宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH"   作:箕理 田米李

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本話から原作で言う所のps2『二重銀河の崩壊』に入ります。ではお楽しみくださいまし↓


第21話「前に進んで謎が増える」

※ナレーション(※CVは広川太一郎さんの声で脳内再生をよろしくお願いします)「無限に広がる大宇宙...この無数の星々の煌めきの中に...様々な生命の営みがある。そして、この生命の息吹は...時に宇宙の平和を乱す時がある...。

地球へと突然襲来した【デザリアム】の大艦隊の猛攻の前に【地球連邦】そして防衛軍はなす術もなく崩壊してしまう。

一夜にして占領され、重核子爆弾によって全人類を人質に取られてしまった地球を救う為、≪ヤマト≫は再販された自らの艦隊を率い再び宇宙の深淵へと旅立って行った。

だが...地球は死んでしまったわけでは無かった。多くの者達が"パルチザン"として立ち上がり明日へと希望を繋ぐ戦いを続けていた。宇宙(そら)を...≪ヤマト≫が飛び立って行った虚空(こくう)を眺めながら...。

そして現在(いま)...地球から約400万光年の彼方...≪ヤマト≫を旗艦とする【デザリアム本星殴り込み艦隊】は暗黒星雲の裏に隠された白色銀河へと進みつつあった。敵...【デザリアム】の母星を見つける為に...。」

 

【デザリアム】本星 某所

 

サーダ/【デザリアム】聖総統側近「聖総統閣下...あの≪ヤマト≫率いる艦隊が暗黒星雲との境界面を越え、我々の白色銀河へと侵入して来ております。」

 

聖総統「報告は受けている。グロータスが敗れたそうだな...。」

 

サーダ「はっ、グロータスは戦死し麾下のゴルバも被害甚大...これでは≪ヤマト≫と率いている艦隊の迎撃も地球の占領も疎かになってしまいます。」

 

聖総統「我らが最優先すべき目的は"大喪失の中の特異点"たる≪ヤマト≫の撃沈だ。。地球派遣軍のカザンには今しばらく現有戦力で持ち堪えて貰いその間(かん)に≪ヤマト≫を仕留めるのだ。サーグラスはミヨーズと合流し作戦を練っているのだろう?とりあえず彼らに任せておけば良い。」

 

サーダ「仰せのままに...。しかしカザンはともかくあの2人に任せてよろしいのでしょうか?デーダーとメルダーズの事もありやはり"血の通わぬ性"たる者である男連中では不足、今からでも黒髑髏艦隊と相手をしているルーギラとクーギラも≪ヤマト≫の撃沈の任に就かせるべきでは?」

 

聖総統「サーダ...我らの手足から血の気を捨てても"神聖なる命の源"たるその身を残している意味をお前は分からない訳ではあるまい。"無知"と対の意味たる"無血(むち)"とそう男共を蔑む事はない。男は我らの身を守る為にあり、それに殉ずるが【デザリアム】の男のしきたりだ。ルーギラとクーギラそしてファグリフォらはその例外、彼女らの闘争心の高さ故、男と並び戦士の道を歩んだのだ。その意思を汲んでやるが良い。」

 

サーダ「はっ!失言でありました...閣下。」

 

その頃、先の戦いで≪ヤマト≫艦隊の追撃を止め戦死したグロータス亡き後の混乱するゴルバ型戦隊の混乱を収拾したミヨーズは【デザリアム】近衛軍直轄艦隊所属のサーグラス准将麾下の艦隊と白色銀河表面宙域にて合流していた。

 

二重銀河・白色銀河表面宙域 最外縁

【黒師団】

総旗艦/メローペ級戦闘航宙母艦≪サーグロンダ≫

艦橋

サーグラス/【デザリアム】近衛軍直轄艦隊【黒師団】司令「バ、バカな!...グロータスが...あのグロータスが敗れただと...⁉︎」

 

『映像通信』by≪グレート・ガリアデス≫

ミヨーズ『は、間違いありません。」』

 

