りを抑えこみながら、自分に言い聞かせるかのように大佐へ淡々と語りかけた、そして覚悟を決めたのか、大佐へきっぱりと指示を下し、自らも準備を始めた。

大佐はそれを見て自らの思いに蓋をし、各部隊へ伝達するために司令官室を、退出した。

 

「...はい、了解いたしました、直ちに各部隊へ準備をするように伝達いたします」

 

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      そして時をほぼ同じくして所変わり帝国中心部へ、場面は移る。

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同時刻帝国中央部帝都

帝国軍軍務省通信課

作戦発令室にて。

 

「...そうだ、この指示を東部軍管区へ、コッチは西部軍管区へ送れ。?!これは元帥閣下!わざわざこちら迄いらっしゃらなくとも私の方から出向きましたのに...」

 

作戦発令室内はかなり慌ただしく職員が各々の仕事をしている。

そこにふらっと元帥?がやって来たではないか。

一瞬職員らは元帥を目にとめ、元帥へ一礼し各々の仕事へ戻ったが通信課長は元帥の傍へ慌ただしくドタドタと、近寄って手もみをしながら元帥へ問いかけた。

 

「ん?うむ、別に良い、直接見るのが好きでな...して、東部への伝達はどうなっている?」

 

だが、元帥は通信課長を邪魔くさそうに一瞥し部屋に設置されたパネルを眺めながら、通信課長へ進捗状況の報告を求める。

 

「はい閣下、勿論定刻道理に東部軍管区へ伝達を完了させております。追加の指示も現在伝達中であります。」

 

それに対して通信課長は滞りなくすべて順調だと答えたが、元帥は疑わしそうな目で室内を見渡し、通信課長へ控えめな声で。

 

「うむ、ならばよいが...親衛軍の連中には絶対に気取られるなよ?連中に漏れるとちとまずいでな...」

 

と、話しかけた。

 

「?はい閣下勿論ご命令道理親衛軍には情報を一切伝達しておりませんが...本当に伝達しなくてよろしいので?」

 

通信課長は、不思議そうに首を傾げながら、しかし指示には従い親衛軍へ一切情報を流していないと返事をしつつ、疑問をつい元帥へ問いかけてしまう。

 

「くどい!貴官は与えられた職務に付いていれば良いのだ!余計な詮索は身にならぬ事を理解しているだろう?」

 

元帥は苛立ったように声を荒げ、通信課長を怒鳴りつけて通信課長のであろうデスクを指差し指示を下す。

 

「!はい閣下、私どもは勿論職務に忠実であります!」

 

「ならば早く仕事に戻れ!私の機嫌取りが貴官の職務ではないだろう!」

 

「はい!閣下直ちに! そこと、その書類はそっちだ!西部への追加書類は準備出来ているか!?」

 

通信課長は一瞬ビクンと震えたが、直ぐに元帥へ返答し部下へ指示を出し始めた。

それを見て元帥は満足そうにうなずきながら、室内を再び舐めるように見回してから、出口のドアノブに手を伸ばし。

 

「はい室長!書類一式準備完了しており何時でも送信可能であります!」

 

「よし!今すぐ西部軍管区司令部へ向けておくれ!いいな?」

 

「はい!」

 

一瞬何かを考え込んだのか、扉を開けながら顔を僅かに後ろへ向け、室内へ向けて声を発する。

 

 

「ふむ...順調なようだな、私は別の職務がある故ここらで席を外させてもらおう。諸君の働きぶりはしかと見た、人事にはよく言っておこう。」

 

「「!はい閣下ありがとうございます!」」

 

室内の職員たちは嬉しそうに元帥の方へ顔を向け感謝の言葉を元帥へ述べる。

それを聞いた元帥は満足そうに肩を揺らしながら、今度こそ部屋から間違いなく出て行った。

 

 

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