転生したら……ウマ娘だった。   作:シラネ

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VRウマレーターの性能をより計測するため、9人のウマ娘達が試走する事になった!

だが、トレーニングレベルが高すぎたのか、皆の意識が吹っ飛び、ある異世界へと転移してしまった!

彼女らは無事に帰れるのか!!?

そして、再び訪れる試練とは!?

……

この話(章)は本編とは異なります。

また、この話は【幻想世界 ウマネスト】、グランブルーファンタジーとのコラボ【青空に響くファンファーレ】の終了後の物語です。(二次創作です。)

一部、ネタバレ要素を含みます。

読みたくない方は本編の章が進むまで読むのを控えることをオススメします。


別編 【幻空世界に響くファンファーレ】
オープニング


日本トレーニングセンター学園、通称、中央。

 

学園の休日であるこの日、なにやら理事長、秋川やよいと理事長秘書、駿川たづな、理事長補佐、駿川翔真は倉庫にてある作業を行っていた。

 

「ぜぇ、はぁ……本当に要るんか?こんなもの。」

翔真とたづなが運んでいるものは以前使った『VRウマレーター』。以前、シンボリルドルフ、グラスワンダー、エルコントルパサーが試運転させ、効果があると言われたものだ。

 

「いえ、あれはシンボリルドルフさんではありません!!ゴールドシップさんです!」

「たづな。書類上では合っているのだ。何も問題は無かった!……とにかく、今回はこの『VRウマレーター』を増台し、より効果を確認する!」

 

そう言い、この前までは3台だったのが、何を思ったのか、9台にまで増えた『VRウマレーター』にガリガリに痩せた理事長は生き生きとした目をしながら扇子の先を向ける。あまりにも多すぎる機械達に駿川姉弟はうんざりしていた。

 

「大丈夫!今回はしっかりとアポイントメントを取っており、名簿も作った!今回の『第2回VRウマレーター試験運用』をきちんと行い、データを取るぞ!」

 

そして、理事長はメンバー表を取り出し、たづなと翔真に見せる。

 

「えっと……シンボリルドルフ、エアグルーヴ、ナリタブライアン、スペシャルウィーク、サイレンススズカ、トウカイテイオー、メジロマックイーン、ゴールドシップ、トキノメグル……。マジで多いし、ゴルシはおるし、生徒会総出だし、俺の娘おるし……。」

「そういうことなので、今回は大規模の実験となる!……実は以前、ゴールドシップが作り出したワールドが少々気になってだな……。トレーニングに大きく活かせそうなワールドだったからそれを利用したいというのもある!なので、ゴールドシップには今回、正規メンバーとして参加してもらう!また、グラスワンダーやエルコンドルパサーは前回に参加してもらったので解説にまわってもらう!」

「多すぎます……。一体どれだけのお金がかかっているのですか!!」

 

たづながそう言うと、理事長はガバッと振り向き、扇子を広げ、

 

 

『金欠!!』

 

と、扇子と書いている事を言いながら……

 

「ポケットマネーは出し尽くし、家計は火の車……メジロ家に借金までしてしまった!」

「「アホですか!!!」」

「食事は水と雑草ともやし……。」

「だから痩せてたのか!!」

「というか、生徒の家から借金するとはどういう了見ですか!」

「あ、間違えた……条件付き寄付だった。」

 

……⏰……

 

メジロ家

 

「……という訳で……お願いします!」

 

そう懇願する理事長の頭の先は静かに椅子に座る無言の老年の女性だった。

 

「いや……理事長。何を仰っていますの!?生徒の一族からお金を借りるなど……学校として、理事長個人として、どうしてこのようなーーー」

「それ以上は。マックイーン。」

 

手を出し、隣にいて興奮するマックイーンを制す。

 

「……分かりました。理事長の想い。受け止め、一部支援しましょう。」

「あ、ありがとうございます!」

「しかし!」

 

その瞬間、部屋の空気が変わり、理事長とマックイーンは体を震わせる。

 

「結果によっては後で支援内容を打ち切り、返還を請求します。また、監視、報告の為にマックイーンを実験に参加させなさい。」

「わ、分かりました……。」

 

……⏰……

 

「という訳で、半分借金、半分寄付という状態なのだ……!ポケットマネーはあちら側が用意した口座に振り込み、手持ちは無い……!その為、食事もあまり出来ない!だが、結果が出れば良い!出せれば、戻ってくる!」

 

そう言いながらから笑いする理事長。

 

(なんでそんなギャンブルやってんだよ……。俺、そんな教え子知らねぇぞ!?)