ミヨーズからの報告を受けにわかに信じ難いというリアクションをするサーグラス。同じ釜の飯を共にした無二の戦友であり、人となりそして戦い方をよく知っている。古武人として正面から正々堂々と戦うことしか知らない自分と違い頭が回り策謀に長けた奴だ。そんな策略家のアイツが地球の艦隊に負けて死んだ事に動揺を隠せないでいた。しかし、少しして自身を落ち着かせるとミヨーズに問う。

 

サーグラス「... ...最後まで立派だったか...グロータスは?」

 

ミヨーズ『...はい...。』

 

少し間を置いてミヨーズは真顔でそう答えた。サーグラスも瞼(まぶた)を閉じ少し沈黙した後、締まった顔をして答える。

 

サーグラス「そうか、ならば良い。この仇は必ず取らせて貰う。ミヨーズ、共に≪ヤマト≫を討とうぞ。」

 

ミヨーズ『は、そのつもりでございます。』

 

そう言って通信を切る。

 

オペレーター「あの...司令...よろしいのですか?本当の事をお伝えしなくても?」

ミヨーズ「ふん!私の問いの答えの真意が分からないのか?貴様が心配すべき事ではない!それより※ピケット艦の探知網にそろそろ≪ヤマト≫と艦隊が掛かる。目を離すなと伝えておけ‼︎」

オペレーター「りょ、了解‼︎」

ミヨーズ「全く、使えんだけでなく読解力もない部下だ。」

 

※索敵担当の艦艇の事。艦隊から離れ単艦で行動し敵への警戒を行う。

 

部下の言った通り事実とは異なる答えをしたミヨーズ。だが、例え真実を告げたとしても信じないだろうしサーグラスにとっての大事な戦友の名誉を汚す様な事を言うのは今後の共同作戦に支障をきたすと考えての事だった。「准将にとっては良い友だった事にしておこう」と私情を押し殺したのだ。

 

同・最外縁 まだ暗黒銀河寄りの宙域

【デザリアム本星殴り込み艦隊】

総旗艦≪ヤマト≫ 第1艦橋

 

古代「どうだ林?」

 

林繁(はやし しげる)/≪ヤマト≫気象長「う〜ん、ダメですね。これ以上は敵の足取りが掴めそうにないです。この白色銀河の何処かだというのは確かなんですが...。」

 

山崎 奨(やまざき すすむ)/≪ヤマト≫機関長「もしかしてあの暗黒星雲の中にあって通り過ぎてしまったという可能性は?」

 

新見 薫(にいみ かおる)/≪ヤマト≫技術長「可能性はないとも言い切れませんが、それでは先の宙域でのあのゴルバの数の説明が付きません。【デザリアム】は私達がこの白色銀河に到達するのをなんとしても防ぎたかった筈です。そして私達は来た。この地球のある我々の銀河系に匹敵する程の広さを持つ宙域をなんとか探すしかないと思います。」

 

島「捜索するにしたって広さが広さだからな...。」

 

白色銀河に到達した≪ヤマト≫麾下の【デザリアム本星殴り込み艦隊】だったが、その規模が地球のある銀河系に匹敵する広さを誇るこの美しい銀河から【デザリアム】の本星を地道に探すしかないのかと途方に暮れていたその時だった。

 

ピーンッ!ピーンッ!ププッ!(レーダーの電子音)

 

西条「前方、我が艦隊の警戒艦≪ミライ≫からレーダー・データリンク!コンタクト・コール(探知報告)です!12時の方向、距離23万宇宙km、上下角+8°‼︎」

仁科「どうやらそんな心配は無用の様だな...お客さんです!」

土門「待ち構えていたかの様な現れ方だな...。」

古代「恐らくピケット艦隊だ。この白色銀河が敵の本拠地ならここ暗黒星雲との境界面は敵の第一警戒防衛線に相当する(≪ミライ≫...戦没した≪ヤハギ≫の穴を埋めてくれているな...)。

よし、全艦に警報発令!総員第一種戦闘配置!技術長!この機会に...。」

新見「はい!敵の航路データをなんとしても取ってみせます!」

古代「お願いします。市川、≪ヤマト≫より艦隊全艦へ通達。航路データ確保の為、敵を撤退させるよう攻撃は控えられたし、なお航空隊は発艦準備を整えて待機、パトロール艦及び早期警戒機は周囲の索敵に専念、360°監視を怠るな!」

