宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH"   作:箕理 田米李

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『3199』の本予告が公開され大盛り上がりのヤマト界隈。しかし私の小説やメカコレ製作だって負けませんよ!それでは小説の方をどうぞ、今日は防衛軍ファン歓喜必然だね↓


第25話『まさに"暗中模索"そして一方はアステロイドの森で...』

二重銀河 白色銀河 渦状腕内の深部領域

【デザリアム本星殴り込み艦隊】

第65護衛機動群

早期警戒管制艦≪ミライ≫

第2艦橋(CIC:戦闘情報センター)

 

青梅征実(おうめ まさみ)/≪ミライ≫通信・レーダー手「半径300宇宙キロに敵影を含む反応なし。1時方向に≪ヒュウガ≫所属のエリントタイガー(コスモタイガーⅡの電子・早期警戒機仕様)編隊、6時方向に第27空母打撃群(【ガルマン・ガミラス】)空母≪ブリュウド≫所属のスヌーカ・エレトシュ(スヌーカの電子戦機仕様/型式番号DMB87Et、エレトシュはガミラス語で「電子」の意)、ドルシーラ・ワァウレ(ドルシーラの索敵レーダー搭載搭載型/型式番号FWG97W、ワァウレはガミラス語で「梟(フクロウ)」の意)展開、11時方向、第9防空中隊(【ガルマン・ボラー】)所属のKo-27M(【ボラー】のコルモフ設計局の輸送機をベースにした早期警戒型)を確認。定時報告以上なし。次の報告は1時間後です。」

 

菊池貴紀(きくち たかのり)/≪ミライ≫戦術行動士官(TAO)「了解。艦長、警戒機群からは以上です。」

 

梅津有作(うめづ ゆうさく)/≪ミライ≫艦長「ご苦労。第1艦橋、こちらCIC。副長そちらは?」

 

同・第1艦橋

 

角松徹(かどまつ てつ)/≪ミライ≫副長兼船務長「こちら第1艦橋、航海長をはじめ艦橋要員と手空きは双眼鏡による目視で監視しています。どうだ航海長?」

 

尾栗ゆうじ/≪ミライ≫航海長兼操舵手「ギリギリ航空隊の連中が見えるぜ。本艦右舷には≪スズツキ≫、左舷に≪フユヅキ≫を確認。後方は第7艦隊(防衛軍)の警戒艦≪シャイロー≫と護衛艦≪マッキャンベル≫、駆逐艦≪はれかぜ≫が着けてます。一番先行してるのは27空母打撃群のゲルバデス級の≪ドーラ・バレク≫の先遣隊だったな。地球にガルガミにガルボラと今更ながら信じられねぇビッグパレードだな...。」

 

角松「軽口はそこまでだ航海長。≪ヤハギ≫を失った分を他艦隊がフォローしてくれているんだ。感謝するべきことだぞ。」

尾栗「へっ、了解ですよ副長。こんだけ艦や航空機を広げてんだ。必ず手掛かりを見つけましょうぜ。」

角松「あぁ、皆そのつもりだ。」

 

【デザリアム本星殴り込み艦隊】

本艦隊・第65護衛機動群

総旗艦≪ヤマト≫

中央作戦室

 

島「本星への手掛かり捜索の為、艦載警戒機を始はじめ、各艦隊から哨戒戦隊を広範囲に展開させています。ですが今の所どの隊からもこれと言った報告はありません。」

バーガー(『ホログラム映像通信』)『完全に振り出しに戻っちまったって訳か、前途多難って奴だな。』

古代「... ... ...。」

 

先の宙域での【デザリアム】黒師団+第Ⅱ特務艦隊との激戦の末、第Ⅱ特務艦隊を壊滅させることができた≪ヤマト≫艦隊ではあったが、黒師団に第Ⅱ特務艦隊の生き残りを回収する猶予(ゆうよ)を与えた為にワープで逃げられ更には空間振動波によりワープの足跡を消され追跡不能となってしまった。デザリアム本星を探す手掛かりをなんとかして得ようと四方八方に艦や航空機の哨戒部隊を出していた。現在≪ヤマト≫の中作戦室では各艦隊の司令官クラスがホログラム通信で集まり会議や哨戒の進捗を確認しているところだ。

