【急募】蟲から逃げる方法【蟲に喰われたくない!】 作:Ωが来た!
まっ、自分も竜系大好物なんですけどね?
ちなみに私が好きなゲームは某怪物狩りのアレです。
竜種もちゃんと考えてあるから入れたのでまとまり次第投稿します(本編に出るかは置いといて)
モデルはエネエチケーあれと、「貴重なタンパク源です」でお馴染みのあの番組です。楽しんでいただけたら幸いです。
では、どうぞ
Ωが来た!「ゴォ・ムの生態」
殻甲蟲 (かっこうちゅう) ゴォ・ム
全長 平均2m前後(最大記録4m)
体重 平均80kg前後(最大記録170kg)
生息地 何処にでも居た
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とある時代、とある少年がテレビを前に目を輝かせながら、今か今かと始まる番組を待ち受けていた。
殻甲蟲、それは現代においてもあらゆる場面で、その有用性が確立された、我々にとって身近な生物です。今回はそんな殻甲蟲の生態に迫りまっていきます。
今回の主役は、この自然豊かなルーゲンの地にいます。
殻甲蟲の1日は日の出と共に始まります。普段は集団で活動しますが、それも例外があります。繁殖可能な状態のオスとメスは、集団を離れ他の集団を探し1匹で、この過酷な自然を渡り歩きます。そしてこの状態の殻甲蟲を「独行個体」と呼びます。
『殻甲蟲は繁殖が可能な状態になるとオスメス、大きさに関わらず自ら集団を離れます。コレは同じ集団内に置いて、血が濃くなる事を防ぐためだと思われています。恐らくは同じ集団内で何度も交配を繰り返した集団は、最終的にさまざまな要因で死滅し、このような行動を行う殻甲蟲が生き残ったのでしょう。』
「すげぇ」
図鑑でしか見たことのない殻甲蟲が、テレビを介してではあるが、確かに動き、知らなかった生態を知ることができ、少年の心はこの身近に感じるが、しかし、身近にいない生物に釘付けだった。
今回はこの繁殖が可能で集団から離れた殻甲蟲の若いメスを追っていきましょう。名前をラナとしましょう
殻甲虫の餌は植物、動物の死骸に留まらず、毒性の高い植物や化学物質、果てにはただの岩までも食してしまいます。
『見てください!この三対の顎を、この顎でどんなに硬いものも削り砕くように食べてしまうんです。それに顎の硬さや力も尋常ではなく、顎の強さは太古に存在した大型の陸竜であり、陸の王者の異名を持つ「ガウリング(牙王)」に匹敵かそれ以上の強さなんです!』
『殻甲蟲はその驚異的な硬度を持つ装甲殻に目を移しがちですが、実は硬さは顎の方が硬いんですよ!信じられますか?あのガウリングと同等の顎の力を、蟲の世界ではかなり小型なこの殻甲蟲が持っているんです!驚くべきことだわ。」
おや?ラナが触覚をしきりに動かしてますね。コレは食事の探索もありますが、この状態の殻甲蟲にはもう一つ、重要な意味を持っています。
『殻甲蟲の触覚はかなり硬く柔軟性に欠けています。触覚は敏感であるべきなのにそこを装甲化してしまっているのです。それ故に感知能力はかなり低く、物を探すと言う分野ではもはや無能と言わざるおえません。』
『殻甲蟲の目は分厚い装甲殻に埋もれてもはや光すら感じることが出来ないわ。更に耳も悪く辛うじて単眼でのみ外を把握しているの。ですからいくら性能は悪くとも結局は触覚に頼らざるを得ないのよ。 防御に持てる全てを振り分けた代償とも言えますね。」
そんなかなりの欠陥を持つ触覚ですが唯一つ良い点もあります。それは欠損しにくいことです。
『多くの触覚を持つ生物は、様々な理由で触覚を失うことが多々あります。狩り、縄張り争い、老化、病気、脱皮不全、色々です。ですがそんな事は殻甲蟲には無縁です。今言った理由で欠損が起こる事はなく、なんなら触覚を千切れる敵が来ても、大体はその硬さに舌を巻いて、無視して行きますからね。硬すぎて見向きもされません。』
おや?ラナが何か見つけたようです。追いかけてみましょう。
22対ある殻甲蟲の脚は早くありません。コレは脚まで装甲化した事により、関節の可動域が狭まってしまったことが原因です。
『脚まで固めてしまうほど装甲化するとは、その異常なまでの防御力への執着は感嘆に値しますよ。』
ラナが足を止めた場所は死骸の前でした。もう外骨格と補強骨しか残っておらず。一見何も食べるところがないように思えますが、彼女には今頃ご馳走の山に見えている事でしょう。
『先程述べた通り、殻甲蟲は凄まじい顎を持っています。コレを使えばどんな死骸の残骸だってバリバリと砕いてしまうでしょう。』
食事が終われば、始まるのはパートナー探しの旅の再開です。