市川「りょ、了解!」

北野「難しい注文ですが...なんとかやってやる!」

仁科「その息でっせ戦術長!」

島「≪ヤマト≫、両舷全速!」

 

敵のピケット艦隊に探知され交戦に入る≪ヤマト≫艦隊。敵がワープした時に出る"空間歪曲のエコー(波動エコーとも言う)"のデータを確保すべく敵を全滅させない戦う為、艦隊は戦闘態勢に入った。

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その頃、第99特戦機群≪マキナ改≫の艦長室で睡眠を取っていた司令兼艦長のタクローはゆっくりと瞼(まぶた)を開け目を覚ましていた。

 

タクロー「...ん...んぐぐぐぐ〜...。」

黒異士「起きたか?」

タクロー「あれ?キョウキョウ?俺、寝てたのか...?」

黒異士「あぁ、かなりな。」

タクロー「(時計を見る)あ!もうこんな時間‼︎早く起きないと‼︎」

黒異士「落ち着け、会議なら延ばした。」

タクロー「え?」

黒異士「お前、少し働き過ぎだぞ。だからあそこまで爆睡してたんだ。休む時にちゃんと休むお前らしくない。」

タクロー「そっか、ヤケに眠気が襲って来ると思ったら...。」

 

寝過ぎてしまって会議に寝坊したと思い飛び起きようとするタクローを抑え会議は伸ばしたと黒異士が告げる。先の戦いの損害から自艦と艦隊を立て直す為に再編の指揮を執っていた事による疲労が溜まったのだろうと思うタクロー。

今艦隊がいるのは海王星の浮遊ドック。先の冥王星での戦闘により損傷した艦艇は≪マキナ改≫を含めドックに入渠している。損傷の少ない艦を優先的に修理し終わり次第また次の損傷艦を入渠させている。≪マキナ改≫は飛行甲板や艦後部に被弾、体当たりを受けたが、思ったほど軽微だったらしく直ぐに修理を終えるらしい。

 

黒異士「ロゥジィーとロニーザが今突貫作業で修理をしている。終わり次第、中〜大破艦艇を入渠させるそうだ。損傷の大きい艦は破棄しても良いな?」

タクロー「うん、やむを得ないね。使える装備や部品は取り外して共食い整備に使おう。そういえば天王星からの報告は間違いないんだっけ?」

黒異士「あぁ、海王星(ここ)と同じく生存者なしの敵影なしだった。先行偵察に行った第二群の≪コリブリ≫旗艦の軽空母戦隊(ガトラン鹵獲改装艦構成艦隊)が宙域周辺と基地の様子を確認した。」

 

第99特戦機群 第二群の偵察隊は先行して天王星を偵察していたが、海王星と同じく敵影なしの生存者なしだった。

あらかた調査を終えた後、現在は第二群旗艦≪ネメシス≫の指揮の下に演習が行われている。

 

第二群旗艦 戦略指揮戦艦≪ネメシス≫

CIC(戦闘情報センター)

 

冬月「戦艦戦隊は後退しながら砲撃!敵の突撃を誘い込め‼︎巡洋艦及び駆逐艦戦隊は左右から包囲だ‼︎」

 

冬月艦長の指示の下、第二群所属のガトランティス鹵獲改装艦のWⅢ(ホワイトスリー)艦や地球第一世代艦改装艦が指示された通りに艦隊運動する。その中には先の戦いで旗艦≪リリー・マルレーン≫とその艦長兼司令の志摩そして多くの僚艦を失った元【志摩戦隊】のガミラス改装艦の姿もあった。

 

第2戦略即応機動旅団 旗艦≪ヴェム・ハイデルン≫

CIC

 

ヴェロニカ「誘い出す気だな!良いぜ乗ってやる‼︎うおっと⁉︎」

 

対するは≪ネメシス≫指揮の艦隊の誘いを受けて猛追する旗艦≪ヴェム・ハイデルン≫の第2戦略即応機動旅団とその包囲戦術を読んでいたか、攻撃の寸前に波動防壁ビットを展開した≪ザドキエル≫と麾下の第440独立機動防衛艦隊だ。先の冥王星での戦いでは良いコンビを組んで戦っていた。