 

ピピッー!×2(通信音)

市川(『第1艦橋からの通信』)『第1艦橋より中央作戦室!≪ヒュウガ≫所属の警戒機H・E(ホテル・アイ)-1が敵空母及びその艦載機の攻撃を受けこれと交戦しながら現在帰投中‼︎』

 

古代「H・E-1が⁉︎...真田さん!」

 

真田(ホログラム映像通信)『あぁ、揚羽と椎名ペアの機だ。』

 

古代「近くにいる艦は確かうちの≪ミライ≫達と第7艦隊の哨戒戦隊か...。」

 

バーガー(ホログラム映像通信)『古代!こっちから救援を出すぞ‼︎空母だけならまだしも随伴艦が来たら巡洋艦と駆逐艦クラスじゃ分が悪ぃだろうかな‼︎いいな⁉︎』

 

古代「分かった!山南司令の第7艦隊の一部を、デリケ大佐はこの場で引き続き防空警戒を‼︎」

 

山南/デリケ(『ホログラム映像通信』)「了解/ダーヤ!」

 

その頃、現在進行形で追われる≪ヒュウガ≫所属のエリントタイガー、コールサインはH・E(ホテル・アイ)-1の揚羽、椎名ペアは機体を機敏に左右や上下に振りながら敵機の攻撃を交わし≪ミライ≫達がいる方向に向かって逃げ飛んでいた。

 

軽空母≪ヒュウガ≫所属

1式空間早期警戒機/エリントタイガー/H・E(ホテル・アイ)-1

 

椎名晶(しいな あきら)/レーダー手・補助操縦手「揚羽君!まだ追ってきてるわ!4時と7時‼︎」

揚羽武(あげは たけし)/機長「クソッ!ツイてない!暗黒ガスのせいで敵を見失ってたなんて‼︎長距離通信機もイカれちまって...‼︎だが、この情報は暗号化より直(ちょく)で伝えた方が良いから都合が良いと取るべきか...⁉︎」

 

敵機編隊に追われながらそれから来る攻撃を回避しながら2人は話す。まともな武装を持たない警戒機では逃げるのが精一杯だ。

 

椎名「あ!前方に≪ミライ≫と≪シャイロー≫の戦隊が‼︎」

揚羽「ありがてぇ!椎名!すまねぇが敵機をよろしくと伝えてくれ‼︎」

椎名「分かったわ!」

 

警戒艦≪ミライ≫

第2艦橋(CIC)

 

梅津「対空戦闘用意!護衛艦並びに第7(艦隊)の≪シャイロー≫らとのデータリンク繋げ!H・E-1が攻撃レンジ外から抜け出し次第敵を迎撃する‼︎」

菊池「80°、7宇宙マイル...主砲、短SAM、攻撃用意!」

青梅「H・E-1!攻撃レンジから抜けました‼︎」

 

第1艦橋

 

尾栗「回避運動も用意できてる!いつでも来やがれデザ公‼︎」

角松「ッ!...来たぞ...‼︎」

 

戦闘配置を終えた≪ミライ≫らは迫り来る"漆黒の虫群"の攻撃に備えその砲を指向させ砲身を空高く掲げた。

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ミホノラ(ナレーション)「木星基地を奪還、制圧し補給と補修を終えた私達は警戒しつつ火星の手前にあるアステロイドベルトに向かっている。同宙域には基地があり、これまで通り生存者の捜索を行う予定であるが【デザリアム】が基地化している可能性がある。場所が場所なだけに隠れる場所が多く待ち伏せするにはもってこいだからこれまでと違いより一層強い警戒が必要だ。」

持月「ミィィィ〜ホッ!」

ミホノラ「わっ⁉︎あ、アンナ...。」

 

