【急募】蟲から逃げる方法【蟲に喰われたくない!】   作:Ωが来た!

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色が付いててびっくりした。
評価ありがとナス!
それと残念ながら掲示板なしです(残影はいます)




なんか違うんよな?


蟲穴に入らずんば幼虫を得ず(要らない)

 

 一行の「滑り出し」は順調のようだった。

 

「うおぉ〜〜!!!」

 

「たのしぃ〜〜!!」

 

「楽しんでる場合か!」

 

 かなりの角度の砲塔殻内を、青年は驚きながら、レジーナは楽しみながら、憲兵長は警戒しながら滑っていく。もう何度も砲撃を行なったからなのか、かなりツルツルしているようだった。

 

 そしてその時間も急に終わった。

 

「うおっ!?!?」

 

「きゃぁ!?」

 

「へっぐっ!?」

 

 急に途切れた砲塔孔内の空洞に、突然放り出され、穴を落ち抜けるとそこには真っ暗な空間が広がっていた。

 

「めちゃくちゃ暗いやん。でも所々日傘してるのはそこに砲塔殻があるからか?にしても変な刺し方だな……」

 

「痛ててて……すっごい楽しかった!このお母さんに頼んだらまたさせてくれるかな!」

 

「それは無理があると思うぞ?って、うお!、レジーナ…暗い所にいると目がそうなるんだな…」

 

「ん?」

 レジーナの瞳は、砲塔孔からわずかに漏れてくる光を最大限反射し、その玉虫色の瞳をコロコロ変えていた。

 

「え〜〜、でもそれもそうかな。人の話聞くタイプじゃ無さそうだし。」

 

「レジーナちゃん?。!、確かに不思議な………ってそうじゃない!。それで蟲にもタイプがあるの?」

 

「そうだよー。人間ほどわかりやすくはないけどね!」

 

「そうなのか……」

 

「?」

 

 蟲について以外な知識を得た憲兵長は、その不思議な瞳に気を取られていた。すると青年から、

 

「なぁ、憲兵長。このトンデモない突起、何だと思う?。見た感じ上が平らになってそうなんだがな。」

 

「その……ここまで来て憲兵長と言うのは良さないか?。私には『アルカン』と言う名があるのだ。」

 

「それもそうだな、アルカン……さん?」

 

「まぁそれでいい。」

 

「アルカンさん!!いい名前だね!」

 

「レジーナちゃんも、いい名前だよ。」

 

「ありがとうな。」

 

「おっと?。ちょっと話が逸れてきてんよぉ〜」

 話がかなり逸れている事に気付き、軌道修正する青年。

 

「そうだった。すまなかったな。それで、この塔のようなものか…何やら砲塔殻の真下にあるが、もしやここから砲弾が出るのか?」

 

 そう考察するけん…アルカン。そう言いながら見上げるのは砲塔殻の真下に存在する数十メートルほどの堅い、まるで外殻に穴があり、その周りが出っぱったかのような形をしたものだった。

 

「確かに、そう言われてみれば、光の差し方が歪なのも説明がつくな。この出っ張りが奥で光を遮っているからか?」

 そう考察に耽っていると…

 

「お父さん!そんな話してる場合じゃないでしょ!このお母さん、沢山の子供達を怪我させられて、しかも家に別の人が入り込んでる事にかなりイライラしてるみたい!」

 

「え?蟲ってイラつくのか?」

 

「アルカンさんそこ?」

 そことも言えて、(蟲の感情の有無)そことも言えない発言(危険だという事実)に変な気分になるものの、しかしながらここが文字通り敵の中という事に改めて気付く一行。

 

「ここの中に入った奴が、俺たちで初めてらしいからな。少し浮かれちまった。さあ!こいつを中からめちゃくちゃにする為にまずは探検を始めたいが……俺は魔力がゴミカスで、レジーナは使えるかどうかも分からない。けんぺ……アルカンさん、『灯火』とかってつかえますかねぇ?」

 ランプなんてものは持っていない青年。あとは魔法で火を灯すだけなのだが、それすら出来ない彼はアルカンにその役割を頼もうとする。

 

「ああ、もちろんいいさ。その程度のことなら出来るからな。」

 そんな願いを容易く受け止めた彼女は、剣を出し、剣の切っ先に向かって、『灯火』と、唱えると、剣の切っ先に火を灯した。

 

「どうだ?明るいだろ?」

 

「まほう凄い!。私にも出来るかな!?」

 

「どうだろう?。まぁレジーナなら出来るだろ!」

(スゲェ!。カッケェ!。俺もしたい!)