 

第440独立機動防衛艦隊 旗艦≪ザドキエル≫

CIC

 

四糸乃「大丈夫ですか⁉︎ヴェロニカさん⁉︎」

 

『無線通信』by≪ヴェム・ハイデルン≫のヴェロニカ

 

ヴェロニカ『ナイスフォローサンキュー!」

 

この演習でもその名コンビ振りを発揮している。即席のペア艦隊だった筈だが、攻撃の第2戦略と防御の第440と役割をハッキリさせそれを実行している所を見るとそう感じさせない。

 

≪ネメシス≫ CIC

副長「見事に塞がれましたね。」

冬月「元【志摩戦隊】の面々も挙動は完璧だったんだがな、やはり旧式艦や雑多な寄せ集め改造艦では分が悪いか?」

副長「ではこちらも"切り札"を出しますか?」

冬月「そうしよう。"ブラック・サン"に打電!ご登場だ‼︎」

 

そう冬月が命じた直後、≪ネメシス≫の後方から一隻の黒い影が思いっきし通って行ったと思いきや更に何隻かが後に続いて行く。

冬月の言う"ブラック・サン"の正体、それは第一群(本艦隊)のアンドロメダ級≪アマテラス≫だった。

 

第99特戦機群 第一群(本艦隊)

≪アマテラス≫

CIC

 

天伝雷「アッハハハハ!さぁさぁヴェロニカさん!四糸乃さん勝負でしてよぉ!この演習で活躍して主様にたっぷり愛して貰いますわぁーッ‼︎」

 

そう息巻く≪アマテラス≫艦長 天伝雷は第二群旗艦≪ネメシス≫が管制する無人艦隊を率いて突撃を敢行する。相変わらずの速さと勢いだ。

 

ヴェロニカ「おぉーッ!すわっち来たかー‼︎一度やり合ってみたかったんだ!受けて立つ!よっしー‼︎」

 

四糸乃「は、はい!着いて行きます!守って...見せます‼︎」

 

突撃狂で真っ黒で強大な相手である≪アマテラス≫に臆する事なく2人は挑みに行った。

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≪マキナ改≫艦長室

 

黒異士「てな感じで諏訪にはそう言いくるめて演習に向かってもらった。あいつの愛ともてなしは重過ぎて逆に疲れが増すと思ってな。」

タクロー「ふっ、そうかもね。ちょっと疲れた時くらいが彼女の支え的に丁度良いわw.」

黒異士「本当は凛亜に頼もうと思っていたんだ。」

タクロー「そうだったん?確かに免許はねぇけど簡単な治療と看護くらいはできるのは知ってるけど...。」

黒異士「冥王星での戦いで回収した基地の備品や機体の残骸の調査をしている。今は仕事に没頭していた方が気が紛れると言ってな。」

タクロー「、、、そっか、今の凛亜にはそれが良いかもね。」

黒異士「だが相当に我慢しているんだと思う。あとで会いに行ってやってくれ。」

タクロー「そだね。そうするよ。」

 

しばらくして休息を十分に取ったタクローは第3波動実験開発隊群 旗艦≪アクエリアス≫へと赴いた。ドックに入渠していたので徒歩で乗艦し、乗員の1人に艦長の安玖園の居場所を聞き艦長室の前にやってきた。ノックをするが返事はない。しかも扉のロックは外れて開いている。中に入るとそこは"ザ・汚部屋"という様相を呈していた。食事の容器はそのまま、服等はソファに掛けっぱなしと荒れている。「凛亜〜?どこ〜?」と真っ暗闇な部屋を歩いて名を呼ぶ。するとふと後ろに気配を感じ何かに抱きつかれる。

 

タクロー「...凛亜?」

安玖園「... ...。」

 

研究者の白衣姿で後ろから手を回して無言で抱きついてくる安玖園。彼女の温もりと静かな呼吸、豊かな胸部の柔らかさが伝わってくる。

 

