宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH"   作:箕理 田米李

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皆さん謹賀新年明けましておめでとうございます。『3199』の新情報と公開日とPVが公開されて更に盛り上がりを見せていますね。公式様より先に書いてしまってる本作も負けじと書いていきますよ!ではどうぞ↓


第22話「タイタン奪還作戦!コスモナイトを確保せよ‼︎ 前編」

暗黒星雲と白色銀河の境界面に於いてミヨーズの第Ⅱ特務艦隊と合流したサーグラス准将率いる精鋭【黒師団】と接敵した≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】だったが特に手応えもなくこれを退け、まるで誘うかの様にワープで撤退して行くのを確認する。作戦会議の結果、罠を承知で先に進むことにした≪ヤマト≫率いる艦隊はワープで敵の撤退方向に向かう。

ワープアウトした≪ヤマト≫達を待ち受けていたのは、ぼんやりとした薄茶色の宇宙空間にあるアステロイドベルトだった。

 

【デザリアム本星殴り込み艦隊】

総旗艦≪ヤマト≫

第1艦橋

 

林「スクリーン全てグリーン。左舷前方にクラス3の褐色矮星を確認。4光年以内にあと三つほど恒星を確認できますが、ほぼ赤外線反応のみです。全て同じ褐色矮星ですね。」

西条「レーダーに敵影ありません。」

古代「ッ⁉︎一つもか?」

西条「はい、暗黒ガスが点在しているのでそこに潜んでいると思われます。」

島「罠にしてはなんだか静か過ぎるな...。」

 

軽空母≪ヒュウガ≫

第1艦橋

 

太田「それにしても不気味な場所ですね。近くに恒星があるのに眩しいどころか薄暗いだけですし...。」

真田「それは無理もない。もともと褐色矮星自体が"恒星になりきれなかった星"だと言われているからというのと関係している。つまり恒星と惑星の中間の存在だ。

褐色矮星は核融合反応を起こす程の高熱を発することができない。その殆(ほとん)どは光をあまり発せず、自重による収縮時に僅かに赤外線を放出する程度なんだ。」

 

補給母艦≪アスカ≫

第1艦橋

 

森雪「とにかく警戒しつつ先を進みます。敵がいないとはいえここに撤退し潜んでいるとすれば即戦闘になるわ。南部君。いつでも戦闘配置に付けるようにして。」

南部「了解です艦長。」

 

通信して話し合ってるわけではないのに妙に繋がってる会話が繰り広げられてる中、【デザリアム本星殴り込み艦隊】前衛に位置するピケット艦隊の一隻≪ザフキエル≫のレーダー手が妙な反応を捉える。

 

早期警戒管制艦≪ザフキエル≫

第1艦橋

 

レーダー手「艦長!レーダー...いえ[エピタフ]システムに反応ありですわ。」

刻崎「[エピタフ]に?ここに時空乱流の類でもあると言うんですの?」

レーダー手「分かりません。反応が極めて微弱なんですの、けど...この波形は時空乱流でもそして時間断層のとはまた違った別の物ですわ。」

刻崎「どういうことですの?」

レーダー手「とにかく今まで見たことないものだということしか分かりませんわ。」

 

時空乱流でも時間断層でもない時空の流れの波形を観測する≪ザフキエル≫。「何があるというんですの?この薄暗い宙域に?」と刻崎は考え込む。

その時だった。≪ヤマト≫の左舷上後方に位置するアンドロメダ級≪アマクサ≫が突如として被弾し黒煙を上げる。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

古代「なんだ⁉︎」

西条「左舷上後方にいる≪アマクサ≫です!被弾の模様!」

 

≪アマクサ≫

第1艦橋

 

霧下「どうしたぁ⁉︎」

レーダー/通信手「分かりません!いきなりやられました‼︎あ!敵の反応がッ‼︎」

霧下「くっ...!アンドロメダ級たる本艦の※[M.E.T.I.S]システムが遅れをとるとは...!」

 

※Merge/Erint/Tactics/Intelractive/Strategy(戦略/電子/戦術/情報)の略。アンドロメダ級の戦略戦闘指揮システムでギリシア神話の知恵の女神から取られている。

 

≪アマクサ≫の攻撃をきっかけにアステロイドに潜んでいた敵が一斉に湧いて出る。それを艦隊各艦が次々と敵をレーダーに捉え始める。それは≪ヤマト≫も同じだった。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