≪マキナ改≫の食堂でいつもの私的日記を手持ちのタブレットで軽い昼食を取りながら操作し書き記してミホノラに同じ艦橋勤務クルーの持月が話し掛け相席する。2人は同期で時折こうしてランチタイムを共にしたりする仲だ。

 

持月「いつもの私的日記か?相変わらず真面目ちゃんだな〜お前も。この艦隊に入ってから2年間ずっとだろ?マメよな〜。」

ミホノラ「この艦隊で起こる事や艦長のする事には学びが沢山あるわ。だから単に日記を書くだけじゃなく自分なりの解釈を交えて戦い方や振る舞い方を同時に書き記したりしてるの。もう習慣ね。」

持月「ふ〜ん。ま、この艦隊にいて退屈や不足を感じた事ないのは事実だよな。」

ミホノラ「そうね、オールトの雲の基地からここまで割と駆け足で来てるけどおおよそ物資に困ってはないわね。でも皆疲れてないわけではないわ。その点に関しては艦長や先輩達は流石よ、あまり口や態度に表れてないもの。」

持月「へ〜よく見てるな。」

 

ミホノラの考えや観察眼に感心した時、突如警報が鳴り響く。「総員第一種戦闘配置!各員は各々の配置に付け‼︎」のアナウンスを聞いた食堂にいるクルーは食べ終わった者は急いで走り去りまだ済ませていない者は食事を強引に胃袋に詰め食器をそのままにして走っていく。ミホノラと持月は後者だった。艦橋クルーである彼女らは急いで事を進め慌ただしくしながら第1艦橋に向かう。「遅れました!」と言った2人はすぐそれぞれの席に付きコンソールをセッティングする。少し遅れて「艦長、上がられます」の金田副長の言葉と共に艦長のタクローが現れ席に座る。

 

第1艦橋

 

タクロー「状況は?」

栗梶「先行中のパトロール艦≪ペネムエル≫と護衛戦闘艦≪キハール≫及び≪ウーンドウォート≫からIFF(敵味方識別)にジャミングを掛けてる艦2隻と間も無く接敵との報!」

金田「敵の方も恐らくピケット艦でしょう。数の上では有利ですが...。」

タクロー「えぇ、念の為、第二群の一部とエンケラドゥス守備隊を後方に布陣させます。カッシ!」

栗梶「了解!」

ミホノラ「艦長、無人艦隊もバックアップに付けるべきと具申します。」

タクロー「分かった、しくよろで。」

 

≪マキナ改≫を含むいや第99特戦機群+寄り合い所帯の混成艦隊全艦は戦闘配置を整えようとしていたその時だった。栗梶が先行の≪ペネムエル≫からの通信を受け取りスピーカーに流す。

 

 

(音声通信)???「...ちら...艦隊...属...ール艦...」

タクロー「カッシ、感度合わせて。」

栗梶「お待ちを!」

 

無線の感度が悪いのを直すよう栗梶に言うタクロー。コンソールを操作して感度を調整する。

 

パトロール艦≪パシフィック≫艦長「こちら防衛軍 第1艦隊【ブルー・プルミエ】所属 PL-01≪パシフィック≫。同隊所属の僚艦である護衛艦≪ジョン・バジロン≫と共に警戒任務中である。貴艦の所属を述べよ、オーバー。」

 

ミホノラ「ッ⁉︎」

持月「【ブルー・プルミエ】って!まさかあの≪アルデバラン≫の...⁉︎」

 

まさかの味方からの通信にざわざわと湧き立つ艦橋クルーに対しタクローはまだ落ち着いた表情を崩さず栗梶に指示する。

 

タクロー「通信長。無線をこちらに。」

栗梶「了解...(ピピッ...ピッ!)どうぞ艦長。」

 

栗梶に回線を回してもらい手元の無線機を取り出し喋り始める。

 

タクロー「こちら防衛軍所属、第99特殊戦略戦術機動打撃群、旗艦≪デア・エクス・マキナ改≫艦長、多田部拓郎。麾下5個艦隊を率い地球へと針路を取り帰還途中である。IFFを表示する。確認されたし。」

 