タクロー「安玖園艦長〜?」

安玖園「やぁ、来たんだねタク。」

タクロー「後ろからのそって来ないでよ怖いやんけ(汗)」

安玖園「それはすまなかったね。でも私と君の仲を考えればこれくらいのスキンシップは普通ではないかな?」

タクロー「まぁ〜そう言えなくもないかな...?」

安玖園「ありがとう。私を気遣って来てくれたのだろう?」

タクロー「まぁねそゆことよ。」

 

普段はこの様に甘えてくる事はまずない彼女だが、2人きりの時は好意を示してくる...のだが、今日はなんだか一段と抱きしめる力が強いと感じているタクローだ。

 

タクロー「いだだっ...!ちょっと凛亜さん凛亜さん力強いって..!(汗)」

凛亜「... ... ...。」

タクロー「もしかしてまだ怒ってる?...≪アクエリアス≫をうち(99特戦機群)に配属させなかったこと?」

凛亜「おや、よく分かってるじゃないか?」グググッ...(更に力を強める)

タクロー「うぐごごっ...?説明しただろ?≪アクエリアス≫は修理次第、≪銀河≫の第1、≪La(ラボラトリー)・アクエリアス≫の第2に次ぐ波動実験部隊の旗艦にするって決まってたんだって。そりゃうちにも君と≪アクエリアス≫の様な研究調査艦が欲しくなかった訳じゃないけどね...って凛亜?」

 

そう慌てて説明するタクローだが、安玖園艦長は黙り込んでいた。よく見るとギュッと抱きしめたままスゥスゥと寝息を立てていたのだ。「あらあらお疲れでたのね」と言い安玖園をおんぶして持ち上げそのままベッドに運び置いて毛布を掛けて寝かしつける。ふと側の机を見るとタブレット端末が置いてあり、そこには冥王星での戦闘データや鹵獲/回収した【デザリアム】の品々に関する解析データが記されていた。

 

タクロー「(キョウキョウが言ってた奴をやってくれていたんだな...それで寝ちゃったのか、お疲れ様ね凛亜)」

 

と頭を軽く撫でて労を労う。するとそれに反応してか気分良く良い表情になる。タクローはそれを見た後、起こさない様にそっと部屋を出る。それから廊下を歩きながら安玖園が調べてくれたデータをタブレットで確認する。

 

タクロー「(無人機だった敵の艦載機...手付かずの防衛軍冥王星基地...これまでの基地の様子と同じ様に敵は地球以外の惑星には基本戦力も人員も配置しない方針を取っている。だがこの冥王星基地は違った...しかも奴ら反射衛星の事を知っていた様に利用しやがった。それに我が軍の基地内を調べた様な跡があったが、武器も弾薬も情報端末も食糧も...何も手を付けた跡がなかった...。なぜなんだ?調べる必要がなかったのか?それに奴らだって人間なら飯くらい食うだろうし、自分達の艦の食糧もあるだろうが基地からパクってもなんら不思議ではない...益々(ますます)謎だらけな敵だ)」

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【デザリアム】近衛軍/黒師団

旗艦≪サーグロンダ≫

艦橋

 

オペレーターA「≪ヤマト≫艦隊。我が方の防衛網第一陣を突破!残存艦、残り僅かです‼︎」

 

≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】と交戦した【デザリアム】の精鋭艦隊【黒師団】総旗艦 戦闘母艦≪サーグロンダ≫の艦橋でオペレーターの報告を静かに聞くサーグラス。

 

サーグラス「そろそろ良いだろう。残存艦に撤退指令を..."例の場所"だ。」

オペレーターB「はっ!撤退指令を伝達します。」

 

同・第Ⅱ特務艦隊

旗艦≪グレート・ガリアデス≫

艦橋

 

オペレーターA「ピケット及び対応艦隊、撤退指令通りの行動プロセスを進行中...ワープ開始まであと10メル(秒)。」

ミヨーズ「ふん...さすがの対応の早さだなサーグラス准将閣下...激情家で情に厚い准将のことだ、グロータス准将の敵討ちとしてこのまま≪ヤマト≫達と刃を交えると思っていたのだが、やはりサーダ様直々の命とあっては無視する訳にもいかないという事か...。」

