宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH" 作:箕理 田米李
第Ⅷ戦略諜報分析基地...それは【デザリアム】の数ある通信基地の一つであり≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】が発見・攻略し、彼ら【デザリアム】の正体とその成り立ちを知った場所でもある。攻略後も情報の収集・解析の為しばらく留まりつつ敵の襲撃に備えている。しかし警戒中の早期警戒管制艦や警戒機から敵接近の報告はなく奪還しに来る気配がまったく感じられない不気味な時間が過ぎて行っている。攻略時も堕としてくれて構わないと言わんばかりにさりげなく手を抜いてるような感じがしたり、ブービートラップの類(たぐい)を一切仕掛けず情報の一部を残したりとワザと尽くし...知った内容が内容だけに試されていると思うしかないと古代ら≪ヤマト≫クルーを始め艦隊全艦がなんかありがたいような気に食わないような整理のつかない感覚を味わっている。そんなこんなでしばらく経った後、ある程度集めた情報の解析を終えた真田が「各艦隊司令は≪ヤマト≫の中央作戦室に集まるように」と言われ≪ヤマト≫以外の艦隊指揮官はホログラム映像で≪ヤマト≫の中央作戦室に集まる。
≪ヤマト≫
中央作戦室
真田(ホログラム通信)『全員これを見てくれ。これが敵通信基地から回収したデータの一部だ。敵本星の位置を示すデータは得られなかったが、我々がいる渦状腕全域の宙図らしき物が発見できた。』
古代「この宙域全体の宙図...ですか...?」
本城(ホログラム映像通信)『はいは〜い♪そこはアタシ〜?」
対話インターフェイス222号(ホログラム映像通信)『お呼ばれ気がしてまた参上。対話インターフェイス搭載型AI222号です。』
突然ホログラム映像でモワンッ!と出てきます222号に一同は驚く。どうやらあの後着いてきたらしい。
本城『名前が長くて呼びにくいから"ツゥミィ(2(ツー)が3(みっ)つだから)"と名付けたよ。みんなよろしくねん⭐︎』
ツゥミィ(222号)『と言うわけです。改めましてよろしくお願いします。皆様。』
E.R.I.K.A(ホログラム映像通信)『ちょっとちょっと!なに軽く自己紹介しちゃってんのよアンタは!』
222号改め"ツゥミィ"と名付けられたAIは挨拶を終えるた途端、≪ラジエル≫の管理AIである E.R.I.K.Aが抗議に来たのか突然姿を現す。
本城『あらエリカたん、艦の留守番じゃ...?』
E.R.I.K.A『情報源としてコイツが有用なのは分かるけど何もワタシの艦に乗せることないでしょってことよ‼︎』
そう、現在"ツゥミィ(222号)"は≪ヤマトらに興味を持ち第Ⅷ基地のコンピューターから離れ早期警戒管制艦≪ラジエル≫にその身を移している。
E.R.I.K.A『そもそもなんでウチ(≪ラジエル≫)なのよ!総旗艦の≪ヤマト≫や戦略指揮艦の≪シュンラン≫や≪アマクサ≫の方がよっぽど広くて情報の整理に良いじゃない‼︎』
ツゥミィ(222号)『確かに一部の記憶データにロックが掛かってはいるものの私は有用で有能です。さらに本城艦長のご厚意で乗艦を許可されましたよ?必要でしたら音声記録も出しますがお聴きなりますか?』
E.R.I.K.A『あ・ん・た・ね・ぇ〜‼︎(怒)』
本城『まぁまぁイイじゃんイイじゃん、AIが2人がいれば作業が捗って効率良いしなにより賑やかだしさぁ〜(汗)』
怒るE.R.I.K.Aを必死に宥(なだ)める本城艦長の姿に「やれやれ...」と呆れる者と微笑ましさにクスッと笑う者と別れる。真田は咳払いし「本城艦長、話を戻したいんだが?」と言い「あ、はいすみませんでした〜(汗)」と話を戻すことにする。真田が顔を向け合図をすると本城が手元のタブレットを操作する。
真田『ここが我々が現在留まっている通信基地がある宙域だ。』
本城『宙図をうちの艦でさらに詳しく分析にかけてみたんだけど、どうやらこの銀河渦状腕には異常があるみたい。それもかなり大きな...。』
山南(ホログラム映像通信)『異常...と言うと?』
真田『はい。皆(みな)今まで我々が通過して来た宙域のことを思い出してみてほしい...。「褐色矮星ばかりの宙域」...「濃密なガス帯」...「恒星を持たずに漂流している惑星」そして、「やけに密集した白色矮星」...。』
バーガー(ホログラム映像通信)『確かに...どれもこれも普通じゃ〜ねぇなぁ...。』
デリケ(ホログラム映像通信)『"生きている星"というのがここまで極端にない宙域は広大な銀河を支配する我々【ボラー】でも見たことがない。』
本城『恒星のスペクトル分布も異常でさ...太陽の様な黄色主系列星は限りなく少なくて、デリケ大佐の言う通りここには寿命を終えた矮星や巨星しかないんだ。』
真田『そう、その異常のある恒星分布の範囲を割り出してみた。本城艦長、出してくれ。』
本城『はいよ〜ピピピッ!っと♪』
本城がまた手元のタブレットを操作すると宙図に赤い円が複数表示される。
森雪(ホログラム映像通信)『こんなに広範囲かつ複数の異常箇所...ますます普通ではありえないわね...。』
古代「ッ!真田さん、この宙図の中央...ここは我々が最初に誘い込まれた宙域では...?」
真田『うん、例の褐色矮星帯だ。なぜかは分からないが、恒星分布が偏っている宙域を円で囲むとほぼ中心にこの宙域が位置するんだ。褐色矮星以外の恒星や基地、要塞の類(たぐい)の反応など何もない所なんだが...。中心に位置するということは何かあってもおかしくはない。だが問題はなぜこの円の中で恒星のスペクトル分析に異常があるかなんだが...。』
過去に通った宙域の中でもっとも何かあると怪しく踏んだところを見つけはした【デザリアム本星殴り込み艦隊】の面々だったが、宙域の異常についての答えが行き詰まると皆黙り込んでしまう。そこで口を最初に開いたのは本城だった。
本城『敵が資源採掘のために恒星からエネルギー資源を採掘して自然の状態を狂わせちゃったんじゃないかな?』