「確認する。お待ちを」をと返ししばし沈黙した後、≪パシフィック≫は返答を返す。

 

≪パシフィック≫艦長「確認した。ご無沙汰しております多田部艦長。皆さんもよくご無事で。」

 

タクロー「えぇ、お互いに。」

 

≪パシフィック≫艦長「我らを含め多くの同胞が皆さんをお待ちです。案内致します。同行されたし。」

 

タクロー「了解。謹んでお受けしましょう。」

 

現防衛軍総旗艦だけでなく他の艦隊の生き残りもいるという言葉を聞き湧き立つ≪マキナ改≫艦橋クルーらだけでなくタクロー艦隊の全員がそうであった。

≪パシフィック≫と≪ジョン・バジロン≫に先導されアステロイドの中を進むタクロー達の艦隊。所々に点在するアステロイドにはパトロール艦や護衛艦が警戒に当たっている。そして奥に奥に進む事にその様相は濃くなっていく。赤い塗装が特徴の火星基地所属艦隊やクラスD正規空母及び軽空母を主力とした外周機動艦隊、各基地所属の中〜小規模戦隊、更には【ガルマン・ガミラス】月面基地 在テロン(地球)駐留艦隊 第1戦略即応機動旅団及び同第3と第4の旗艦≪ランダルミーデ≫、≪デルスガードラー≫、≪ゼイラギオン≫ら通称"ガミドロメダ級"の姿を見た第2所属の同型艦≪ヴェム・ハイデルン≫のヴェロニカ達は姉妹艦とその艦隊の無事を喜んでいた。そしてタクロー達の目の前にアステロイド基地がその姿を現す。元は火星に移り住んだ地球人類、通称【火星自治政府】が資源採掘の為に開拓していた小惑星を資源を掘り尽くした後に同所属火星宇宙海軍が軍事基地化した物を二度に渡る内惑星戦争終戦後に地球の国連宇宙軍が接収し利用。「カ号作戦(第一次火星沖海戦:西暦2192年6月5日)」及び「カ2号作戦(第二次火星沖海戦:西暦2198年2月20日)」では迫る【ガミラス】地球侵攻艦隊を観測するステーションの役割を果たし、西暦2203年5月24日に起きた「第三次火星沖海戦」では同基地を根拠地に地球連邦防衛軍火星基地所属艦隊とガミラス艦隊が共同で侵攻する【ガトランティス】艦隊に対しアステロイドを利用したゲリラ戦による遅滞戦闘を行った場所として知られている。そんなこんなで意外と歴史ある基地に辿り着く。ここまでもそうだったがさらに錚々(そうそう)たると呼ぶに相応しい艦隊が停泊していた。アンドロメダ級4番艦≪アキレス≫の第2艦隊【ファスト・ライトニング(疾走する稲妻)】、同級空母型≪アンタレス≫の第3艦隊【ポイズン・テール(毒の尾)】、そしてそれらに取り囲まれる形で中央に位置するは第1波動実験開発隊群 旗艦≪銀河≫と「防衛軍総旗艦艦隊」こと第1艦隊【ブルー・プルミエ(青の一番)】旗艦≪アルデバラン≫の姿があった。

 

≪マキナ改≫

第1艦橋

 

ピピーッ!×2(通信音)

栗梶「艦長、映像通信。≪アルデバラン≫と≪銀河≫からです。」

タクロー「お繋ぎよろ。」

 

メインパネルに≪アルデバラン≫の谷艦長と≪銀河≫の若き艦長、現防衛軍長官 藤堂平九郎の実娘である藤堂早紀が映し出される。

 

(映像通信)by≪アルデバラン≫

谷「多田部艦長(敬礼)」

 

同by≪銀河≫

藤堂「無事でなによりです。艦長(敬礼)」

 

タクロー「こちらこそ(敬礼)。積もる話もあると思いますが、それは後にしてさっそく情報交換と今後の作戦について話し合いませんとね。」

 

互いに敬礼を送り無事な姿を確認すると3人は艦長の顔を緩め、少しだけ笑むのだった。

=======================================

早期警戒管制艦≪ミライ≫

第2艦橋(CIC)