 

………おお!

………切っ先に火を灯すだけなのにカッコいい

 

 本来青年が、異世界に来たらやってみたかった事をすんなりと行うアルカンに、そして今まで見たことのない現象に、敬憧の眼差しで見つめる青年とレジーナ。

 

「そ、そんな目で見られると恥ずかしいなぁ。」

 そんな目を周りから受け慣れていないアルカンは、恥ずかしく思わず目を上に晒す、するとそこに。

 

「きぁぁ!!?!??」

 突然悲鳴を上げてその場を離れる。

 

「どうした?。うお!?ぶっくりしたぁ〜。天井に蟲の頭が釣り下がってやがる。ここはお化け屋敷か?」

 上を見上げるとそこには夥しい数の死体、鉱石、岩、そして人工物まで、様々なものが巣に練り込まれている様子だった。

 

………心臓に悪いからやめチクリ〜

………アルカンちゃん、結婚しよ❤️

………キモすぎワロタwwwww

 

「アルカンさんも、女の子らしい声出すんですね。」

 

「わわ忘れろ!!。こんなの見られては憲兵長としての威厳が損なわれてしまう!」

 

「心配しなさんなって。」

 そう言葉を交わしていると、何やらギチギチと明らかに蟲の出す音がする。そしてそれを聞くが否や、すぐさま両者の顔は真剣そのものになり次の行動機会を逃すまいと、全神経を尖らせる。

 

「ここの子供達、相当怒ってるよ。私のお話も聴いてくれない。」

 

(レジーナのせんのu……じゃなかった。OHANASIも通用しないか。)

 

………おっと?

………イッチ!こんな敵の家で戦うな!

………袋叩きまで後数分

 

(そうだな)

 

「まだ囲まれてはいない!ここで戦うのは得策では無い!一旦逃げるぞ!火は消すから音に気を付けろ!」

 

(おっと、先言われちゃった。)

「その後は、逃げながら考えますか!」

 

「え?きぁ!」

 レジーナを抱えて一目散に逃げ出すと、その後を追うようにぞろぞろと着いていくホミチカヒ達。だがその速度は速くない。

 

「あいつら、飛行にステータス貼りまくってるせいで歩く速度が遅くなってる。これはチャンスだな!」

 外での戦いの影響か、相場はわからないがその数も、巣の大きさの割には少ない気もした。

 

 

 

 そして辿り着いた先は、白い何かが蠢く場所だった。

「なぁ、アルカンさん、これって間違いなく幼虫だよな?」

 

「あぁ、その認識で間違いないと思うぞ。」

   

 そうして、アルカンが火を灯せばそこにはその白く蠢く何か、ではなく、ブリブリのブヨブヨになっているホミチカヒの幼虫達だった。そしてよくみれば蛹の姿もあった。

 

「「うわぁ〜〜……」」

 

 蟲の幼虫など滅多に見れることではないが、それ故にこうしたブヨブヨの幼虫の姿に、慣れているものも少なく、多くの人間が疎遠にしていた。そしてこの二人もこの例に漏れずに引いていた。一人を除いては。

 

「わぁ!可愛い赤ちゃん達だ!お父さん見て!この子お腹空いてるみたいだよ!何か食べ物持ってない?」

 

「あっおう。な、ないぞ?それよりも離れよ?、危ないよ?」

 

………幼虫と幼女……閃いた!

