転生したら……ウマ娘だった。   作:シラネ

2 / 31
2話 モブ娘だって、てっぺん取りたい!

どうも、トキノメグルです。1歳になりました。速いものですね。

 

 

……人間の子供って1歳で走り回れましたっけ?いや、半年で歩けましたっけ?

 

物凄い勢いで自分の身体が生育しているのを見ると不思議に感じますね。

 

どうやら、家の鏡を見ると私の髪や耳、尻尾までほぼ黒色の黒鹿毛だった。

 

そういえばそうですが、【トキノメグル】っていう馬、前世の現実にはいないそうなので、ここが本当にウマ娘の世界ならば私はモブですね。なので……。

 

 

モブでもしっかりと闘えるように今のうちから特訓しないといけませんねぇ!

という訳でおかんと姉を引き連れて土手走ります(キリッ)

 

 

……

 

 

「よし!アップ終わり!トレセン学園に入る為、メグルに良いとこ見せるため、特訓しなきゃ!タイム計測お願い!ママ!」

 

「分かってるわ、気を付けてね!ほらメグルもミドリを応援してね。」

 

あれ、私、連れてこられた側ですか。

 

あ、母さんの名前が【ダイヤグリーン】。姉の名前が【トキノミドリ】です。

 

母さんは元中央トレセン学園の生徒でG1に出て最高で入賞。

因みに母さんは芦毛。

姉さんは今は小学校1年生で中央トレセン学園に入学するために奮闘してます。(小1から受験用トレーニングですか……。)

姉さんは鹿毛ですね。

 

ある程度の距離を離し、私達がいるところをゴールにして……。

母さんが合図を送り、姉さんが駆け出す。

 

 

こうして見ると姉さんは走り方はまだ荒削りな気がします。ウマ娘の元からの脚力によって速く見えますが素人目線からでも無駄な動きが多いと感じますね。まぁ、比較対象がいないのでどこまでかは知りませんが。

……だけど、やっぱり。速い。人間なんかよりもずっと。

 

 

……

 

「はぁ、はぁ……。どうだった?」

 

「1200メートル1:14.2よ。貴女の年齢にしてはかなり速い方じゃあないかしら。」

 

「……目標は?」

 

「新潟1200なら10.0ってとこね。でも貴女の場合、東京1400で23.0よ。あと、5年で頑張りましょう。」

 

「うん!直線だけじゃなくてコーナーも練習しないとね。」

 

その後、母さんからフォームなどの指摘をされ、走る。その都度に問題点を少しずつ修正していく。

 

 

姉さんの様子は楽しそうだった。

 

 

「メグル?貴女もお姉ちゃんみたいに走りたい?」

 

ずっと姉の様子を観ていたからか母さんが尋ねてくる。

 

 

 

……正直、凄く走りたい。私も頑張れば姉みたいに姉以上に速くなれるだろうか。

自問自答していたが、すぐに答えを出す。

 

「私も、走りたい!」

 

「そっか~!なら身体は鍛えないといけないね~!」

 

「うん。鍛えるよ!」

 

「ふふふ。本当にかわいいんだから~。」

 

凄い勢いで頭を撫でまくる。頭が痛くなってくるから止めて欲しい。

 

「もうちょっとしたらいっぱい走ろうね~。」

 

 

楽しそうに走り続ける姉が羨ましかった。

 

 

 

……

 

そのつぎの日

 

私は『モブだって頂点(てっぺん)取ってもええやん!』という目標を掲げ、母さんを喜ばし、そして、心配させるのだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。