 

青梅「トラックナンバー、1618〜1628まで撃墜、1629〜1637は≪シャイロー≫が担当!被弾した≪マッキャンベル≫を≪はれかぜ≫と共同で援護しつつ応戦中‼︎」

梅津「≪シャイロー≫はともかく≪はれかぜ≫は無事か⁉︎」

菊池「えぇ、第7艦隊に出向で来た学生艦ながらよく粘っています!」

 

その頃、被弾し敵編隊に追い回されていた早期警戒管制機のH・E-1を援護し離脱させる事に成功した≪ミライ≫達は目標を変えて襲って来た艦載機編隊の猛烈な空襲を受けていた。その内、護衛艦の≪マッキャンベル≫は僅かな隙を突かれ被弾し中破なれど戦闘を継続。駆逐艦≪はれかぜ≫の援護を受けなんとか持ち堪えていた。

 

青梅「敵編隊攻撃を止め撤退...っ!レーダーに新たなコンタクト!敵艦隊‼︎」

梅津/菊池「なにっ⁉︎」

 

敵攻撃機編隊が引き上げて行った後、今度はその艦載機(ベイビー)の空母(ママ)が旗艦の【デザリアム】の戦闘空母機動部隊が来襲する。トドメを刺しに来たのだろうと皆が思った。戦闘空母のメローペ級を旗艦としその周りを巡洋艦のタイゲタ級2隻、レーダー・ピケット巡洋艦のプレイオネ級同じく2隻、駆逐艦ケラエノ級と護衛艦ヒアデス級それぞれ2隻ずつの計9隻と戦力差はほぼ倍の開きだった。射程に入った【デザリアム】側が重核子(ウラリウム)の紅い槍状のビームと束を放つ。瞬時に波動防壁を展開し防ぐ≪ミライ≫達だったが、アンドロメダ級やクラスDことドレッドノート級程の大出力の機関を持たない巡洋艦と駆逐艦クラスの艦では直ぐに防御、蓄積したエネルギーが飽和状態に陥り防壁が消滅してしまう。防御の(かなめ)が失われる。それでもお構いなしと砲撃の嵐が艦体を襲い、抉られたりレーダーアンテナを吹き飛ばされたりされる。「このままでは確実に全滅する」と誰もが思った時だった。【デザリアム】の戦闘空母艦隊の遥か後方から赤いビームの閃光群が襲うのを目撃する。

 

菊池「青梅!敵の向こうから攻撃は⁉︎」

青梅「お待ちを!(コンソールを操作する)...ッ!≪ドーラ・バレク≫⁉︎バーガー艦隊の艦です‼︎」

梅津「先行してた戦闘空母隊か!」

 

【ガルマン・ガミラス】

第27空母打撃群/第1空間装甲偵察大隊

ゲルバデス級航宙戦闘母艦

≪ドーラ・バレク≫

第1艦橋

 

艦長「≪ミライ≫らを助けるぞ!全艦対艦戦!蹴っ散らせ‼︎」

 

梅津の言う通り先行していたガルガミの第27空母打撃群所属のゲルバデス級≪ドーラ・バレク≫に率いられた先行艦隊が≪ミライ≫達の危機を聞きつけ引き返して来てくれたのだ。既に特徴的な前部飛行甲板をひっくり返しての遮蔽式戦闘甲板を開け陽電子ビームの大バーゲンを披露しそれに僚艦も続いている。

 

≪ミライ≫

第2艦橋(CIC)

梅津「この隙に離脱の準備を!」

菊池「はっ!各艦、生きてる艦砲で応戦しつつ離脱準備‼︎」

青梅「っ⁉︎さらに後方!同じくガルガミの援軍!巡洋戦艦戦隊‼︎」

 