刻崎『確かに...惑星を丸ごと潰せば大量の金属が資源が手に入りますわ。恒星からのエネルギー採掘なら2年前、私達の所属する99特戦機群がベテルギウスで【デザリアム】採掘艦隊と戦闘した例がありますわよ?』
真田『採掘...多数の資源...ッ!「ダイソン球殻」...⁉︎』
古代「真田さんなんですかその...「ダイソン球殻」って...?」
真田『20世紀に提唱された宇宙理論の一つだ。「恒星の出す放射エネルギーを余すことなく利用するには恒星自体を丸ごと包み込む巨大な建造物を造ればいい」...というものだ。そしてその場合そこに住む人間達は宇宙コロニーの様に球殻の内側を地表として住むんだ。その面積は地球の陸地に例えると数億倍...どれだけの人口でも養え、且つエネルギーは恒星がある限り無限に近い。』
バーガー『とんでもねぇアイデアだなそりゃ...!』
真田『だが、実際に今の地球の科学力では実現は無理だろう。それだけの巨大な物を作る資源の確保などまさに天文学的な数量になり非現実的だからだ。』
バーガー『拡大政策全盛期の【ガミラス】でも無理だな...そもそもこんなバカみたいに高くつくアイデアを実行するよりも居住可能な惑星を探した方が早いしな。』
デリケ『我ら【ボラー】も同じだ。ブレガネク前書記長ならともかくベムラーゼ現書記長は絶対に許可しないだろう。』
真田『そうだ。膨大な資源と時間と労力を浪するこの理論...だが重要なのはこれからだ。』
古代「と言いますと?」
真田『この理論が提唱されたのと同時にある意見が出た。「いずれ宇宙から全く目に見えない"赤外線のみを放出する天体"が発見された場合、それは『高度に発達した文明』かもしれない。なぜなら、その天体はまさしくダイソン球殻である可能性が高いからだ」...とな。』
森雪『でも真田艦長...赤外線のみを放出する星なら、既に"褐色矮星"の存在があります...。その意見はおかしいと思いますが...ッ!そうか...‼︎』
真田『そうだ。この理論が提唱された時代には"褐色矮星"の存在はおろか観測すらできていなかった。だが、今の我々には赤外線を放出する星といえばまず間違いなく褐色矮星のことだと思ってしまうのは当然だ。』
本城『うんうん、あの時【デザリアム】が爆発させたのは褐色矮星だったのは間違いないんだけど...あたしらは他の星も同じく赤外線反応しか見てなかったから他もそうだろうと判断しちゃってたんだよね〜。』
真田『だが、あの宙域にはそれら以外の星などの反応が皆無だったのも事実だ。仮に【デザリアム】があの宙域の資源として有用そうな星々を全て採掘し尽くして破壊しそれらを用いて自分達の母星を隠すダイソン球殻と類似した物を作り上げたのだとすれば、全てがパズルの様に収まるんだ。』
古代「だとすると真田さん...我々が最初に誘い込まれたあの宙域に...!」
真田『そうだ。恐らくあの宙域に最初からあったんだよ...【デザリアム】の母星は...。』
【デザリアム】本星 ???
オペレーターA「サーダ様、聖総統閣下、サーグラスの【黒師団】麾下の戦闘斥候大隊が≪ヤマト≫艦隊の新たな動きを捉えました。」
サーダ「なに?」
聖総統「して、≪ヤマト≫はどこへ向かっているのだ?」
オペレーターA「は、それが...座標グリッド0(ゼロ)ポイント...すなわち我ら【デザリアム】本星かと... ...。」
サーダ「な、なんだと...⁉︎」
聖総統「フッフフフ...」
サーダ「聖総統...⁉︎」
聖総統「ハッハハハハハハ!報告ご苦労...引き続き≪ヤマト≫と艦隊の動向を監視するよう、サーグラスには伝えよ。」
オペレーターA「はっ!」
サーダ「聖総統...!彼奴等(きゃつら)はどうやってここを...⁉︎」
聖総統「ふっふふ、そう慌てることも案ずることもないサーダ。どうやってかはこの際どうでもよいことだ。わざわざ向こうからこちらに来てくれるというんだ。歓迎の準備をしてやればいい...。」
サーダ「はっ...!ただちに...‼︎」
【デザリアム】本星(?)にて≪ヤマト≫ら【デザリアム本星殴り込み艦隊】どうやってかはwhy?でだけどもだっけど〜と部下のオペレーターさんとサーダが驚いている中、1人余裕のよっちゃんちゃん!イッチマイナー‼︎(CV.藤原啓治)な聖総統であった。「まぁここの場所が分かっちゃった以上は歓迎してやらないかんかんね?サーダ用意よろしゅうね?ほいな〜≪ヤマト≫と艦隊のみんな、覚悟するんよぉ〜?」(CV.鈴木みのり)であるからしてもしもしだ。
そんなデザ式歓迎会が行われようとしてることなど知る由もない≪ヤマト≫ら【デザリアム本星殴り込み艦隊】の面々は最初に誘い込まれた褐色矮星だらけで某決闘王に出てくる社長的に言えば「殺風景(さっぷうけい)極まりない!」(CV.津田健次郎)と評されるであろう茶褐色の宙域に戻って来た。こんな何もないような所にまさか敵の本星が...?と思いたくなる面々。真田と本城らの仮説が正しいとすればまんまと【デザリアム】の連中に欺(あざむ)かれた格好となる。「敵ながら見事」と思うのもいれば「人を騙しやがって青白つるっ禿げ頭が!」と非難を飛ばして石を投げつけてやりたいと思う人もいたことであろうのは想像に難くない。
≪ザフキエル≫
第1艦橋
刻崎「主砲塔装填、時空再映弾<アンダーワールド>。」
戦術/砲術長「了解。<アンダーワールド>装填、発射致しますわ。」
早期警戒管制艦≪ザフキエル≫が主砲を動かして前方の適当な方向に向けご自慢の時空弾の一つを放つ。弾頭が開くと時空波が広がり何やら映像がさながら宇宙空間というデッカいキャンバスで行われるプロジェクションマッピングの様に流れる。それにはガミラス本星を破壊したあの黒い槍(デザリアムハンマーのこと)で星を破壊したり「ベテルギウス遭遇戦」でベテルギウスから熱核エネルギーを吸収しようとしたガス状の採掘プラントを用いて恒星からエネルギーを吸い出している様子など本城の予測通りの銀河の営みを平然と身勝手に破壊する光景が繰り広げられているのを見て驚く【デザリアム本星殴り込み艦隊】の面々。