西条「敵のパラメータ出ました!ゴルバから射出されたあの無人重攻撃艇です‼︎」

島「アステロイドを影にして潜んでいたんだな!」

古代「全艦戦闘配置!各個に応戦‼︎」

西条「攻撃は本艦と≪シュンラン≫そして...ッ⁉︎...≪ザフキエル≫に集中しています‼︎」

古代「なんだって⁉︎」

 

≪ザフキエル≫

第1艦橋

 

レーダー/通信手「敵攻撃艇!多数左右前方いえ後方からも来ますわ!」

刻崎「なんなんですのいきなり⁉︎主砲、パルスレーザー各対空砲は自由射撃ですわ‼︎」

砲術/戦術長「急ですわね!これではまともに...あぁッ⁉︎」

 

突然の襲来に対処せざるを得なくなる≪ザフキエル≫。しかし本来戦闘向きではない警戒艦が応戦するには数が多い。砲術/戦術担当が対処しきれずでいるとそこにある物が飛来し≪ザフキエル≫の前方に青色の傘が広がる。補給母艦≪アスカ≫から放たれたご自慢の波動防壁弾だ。2205年時では艦中央両側にある多目的ランチャーでしか射出できなかったが、2年の間に弾頭の小型化に成功し主砲から発射可能になった事により使用の柔軟性が飛躍的に上がったのだ。今まさに迫り来るテンタクルズ無人重攻撃艇を相手取りながら同じ敵に囲まれてピンチな≪ザフキエル≫の前方目掛けて2番主砲の右砲で発射したところだったのだ。刻崎が≪アスカ≫の森艦長に礼を言おうとしたその時、≪アスカ≫の背後に迫る一艇のテンタクルズが見えそれに後部主砲を向け、左砲から時空停止弾[ザ・ワールド]を放って動きを止め残りの中砲と右砲のショックカノンで仕留めた。こちらも≪ザフキエル≫ご自慢の時空弾が主砲で撃てる程小型化し柔軟性が増している。

 

補給母艦≪アスカ≫

第1艦橋

 

森「ッ⁉︎」

 

『無線通信』by≪ザフキエル≫

 

刻崎『大丈夫でして森艦長?』

 

森「え、えぇ...助かりました...刻崎艦長。」

 

刻崎『いえいえ、こちらこそ先程は助かりましたわ...っておっと⁉︎』

 

互いに一難去ってまた一難というのはこの事を言うのだろうと認識しつつまたまた降り掛かる火の粉を払う。

 

森「くぅ...!?」

 

刻崎『あらあら、人が話しているというのに随分と行儀の悪いですこと‼︎」

 

中々悪くないコンビネーションを見せた2人をよそに、【デザリアム本星殴り込み艦隊】への攻撃は苛烈さを増していく。その時だった。艦隊の後方に強烈な閃光が走る。

 

第7艦隊

旗艦≪シュンラン≫

第1艦橋

 

山南「なんだ⁉︎今の光は⁉︎」

 

第27空母打撃群

旗艦≪ランベア改≫

艦橋

 

バーガー「観測班!今のは⁉︎」

甲板見張員「褐色矮星からの光です!」

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

古代「ッ⁉︎褐色矮星が光った...?」

西条「ッ!矮星に強烈な熱核反応!これは...褐色矮星が爆発しました‼︎」

古代「何っ⁉︎」

 

≪ヒュウガ≫

第1艦橋

 

真田「ッ!マズい!古代‼︎全艦に波動防壁を最大展開させろ!衝撃破が来る‼︎」

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

古代「全艦、波動防壁最大出力!衝撃に備え!波動防壁弾装備艦は防壁展開!非装備艦を守れ‼︎」

 

真田が無線で古代に警告する。褐色矮星の爆発。星が一つまるごと吹き飛んだ。【ガルマン・ガミラス】第27空母打撃群のバーガーには見覚えがある光景だった。そう...2年前のガミラス星の消滅。あの"黒い槍"が何百何千と地上に降り注ぎ星を崩壊へと至らしめたあの光景とだった。