≪ドーラ・バレク≫等の援護に安堵しつつ応戦して離脱を図る≪ミライ≫等の後方に同じくガルガミ第27空母打撃群/第7戦闘駆逐大隊所属のメルトリア級巡洋戦艦≪ゲルトリア≫、≪クラツェリア≫、≪バルガリア≫、≪ハイデリア≫の4隻からなる艦隊が凄まじい快速振りを持って宙域に救援に馳せ参じる。かつてのエルク・ドメル将軍麾下の第6空間装甲師団に所属していた4隻のメルトリア級とその僚艦はその練度の高さも相まって瞬く間に≪ミライ≫等の前に陣取り迫る【デザリアム】艦隊をあっという間に蹴散らしてみせた。こうして一難去ってまた一難を救援あって乗り越えた≪ミライ≫達だった。その様子と報は援護され無事離脱した早期警戒機H・E(ホテル・アイ)-1の揚羽、椎名両名は「ふぅ...」と安堵していた。

 

椎名「はぁ...良かったわ≪ミライ≫他3隻は無事みたいね。」

揚羽「らしいな。感謝しないとな、この情報は通信で送るより直接持ち帰った方が良い貴重なもんだからな...。」

椎名「そうね。きっと...手掛かりになるわよ。」

 

今後の作戦と【デザリアム】本星への手掛かりと勝利に繋がる情報を握り2人はそう語るのだった。

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火星外軌道アステロイドベルト基地に寄港し懐かしい顔ぶれに再会を喜ぶ暇もそうはなくタクローら第99特戦機群+5個艦隊の面々は情報の交換や整理、損傷艦の修理と補給、人員の補充や休息などやる事は様々だった。タクローはその中で谷、藤堂艦長らと情報交換と整理の面を担っているのと同時に作戦会議をしていた。火星基地とその宙域に存在する【デザリアム】の通信基地に対する攻略作戦である。

 

アステロイド基地・作戦室

 

谷「君達が合流し交戦データ諸々の提供のお陰でようやく火星基地と通信基地攻略に取り掛かれるよ。」

藤堂早紀「はい、現在も安玖園艦長ら≪アクエリアス≫クルーと共にこちらが得たデータとの擦り合わせを行っています。感謝します多田部艦長。」

タクロー「いえいえ、それにしても火星基地はともかくこの通信基地とやらはかなりの大きいモノですね。差し渡し10㎞前後ってところですか?」

 

中央に表示された火星宙域のホログラムマップに映し出される【デザリアム】の通信基地を見てタクローは驚く。以前≪ヤマト≫艦隊が20万光年の位置で交戦した中間補給基地と基本的な仕様は同じだが、パラボラアンテナ等の通信装置が多く表面に見えそれに比例して通信量も多いのが異なる。が、タクロー達は元となっている中間補給基地そのものを知らないので【ガトランティス】の都市帝国ほどではないにしろデカいモノはデカいで驚いているのだ。  

 

タクロー「火星基地の敵戦力自体はこれまで私達が巡って来た惑星基地の駐留戦力と大差は無さそうですね。となると通信基地の方は...。」

谷「何を考えている艦長?」

タクロー「いえ、僭越(せんえつ)ながらこの通信基地を破壊せずに制圧できないかな〜なんて思ったりしちゃってまして。」

 

突然の提案に「え⁈」と驚く谷と藤堂艦長の2人。火星基地にいる敵勢力も基地自体も潰すつもりでいたので予想外の答えだった。間を置いて藤堂艦長が答える。

 

谷「突然の提案だな。どう思う?藤堂艦長?」

藤堂早紀「はい、敵の更なる情報を得るためなら確かに有効でしょう。実際これだけの戦力なら不可能ではない筈です。」

タクロー「確かここには強襲揚陸艦も居ましたよね?」

谷「あぁ、各国遠征打撃群からの寄せ集めだが一個揚陸戦隊は組めるくらいにはいる。」

タクロー「それは良かった、作戦はあるんです。」

 

この後さらなる作戦の詰めの打ち合わせが行われた。それが終わり会議室から出ると外では参謀のアイクと冬月艦長そして黒異士が待っていた。

 