『殻甲蟲が一生の内に子孫を残せるのは片手で数える程度と言われています。コレはその異常なまでの防御力へのこだわりにより、索敵能力を捨ててしまった事が、裏目に出てしまったが故の悲劇とも言えます。』
おや?また触覚を忙しなく振り始めました。ですが様子が違います。先程は回すように、まるで人間が当たりを見渡すように触覚を振っていましたが、今度はある一定の方向に向かって振るっています。
『これは敵を見つけた時の反応です。ある程度敵の居場所を絞り、そこを全力で探知しようとするんです。見方によっては可愛らしくもありますよね?』
現れたのはカリュゥ(地刃去)、全身をナイフのような鱗で武装した肉食の小型竜種です。カリュゥは同じ体格の相手にはかなり好戦的ですが、殻甲蟲を襲う事は有りません。が、今は違います。通常なら集団で行動しているので、襲わないだけであり、独行をする殻甲蟲は機動力もなく、他の個体がいないので、一体を襲うとその隙に別個体に攻撃される心配がありません。
『カリュゥは、竜種としてはかなり負け犬な方ですが、それでも腐っても竜種、中型種が相手でもかなり苦戦するタイプです。」
カリュゥの存在を認知し頭を向け腹を振り独特の音を出すラナ、するとカリュゥがだんだんたじろいでいきます。これはどう言う事でしょう?
『殻甲蟲の出す音は我々にはただの雑音ですが一部を除くほぼ全ての生物にとってはかなり不快に聴こえてます。たとえ一匹であってもその事実は揺らぎません。』
不快な音に嫌悪感を感じたのかラナに対する敵意を外しそそくさとその場を離れて行きました。危機回避です。
ここで一旦外伝です。
〜〜〜我々にとって身近な殻甲蟲〜〜〜
殻甲蟲は、今昔東西南北に渡りその有用性は認められて居ます。
悪食故に獲得したと思われる強力な抗体は、血清作りに欠かぜす、その装甲殻は盾として、多くの人命を守ってきました。
『殻甲蟲の体液は正に神の血です。もし彼等が存在しなければ、強力な猛毒生物に対する血清を作れずに、多くの人々が天に召されて居た事でしょう。』
『彼等の外殻は、有名な戦士達は必ず装備していたと言われるほどです。国旗にもなった実例もあるんですよ?。』
この様に、あらゆる場面で我々人類を支え続けた殻甲蟲ですが、現在確認されて居た30種のうち、18種の絶滅が確認されており、今後もこのまま続けば、減り続けるであろうとされています。こうなってしまった要因は、我々人間が彼等に頼りすぎ、そして彼等を敬わずに乱獲を続けた結果です。
『我々は彼等に守られてきましたが、今度は我々が守る番です。』
『彼等は蟲から人間を守って居ましたが、我々が殻甲蟲を守るのは、同じ人間からです。コレはとても悲しい事ですね。』
これからも我々は、「上手く隣人と付き合う」必要がある様です。
〜〜〜二章〜〜〜
雨季、それは恵みの季節と共に、そこに暮らす生物の体温を根こそぎ奪い去る、悪魔的な一面も待っています。
ラナは大丈夫でしょうか?、居ました。雨季は基本的に岩陰でじっとして居ます。何でも食べる殻甲蟲にとって、食糧問題は無いに等しく、飢えとは無縁です。
おや?雨が降っているのにも関わらずその場を離れて行きました。
その後には何とネーベー(這い寄る黒)がゆっくりと、ラナがいた場所に近づいてきました。どうしてラナは気付き、どうして逃げたのでしょう?
『ネーベーはとても貪食です。その唾液の酸性は高く、殻甲蟲の装甲殻も上から覆いかぶさり、溶かして中身を啜って食べてしまいます。ズゾゾゾゾッとね?考えただけでも悍ましい事ですよ。』
『殻甲蟲は定期的に場所を変えていきます。これは同じ場所に留まるよりも敵に襲われにくいからでしょうね。でも、出くわすこともあります。感知能力を文字通りドブに捨てているので仕方なくはありますね。それに、他の効果もあります』
何はともあれ、危機を逃れたラナの旅は続きます。
翌日
普段は触覚を忙しなく動かしながら、森の中をあちらこちらへ歩き回るラナ。ですが、今日は違います。まるで何かを追う様に、森の中を迷うことなく進んでいきます。
実は今、ラナが進んでいる所は数日前に、別の殻甲蟲の集団がいた場所です。常に移動を繰り返す生態ゆえに、自分達の匂いを残し、異性を呼び込みやすくする効果もあるのです。
『ようやく、新しい仲間達に会えます。彼女の心の中を表すなら「やっと見つけたわ!新しい集団にはどんなハンサムな男の子が居るのかしら?」でしょうね。」
ラナのスピードが上がりました。もうすぐの様です。
集団を抜け出し約半年以上、森の中を彷徨い続けようやく集団に合流することができました。これからはパートナー探しです。
翌日、何やら集団内が騒がしいです。少し覗いてみましょう。
ガコン! ガコン! ガコン!