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ミホノラ(ナレーション)「土星... ...太陽から6番目の惑星で太陽系の中では木星に次いで2番目に大きい。今から4年前の西暦2203年5月8日、ガトランティス戦役に於ける最大の激戦となった『土星沖会戦』が勃発したことでも地球の軍民共々に知られている。戦いは最終的にガトランティス側の勝利で終わり、ワープして来た都市帝国に土星は吹き飛ばされ消滅してしまいました。戦後、波動実験艦である≪銀河≫による修復が計画されましたが現在に至るも遅々として進んでいません。現在は衛星エンケラドゥスとヒペリオンそれぞれに駐留する艦隊が土星宙域での警戒を担当しています。私達はその両駐留艦隊の安否を確認しつつ希少鉱物である"コスモナイト90"の確保を行うべく防衛軍とガトランティスの無数の残骸が跋扈(ばっこ)する土星沖を進んでいます。

私が乗艦する≪マキナ改≫麾下の99特戦機群/第一群は≪ヴェム・ハイデルン≫率いる第2戦略即応機動旅団、≪ザドキエル≫の第440独立機動防衛艦隊と共にエンケラドゥス、≪ネメシス≫麾下の99特戦機群 第二群は旗艦≪アクエリアス≫率いる第3波動実験開発隊群(艦隊壊滅に付き残存艦少)はヒペリオンにそれぞれ針路を取っている。」

 

第99特戦機群

総旗艦≪マキナ改≫

第二艦橋(CIC:戦闘情報センター)

 

鷹乃目「全艦ワープ終了。現在、土星宙域。右舷前方に第2衛星エンケラドゥスを確認。」

タクロー「(無線機ガチャッ)艦長より達する。警戒配置のままエンケラドゥスに接近、いつでも戦闘可能な状態を保て。(無線機ガチャッ)カッシー、テック、周囲に反応はないか?」

栗梶「敵影、認められません。」

手邦「こう残骸だらけだと探知は困難ですね。」

タクロー「タッキー、デブリに注意しながら進んで。キョウキョウとエレレンとミホ大尉の3人もなるべく無人艦を穴だらけにしないように。クロン、エンケラドゥスに通信を、もち暗号でね。」

鷹乃目「ヨーソロー!」

黒異士/エレン/ミホノラ「了解!」

クロンナウア「あいよ!」

金田「今後こそ味方に会いたいものですな。」

タクロー「全くです。カッシ、暗号通信は...。」

栗梶「えぇ分かってます。旧国連統合軍のコードですよね?」

タクロー「そうだ。敵に知られてないコードでやるんだ。」

 

同じ頃、≪ネメシス≫率いる第二群は第7衛星ヒペリオンに向け航行し、≪マキナ改≫ら第一群と同じく警戒態勢のまま同基地に生存者がいないかを探ろうとしていた。

 

同艦隊・第二群

旗艦≪ネメシス≫

第二艦橋(CIC)

 

冬月「間も無くヒペリオンが見える。戦闘配置と暗号通信の用意をしておけ。」

副長「生存者がいるでしょうか?」

冬月「居ても居なくても気を抜くな。何が飛び出して来ても良い様にする。それだけしか我々にできんのだ。」

副長「はっ!」

 

≪マキナ改≫と≪ネメシス≫それぞれの艦隊組がエンケラドゥスとヒペリオンに向け暗号を打電する。沈黙... ... ...が静寂... ... ...カッコーが鳴...かないくらいの間(ま)が流れる。第11番惑星、冥王星、海王星、天王星とこれまで4つの惑星を巡って来たが、どこもかしかもいずれかも生存者なしの何もなさ過ぎの百回覗いて百回同じの惨憺(さんたん)たる有様を見てきた。今回もまた同じか...と思った時だった。

 

???『こち...ら...ンドゥス...備隊...』

 

クロンナウア「ッ⁉︎艦長!」

タクロー「ッ!」

 

???『...ペリ...ン駐...隊だ...そちら...』

 

≪ネメシス≫レーダー/通信手「来ました返信!」

冬月「答えたのか⁉︎」

 

途切れ途切れの微か微かに聞こえてくる声をハッキリくっきりさせるべく≪マキナ改≫と≪ネメシス≫それぞれのレーダー/通信手は急いで感度を調整する。

 

尾崎徹太郎/【エンケラドゥス守備隊】司令『こちら【エンケラドゥス駐留守備隊】司令の尾崎だ。そちらは99特戦機群だな?味方に会えて嬉しい。歓迎の上、入港されたし。』

 