刻崎「2年前は一つの恒星に対してやったことを宙域全体で行うとは、ずいぶん派手で傲慢ですわね...。」
レーダー/通信長「艦長ありましたわ!可視光反応0(ゼロ)、赤外線反応のみが微弱、球の半径は約1.8天文単位でしてよ。」
刻崎「最初に誘い込まれた時に捉えた時空波の反応がまさか敵本星にまつわるものでしたとは、盲点で失態でたしわね私も...。」
レーダー/通信班長「艦長?」
刻崎「いえ、独り言でしてよ。データを≪ヤマト≫と≪ラジエル≫にも送って下さいまし。」
≪ヤマト≫
第1艦橋
林「≪ザフキエル≫より座標データとその映像来ました。メインパネルに回します。」ピピッピッ!(コンソール操作の電子音)
島「ッ⁉︎おい林、何も映ってないじゃないか!」
林が≪ザフキエル≫から送られたデータをメインパネルに出したが、島の言う通りそれは自分達が肉眼で見ているのとほとんど変わりないような茶褐色の宙域の映像だった。
林「なにせ可視光が0(ゼロ)ですからね...待っててください。今赤外線に切り替えたのが送られてきたのでそちらを映します。」
「今度のは分かりやすいですよ」と≪ザフキエル≫が赤外線映像に切り替えたのを送ってきたのでそちらを映すよう操作する林。
島「これは...暗黒ガスか...?」
≪ヒュウガ≫
第1艦橋
真田「う〜ん...建造物ではなく高密度の暗黒ガスだが理屈自体はダイソン球殻と同じだとは思う。しかもあの面積なら恒星だけでなく星系自体をまるごと包んでいるな...。恒星のエネルギーは覆っている暗黒ガスに蓄えられそこから無尽蔵にエネルギーを抽出、精製、利用するわけだ。実によくできているな...。」
太田「あの〜真田艦長...?」
真田「ん?あぁ、すまない。つい関心が口から出てしまった。」
≪アスカ≫
第1艦橋
桐生「う〜ん、これですと敵は球殻自体に住んでるわけじゃなさそうですね。」
森「どういうこと?桐生さん?」
桐生「え?あ、はい!このガスが星系自体を丸ごと覆っているものだとすると、あのガス...いえ"ガス球殻"と仮称してあの中に恒星系と敵の母星である惑星があってそこに人が住んでるものと思われます。」
≪ヤマト≫
第1艦橋
古代「この中に...敵の本星が...!」
新見「しかし艦長。一つ問題が...。」
古代「なんです技術長?」
真田の予測した物とは少し異なれどおおよそ「ダイソン球殻」と呼ばれるものに覆われ長らくその所在を掴めずだだっ広い白色銀河を彷徨い寄り道道草まわり道をしてようやく敵本星があると思われる所まで来たのだが、水を差すようで申し訳ないのだが遠慮なく意見を言う彼女は真田艦長の可愛い後輩で元・情報長で現≪ヤマト≫技術長の新見が艦長・古代に意見を言う。
新見「≪ザフキエル≫が時空波を探知したとの報告から刻崎艦長はあそこに「時間断層」と同程度かそれ以上の時間の流れがあると推測しています。」
古代「時間断層に...⁉︎」
新見「送られてきたデータを私なりにさらに解析したものがこれです。」
新見は自身の席のコンソールを操作しメインパネルに≪ザフキエル≫か送られてきたダイソン球殻もといガス球殻のデータのパラメーターを弄り時空波の流れを分かりやすく表記した物を表示させる。
古代「ッ!これは...‼︎」
新見「そうです。あのガス球殻の入り口はほんの始まり...奥に行けば行くほど時間の流れが加速度的に早まっています。恐らく彼ら【デザリアム】が来たと思われる時間に繋がっていると思われます。」
古代「我々の時間と彼らの時間が繋がる場所...つまり「時空結節点」...というわけですか...。」
土門「待ってください!もしあそこが時間断層と同じ様な空間なら、入った途端に凄まじい時間の加速に耐えられず消滅してしまいますよ‼︎」
島「土門の言う通りだ。10分...いや5分と保たないぞ。」
古代「くっ...!」
せっかく【デザリアム】の本星があるものと思われる入り口まで来たが、入った途端に時間の流れで消滅するような空間だと知らされ「ここまで来て...!」と苦悶な顔をする古代を含む≪ヤマト≫艦橋クルー。
本城(『映像通信』)『ねぇねぇ古代艦長〜⁉︎』
古代「本城艦長?」
本城『ここからは私たちの...』
刻崎(『映像通信』)『出番ではありませんこと?』
古代「刻崎艦長まで...。」
メインパネルに突如映し出される2人。何か策があるようだ。
古代「解決できるんですか⁉︎あの中を突破する方法が...⁉︎」
本城『私とヒトミンの艦が元ラボラトリー艦なのは知ってるよね?』
古代「はい、≪ラボラトリー・プロメテウス≫と≪エピメテウス≫...時間断層の制御を行っていたクラスD流用の特殊任務艦...。」
新見「ッ!"次元エナーシャルキャンセラー"⁉︎」
刻崎『きっひひ、察しが良いですわね新見技術長。さすが一時とはいえ私の≪ザフキエル≫もとい元≪ラボラトリー・プロメテウス≫にいただけはありますわ。』
次元エナーシャルキャンセラー...それは≪ラボラトリー・プロメテウス≫及び同≪La・エピメテウス≫が時間断層制御艦が持つ装置で、時間の加速と地球時間の経過速度と"ズレ"を防止する役割を持つ。時間断層は地表の10倍の時間が流れる為、人間を含む生命体はその加速された時の中で生命活動を維持できないのを防ぐのだ。時間断層が破棄され本来の機能と役割はとっくに不要となった物だが、これを活用するのだと本城と刻崎は語る。
古代「キャンセラーをどう使うんですか?」
本城『よろしい!その話、私が答えてしんぜよう。ってなわけでエリカたん!ツゥミィみ!説明しくよろぉ‼︎』
E.R.I.K.A『いきなり丸投げして来たわね...(汗)』
刻崎『いつもの事でしょうw.?」
ツゥミィ(222号)『なるほど、『ジャイ○ントロボ』の方の諸葛亮○明ですね。中○正の声が良く聞こえてきます。あとはクリーム色のスーツを着て羽扇を持てば完璧です。』
本城『さっすがツゥミィ!よく分かってるねぇ〜!』
