また、下にリンクを貼っています。(2/1追記)
『今作を読むにあたっての補足』
第1話から第20話までの台本形式だった内容を訂正しました。また、それに伴って一部文章の書き換え、追加、消去を行いました。台本形式の部分が残っていた場合、誤字報告をお願いします。(6/10追記)
1話 転生したら……ウマ娘だった。
突然だが、私はあまり動けない。
理由は単純で全身の筋肉がほぼ無い……というか、身体の全てが縮んでいるのだ。
決してどこかの高校生探偵とかではなく、何か話そうとしても出てくるのは「う…あーあ。」みたいな喃語だけだ。
横をゆっくりと見ると自分と同じように寝ている赤ん坊達がいた。
もぞもぞと動いていると看護士の格好をした人が覗いてきて、
「あら~起きたのね~。」
と、微笑んできた。
……なるほど。つまりは私は何らかの事で赤ん坊になっていて病院で寝かされているのか。
……何故か身体に違和感を覚えた。
音が聞こえすぎるのだ。更には音を感じる場所が何か違う。あと、腰の辺りが何か痒い。
……全く覚えていないが私が赤ん坊の頃はこんな違和感を既に覚えていたのだろうか?
そのような事を考えていると、看護士さんが私を優しく抱っこしてある女性に渡した。
「……ごはんだよ~。」
そう言いつつ出されたのはーーーーだった。
ちょっとまって!私、今こんな姿だけど心は高校生!それも男子!一人称が『私』って言ってるけど普通の男なんだってば!
だからそれを向けるのはー!
赤ん坊の食欲には抗えなかった。
赤ん坊の食事を終えるとそのまま病室に連れてかれた。
そこにはラフな格好の男性がいた。
「おかえり。連れてきたんだね。……パパですよ~。」
「ふふ。まだ言っても分からないわよ。ママですよ~。」
やっぱり私を抱いている女性は私の母で男性は父だった。
母さんが父さんに私を渡し、抱っこする。
「全然泣かないな。大人しいね。」
「そうね。お姉ちゃんの時はあなたに抱かれた時は大泣きしてたのに。」
姉もいるのか。
前世?の時は妹がいたので新鮮だ。
そのまま抱っこし続けられていたが、あることに私は気づいてしまった。
さっきまでは気づいていなかったが父さんに抱かれながら母さんの方を向くと頭の上に耳があり、腰の辺りから毛が生えているのだ。
何で普通の耳ではなく、馬のような耳が付いているんだろうか?あと、髪の毛は凄く長いというわけではないのに。
「この子もきっと走る事になるんだろうなぁ。お姉ちゃんが走る事が好きなウマ娘なんだもん。この子もお姉ちゃんの事を追いかけようとするんだろうね。」
「そうね。もしかしたら私なんかよりもずっと速い子になるかもね。ふふ。」
ちょっと待て。今、【ウマ娘】って言った?
ここで一気に記憶が蘇ってきた。
【ウマ娘プリティーダービー】前世で物凄く人気が出た育成ゲームだ。
高校生だった私はリリースされて少し経った頃からやり始めたが、まぁ、ドはまり。
馬が好きだった前世の母さんと競う程(主にファン獲得数)にプレイしていたのだ。
Sランクのキャラが出来て調子に乗り、S+を作ろうと一念発起していた(受験勉強は?)
え?推しですか?そりゃいっぱいいますが、中でも一番好きなのはオ……。
……このまま話すと止まらなくなりそうなので止める。
閑話休題。
何かそのまま抱っこされ続けながら両親の会話を聞いていると、病室の扉が開いて二人やってきた。
「ねぇねぇ、お父さん!私にも赤ちゃん抱かせて!」
「良いよ。気を付けて、優しく。」
「わぁ、軽い……。お姉ちゃんだよ~分かるかな?」
「まだ分からないかもね~。」
……姉にもウマ耳と尻尾があった。
こりゃ本当にウマ娘の世界なんだなぁ。
少し唖然としながら赤ん坊ならではの眠気に襲われいつの間にか眠ってしまった。
「あ、赤ちゃん寝ちゃった。」
「お母さんに妹ちゃんを渡してあげてね。」
「うん!……ねぇ、この子の名前は?お母さん。」
「この子はね……
【トキノメグル】」
《fade》の再生を途中で止められる事が出来る方、出来れば感想にて教えて貰えると助かります。(byシラネ)(1/22追記)