ケイン・オーガスタ/【ヒペリオン駐留艦隊】司令『こちら【ヒペリオン駐留艦隊】のオーガスタだ。久々に味方の声が聞けて嬉しい。入港を許可する。ゆっくりはできないかもだがな。』

 

ここに来てようやく味方に会えた、声が聞けた、「自分達は孤独では無かった」「地球圏にはまだ同胞が居た」それが分かった事にタクロー達は歓声を上げたり安堵したり各々のリアクションの仕方で味方との合流を喜んだのだった。

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その頃、無数のテンタクルズ級無人重攻撃艇とデザリアムハンマーによる褐色矮星の爆発とその衝撃波を受けた≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】はその全ての撃退と第7艦隊旗艦≪シュンラン≫を始めとする波動共鳴導波装置持ちの艦艇による波動共鳴で強化された防衛軍艦艇の波動防壁の傘で自艦自身と第27空母打撃群のガルガミ艦艇と各々がペアを組んで囲んで守ったお陰で多少の損傷艦が出た程度で戦没艦は皆無だった。

その様子を戦闘宙域外縁で様子を伺っているのは【デザリアム】の黒師団と第Ⅱ特務艦隊の連合艦隊。それらをオペレーターから報告され黒師団司令兼旗艦戦闘空母≪サーグロンダ≫艦長のサーグラスは「ぬぅ...やるおるわ」と苦い顔で呟く。その時、オペレーターからサーダより入電との報を聞き繋ぐよう言う。

 

戦闘空母≪サーグロンダ≫

艦橋

 

サーグラス「サーダ様!ご提供を頂きました無人重攻撃艇隊及びハンマーによる褐色矮星爆発の攻撃に≪ヤマト≫とその艦隊は切り抜けた様でございます...。」

 

『映像通信』by???

サーダ『その様ですね。状況は中継している映像でモニターしていました。よくぞ我慢してくれましたね。一刻も早くグロータスの仇を討ちたい気持ちを抑えてくれたお陰で、≪ヤマト≫とその艦隊が我々"【デザリアム】1000年の夢"に対する脅威だという事が改めてよく分かりました。

とりあえずそその宙域での任務はそれで終えて良い。次に≪ヤマト≫達を誘い込む宙域のデータをそちらとミヨーズに伝える。待機の上、誘導役の艦艇の用意をして待っているのよ?」

 

サーグラス「はっ!心得ました‼︎フッハハハハ!ようやく!ようやく仇を討てる...!待っておれグロータス、そしてぇ≪ヤマト≫ォォォ‼︎」

 

勢いよく返事をし通信を終えると喜びを口にするサーグラスだった。その頃、≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】は艦隊の損害状況の確認の為に各艦隊の通信が慌ただしくなっている。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

西条「ッ⁉︎ワープアウト反応ッ!3隻です‼︎」

仁科「クッソ...!今度は艦隊の尖兵様がお相手ってか⁉︎」

西条「ッ⁉︎...敵艦、再びワープで撤退...反応消えました。」

林「どういうつもりなんだ...?」

古代「... ... ...。」

島「わざと足跡を残してったんだ。...誘ってるな?」

 

『映像通信』by≪シュンラン≫&≪ランベア改≫&≪ザフキエル≫

 

山南『古代艦長。こちらでも敵のワープアウト及び再ワープを確認した。十中八九(じゅっちゅうはっく)罠だろうが、追い掛けるつもりなのだろう?』

 

古代「はい、敵としても罠を張るのに自分達の知らない場所を選ぶ事はない筈です。どれだけ引き摺り回され罠を張り巡らされようとそこは必ず敵の領域です。何かしらの手掛かりはあると思います。」

 

バーガー『あぁ!どんだけ待ち伏せてようが全部ぶっ飛ばして、必ず【デザリアム】の本星を見つけてやろうぜ‼︎』

 

刻崎『きひっ!きっひひひひひひ‼︎えぇ、えぇ!渦中への飛び込み上等ですわ!"虎穴に入らずんば虎子を得ず"...ついでにその正体も引っ剥がして暴いて差し上げましょう?』

 

古代「了解しました。艦隊状況を確認後、ワープで追跡します。ご用意を。」

 

と敬礼を送り通信を切る古代。どんなに翻弄されようともこれだけの仲間がいればなんとかなるなんとかできる。そう思うのだった。

 