オペレーターB「あの...司令...?」

ミヨーズ「なんだ?作戦の内容は頭に入っているだろう!黒師団との艦隊行動を行うのもこれが初めてではない!さっさとこちらもワープの態勢に入り、≪ヤマト≫率いる艦隊を待ち伏せるポイントへ向かうのだ‼︎」

オペレーターB「りょ、了解‼︎」

ミヨーズ「ふん!全くいつもながら使えん部下だ...。」

 

【デザリアム本星殴り込み艦隊】

総旗艦≪ヤマト≫

第1艦橋

 

西条「敵艦隊、転進してワープの態勢に入りました。」

古代「撃ち方止め、そのままワープさせろ。新見、林、頼むぞ。」

新見/林「了解!/はい。」

西条「敵反応、ワープにより消失!」

林「空間歪曲のエコー(波動エコー)を探知!」

新見「記録...しました!」

仁科「すげぇや、何もかも予定通りだぜ!」

古代「... ... ...。」

北野「どうかしましたか艦長?」

古代「いや、防衛線にしてはえらく簡単に突破できたとなと思って。」

島「俺もそう感じた。」

山崎「引き際が良過ぎて逆に気味が悪いですよ。」

土門「だとするとこれは...罠...?」

古代「いや、考え過ぎならそれに越した事はない。ともかく分析作業を急いでくれ。」

新見「はい。」

 

あまりにも上手くいき過ぎてて素直に喜べない艦長の古代や副長/航海長/操舵手の島、機関長の山崎がそう各々語りそれまで喜んでいた他の艦橋クルーも声が静かになる。

数分後、≪ヤマト≫の中央作戦室に艦長を始めとした艦の責任者が集まる。一部の艦の艦長と第7艦隊及び【ガルマン・ガミラス】の第27空母打撃群の艦隊責任者はホログラム映像通信で作戦会議に出席している。

 

新見「これを見てください。」

 

新見≪ヤマト≫技術長が手元のタブレットの情報を足元のディスプレイに添付、反映させ皆に見せる。

 

新見「敵の撤退方向、そして距離から敵が逃げた宙域を特定することができました。誤差を含めても50光年の位置にあります。」

仁科「そんだけ狭い範囲に絞れたんなら大したもんだぜ。」

新見「そうなのですが...。」

古代「何かあるんですか❓」

 

地球のある銀河系に匹敵するこの二重銀河...例えるなら砂漠の中から金一つ見つける様な途方もない事をして敵である【デザリアム】の母星を見つけなければならない。それがあると思われる宙域を絞ることができたのは良いことなのだが、朗報に喜ぶ仁科に対し声が冴えない新見。古代がその理由を聞こうとすると「そこは私が答えよう」と≪ヒュウガ≫の真田艦長がホログラム映像通信で応える。

 

真田/ホログラム映像通信by≪ヒュウガ≫『まず考えなければならないのは、その宙域に存在する※恒星(※太陽の様に自ら発光する天体のこと)のことなんだ。

地球を占領している【デザリアム】の兵士達は地球の大気、重力、温度や湿度共に完全に適応している。つまり敵の母星も、地球の太陽と同じタイプの恒星を巡る惑星の可能性が大だということだ。

敵が地球を植民地又は奴隷化目的で占領し支配、利用しようとするのなら尚更そうでなければならない。』

 

古代「同じタイプの恒星...。」

 

真田『そう、地球以外で話をするなら【ガミラス】と【イスカンダル】がそうだ。この二つの国の星を巡る恒星であるサレザーは我々の地球の太陽と同じG型スペクトルの恒星だ。

【ガトランティス】もそうだ。≪ヤマト≫が都市帝国内部に侵入した際に記録したんだが、都市内の照明は我々の太陽光スペクトルと酷似していた。彼らもそして彼らを作った【ゼムリア】も滅びの方舟で放浪する前は、同じタイプの恒星の元に生まれた民族だったと可能性が高い。』

 

山南/ホログラム映像通信by≪シュンラン≫『つまりその円の中からそのタイプの恒星を見つければ良いという事か...。』

 