本城/ツゥミィ(222号)『我らの!ビッ○・ファイアの為に‼︎(片腕を天に突き上げるポーズ)』
謎の意気投合を見せる二人に「やれやれ」な顔を見せる皆の衆を他所にE.R.I.K.Aは咳払いして話の続きに入る。
E.R.I.K.A『(ゴホンッ!)え〜っとあのガスの中が時間断層と同じなら話は簡単。時間断層内での作業と生命維持を可能にした次元エナーシャルキャンセラーの機能を全艦にリンクして突入するという訳よ。それなら猛烈な時間の加速度が掛かっているガス球殻を突破して敵本星に辿り着けるって寸法よ。』
古代「そんなこと可能なんですか?」
ツゥミィ『はい、装置自体は次元波動エネルギー理論に基づいた物ですから出力の高い艦に接続し装置の機能を増幅して全艦の波動機関の出力を上げ対加速度特性を持つ波動防壁...仮に「アンチ・アクセラレーション・フィールド(A.A.F)」と呼称しましょうか、それを使って各艦がフィールドを展開しながら進んでいけば理論上は可能な筈です。』
古代「波動エンジン出力が高い艦...ッ!≪シュンラン≫ですか⁉︎」
本城『ご明察!頭(あったま)いいね!ソ○ーのBlu-ray!≪シュンラン≫一隻これ解決!トイレマ○ックリンスプレーね⭐︎』
刻崎『今度はCMフレーズのオンパレード...時折思いますがヒトミさんがいくつなのか分からなくなってきますわ(汗)』
山南(映像通信)『ほぉ、聞けば我が≪シュンラン≫の出番ですかな?』
古代「山南艦長。」
メインパネルがさらに分割され≪シュンラン≫艦長の山南の顔が映し出される。
山南『そうと聞けばさっそく取り掛かろう。どう動けばいいか指示を頼みます本城艦長。』
本城、刻崎らの主導の下、準備に取り掛かり始める第7艦隊旗艦≪シュンラン≫。正面から見て右舷に≪ラジエル≫、左舷に≪ザフキエル≫が接舷する。
≪ラジエル≫
第1艦橋
本城「≪シュンラン≫舷側に接舷。」
E.R.I.K.A「システム接続準備!」
ツゥミィ「リンク・コネクト...レディ!」
≪ザフキエル≫
第1艦橋
刻崎「次元エナーシャルキャンセラー、≪シュンラン≫の波動機関との接続と同調を開始。」
機関長「了解。機関動作正常、エネルギー供給順調...80...90...100...」
2隻がそれぞれ持つ次元エナーシャルキャンセラーを≪シュンラン≫の波動機関に同調させエネルギー供給を受け計器類の数値がみるみる上がっていく。
≪シュンラン≫
第1艦橋
山南「どうだ?」
機関長「≪ザフキエル≫、≪ラジエル≫双方の次元エナーシャルキャンセラーの同調とエネルギー供給を開始。行けます艦長。」
山南「うん。お二方、準備はあと少しだ。」
本城(メインパネルでの映像通信)『はいはーい♪』
刻崎(上に同じ)『よろしくお願い致しますわ。』
2人が≪シュンラン≫のメインパネルに現れ返答し通信を切った後、「ねぇアサミン?」と本城、「どうしたんですの?」と刻崎2人の会話になる。
本城(≪ザフキエル≫との映像通信)『次元エナーシャルキャンセラーの"副作用"だけどさぁ〜。大丈夫だよね?たぶん...。』
刻崎(≪ラジエル≫との映像通信)『そうですわね、計算では影響は少ないとは見てますわ。慣れない方は偏頭痛や倦怠感に多少は悩まされるでしょうが時間断層に長く深く潜るのと違ってガス球殻を抜けるだけですからそこまで長時間の旅にはなりませんわ。』
本城『それもそだね。私達と≪銀河≫クルー以外に長く時間断層に篭った人間はいないから。それにこの副作用も悪いもんじゃないでしょ?』
刻崎『まぁお陰で"若々しく"はなれたのは意外であれ良いことではありますわね。』
ツゥミィ(222号)「なるほど、お二人がお若いのはそういう訳でしたか。肌年齢もスベスベピチピチ、多くの女性がある意味羨む職場だったのですね?」
E.R.I.K.A「あんたさらっとそんなこと調べてたの(汗)?」
ツゥミィ「時間断層の情報について私達の世界では時が経つ度に散逸してしまい資料はほとんど消失していましたからね。それに、久々の人間観察の上での興味深いデータでしたから。」
E.R.I.K.A「ほんと、よく出来てるわよアンタさ。」
二人が次元エナーシャルキャンセラートークを繰り広げる中、≪シュンラン≫が次元エナーシャルキャンセラーのエネルギー供給と完全同調を確認し機関長とオペレーターから完了の知らせを受けていた。
≪シュンラン≫
第1艦橋
山南「波動共鳴導波装置、稼働!アンチ・アクセラレーション・フィールド展開‼︎」
機関長「機関出力上げ!」
≪シュンラン≫の機関室では次元エナーシャルキャンセラーに接続された三基の波動エンジンの内二基が更なる唸りを上げ青白く光り始める。その高められたエネルギーは≪シュンラン≫の両舷側に二基ずつ計四基備えられた波動共鳴導波装置が作動し【デザリアム本星殴り込み艦隊】全体を行き渡り包み込む様な波動共鳴波が広がっていく。その波を受けた艦は球形の波動防壁が形成されしかもそれが常時可視化レベルとなる程であるのは相当強力な波動エンジンが出力を最大稼働にしていなければできない芸当である。そう、かつて「ガトランティス戦役」に於いて波動実験艦≪銀河≫が≪ヤマト≫から移植したコスモリバースシステム(CRS)を使い土星沖会戦で残存したYF(山南艦隊)クラスD群の波動防壁を強化した光景に似ている。それを見た事がある島、真田、新見、桐生などの一時もしくは臨時に≪銀河≫のクルーとなっていた新旧≪ヤマト≫クルーの皆が驚く。ただあの時とは違い今回の強化波動防壁改め「アンチ・アクセラレーション・フィールド(A・A・F)」は防壁の輪郭が青白く発光しており明るいのだ。
≪ヤマト≫
第1艦橋
古代「こ、これがアンチ・アクセラレーション・フィールド...。」
西条「≪シュンラン≫からの共鳴波、艦隊全艦まで広がりました。」
ピピーッ!×2(電子音)
市川「≪ラジエルより入電。「お待たせすっすむん!これで時の流れに身を任せられなくて済むよ(テ○サ・テンの曲的な)!さぁ進もう‼︎」です。」
古代「分かった。全艦に繋がるよう無線を。」
