【だれか】転生したらめっちゃ追われるんだけど【たすけて】 作:タコZ
間に合わなかった……!
謹賀新年………ッ!!!
ヘルヘイムの森、その上空から刃物同士が打ち合う音が響く。
幾度と無く斧剣に叩きつけられた大橙丸は砕け散り、連結ユニットであるアームズカップラーを半ばまで残した無双セイバーがウィザードの喉元に叩き込まれる。
その致命の一撃のダメ押しに凶悪な形をしたドリノコによる乱打をその頭蓋に浴びせ、木々を薙ぎ倒しながら凄まじい勢いでウィザードを地面に叩きつける。
「どうしてだ、ウィザードッ」
─────今日から君達の力になる、仮面ライダーウィザードだ。宜しく頼む。
「何でマミを狙ったッッ!!」
─────良いじゃないか、必殺技に名前くらい付けても。俺なら、そうだな……。
想起されるは、ディケイドの再来に備え、友として切磋琢磨し合い、笑い合って過ごした見滝原での日々。
「……ハッ」
その全てを踏み躙るかのように、ウィザードは口を開いた。
「親も持たないガキには、余程耳触り良く聞こえたらしいな」
「──────」
ブチンッ、と。鎧武の中で何かが切れた。それは幼い頃に両親を失ったマミだけで無く、人間を捨て去った自身に対する嘲笑である事に気付いたからだ。
同時に鎧武は安心感も覚えていた。
それはかつて、戦国の世に武神として名を馳せていたあの日。あの場で肩を並べ、共に巨悪に立ち向かったウィザードでは無いと言う確信、それに対する安心感。
鎧武は、葛葉紘汰は、憤怒の業火で煮え滾った脳髄でその二つの公式を元に方程式を解き明かして行く。
要は、要は、要は。
つまり、つまり、つまり。つまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまりつまり。
目の前のこの化け物を、迸る胸の衝動の赴く儘に、ぐしゃぐしゃにして良いと言う事と、鎧武は結論を付けた。
《着陸を開始、衝撃にご注意下さい》
同時刻、綾目瑠璃は山形県大江町の近辺に立ち寄っていた。その目的は単なる腹ごしらえである。
ちゃっかり製作したスピーカーから流れる音声を尻目に、アーセナルの胸部ハッチを開き、そこから飛び降りる。
逐一襲いかかって来る怪人軍団を適宜薙ぎ払うより、アーセナルで遊撃しながら向かった方が良いと判断し、移動手段を初号機からアーセナルに変更したのだ。
目的地はその辺のコンビニ。夕暮れ時というのもあり、人通りの少なくなってきた業務用スーパーでも良いだろう。そんな事を考えながらスマホをいじるフリをして掲示板を覗く。
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〈●〉〈●〉
673:タマトリグサ
転生者狩りさんこいつです
674:ダクソニキ
転生者狩り湧いてて草
675:ディケイド(偽)
何の何の何?
ウルトラマンかダクソで例えて
676:シュル天アガイガイチグニール
>>675
ウルトラマンベリアルを止めるウルトラマンキング
677:下衆大使
>>675
ウルトラマンゼロを助けるウルトラマンノア
678:動くただのEXP
>>675
頭悪めの強化MODを導入したファランの不死隊
679:タマトリグサ
>>675
ウルトラマンノア!ウルトラマンキング!ウルトラマンレジェンド!ご唱和下さい、彼の名を!