真田『そうなんですが...全くないんです。』

 

真田の答えに皆が「え...⁉︎」と言ったり思って思わず息を呑む。

 

バーガー/ホログラム映像通信by≪ランベア改≫『全くって...おいおい全然って事かよ...!」

 

本城/ホログラム映像通信by≪ラジエル≫『うん、真田艦長らと一緒に宙域データに目を通しまくったんだけど...そこには褐色矮星や中性子星ばかりで生命体がいそうな星がありそうになかったんだ。」

 

真田『しかし元々、我々の太陽やサレザーの様な黄色主系列星は星の種類としてはかなり稀な部類に入る。地球の統計では、宇宙にある半数以上の星が小さな褐色矮星だと言われているくらいだ。

この宙域に黄色星が完全にないというのは変だが、まぁありえないことではない。」

 

古代「しかし、その宙域に生物が存在できる環境がないということは...。」

 

刻崎/ホログラム映像通信by≪ザフキエル≫『罠...という事ですわね。」

 

古代の考えに対し答える様に刻崎が言う。古代は視線を刻崎に向けると妖しく笑って返され思わず少しドキッとしてしまう。それを見ていた≪アスカ≫艦長の森はぷくぅと顔を膨らませ嫉妬である。

 

刻崎『分かっていても飛び込まない事には前へ進めませんわ。敵の母星を探し出す事はできませんわ、そして地球を救う事も...。」

 

雪/≪アスカ≫からのホログラム映像通信『古代艦長...。』

 

古代「分かっています。艦隊陣形を立体式警戒陣に移行後、直ちに該当宙域へワープに入ります。本艦隊を中心とし第7艦隊と第27空母打撃群は周囲の警戒をお願いします。」

 

山南『了解した。』

 

バーガー『おう!罠だろうがなんだろうがいつでも来いってんだ!任せとけ‼︎』

 

刻崎の三段活用の迫りにも怯まず、これからの艦隊の針路を決定し各々の艦隊指揮官に伝える古代。「そろそろ古代艦長への当たり、やめどきかなアサミん?」とアイコンタクトする本城に対し「えぇ、そうかもしれませんわね」と瞳を閉じて微笑む刻崎だった。

少し時間が経って各々がそれぞれの艦と艦隊の指揮に戻り配置に着く。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

『無線通信』

山南『こちら≪シュンラン≫の山南。第7艦隊は配置完了。」

バーガー『≪ランベア改≫のバーガー、全艦所定の位置に着いたぜ。』

刻崎『≪ザフキエル≫並びに≪ラジエル≫以下、警戒艦の配置を終えましたわ。いつでもどうぞ。」

市川「全艦隊、配置完了です艦長。」

古代「了解。≪ヤマト≫より全艦に達する。これより我が艦隊は敵の領域である白色銀河へと突入する!全艦ワープ準備!」

島「ヨーソロー、針路、10時方向と渦状腕間隙(かじょうわんかんげき)に固定。」

古代「≪ヤマト≫、発進!」

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≪マキナ改≫艦内通路

 

天伝雷「主様〜!」ダキッ!

タクロー「おっとっと!天伝雷さんか。」

ヴェロニカ「あー!すわっちズルーいっ!」

冬月「ハハハ、人気ですな司令。」

四糸乃「あわわ...(汗)」

 

通路を歩いていると天王星の調査及び演習から帰還した冬月第二群司令、天伝雷、ヴェロニカ、四糸乃の4名に遭遇し内1名の天伝雷さんから絶賛熱烈なハグを受けている。

 

天伝雷「ん?スンスン...薬品の匂いがしますわよ主様?さては凛亜さんの所に行ってましたわね?」

タクロー「あ、あぁ頼んでいた調査結果を見に行ったんだけだよ。」

天伝雷「いえ、これは抱きしめられましたわね?」グギギギッ!(強く抱き締める)

タクロー「いででっ!そうそうそんな感じででもそれだけそれだけ!」

天伝雷「もう主様ったら。私がいつでもお世話して差し上げますのに...朝から晩まで...。」

 