市川「了解...(ピッピッピピ(コンソール操作音))...どうぞです艦長。」
古代「艦隊全艦に達する。これより我が艦隊は時空結節点であるガス球殻内部に突入する。中にどんな脅威が待っているかは分からない。だが、我々はここを超えて敵本星に辿り着く!占領された地球を我々の手で取り戻さなければならないからだ‼︎各艦各員の健闘を祈る‼︎」
古代が演説を終えた後、≪ヤマト≫副長兼操舵手の島が「≪ヤマト≫、発進!」と言って舵を動かし≪ヤマト≫を前進させガス球殻の中に突入し後続艦も次々と後に続いて突入していくのだった。
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地球・某海上(夜)
金剛型宇宙戦艦≪キリシマ≫
子供部屋(旧士官室)
真田 澪「♪らんららんららんららんららんららんららんららんら ♪らんららんららんららんららんららんららんららんら ♪たら〜ら〜 ♪たら〜ら〜」
加藤真琴「あら上機嫌ね澪ちゃん?」
真田澪「うん、真田のおいたんがくれたの!」
闇夜の海を行く退役艦で現〈パルチザン〉移動作戦司令本部艦≪キリシマ≫の旧士官室もとい現・子供部屋では澪がワイヤレスのヘッドフォンを頭に掛け、音楽プレーヤーで♪※「フレーミーのうた(歌詞なしBGM仕様)」を聴いてらんららんと歌って上機嫌だった。
※NHKの教育テレビ(Eテレ)の番組『ピタゴラスイッチ』のコーナーの一つ。四角(フレーム)で表現された犬・フレーミーのアニメーション。♪フレ〜ミ〜 ワンワンッ!のフレーズから始まり終始この音楽が流れる。
真田 澪「んっ⁉︎」
真琴「どうしたの澪ちゃん?」
突如歌うのをやめた澪に真琴は声を掛ける。天井を見つめる澪。まさかシミを数えているなんてこと...は子供がそんな病んでるみたいなことをするわけはない。
真田 澪「... ...お艦(ふね)たくさん...火星に...地球の...」
真琴「何を言ってるの...?」
要約すると「火星に地球の艦が沢山いる」と言っているらしいが、あまりに突然な事である。地球と火星の距離は約7500万㎞もある。そんな超長距離に誰がいるか分かるなんてそれはもはや超能力者である。だが真琴は知っている。疑問を抱いていても澪が言っている事は子供染みた表現であるとはいえ嘘や間違いを言ったことはない。自分達が敵に見つからずに≪キリシマ≫に辿り着けたのも澪の予知によるものだったからだ。
突然、澪がヘッドセットを取って立ち上がりおもちゃの電子ピアノを持って駆け出して行く。「待って澪ちゃん!」と続いて追いかけてく真琴。
その頃、≪キリシマ≫の中央作戦室では藤堂長官、芹沢副司令、古野間ら空間騎兵隊を中心に作戦会議が開かれていた。防衛軍司令部のある日本の新都付近のみならず世界各国の管区の<パルチザン>化した軍の生き残りや民間の対デザリアム情報ネットワークらと連絡を取り合い弱体化を続ける地球侵攻派遣軍を更に弱体化させていた。最近、その侵攻軍が管区の一部を放棄し戦力を新都付近に撃ち込まれた重核子爆弾に集中させているとの情報を得ており、占拠された防衛軍司令部の奪還と並行していよいよ敵の本陣を堕とす算段を立てている所だが、問題があった。それは...
藤堂「軌道上の艦隊と<ゴルバ>だ。」
芹沢「数は減ったが仮に我々が重核子爆弾を解体できたとしても、軌道上にいる艦隊やゴルバでも我々を殲滅するには今でも十分に事足りる数だな。」
古野間「世界中の同胞達によると地球侵攻軍はその支配地域と戦線を急速に縮小して【北米管区】と【欧州管区】そして新都のある【極東管区】に戦力を集中させているそうです。最初は罠かと思われましたが、どうやら本当に撤退したようです。【中東】、【アフリカ】、【中南米】、【中央アジア】の反抗組織によってそこの爆弾の破壊と無力化には成功したようです。連中、占領・維持を諦めたようです。爆弾解体のノウハウは共有できましたから後は残りの管区の爆弾の解体ですが、後は仰る通り艦隊とゴルバ野郎がネックです。どうにかして生き残ってるであろう防衛軍艦隊と連絡を取れないか...いやそもそもいるのかどうかなんですがね...。」
自分達の頭上のお宇宙(そら)の悩みの種をどうしたものかと考え込む一同。どっちが先に相手に拳を叩き込む(ブ○ャラティ式)かもしくは背骨をへし折るか(ス○ンバンクス式)の勝負である。無論こちらが先に○して晒してジャッカルの餌(メイド○ゴン式)の方が良いに越したことはないしそうした方が良いに決まっている。
ただ名案が浮かばない...誰もが口を閉ざし沈黙する間が過ぎていく中、タンタンタンタンッ!と弾が来る〜じゃなく破裂もしない(鉄○28号式)しかもそれは「タ」じゃなくて「ダ」だからとそれは走ってくる足跡が聞こえてくる一同、「へっ⁉︎」と思わず誰かが溢して「この刺身を作ったのは誰ダァッ‼︎」とツンデレ美食家の様な怒鳴り声(美味○んぼ式)がして来そうな感じではない、足音の大きさと足の回転の速さから歩幅は小さいと盲目なスタ○ド使い(ン○ゥール式)でなくても分かる人には分かる。子供の様だ。走って来たその子は皆が知っている「みんなの癒し系小アイドル」だった。
古野間「み、澪ちゃん⁉︎」
芹沢「なんだいきなり?」
澪「おいたんたち!おじゃましていろいろかりまつる‼︎」
藤堂「ッ!(サー...いや澪...一体何を始める気だ...?)」
そう言うと澪は中央作戦室にある無線機やら増幅器の計器などの電子機器の部品やモニターを素手で突き破りまだ電気が通ってるケーブルも余裕で次々と引っこ抜き引きちぎりでここに来るまでに集めた雑多な機械部品を持参(のらしい)の工具を使って目にも止まらぬ速さでおもちゃの電子ピアノに継ぎ足しまくって魔改造し始める。
古野間「おいおい澪ちゃん何を...」
藤堂「静かに!彼女に任せてみよう...。」