680:ディケイド(偽)
悪い、俺死んだ!w
「いや何しでかしたんだあの馬鹿」
転生者狩り、その名は聞いた事がある。
何でも並行世界を越えてその力を振るう弁えを知らない者達の対策として神々が創り上げた六人の戦士達なのだとか。
曰く最強、曰く無敵。自分の目で見た事はないが、そんな転生者狩りが動いた事が前に二度あったらしい。
一度目は三人、二度目は二人の転生者狩りが直接的な対処に動き、その働きは多くの転生者達を震え上がらせたがどうとか。
本当に何しでかしたんだお前は。俺が行く前に全滅するんじゃないか?そんな愚痴染みた思考を後ろから投げかけられる声が断ち切った。
「お前が何をしてるんだよ」
「あん?」
見れば、険しい目付きをした少女が三人。
一人は、などの語りが要らない様な、容姿が良くはあるが特に目を引く特徴はない。いたって平凡で、特徴も特段無く、どこにでもいそうでどこにでも馴染めそうで、その辺で見かければほんの十数秒で頭から抜け落ちてしまいそうな、そんな凡庸な見た目の三人組。
魔力を感じる事、徒党を組んでいる事、此方に向けられた敵意、そして何より、その手に飾られた指輪から。縄張り意識が旺盛な魔法少女である事を理解するのは容易だった。
「先に言っておきましょう。
「少々群馬県まで用事があって長旅をして、腹が空いたのでその辺で腹を満たそうとしているだけの、一般通過魔法少女です」
「悪魔の所までは行かせねェぞ」
「どうでも良いけど、その取って付けた様な敬語は何?」
「………っ」
「────ハッ」
そこまで知っていたか、と。瑠璃は貼り付けた様な笑みを消し、バキバキと割れるクレバスの様なドス黒い笑みを浮かべる。
三人組の中の一人、一番背が高く、瑠璃を見て緊張した様子で生唾を飲み込む少女に密かに狙いを定める。恐らくは一番戦い慣れて無いと踏んだからだ。
直後、濁流の様な壁が周囲を覆った。同時に物陰から数種類の異形が此方に向かって飛びかかって来る。魔女の使い魔とドーパントだ。
避けられて尚此方に飛びかかろうとするコックローチドーパント、上空から狙いを定めるタブードーパント。そして使い魔を生み出す魔女の結界。これらからショッカーとインキュベーターに繋がりがある事も確定。
ならば、容赦する必要はない。
飛びかかって来るコックローチドーパントに頭突きをお見舞い、序でに青電により胸部甲殻を炭化させる。
それを見た一人、最初に瑠璃に啖呵を切った魔法少女。長いので魔法少女Aと呼ぼう。魔法少女Aがその様子を見て近接攻撃を主としていると判断し、固有武器のパチンコで攻撃を仕掛ける。
続き、啖呵を切った方でも一番背が高くも無い、残りの魔法少女。仮称魔法少女Bが魔法で強化したトンカチで頭に狙いを付け、振り下ろす。
それに対し、瑠璃は手元に生成していたグロック17を飛んで来る魔力弾に向けて、引き金を弾いた。ぱん、という耳をつんざく様な破裂音と共に、青電の魔力を纏った銃弾が放たれる。
放たれた銃弾は標的である魔法少女Aを圧倒するスピードで魔力弾を突き抜け、首元に飾られたソウルジェムをいとも容易く破壊した。
空中に排出された薬莢が地面に落ち、鈴の様な音色が響く中、突然の親友の死に理解の追いつかない魔法少女Bの鳩尾に蹴りを放って距離を取る。
その動きに追随せんと走り出したコックローチドーパントの手足の関節を二丁のグロック17で撃ち抜き、その動きを出だしで止め、魔力で構成されていた二丁を分解。新しく魔力を追加しながら武器を生成して行く。
形成されたのは散弾銃であるHK・FABARM・FP6。それを手に瑠璃は弾薬を装填しながらコックローチドーパントに急接近、炭化した胸部甲殻に至近距離で撃ち込む。
弾丸を撃ち込まれたコックローチドーパントは内心でほくそ笑んだ。ドーパントのシステムに加えてショッカーに追加の改造を受けた自分の特性は突出した敏捷性では無い。
それは例え身体を縦に両断されようとも絶命しないゴキブリの類稀なる生命力にこそある。胸部に弾丸を撃ち込まれたから何だと言うのか。銃の反動で空いたこの距離を、持ち前の脚力で詰めて仕舞えば何の問題も──────
無い、までその思考が続く事は無かった。
何故ならコックローチドーパントに撃ち込まれ、その身に残った散弾から漏れ出る魔力の粒子がコックローチドーパントの全身を消化し、魔力として空気中に撒き散らかされたからだ。
これが瑠璃の作った奥の手の一つ、魔力による物質の分解。その実用化と転用である。瑠璃の手によって散布された魔力はその意志によって付着した物質をバクテリアの様に喰らい、魔力に変換して放出するのだ。
瑠璃が北海道で生活する中で編み出した虎の子である。
瑠璃は失神寸前の一番背の高い魔法少女、魔法少女Cとタブードーパントに向かって空気中の魔力を回収、新たな武器を生成しながら言い放つ。
「どうせテメェらはクジ引いてディケイドとか言うジョーカー引かなきゃ楽勝とか考えてたんだろうが、誤算だったな」
○自分の小説を読み返して違和感を覚えたので考えた後付け設定その1
・今のところ何も接点が無いのに異様にイッチへの好感度が高いアルまどについて
・ぶっちゃけ読まなくてもOK、鹿目まどかが底抜けに優しいからで全部成立する話
・全ての魔女を生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で
・この願いによって円環の理と化し、まどかは宇宙の法則をも変え、永遠に魔女を消し去るという概念・魔法少女達を救済する「神」に等しき存在へ進化した
・全ての因果を逆転させ、宇宙を再構築した。鹿目まどかは今や過去、現在、未来、全ての時に隣接する存在になっている
・この事から、全ての鹿目まどかは初対面と全ルートの好感度が共通している
・故に鹿目まどかの好感度は初対面の時から既にヤンデレルートと同じ好感度まで引き上げられているという、ギャルゲーモノのオリジナル小説にありがちな状況になっている