………通報した

………通報した

 

 その容姿は、寄生虫とまでは行かずとも。その顔に不釣り合いなまでの体は受け付けたがたかったが、だからといってそのまま情けない姿を晒すのもまた違う。勇気を出して幼虫と戯れる?、レジーナの横に来ると、

 

「さ、レジーナ、俺たちはここではいちゃいけない存在だ、バレたら不味いから他の所に行こうな?」

 

「んえ〜〜、………分かった、バイバイシロちゃん。」

 努めて諭すようにレジーナへ語り掛けると、レジーナを抱えてアルカンの元へ戻る青年。

 抱えられたレジーナは、名残惜しそうに幼虫を見ると、手を振りながらいつの間にかつけた名前を呼びながら手を振っていた。

(もう名前も付けちゃってるよ。)

 

………子供ってこう言うとこあるよな

………なんか幼虫が可愛く思えてきた。

………それ多分レジーナがいるからだな

 

(俺もなんか愛嬌が湧いてきてもた。不味いな)

 

「よく近づけたな、とてもじゃないが私には無理そうだ。硬い外殻を持った生物が私の中の普通になってる事に気付いたよ。これじゃ寄生蟲の討伐は無理そうだ。」

 

………え?この世界寄生虫おんの?

………何を当たり前のことを

………絶対エロい

 

(何を言ってんだか。いつも通りだな!)

 

 ちなみに奇声蟲の駆除が出来る人が足りていない問題があったりします。

 

 

 

 

 そんな事を話していると、次についたところはどうやら食糧庫のようだった。

 だがしかし、その光景はとてもじゃないが子供に見せていい代物ではなかった。

 

「?、どーしたの?」

 急いでレジーナの目を塞ぐ青年。

「ぐっろ!、ん?この殻ってカムチャッカの着火殻じゃね?」

 

………それなんて半島?

………でもなぜか納得しちゃう

………なお現実は着火とは真逆の模様

 

「確かにそうだな……何かに使えるかもしれない。拾っておこう。」

 有用そうなものを見つけたものの、竜種やら虫やらなんやらが、放り込まれたこの部屋にこれ以上いるのは精神衛生上宜しくない。

 

「速く離れよう。」

 

「そうしよう。」

 

「?、お父さん!、アルカンさん!何があるの!?私にも見せて!」

 

「だめだ。もっと世界を知ってからじゃないとこれは宜しくない。」

 

「そうだぞ?お父さんの言う事はよく聞いておくといい。私には無かったからな。」

 

(おっと?)

 

………ヒエッ、いきなり声のトーンが変わった。

………闇が、闇が見えた!

………親はNGみたいだな。

 

(こんな所で地雷なんか見つけたく無かった…)

 思わぬ地雷を見つけてしまったが、当の本人はなんともなさそうにしているのでそのままにしておく。「触らぬ神に祟りなし」だ。

 

 

 

 そして次に辿り着いた先は、これまた不思議な場所だった。

「ここは、なんだ?」

 

「菌糸?、なんでこんな所に?。それにこれは……火薬?」

 

「火薬?こんな所になんで火薬と菌が一緒に置いてあるんだ?」

 謎の生物と、謎の火薬?、のようなものに思わず首を捻っていると、突然後ろからレジーナが、

 

「育てて、集めてるんだって。」

 

「「え?」」

 

「食べて、武器にしてるらしいよ?。投げる時には、気に入った重くて硬いものを混ぜるんだよって言ってる。」

 

「ふぁ?!?」

 

 レジーナからの突然のカミングアウトに、思わず気の抜けた返事をする二人。

 

「育ててる?蟲が?他生物を?」

 

(でもいや待てよ?前世でも確かそう言うアリがいたよな?確か……)

 

………ハキリアリ?

………確か葉っぱを切り取ってそこに菌を植え付けて、それを食べるんだったけか?」

………はぇ〜博識

………火薬の菌……さながら『火菌』だな!

 

「ハキリアリか……」

 

「どうしたんだ?ハキリなんだと?」

 

「いや。何でもない。『火菌』だなって、思ってたんだ。」

 

「なかなかうまいこと言うじゃないか。」

 そんな事を言い合っていると、スレ内で疑問が生まれた。それは

 

………それってどこ情報?

………全員怒って言うこと聞かないんじゃ無かった?

 

(たぁ〜〜しかに!)