藤堂は古野間を止めさせ澪を見守るよう言う。やっと追いついた真琴はそこで信じられない光景をその場にいる者達と同じく目撃する。小さくとも手慣れた手つきで工具を操り部品と部品をくっ付けていく様はまさに機械の流れ作業ロボット...それをまだ推定5〜7歳の子がやっているのである。整備士達も顔負けで口が思わずポカったり「うそーん」と思ったり「うちに欲しい!」と様々である。そして一通りの作業を終えて「できた!」という澪。完成したのはもはや元は可愛らしいおもちゃの電子ピアノだと言わないと分からないし信じてもらえないようなフランケンシュタイン...?ハ○ルの動く城?のような怪極まる姿だった。足を付けて四脚にしていたので地面に置きついでに鉄屑等の廃材で作った椅子にちょこんと座り演奏を始める。「どえりゃあな見た目になっても音はそのまんまなのがギャップ!」と言わんばかりの綺麗ないや元よりも遥かに本物に近い音色を奏で始めたのだった。
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火星・軌道上
残存地球艦隊・第99特殊戦略戦術機動打撃群
総旗艦≪デア・エクス・マキナ改≫
中央作戦室
タクロー「さぁ〜てどうしたものかな様相ですね。」
と宙に映し出されるホログラムの地球図。防衛軍総旗艦≪アルデバラン≫他残存地球艦隊がコツコツ偵察して集めた情報。【デザリアム】の地球占領艦隊の配置図(割と最新)が映し出されている。最初<ゴルバ>が7基に多数の艦隊だったのが、現在は3基までに減り包囲艦隊も同様急激に数を減らしまばらな配置となっている。だが新都のある日本上空に鎮座する≪ゴルバ≫とその周りにだけはやたら艦隊の数が多い。恐らくこれが敵の本丸なのだろう。ここを堕とすことができれば敵は総崩れ必至だろうが当然防御は厚いと予想されるしそもそも敵も戦力が当初より激減してるとはいえそう易々とはいかんだろう。それに、もしこの地球包囲戦力の処理に手間取ってる途中で重核子爆弾を爆破されでもしたら一大事だ。それこそ地球人類の破滅で抹殺ゲームオーバー!エーンッ!×2(涙)ある。そうならない為にもそうさせない作戦を立てるべく防衛軍総旗艦艦隊 第1艦隊旗艦≪アルデバラン≫の艦長兼防衛軍艦隊総司令の谷と波動実験艦≪銀河≫艦長の藤堂早紀を【デザリアム】に関する情報が豊富な≪マキナ改≫に招き作戦を練っているところだった。
谷「<ゴルバ>を引き付けている間に重核子爆弾をどうにか叩きませんと、手こずってる間に爆破されては...。何か対抗策はないか多田部司令?」
タクロー「いくつか用意はしています。現在、≪銀河≫と≪アクエリアス≫に共同で作業させています。」
藤堂早紀「はい。しかしそれだけでは根本的な解決にはなりません。2年前に65隊が戦ったタイプとは違いますが、<ゴルバ>は強力無比且つ難攻不落の要塞です。恐らく地球を包囲しているのは純粋に戦闘能力を向上させたモデルだと思われます。事実、地球からの脱出を図った防衛軍艦隊からの交戦データによると重力制御フィールドの使用・発生や本来次元潜航艦に対して使用する亜空間魚雷を使っての<ゴルバ>内部への攻撃を実行したところ例のキャプチャーの姿は見られませんでした。」
タクロー「それゆえ便宜上、65隊が遭遇したモデルを「特殊作戦型」、地球を包囲してるのを「戦闘要塞型」と呼称しています。とまぁいくら前者の様な特殊な装備がないからといっても藤堂艦長の仰る通り強力な事に変わりありません。むしろ純粋な要塞タイプだからこそ厄介になったとも言えます。」
谷「というと?」
藤田「交戦したデータから無数のビーム及びミサイル砲塔に加え「特殊作戦型」よりも遥かに強力な位相装甲を持っているというのが分かっています。」
タクロー「七基から三基に減ったからいいものをこんな厄介な敵を相手にしつつ重核子爆弾のこともどげんかせんといかんのですから、それを考えると頭が痛いです。仮にいると仮定して話をしますが、地球上で抵抗してるレジスタンスかなんかと連絡を取って共同戦線と行きたいんですが...あくまで「いる」という仮定の話です。実際誰も彼もいるかどうかだなんて知らないわけです。連絡も何も取れるもんじゃないですわ。」
タクロー等は地球で抵抗を続けるの<パルチザン>...藤堂長官達の存在を知らない。それは先述した通り逆も然りである。互いの存在を知らぬままに不意に連絡を取ろうとしようものなら電子、暗号、諜報の分野に長けている【デザリアム】に忽(たちま)ち探知された挙句に仕掛ける前に袋叩きだろう。最も地球側もそれに対抗して解析がある程度進んでいる為、絶対的に不利という訳ではない。答えが出ないまま沈黙が続く中央作戦室内...そこにピピーッ!×2と電子音が響く。「艦長、不明な音声通信をキャッチしました」と聞こえてくる。第2艦橋(CDC:戦闘指揮センター)にいる手邦からだ。
タクロー「どんな音声なのテック?」
(艦内無線)
手邦『それが、どうもピアノ演奏の音楽みたいなんですが...私にはどうも曲が分からなくてですね。とにかくそちらに繋げます。』
タクロー「分かった。スピーカーに繋いで。」
第2環境で操作スイッチを切り替えて中央作戦室にその音楽が流れ始める。ピアノで弾いている。だが、今時の曲ではないことは分かる。なぜなら誰も何の曲か思い浮かばず答えられないのだ。イントロクイズなら間違いなく不正解な所、1人だけ分かる男がいた。
タクロー「※『フルハウス』だ!」
タクローである。
谷「多田部司令、なんだねそれは?」
タクロー「ご存知ありませんか⁉︎アメリカの古き良き80年代ホームドラマのOP...♪『Everywhere You Look』ですよ!」
藤堂早紀「(すごい興奮してる...(汗)」
タクロー「そりゃもう!私だけじゃないですよ!艦内放送の音楽には必ず入れていますし艦隊の全員が作品を履修済みですからどんなやりとりをしても必ずフルハウス節で返せますよ‼︎」
藤堂「ッ⁉︎(心の声を読まれてる⁉︎)」
※1987〜1995年の8年に掛けて放送されたアメリカのホームコメディドラマ。日本では教育テレビで1993〜1997年、1997〜2001年、2005〜2009年と度々再放送された為、海外ドラマとしての知名度や人気は高い。2015年にはスピンオフ作品『フラーハウス』が制作された。作者は再放送世代で3年前にDVDBOXを購入し全視聴。その1年後にはBlu-rayに置き換えた。