冬月「お待ちしておりました。」

アイク「終わって決まったかい我が艦長?」

黒異士「次は何になった艦長?」

タクロー「火星基地の敵は潰して通信基地は破壊せず抑えることにした。」

アイク「ほぉ〜単に攻略するならともかくまた少し難儀な事を決めたんだね。」

タクロー「だね(汗)。でももういい加減デザさんの正体を読者を含め皆知りたいだろうと思ってさ。」

アイク「確かにそうだね。今までそんな余裕はなかったからね私達には。」

 

「読者とは...?なぜツッコまないんだ参謀は?」と思った冬月艦長だが、押し殺して「それで、我々はなにを?」と質問する。

 

タクロー「派手に暴れて見せようと思うんだ。さぁさぁご準備いたしましょう‼︎...ってあれ...?」

 

気合い入ってたつもりが危うく倒れ掛かるタクローを黒異士が支える。

 

タクロー「あれ?おかしいな。アハっ、急に力が抜けちまったみたいだ...。」

黒異士「味方と合流できて安心して気が緩んだんだろう?もうお前だけが頑張り過ぎなくて良いって身体が言ってるんだ。」

冬月「少しおやすみになって下さい艦長。」

アイク「後は僕達が谷艦長ら艦隊の参謀達と打ち合わせしておく。黒異士少佐、、艦長は君に任せるよ。」

黒異士「分かった。行くぞ艦長。」

タクロー「おっとありがと、大丈夫歩けるよ。」

 

タクローは黒異士に連れられ≪マキナ改≫に戻りそのまま医務室でDr.オオツカに診察して貰い、「緊張が解けたことによる脱力」と診断され休むよう言われ安玖園艦長からの伝言入り小包を渡され中を開けると手製のアロマと睡眠錠剤が入っていた。それに対し後で礼を言っておこうとそのまま部屋に戻ろうとするとタクローの不調を聞きつけた天伝雷とヴェロニカにメチャクソ心配された後、黒異士が状況を説明し嗜(たしな)めるまで時間を要したのはまた別の話である。

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≪ミライ≫達の援護により無事帰還を果たした早期警戒機"H・E-1"の揚羽、椎名の2名は現在持ち帰った偵察結果を持って所属艦≪ヒュウガ≫の中央作戦室に呼び出され【デザリアム本星殴り込み艦隊】総旗艦≪ヤマト≫を中心とするオンライン会議に出席している。

 

軽空母≪ヒュウガ≫

中央作戦室

 

真田「各航空隊所属の偵察及び早期警戒機の活躍のお陰で、約120光年の星図が完成した。見ての通り渦状腕内部にも関わらず星が異様に少ないのが分かる。それも気になる点だが、ここをまず見てくれ。」

 

真田がそう言い揚羽、椎名の両名に視線を送ると2人は手元の端末を操作すると星図のホロマップ上に赤い点が表示される。

 

真田「H・E-1が持ち帰った来た観測データで分かったんだが、ここには白色矮星(はくしょくわいせい)が多数存在していることが分かった。」

 

古代(ホログラム映像通信)『白色矮星というと、確か縮んでしまった巨星の成れの果てで小さな超重力星でしたよね?』

 

真田「うん、古代艦長の言う通りだ。しかし2人が持ち帰ってきたのは単にこの白色矮星があるだけという物ではない。その近くにあるものなんだ。投影するぞ。」

 

真田がそう言うと白色矮星の部分がクローズアップされあるものが映し出される。

 

古代『これは...⁉︎20万光年の位置で戦った基地...?いや、それとは少し形状が違う...?』

 

真田「そうだ。外見は古代艦長の言う通り先の中間基地に酷似しているが、ロッド型やパラボラ型等を含むアンテナ類とそれに関係する通信量の多さのデータから通信基地だと思われる。仮にこの基地が明るい恒星の近くだったらその強い発光のせいで判別できなかっただろう。暗い白色矮星の近くだったからこそ発見できたんだ。」

 

揚羽、椎名が持ち帰った重要なデータはこの中間補給基地の派生、通信基地の物だったのだ。もしこの基地を破壊せず制圧する事ができれば見失っていた【デザリアム】本星への手掛かりとなる筈と会議に参加している誰もがそう心に思った。