「そう言えばさ、レジーナ、それどこ情報?」

 

「それはここにいる新任さんだよー。」

 そしてレジーナは隣を指差すと、そこには触覚を掃除しているホミチカヒの姿があった。

 

「「えぇ!?!?」」

 

………ファ!?!?

………これは流石にタマゲタケ

………何食わぬ顔で隣にいるホミチカヒ君ほんま草

 

 これまた唐突なカミングアウトと、当たり前のようにいるホミチカヒに仰天する二人。

 

「え?そいつ大丈夫なの!?」

 

「レジーナちゃん!危ないよ!」

 

 慌ててレジーナを離れさせようとするが、

 

「大丈夫!この子は別に怒ってないから皆んなに怪我をさせないよ!」

 そう返すレジーナに青年は納得するが、アルカンは違った。

 

「そ、そうか、レジーナがそう言うなら大丈夫だな。」

 

「ねぇ…ずっとスルーしてたんだが、この子蟲と話せるのか?」

 

「どうやらそうみたいだ。この触覚でなんとかしてるらしいぞ?……だけどな?、俺も分からん。」

 

「あなたが分からないなら私にも分からないから、まあまた今度だな。」

 諦めないだけマシな選択ではある。

 

「そう言えばさ、この火菌って燃えるんだよな?。そして俺って持ってるよな?着火殻。」

 

「まさか自爆させるのか!?」

 

「自爆!?、それって、この家を壊しちゃうってこと!?、ダメだよ!赤ちゃん達が死んじゃうよ!」

 

「そう言われてもな〜、今この時だって外では大変なことになってるかもしれないし……」

(ん〜、そうだ!安価しよう!)

 子供に対する諭しの言葉を安価で決めるのは(以下略

 

…………イッチも染まっちまったな

…………悲しい事だ

…………いい事だ

 

…………巣は頑丈だから大丈夫大丈夫心配する事ないって(チャラく)

 

「大丈夫だってレジーナ、巣は頑丈だから大丈夫大丈夫心配しないで。」

 

「お、おい、そんな言い方で解決するはずが「分かった」、え?」

 

(え?)

 自分でもこんな言い方で納得するとは思わなかったようだ。

 

「お父さんが突然変な感じになる時は大体大切な事なんだよね?なら分かった。」

 

(あれ?、レジーナの前でそんなにやったっけ?」

 

………かなりやってたゾ

………むしろイッチの記憶を覗いた説

 

(ありますね。)

 

 

「………んじゃ、いきなりやるのはやばいから導火線的な奴を作るぞ。……そのホミチカヒ君に脱出を手伝って貰えるか?」

 

「この子は女の子だよお父さん。それは失礼だよ!」

 

「ごめんな。「この子に!」………ごめんなホミチカヒちゃん。」

 

「よろしい!」

 

 さっきまで戦っていた相手に対して謝ることに、違和感を凄く覚える青年。そしてそれは青年だけではないようだった。

 

「……」

 

「俺もおかしいと思うよ。だからそんな目で見るな……行くぞ皆んな。」

 

 何とも言えない目線を向けられ、今度はホミチカヒを見るが、当の本蟲はなんとも思っていないようだった。

 

「んじゃ、近くの砲塔殻に行くぞ!」

 

 そうして採取した火薬を撒きながら撤退を始めると、突然振動が鳴り響く。

 

「やばいぞ!。砲撃が始まっちまう!」

 

「速くするぞ!」

 

「あっあっあっ、お母さん!止まって!止まって!」

 

   ギギギ!

 

「いやなんでお前もビビってんだよ?」

 

 

 そうしながらも、光漏れ出す砲塔殻に向かうのだった。




カムチャッカはクッヒカツとは近い種族です。カブトムシとカナブンくらいには近いです。
あと今アルカンは憲兵長としての自分と、本当の自分が入り乱れています。なのでふとした時に本当の自分が出てきます。

見たい生態(あくまで目安です)

  • ネッサス・ビード(クワガタムカデ)
  • ジェフェッタ・エスバ(骸蠍)
  • ウナサカノハミ(二章ボス)
  • クッヒカツ(一章ボス)
  • グリャムー(極寒の恐竜)
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