【デザリアム】第Ⅱ特務艦隊

旗艦≪グレート・ガリアデス≫

艦橋

 

オペレーターA「≪ヤマト≫とその艦隊。動き始めました。ワープの態勢に入る模様。」

ミヨーズ「ふ、やはり追ってくるか≪ヤマト≫...!それでこそ...それでこそだ。」

オペレーターB「あの...司令...?」

ミヨーズ「なんだ?」

オペレーターB「少々気になっていたのですが、あのテンタクルズをサーダ様がコントロールしていたのは承知しています。しかし先の戦い...≪ヤマト≫と超弩級戦艦(≪シュンラン≫のこと)を狙ったのは理解できましたが、なぜあの艦隊先頭にいた縞色の艦(≪ザフキエル≫のこと)も攻撃の対象となったのでしょう?」

ミヨーズ「ふんっ!貴様如きが一丁前に上(うえ)の作戦に疑問を感じる必要はない!それよりも我々も予定宙域に飛ぶぞ早くせんか‼︎」

オペレーターB「は、はい!申し訳ございません...(汗)。」

ミヨーズ「全くいつまで経っても使えん部下だ。」

 

そうは言いつつも部下の感じた疑問はミヨーズも感じていた。これまで特に重要な攻撃目標としていなかった艦をなぜ今になって?...と。そんな事を思いつつミヨーズとその艦隊もワープに入り≪ヤマト≫を待ち伏せに向かった。

 

【デザリアム】本星 某所

 

聖総統「≪ヤマト≫の誘導に成功した様ですね。サーダ?」

サーダ「は、これで奴らを本星から離す事ができます。それにしてもあの縞色の艦...時空の流れを読み取れるとは、≪ヤマト≫とあの超弩級戦艦ばかりに気を取られていて今の今まで盲点でした...。」

聖総統「あの艦も大喪失の存在か...いや、存在したかも分からぬものだ。」

サーダ「聖総統ですら認知しない存在が...⁉︎」

聖総統「... ...とにかく、≪ヤマト≫とその艦隊を本星から離している間にやるべきことはまだある。あの波動エネルギー応用大出力砲の対抗だ。」

サーダ「はっ!ベータ砲の発展型である"インフィニア・ベータ砲"を開発しています。ゴルバ型装備のをダウンサイジングするのに手間取りましたが、今の所は順調です。」

聖総統「よし、そのまま開発を続けさせよ。お前の用意した罠とサーグラスとミヨーズらの時間稼ぎで≪ヤマト≫達を存分に歓迎、釘付けにするが良い。」

サーダ「はっ!」

 

【デザリアム】は続々と罠や策謀を張ら巡らせ、≪ヤマト≫達をそこに誘おうと画策する聖総統なる人物とサーダ。果たして≪ヤマト≫達に何が待ち受けているのか...?

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ミホノラ(ナレーション)「エンケラドゥス、ヒペリオンの味方が健在なのを知り歓声を上げ喜んだ後、私達はそれぞれのドックに入港しました。エンケラドゥス守備隊の尾崎司令及びヒペリオン駐留艦隊のオーガスタ司令の話によれば【デザリアム】は地球侵攻当初は両方とも小さな衛星であったことと今は無き土星本星宙域から離れている為か無視して地球へ向かったが、その後しばらく経ってから同じく土星を回る衛星タイタンにある採掘基地を占拠しそこで採掘された金属資源を地球に輸送していると話してくれました。基地を叩くにも戦力が足りないのでそれぞれの衛星でじっと息を潜めていたそうです。それからもこちらの存在に気付いているのかいないのか、特に何もしてこない日々が続いている中で時折地球側から艦隊がワープアウトして来てはまたそそくさとワープして地球圏外に出ていく姿を何度か観測したのは私達と同じだったようです。

今私はエンケラドゥスの作戦室にて情報交換や今後の方針について語り合っています。ヒペリオン側とはホログラム通信でやりとりしています。その中でとりあえず決まったのは基地に備蓄されたコスモナイト90を使った機関系の修理が必要な艦のドック入り。≪ザドキエル≫とその麾下の第440艦隊が用いる波動共鳴導波装置もコスモナイトを使う機器の為ドック入りしています。酷使が祟ったので修理に時間を要するとか、次に決まったのはタイタン採掘基地の奪還です。【デザリアム】がタイタンに眠る金属資源の数々を採掘した後、地球に輸送し何かに利用しているならばそれを止めれば地球奪還に一歩近づくと我らがタクロー司令の提案に尾崎、オーガスタ両司令も99特戦機群等の実戦経験の豊富さと戦力を鑑みてこれを了承、作戦を立てる事となりました。」