 

……⏰……

 

当日!!

 

体育館に並んだ9台の機械の前に集められたウマ娘達。痩せ細った理事長は目を輝かせながらデータの採集を心待にしていた。

 

「ふむ……これがVRウマレーターか。会長、以前の試走の時には参加出来なかったのですよね。」

「ああ。試走の為に会場に向かっていたのだが、背後からずだ袋を被せられてな……。抵抗も出来ず、ただ運ばれている内に気が遠くなってしまっていた。そして起きた時には生徒会室の椅子に座って書類を片していた。」

「なんだその事件臭そうな匂いを出しながら結局夢オチみたいなそれは。」

「分からない……。だが、これだけは分かっていた。」

「何がですか?」

「……袋が生臭かった。というかそのニオイのせいで気絶してしまった。」

「「は?」」

 

……

 

「ゴールドシップさん……身体から生臭いニオイがするのですが……。」

「あたりめぇよ!!鯛を捌きまくっていたからな!!船を出し、マグロを釣りに行って1ヶ月……このニオイはそんなマグロを釣ろうとした時に釣れまくった鯛達の生きた証だ!!」

「一体、いつそんな船を出してまで漁に行って帰って来たというのですか!!」

 

「相変わらず、ゴルシさんは凄いですね!」

「スペちゃん……あれは凄い……とは少し違う気がする……。」

「ともかく、ボク達もあの機械でトレーニング出来るんだ!早く乗って試してみたいよ!!」

「テイオー。今回の実験ではゴルシが作り出したワールドの中でトレーニングするみたい。グラスやエルに聞いたら、ファンタジー的な世界らしいよ。」

「そうそう!RPGみたいに闘いながらトレーニング出来る!カイチョーもいるし、楽しみだよ!メグルもだよね!」

「うん。」(というか、私にとってはこの世界ですらファンタジー要素は感じるけど。しかし、【幻想世界 ウマネスト】か……楽しみだな。)

 

……

 

「それでは諸君!学園の為……私のポケットマネーの為……頑張ってきてくれ!」

(なんでポケットマネー!?)

 

そう言われ、9人のウマ娘達はVRウマレーターに乗っていく。

そして、各々が事前に説明されていたやり方で起動していくのだった。

 

その瞬間、9人のウマ娘達の意識は飛んだ。

 

……

 

「待ってください!意識が飛ぶような設定にしてはいなかったはず!皆さん聞こえますか!!?返事をしてください!!理事長!最初からこのようなレベルに設定していましたか!?」

「最低レベルにしていたはずだが……。」

「いや、最高になってるぞ……。間違えたのか!?」

 

見ると、すべての機械のVRトレーニングレベルが最大になっており、試走している全員がただ走ったり立っているだけの状態になっていた。

 

「……ん?なんだ?このニオイは?」

翔真が全部の機械を調べているとそれらから変なニオイがした。

「生臭い……。」

 

……

 

 

……⏰……

 

【空の世界】

 

「……い、おい!起きろ!メグル!」

「……うん?……グルーヴ……副会長?」

 

エアグルーヴがかなり焦った様子でメグルを起こし、起きあがるとそこにはトレセン学園は無く、青空に浮かぶ島々があった。

 

「……oh.思った以上にファンタジー。」

「感心している場合か!?……VRとはいえ、ここまで現実に近い世界を作られていると、怖くなるな。体の感触やら痛覚もある。」

そう言いながら自分の頬をつねって痛みを確認するエアグルーヴ。

 

そのように2人揃って目の前の景色を見てスゲーと思っていると、

 

「……と、言うわけで、お前ら!見たことあるよな?この黄金の槍!!というか久々だな!!あぁ……会いたかったぜ!!」

 

ゴールドシップがなにやら、所謂スピカのウマ娘達に向かって金色の槍……?みたいなものを見せていた。

 