ラナと比べて少し刺々しい装甲殻を持つ殻甲蟲が、激しく頭部の装甲殻をぶつけ合っています。
『これはメスを取り合う、オス同士の熱い喧嘩です。皆んな若いメスが入り込み、熱くなっていますね。ラナはモテモテのようです。』
『これは人間に例えると、学校に美人な転校生が来て、異性達が猛烈に告白合戦をしている感じだわ。ラナも満更じゃなさそうね?』
殻甲蟲の喧嘩は激しく、頭部の殻をぶつけ合って先に退いた方が負けです。時に装甲殻が割れてしまうこともあるほど激しいバトルになることもあります。
『彼等にとって婚活は何としてもなし得たい事です。外から異性が入り込むこと自体、殆どなく、例え入り込んでもそれが同性なら意味がありません。それと、この力を捕食者からの攻撃手段とする事はありません。彼は、同種以外には絶対に、裏側を見せるような事はしないのです。』
『殻甲蟲の喧嘩に性別は関係ありません。メスが入り込めばオス同士が。オスが入り込めばメス同士が、熾烈な争いを繰り広げます。』
今回のチャンピオンはこのオスの様です。この後、ラナと甘いひと時を過ごすでしょう。
数週間後、ラナに異変がありました。予想進路に埋めておいたカメラを使い、下からラナを除くと、そこには無数の卵を携えて居ました。
『殻甲蟲は一度の産卵に100個ほどの卵を産みます。』
『殻甲蟲のメスには胸下に溝があり、卵が孵るまではそこに卵をキープしているんです。産んでポイでは直ぐに食べられてしまうわ。その問題を解決する方法は単純。持ち運べばいいの。』
乾季、それは雨季に溜めた力を、照りつける太陽の元に力一杯成長する季節。それは殻甲蟲も例外ではありません。
ラナの周りに、白っぽい何かがまとわりついて居ます。そうラナの子供達です。
『殻甲蟲の子供は、大人と変わらない形をしています。確かに今は色が白いですが、周りのものを食べていくにつれ、色素を取り込み、環境に合った色になっていくでしょう。』
殻甲蟲が成体になる期間は3年です。子供時代は殻が柔らかく、他の生物にとっては格好の獲物です。例え集団でいたとしても、殻甲蟲の防御網を出し抜いた、より小さな生物に捕食されることもあります。
この中から無事に成体に成れるのは三匹以下程度とされています。
翌年、我々は久しぶりにラナに会いにいきました。
探すこと2日、いましたラナです。子供達は10匹ほど、厳しい自然を前に一年持った彼、彼女らは、これからも逞しく生き抜くことでしょう。
我々人間に多大な影響を与え続けた殻甲蟲。今彼等は絶滅の一途を辿って居ます。身勝手な理由により彼等を減らしたのが我々なら、その責任と、そして今まで勝手に借り続けた恩を返すのも又、我々人間なのです。
〜〜〜エンディング〜〜〜
「………凄かったなぁ〜、明日学校で自慢しよ!」
新しく得た知識を披露したくてたまらない様子。
「■■■!ご飯よ!降りてきなさい!」
「は!、わかった!今行く!」
母親に呼ばれ、テレビを切る少年。急いで食卓に混ざりに行くのであった。
〜〜〜コメンテーター〜〜〜
ハルード・メン (男性)
陸上生物を専門にする研究者。結構名前が知られている。
キャスラン・ホン (女性)
ゴォ・ムなどを始めとした多足類に心を奪われた変態。
ケルン・ホールト (男性)
ゴォ・ムの血清科学者の一人。更なる可能性があると思ってる。
読みにくかったらすみません。(今更)
楽しんでいただけたでしょうか?新しい事をやるのはドキドキします。
それとカブトガニの血は、結構役に立ってたりします。
見たい生態(あくまで目安です)
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ネッサス・ビード(クワガタムカデ)
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ジェフェッタ・エスバ(骸蠍)
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ウナサカノハミ(二章ボス)
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クッヒカツ(一章ボス)
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グリャムー(極寒の恐竜)