そんな聞き覚えのあるテーマソングのピアノアレンジだが少し違和感を即感じる。一部の音が少し高いのだ。タクローはコンソールを操作し曲の英語歌詞を出す。
タクロー「ツゥニィ!」
ツゥニィ(対話インターフェイス221号)『なによ...ってその名前で呼ぶことにしたの⁉︎は!安直...。』
タクロー「番号だと味気も可愛げもないから無いより良いだろうと思って。とりあえず呼び易くね?高音に伸びてる箇所を歌詞のアルファベットと重ねてみてくれます?テックとキョウキョウとも共同でね?」
ツゥニィ『ふん!あとでもっとマシな名前付けて貰うわよ?』
このツゥニィとタクローが名付けたのは先の通信基地攻略戦で遭遇した対話インターフェイス搭載型AI-221号である。あの後、タクロー達に興味を示し着いて来たのである。一つ後輩の222号とはさすが姉妹型か、性格は異なるもの行動原理のプロトコルは同じ様だ。
ターべ「どう?」
ツゥニィ『文字になったわ。この弾いてる人、上手く隠して弾いてるわね。あんたみたいにほんと良く聴いていないと聞き逃す程のものだもの。』
ターベ「内容は?」
ツゥニィ『「サー...シャ...こ...こ...」と。』
名前と位置を示しているであろう内容の文だ。しかし一般の軍人達はその名に聞き覚えはない。だがタクローや谷司令そして藤堂艦長など一部の高官は知っている。問題は「なぜ彼女がこんな手段で通信を?」という疑問とそして「罠では?」という疑念だ。
ツゥニィ『大丈夫よ。この波形は【デザリアム】の物ではないわ。それに改竄された形跡もないし、ウィルスプログラムでもない。』
ターベ「ホントに?」
ツゥニィ『新参者だから信用されないのは当然とはいえ、失礼だけど今この時代よりも発展した未来の高精度インターフェイス搭載型AIの名とプライドに掛けて断言するわ。...って人間味過ぎてらしくな今言い回しをしたわね。ま、 前に【デザリアム】の暗号乱数表拾ってるからそれと照らし合わせれば分かることだけど...。」
タクロー「いいや、そこまで言うんならそうなんでしょうよ。よろしく、だが"保険"は付けとくよ。それで良いね?」
ツゥニィ「ふんっ!好きにしなさい。当然の判断ではあるしね。」
タクロー「谷司令、藤堂艦長、そういうことで続けてよろしいですか?」
2人は顔を合わせ頷き「続けてくれ/続けて下さい」と言う。そして通信の受信を続けコンソールのキーボードをタッチし返信を返すタクロー。無論、【デザリアム】に傍受や逆探されないよう【デザリアム】側が認知しない旧国連統合軍式と地球と同盟を結ぶ前の旧ガミラス式の暗号化文を送る。すると今度は違う曲で応答する。※♪『テディ・ベア』だ。
※「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれたアメリカの歌手 エルヴィス・プレスリーの楽曲。1957年公開の映画『さまよう青春』の挿入歌だが、筆者は『フルハウス』でプレスリー好き設定のある"おいたん"ことジェシー・コクランがダニー・タナー、ジョーイ・グラッドストーンらと共にミシェルを寝かし付ける際の子守唄として歌っていた方を知っている。
こちらも同じく一部高音で弾かれており、またツゥニィが解読に掛ける。その次に流れてきたのは※♪『Kokomo』だった。
※アメリカのロックバンドであるザ・ビーチ・ボーイズの楽曲でトム・クルーズ主演の1988年の映画『カクテル』の主題歌。こちらも『フルハウス』に縁があり、シーズン2にてビーチ・ボーイズのメンバー全員がゲスト出演した際にタナー一家に披露した。その後のシーズンでも一部のメンバーが再度登場した回もある。
それもまた高音演奏なのを瞬時に解読し文字に起こしていく。一通り終えてそれらを吟味するタクロー。
タクロー「谷司令、藤堂艦長。罠を警戒してそれも備える前提で話をしますが、できそうですよ!地球にいる反抗勢力との連携作戦が‼︎」
谷/藤堂早紀「ッ!」
地球上で反デザリアムを掲げる者達からのメッセージ(と思われる)を受け取り尚且つ連携作戦が取れる(かもしれない)と分かり、罠の事も考慮はもちのろんするが、地球奪還に希望を持てようにはなった2人だった。
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時空結節点に突入してかれこれ30分近くが経っただろうか...?景色が変わらず前にちゃんと進んでるかどうかも不明瞭なとにかく暗くどこか空間が歪曲してるような、それでいて時間断層並みの異次元級の時間の流れの激しい空間。土足で入ることもましてや敵の領域(テリトリー)で歓迎も祝福もされない空間を今≪ヤマト≫率いる【デザリアム本星殴り込み艦隊】は≪シュンラン≫に接舷し手助けを得て≪ザフキエル≫、≪ラジエル≫がアンチ・アクセラレーション・フィールド(A・A・F)という名の青光るオブラートを発生させ、艦隊全艦が時間の波に飲まれ消えないようにして進んでいる。
≪ヤマト≫
第1艦橋
古代「レーダー、何か映るか?」
西条「何も映りません。光学モードも一切反応がなく、僚艦の位置すら表示されません。」
古代「完全に目視での航海...七色星団を思い出すな...。」
土門「こんな何もちゃんと見えないような所で敵が来たりしたら...。」
そんな土門の不安が的中したとしか言いようがない衝撃が走る。ドォンッ!と艦が揺さぶられ立ってる座ってる関係なくおろろ(剣○式)⁉︎と倒れそうになる。お馴染みの警報が鳴り響き「なんだ⁉︎」「何かにぶつかったのか⁉︎」と動揺する艦橋クルー。だが単に何かに衝突したから警報が鳴ったのではないことは林と新見からの報告で分かった。
林「右舷に被弾!」
新見「第1装甲板に損害!ダメージコントロールに入ります‼︎」
北野「敵か⁉︎波動防壁が破られたのか...⁉︎」