「……ったく、何をやっているんだ。ゴールドシップの奴は。」

 

グルーヴの隣には口に含んでいる若枝を無くして少々苛立っているナリタブライアンがいた。

 

「ゴルシの事だ。このような世界に来るとますます破天荒ぶりが酷くなるな……。会長はどこにおられるか分かるか?ブライアン。」

「知らん。」

 

メグルはというと……。

 

(ゴルシの持っているの……黄金の槍?……ということはまさか……!?ここは【幻想世界 ウマネスト】じゃない!!?槍なんて無かった!!……えと……じゃあここは一体……!!?)

 

と、1人でなにやら世界の真理を暴こうとしていた。

 

……

 

「ゴルシさん、黄金の……槍……ですか?見たことあるような無いような……。でもとてもキレイでカッコいいです!」

「ボク、ゴルシが興奮する理由がずれてる気がするんだけど違うのかな……。」

「同意ですわ。しかし、ここがトレセン学園の関係の場所では無いのであれば、VRによって作られたトレーニング用ファンタジー世界と言ったところでしょう。私でもこのような世界に来て興奮はしていますわ。それになんだか懐かしい……。」

「広い草原……いっぱい走れそう……。」

 

各々が考え込んだり、呆然としたり、草原に眼を輝かせたり、槍をグルグルと回しまくっている中、不意にゴルシが槍を掴んだまま近くの大岩に向かって突撃し、槍でおもいっきり突き始めた。

 

「何をやってるんだ……ゴルシ。」

「ホントそれ。」

「……クソッ。枝の代わりを探さないと。」

 

「ゴルシー槍持ってるからって岩突きまくったらダメだよー!」

「ウマ娘の力では岩が崩れて環境破壊になりますわ!!止めてくださいまし!」

 

「でぇじょうぶだ!!」

 

そう言うと、ゴルシは槍で突くのを止めた。

 

「あら?意外にも素直ですわね。」

 

と、マックイーンが思っていると、ゴルシが。

 

「さて、問題だ!今からヤラセじゃなく、本物のファンタジーってことをテレビの前、ラジオの前、カーナビの前、スマホの前で見ている皆さんに証明するための事を起こすぜ!一体それはなんでしょーか!?」

 

「とてつもなく嫌な予感がしますわ……。」

「という訳で時間切れ!」

「早い!?分かんなかったよ……。」

「正解は……これだ!!!」

 

そう言いつつ、槍を先ほどよりも振りかぶり、突いていた大岩にガキンッとなる程の音をたて刺す。

 

その瞬間……地面が揺れ始めた。

 

「な、なんだ!?揺れが激しいぞ!!しかし、スマホの地震速報は無い……!?というか、圏外!?」

「地震か……。私にはあまり効かないな。」

「ブライアン副会長は自分で地面割ってちょっとした地震起こしてるからね!!?」

 

「え……なんで岩が動いているの!!?」

「ファンタジーの世界って岩が簡単に動くんですね!!」

「スペシャルウィークさん!?そういう悠長な事を言っている場合ですか!?」

「うーんあそこは地面がぬかるんでそうね……。」

「スズカさん!?早く現状の様子を確認してください!!」

 

「キタキタキタキターーー!!!目を覚ませ!!ゴーレム!!!」

 

ゴルシが大声でそのように大岩に向かって叫ぶと、岩が立ち上がった。

 

 

ゴグガァガガァグワァ!!!

 

 

「……おい、メグル。私の目の前には岩が立ってるように見えるが幻覚だろうか?」

「グルーヴ副会長。気は確かだと思います。私にもそう見えます。」

「固そうな身体だな。」

「なんで平然としているんだ……?」

 

「ちょっと!!?ゴールドシップさん!?これは……一体!?」

「寮長に砕かれる大岩だ!!」

「絶対に違いますわよ!!」

「ゴルシ!その岩、よく分からないけど怒ってる気がするよ!!」

「え?私達、結構危険ですか?」

「当たり前でしょう!?岩が立って声みたいなものを出しているんですよ!?これが私達に向かってきたら……。というか逃げてください!!ゴールドシップさん!!」

「よしッ!ずらかるぞ!!」

 

そう言いながら、マックイーンやスペ、エアグルーヴなどウマ娘達がいる方向に走るゴルシ。

 

 

ゴグガァガガァグワァ!!!