 

バーガー(映像通信)『全員の決意が同じならこの基地を拿捕るってんで一致してるんだろうが、敵の戦力までは?」

 

真田「残念ながらそこまでは...詳細を調べようとする際に敵に見つかってしまった為、敵も基地の存在を知られたとして警戒しているかもしれん。」

 

古代『やりましょう。』

 

雪(映像通信)『古代艦長...。』

 

真田艦長がH・E-1は見つかり追っていた艦隊が通報、敵基地が警戒しているかもしれないと言い終わると古代はすぐさま「やりましょう」と言う。

 

古代『例え警戒され凄まじい反撃が我々を襲って来たとしても、これは敵の情報を得る為の最大のチャンスです。これ以上は捜索に時間は費やせません。危険を冒してでもやってみる価値はあります。』

 

デリケ(映像通信)『仰る通り、我々もその危険を冒してでもこの白色銀河まで任務で来ました。』

 

山南(映像通信)『そうと決まれば我ら第7艦隊の出番ですかな?』

 

古代『はい。強襲揚陸艦隊が必要です。』

 

山南『第11宙陸両用戦隊、やっと出番が来たと皆が喜ぶでしょうよ。』

 

敵基地の強襲制圧で意見が一致し、その後作戦の詰めが行われた。話はトントンと進んでいる。これは一つの目標に向かって進んでいるという良い傾向だ。「今後こそ敵のなんたるかを掴んだる!」気で皆が士気旺盛であった。




読了ありがとうございます。戦没した≪ヤハギ≫に代わり同じパトロール艦の≪ミライ≫が僚艦らと共に奮戦します。元ネタは言わずもがな『ジパング 』です。エリントタイガー以外のガルガミとボラーの警戒機や電子戦機を設定し登場させました。さすがにエリントタイガーだけしかいないしやらせないのは不自然なので想像で創造しました。ボラーのKo-27Mはソ連・ロシアの艦載ヘリであるカモフ Ka-27がモデルです。
エリントタイガーの1機に揚羽と椎名が登場です。『Ⅲ』と『暗黒星団三部作(ps2)』それぞれにしか登場しないコスモタイガーのパイロットが夢の共演です。ですけど「名ありのパイロットが皆≪ヤマト≫所属だとつまんない」ので敢えて≪ヒュウガ≫所属にしました。それに本来揚羽はノーマルのタイガーⅡのパイロットですが、これも同じだとつまんないのでゲーム版で警戒機型のレーダー手を務めていた椎名と組ませる形でゲスト出演させました。
ゲルバデス級の名前が≪ダロルド≫艦長の名前だったら、ドメル将軍の第6空間装甲師団(元は機甲師団だけど)所属のメルトリア級がいるなどリメイクファンには嬉しい要素を詰めました。メルトリア級に関してはバーガーと仲間達のかつての乗艦でバーガーがコネを使って自分の艦隊に入れたということにしています。艦名は設定されてなかったので妄想して付けました。
揚羽、椎名ペアのお陰で敵の通信基地(原作のゲーム版では中間補給基地と同じ型の基地)を見つけ手掛かりを掴めるかもですね。
そして一方のタクロー達は≪アルデバラン≫率いる地球艦隊の生き残りに火星外軌道のアステロイドベルト宙域の基地で遭遇できました。この基地は『Ⅲ』にて登場していますが、リメイク世界に合わせ「火星に移り住んだ人達である火災自治政府が基地として利用していたのを国連軍改め防衛軍が利用した」という設定にしました。銀河≫は本話初登場として≪アルデバラン≫、≪アキレス≫、≪アンタレス≫の生き残り極初期型アンドロメダ級3隻が「雷王作戦編」以来の久々の登場です。≪アルフェラッツ≫はダメでしたが、この3隻は生き残ってくれたようで良かったです。こちらでも≪ヤマト≫達が見つけたのと同じ通信基地を制圧する方向で話が進んだようです。次回からは両者の通信基地攻略戦の話となります。ではまたお楽しみに!バイビ〜。
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