 

衛星エンケラドゥス

作戦室

 

タクロー「敵の戦力数はどれくらいですか?」

尾崎「当初は100隻近い艦隊戦力が守っていましたが、現在はその数を半数以下に減らしていると思われます。

なにぶん長距離での観測のみでの情報収集には限界がありますので、偵察機による強行偵察は可能でしたが危険が強かったため断念しました。」

タクロー「懸命です。【デザリアム】の"目"は優秀です。我が艦隊のエリントタイガーやピーピングファルコンは通常機仕様よりも高いステルス性能を有していても、ギリギリ探知されるかしないかですから。」

 

『ヒペリオン基地からの映像通信』

 

オーガスタ『してどのように作戦を?』

 

タクロー「今から説明を、アイク、チャートを出して。」

 

タクローに言われ、≪マキナ改≫付き参謀のアイクが機器を操作して※足元のディスプレイに作戦図を表示する(※ヤマトの中央作戦室みたいな奴)

 

タクロー「陽動と欺瞞を用いた二面作戦で行きます。まず我々エンケラドゥス組が採掘基地正面に出て敵艦隊と共に注意をこちらに向けさせます。その間(かん)にヒペリオン組は空母航空隊を用いてタイタン基地を攻撃するという手筈です。」

尾崎「なるほど、実に単純且つ見事な作戦です。基地とその採掘機能を利用不可にさせてしまえば敵は基地を放棄し、挟み撃ちを恐れ撤退するという算段ですな。」

 

オーガスタ『しかし敵のレーダー網及び防御網は厚いと思われます。【デザリアム】の優秀な警戒レーダーの脅威だけでなく採掘基地に元からある我が防衛軍式の対空火器等も鹵獲し利用しているのを考慮しますと攻略は難儀するかと...。』

 

タクロー「それに関しては手は考えてあります。各艦隊の準備が整い次第、作戦を開始します。尚、本作戦は【タダ作戦(タイタン基地奪還を目的とする作戦)】とする。以上です。解散!」

 

数時間後、作戦準備を整えたエンケラドゥス組とヒペリオン組(以下、戦闘序列を記す)は各自出航し位置に付く。

 

【タダ作戦】戦闘序列

〈エンケラドゥス組〉

・第99特殊戦略戦術機動打撃群/第一群

・第2戦略即応機動旅団

・エンケラドゥス守備隊

 

〈ヒペリオン組〉

・第99特殊戦略戦術機動打撃群/第二群

・第3波動実験開発隊群(旗艦≪アクエリアス≫を含む残存艦少状態編成)

・ヒペリオン駐留艦隊

 

〈予備軍及び修理につき戦闘不参加〉

・第440独立機動防衛艦隊

 

以上が編成となる。〈ヒペリオン組〉の方を見てみよう。

 

衛星タイタンの裏側の宙域

〈ヒペリオン組〉

第99特戦機群/第二群

旗艦≪ネメシス≫

第二艦橋(CIC)

 

冬月「時間だ、作戦開始!航空隊は全機発艦せよ‼︎」

レーダー/通信手「了解、艦隊旗艦≪ネメシス≫より各空母群へ通達。作戦開始、繰り返す。作戦開始、作戦参加の航空隊は全機発艦せよ。」

 

ヒペリオン駐留艦隊

旗艦:ドレッドノート改級/甲型(砲戦能力強化型 type-A)主力航宙戦艦

≪ドレッドノート≫

第二艦橋(CIC)

 

レーダー/通信手「≪ネメシス≫から信号来ました!」

オーガスタ『各空母に航空隊を出させろ!遅れるなとな‼︎」

 

≪ネメシス≫レーダー/通信手が冬月の命令を各空母に無線で伝える。まず≪ネメシス≫が所属する第二群の空母群から発艦した艦載機が先陣を切る。ヒペリオン駐留艦隊所属のホワイトスカウト級(正規実用型)からも艦載機がその後に続いて次々と発艦していく。ヒペリオン駐留艦隊は旗艦≪ドレッドノート≫と同型艦3隻を始めパスファインダー級パトロール艦とエスコート/フォレスター級護衛艦の防衛軍艦艇とホワイトスカウト/ランサー/パイカー各級のガトランティス鹵獲改装艦の正規実用型で構成される艦隊であり、第99特戦機群第二群と編成が似通っていた為(第二群のは試製型)に同級艦艇が複数いることによる連携の取り易さを考慮し本作戦で艦隊を組む事となったのだ。