 

そして、起こされた事に激昂しているのかゴーレムと言われた大岩がこちらに向かって走ってきた。

 

「ゴールドシップさん!?なんでこっちに逃げてくるのですか!!?」

「おいおい、どんな時でも9人は一緒……そう誓い合った仲じゃねえか!」

「ゴーレムが来てるよ!!?に、逃げないと!!スペちゃん!スズカ!」

「え!岩がこっちに来てる!!?」

「ようやくこの広大な草原を走れるのね……。」

「なんでスズカはちょっと嬉しそうなの!?」

 

「……っておい!岩がこっちに来るぞ!逃げなければ!」

「あいつらもこっちに来る!逃げるぞ!メグル遅れるなよ。」

(な、なんでこの世界に来て早々こんな目にあってるの!!)

 

「お母ちゃぁああん!!!たすけて~~~!!!」

 

魔物に追われ全速力で逃げる8人のウマ娘達。

この世界で彼女らに再び待ち受けているものとは……

 

……

 

【幻空世界に響くファンファーレ】

 

……

 

……⏰……

 

【ある町の北側】

 

「……果たして皆は一体どこだろうか。というかここはどこなのか……。」

 

会長はというと8人のウマ娘とは別の所、町の中で皆を探していた。

 

「しかし、このまま1人で探していても埒があかない。誰か人に尋ねるとしよう。」

 

そういい、多くの人がいそうな場所へと足を運ぶのだった。

 

……⏰……

 

「やはり、ここの世界には見たことが無いものばかりだな。人間だけではない。獣人……角の生えた者もいるな。やはりファンタジーといったところか。……む、あの者に尋ねてみようか。」

 

ルドルフは背が小さいある人物に目を付け、この世界の情報などを尋ねようとした。

 

「いらっしゃ~い。ここはよろず屋。何がご入り用ですか?ちょっとした探検に行かれるなら短剣がオススメですよ!」

「……。」

「……あれ?どうかしましたか?」

「探検に行くなら短剣……か。面白い!」

「やっぱりですか!面白いですよね!!良かったー!気付いてくれる方が居るなんて……。」

「ならば私も……私はここには初めて来たのだが、実はここの場所は町の北側だそうで。人も多そうだし、情報を得る事に期待していたんだ。君みたいな面白く奇態な人物と出会えて私はとても嬉しい。」

「キタの4連発……。成る程。ここの場所には初めてでしたか!ならばこれを……この町の地図です!実はそこの道の通りにはあまり知られていない……未知のお店があるんです!後で行きませんか?」

「ウム。だが、手持ちが無くて困っている。どこもかしこも怪我ひとつ無い健康な身体だっていうのに……。」

 

そこまでいくと、商人……シェロカルテは興奮した!

 

「貴女のようなお方に出会えて驕らないわけが無い!奢りますよ!私はシェロカルテ!」

「ありがとう。私はシンボリルドルフ。君みたいな同士とも言える者と今までどうして会えていなかったのか不思議なくらいだ。泣けてくるよ。」

 

「「「なんでこの2人はダジャレばかり喋っているんだろう。」」」

 

そうして意気投合したシェロカルテとシンボリルドルフは店に行き、ジュースを飲みながらダジャレを言いまくるのだった。

 

……⏰……

 

「……!!」

 

エアグルーヴ、ナリタブライアン、トキノメグルが逃げている中、急にエアグルーヴが失速しかける。

 

「どうした!?」

「……な、何故かは分からないが、急に体の調子が……。」

「なんでこのタイミング!?頑張って!」

 

エアグルーヴ自身もなぜこのようになっているか全く分からないまま、本能に身を任せ、ゴーレムから逃げ続けるのだった。




……思ったんやけど、ダジャレになってるのか?あれ。結構、適当且つ深夜テンションで書いているからよく分からないです。なんか、オススメなのありましたら教えて下さい。もしかしたら書き直します。(というか自信全く無いんで書き直したい。)

本編、別シリーズの方はもう少しお待ち下さい。

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