抱き締める力を弱めタクローの耳元で囁く様に言う天伝雷。タクローは逆に抱き締め返し、「ありがとう。また落ち着いたら頼むね」と静かに返し天伝雷はこの上なく満足した表情を浮かべ「はい」と目の奥をハートにして答えた。それを見たヴェロニカは「さっきから2人だけズルいってば!」と言ってこちらも抱きついて来た。

 

タクロー「ごめんごめんニッカ。演習はどうだった?」

ヴェロニカ「あぁ!よっしーとの連携をさらに強めて来たぜ!アタシら良いコンビなんだ!な!よっしー⁉︎」

四糸乃「は、はい!」

タクロー「そうかそうか、2人ともご苦労だったね。これから冬月司令と話す事がある。3人とも先に行っててくれ、今日はもう休んで良いぞ。」

 

3人は「は〜い」「おうよ!」「そ、それでは!」と各々返事して去っていく。タクローが手を振りながら彼女らを見送ると「立ちや歩きながらではアレですし場所を変えて話したいんですが?」と冬月に言うと「では士官室で」と答え2人は場所を移した。

 

≪マキナ改≫士官室

 

タクロー「天王星も生存者なしのこれまでとほぼ同じでしたか。」

冬月「はい、偵察隊の報告に間違いはありません。今は第二群の手空きの艦艇を向かわせ集めれるだけの物資を積め込ませています。」

タクロー「分かりました。修理及び積み込み作業終了後、艦隊は土星へ向かいます。といっても本星がないので正確にはその衛星と言うべきでしょうか?」

冬月「タイタンかエンケラドゥスに❓」

タクロー「はい。生存者の確認は引き続きにですが呉賀や他の艦の機関科員からエンジン関係の部品のストックが足りないと報告を受けましてね。その2つの衛星にある"コスモナイト90"の確保を目指したいんです。

その前にエンケラドゥス及びヒペリオン駐留艦隊の安否の確認を行います。」

冬月「生き残っていると言いですな...。」

タクロー「えぇ、そろそろ味方にお会いしたいです。」

 

次の行動方針を話し合い決まる2人。機関系パーツのストック不足、味方の不在と不安要素は多々あるが、それでも生き残り戦っている者がいると信じ進むしかないとタクローと冬月は思うのだった。




読了ありがとうございます。今回はほぼ戦闘パートなしの日常寄りで描きました。冒頭のナレーションの声はファンなら脳内再生余裕でしょうw.?
≪ヤマト≫達【デザリアム本星殴り込み艦隊】側も冒頭と同じく原作ゲームの『二重銀河の崩壊』でのやりとりをベースにリメイク風に大幅に書き直しました。これが1番大変だったかもしれません。
【デザリアム】の聖総統とサーダのやりとりから何やら宗教らしい雰囲気が感じられますね?彼らの正体に直結する物だと思われるが真相はいかに?そしてここで何気にルーギラさんがよく部下に口にする「無知」が二重の意味だったと判明します。これも重要な伏線かも?覚えておいて下さい。
サーグラス准将が登場し同じゲームオリジナルキャラのミヨーズと共同戦線を張ることになりました。原作ゲームでは実現しなかった共闘を実現させました。知ってる人はニヤニヤが止まらんことだと思います。尚、艦隊名は『黒色艦隊』から『黒師団』に変えました。そのままだと安直過ぎるので第二次大戦時にスペインが当時のナチスドイツに義勇部隊とした派遣した「青師団」が名のモチーフです。
一方のタクロー達は海王星と天王星で修理と調査と演習をしています。海王星のドックは旧作の『Ⅲ』に登場しバース星艦隊旗艦のラジェンドラ号が入渠するシーンで出て来ます。天王星は「旧作でもリメイクでもヤマトシリーズにおいて一度も星自体が映ったことのない太陽系の惑星」らしくどう書こうか迷いましたが、調査+演習をしたって事にしてお茶を濁したような表現になってしまいましたがこれで許してください。
次はいよいよあの土星沖会戦が行われた土星に向かいます。といっても星自体はもうないんですけどね(汗)。エンケラドゥスとヒペリオン両艦隊の安否は?そして無事コスモナイト90を確保できるのか?次回をお楽しみに!
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