 

衛星タイタン正面宙域 

〈エンケラドゥス組〉

第99特戦機群/第一群

旗艦≪マキナ改≫

第二艦橋(CIC)

 

タクロー「(腕時計をチラ見して)時間ね。ダミー射出!艦船型と隕石型両方だ!艦首長(射程)魚雷、第一波斉射!」

 

号令の下、各艦がダミーバルーンを射出し偽の艦と隕石群を周囲に演出させる。艦首に魚雷を装備する艦艇から一斉に長射程型の魚雷が飛び出す。間を置かずして第二斉射目が始まる。

 

タクロー「魚雷第四波斉射後、航空隊第一陣発艦せよ!」

クロンナウア「アイサー!エンケラさんも含む各空母にも伝えまっせ‼︎」

 

魚雷攻撃の第一波がタイタン宙域を警戒していた【デザリアム】艦隊に着弾し警戒及び戦闘態勢が張られる中の続いて第二波が襲う。対応が遅れて艦隊がそしてタイタンの基地に警報が鳴り響き艦隊と基地航空隊が迎撃に動き出す。タクロー達も魚雷の第三、四波に続いて航空隊を発艦させる。その様子を見てエンラドゥス守備隊の尾崎司令も麾下のクラスD軽空母からも同様に航空隊を出させる。作戦の推移は反対側にいる〈ヒペリオン組〉も確認している。

 

〈ヒペリオン組〉

第99特戦機群/第二群

旗艦≪ネメシス≫

 

レーダー/通信手「〈エンケラドゥス組〉、作戦開始しました。タイタン基地と守備艦隊はあちらに釘付けです。」

副長「こちらにはまだ気付いていませんね。」

冬月「その様だが油断は禁物だ。こちらの攻撃が成功か否かに作戦完遂が掛かっていると言っても良いからな。」

 

作戦の推移をメインモニターで確認しながら冬月は副長を宥める。自身の第二群とヒペリオン艦隊合同航空隊がタイタンへ大気圏突入を果たし順調に同基地に向かって飛行している。彼等の働きが作戦の成否を左右する。「上手くやってくれよ...」と冬月自身も内心祈りつつ見守った。




読了ありがとうございます。サーグラスとミヨーズの共闘+サーダの罠です。原作ゲームではサーグラスのみで罠で出て来たのは駆逐艦の無人仕様でしたが、せっかくテンタクルズという無人の兵器が既にいるのでそちらに変えました。あと褐色矮星の爆発もリメイク風にデザリアムハンマーの仕業に変更しました。さりげなく"無限β砲"についても語られましたね。そのまんまだと安直なので"インフィニア・ベータ砲"という名前にしました。
ザフキエルのエピタフシステムが謎の反応を起こしました。時空乱流でも時間断層でもない反応、これは何を意味するのか!デザリアムがこれに反応したことも含めて伏線です!そしてなんとか罠を突破したヤマト達、明らかに誘ってるデザリアム側から次々と繰り出される魔の手を突破して本星へ辿り着けるのか⁉︎
タクロー達はようやく味方に合流する事ができました。『雷王作戦編』以来の登場のエンケラドゥス守備隊と旧作『2』だと彼等に当たるヒペリオン駐留艦隊が夢の共演です。ヒペリオン駐留艦隊司令の名前は声を担当した(クレジットはなかったけど)緒方賢一さんに因んでもじって付けました。ヒペリオン駐留艦隊の旗艦はあのクラスDのネームシップでしかもゲーム版の甲型(火力強化仕様)となっています。具体的に言えば主砲をアンドロメダ級の40.6㎝に換装したものです。模型は製作中なのでそれはまた。
タイタン基地が占領されたので奪還する作戦【タダ作戦】(シンゴジのタバ作戦が元ネタ)が開始されました。四糸乃艦長達440艦隊のメンツは今回はお休みで若干防御に不安が残りますが、果たしてデザリアムの金属資源利用を阻止できるのか?次回をお楽しみに。
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