古代「違う!波動防壁持ちの全艦は防壁をA・A・F(アンチ・アクセラレーション・フィールド)に防壁の能力を振ってるんだ‼︎今の≪ヤマト≫は丸裸も同然だ‼︎」
仁科「クソッ!敵は撃ち放題って訳だ!このままじゃ一方的にやられちまう‼︎ごぅッ⁉︎」
古代「なんだ⁉︎」
西条「左舷にも敵が現れました!」
古代「ッ!」
いつのまにか両側から挟み撃ちにされている事に気付く【デザリアム本星殴り込み艦隊】。古代が言った通り波動防壁を持つ艦は今フィールドを張るのに手一杯で肝心の実弾、ビーム問わずの時間制限付きだがほぼ無敵の"盾"が機能しないのだ。≪ヤマト≫を含む【地球連邦】はともかくバーガーら【ガルマン・ガミラス】、デリケ大佐らの【ガルマン・ボラー】の艦艇は元より防壁を持っていない。ただ機構は多少異なれど同じ波動エンジンを持っていたお陰でこうしてフィールドを展開して時空結節点を航行できてるに過ぎないのだ。ハナから波動防壁みたいなのは無いものねだりで防御など望むべくもない為やられてしまう艦が多数出てしまう。逆に敵艦...【デザリアム】は悪戦苦闘中の≪ヤマト≫らと違い目に見えるようなフィールドやバリアらしき物を張っている様なのは肉眼では確認できない。それを見て≪ヒュウガ≫の真田は「位相変換装甲は単に防御だけでなく時間の流れの中を進むことのできる技術なのか⁉︎」と推測するのを見て「冷静に分析してる場合じゃないですよ!」太田がツッコむまでセットで行われたのはまた別の話。このままではあると思われる出口まで艦隊が保ちそうにないで古代はあることに気付き命じる。
古代「両舷!探照灯照射‼︎」
土門「えっ⁉︎」
島「古代ッ⁉︎」
古代「【デザリアム】の狙いは≪ヤマト≫だ!囮になってこちらが敵を照らしてる間に味方に攻撃させる‼︎」
北野「しかし本艦に攻撃が集中し過ぎます!波動防壁がない今、耐えられるか...‼︎」
仁科「先に撃破すれば良いんだ!やるぞ戦術長‼︎」
≪ヤマト≫は艦橋後方の煙突型VLS(ミサイル垂直発射機)基部両舷に備えられた探照灯が取り囲む【デザリアム】艦に向けて照射される。真っ暗闇の時空結節点内でいきなり眩しい光に照らされ目潰しを掛けられる形となりデザリアム艦の乗員達は目を覆い狼狽する。さながら第二次大戦期の海戦に於ける夜戦の様な光景である。艦の指揮がおぼつかなくなった隙を突いて≪ヤマト≫らは反撃に転ずる。しかしいかんせん数は向こうのが多く有利だった。「地の利」ならぬ「宙の利」は【デザリアム】の物なのは明らか...≪ヤマト≫が照らす光はこの果てが見えない時空結節点の空間では一筋に過ぎないのだと察した≪ザフキエル≫艦長 刻崎は≪ヤマト≫に通信を繋げる。
『映像通信』
刻崎『≪ヤマト≫!古代艦長‼︎』
古代「刻崎艦長⁉︎」
刻崎『これから≪ヤマト≫だけを先に行かせますわ!』
古代「どういうことです⁉︎」
刻崎『自艦を囮にするのは理に適ってはいても、いくら≪ヤマト≫でも分が悪過ぎましてよ!ここは私たちが相手をしますわ‼︎』
古代「し、しかし!」
刻崎『ご自身の立場を弁えてくださいまし!あなた方は"希望"なんでしてよ‼︎ここで闇に呑まれて良いものではありませんわ‼︎』
古代「ッ⁉︎...刻崎艦長...。」
『映像通信』
真田『古代!』
森雪『行くなら、私達もよ‼︎』
古代「真田さん...雪...」
刻崎艦長に続き≪ヒュウガ≫の真田、≪アスカ≫の雪もメインパネルに現れ「私達も行く!」と告げに来る。
刻崎『きひっ!きっひひひ!相変わらずモテモテですわね!では揃って行って来てくださいまし‼︎時空消飛弾(じくうしょうひだん)<キング・クリムゾン>‼︎』
≪ザフキエル≫の主砲全門から3発の時空弾が発射される。それは「撃った対象の時間を消し飛ばす(スキップ)」能力を持つ<キング・クリムゾン>だった。撃たれた≪ヤマト≫、≪ヒュウガ≫、≪アスカ≫の3隻はその名の通り飛んだ。だが3隻とその乗員達はその時間の流れを覚えていることも認識することもできない。そう、例えるなら「階段を登っていたらいつの間にか登り終えていた」様な...または「飲み物を飲んでたらいつの間にか飲み終わっていた」様なものである。なんて例え話をしてみたが、文字にするのと実際にやられるのとは違う。仮に後で古代達に話を聞いても「例えるとそうだけど、何が起きたのか理解し難かった。な、何を言ってるのか分かんねぇと思うがよぉ〜ッ(汗)」とザ・ワー○ドに技を掛けられたポル○レフみたいな語りになるだろう。そんな奇跡体験アン○ビリーバボーをした≪ヤマト≫御一行は「ほっいつの間にん(ス○イダーマッ!式)」と気付いたら時空結節点の暗き闇から抜け出していた。古代達は自分達が飛ばされ終わったのを少し経って認識して眼前に広がる光景を目にする。そこは赤と黒がドス濃く混じり合った様な宇宙空間...そしてそうまさに真正面には惑星があった.,.いや、それはもはや惑星と呼ぶに相応しいのかどうか分からない...人間の心臓の様な中心核にそれを胸骨を思わせる物が支え覆っている様な自然な物ではなくアバンギャルドでオ〜ライ人工物感マシマシ〜(しか〇こ式)な星がそこにあったのだ。
≪ヤマト≫
第1艦橋
島「あ、あれが敵本星か...?」
古代「状況報告!」
西条「は、はい!えッ⁉︎まさか...?」
古代「どうした西条⁉︎」
西条「それが...現在の時間なんですが...」
古代「時間...?」
西条「西暦...3199年...なんです...!」
古代「なっ⁉︎」
古代だけでなく艦橋クルー全員そしてそれは雪の≪アスカ≫、真田の≪ヒュウガ≫でもそれぞれが「本当に【デザリアム】が来た時間に来てしまったのか⁉︎」と各々がリアクションを取った...ただ真田さんだけは「タイムスリップをすることになるなんて、科学者なら一度はしてみたいと思う夢がこんな形で叶うとは...」と驚きを交えつつ内心喜びやワクワクを感じていたのは後に≪ヒュウガ≫のクルーが証言したのはまた別の話だ。
???「フフフフフフフッ...よく来たな≪ヤマト≫とそのお付きの艦共よ...。」
どこからともなく声が聞こえて「ッ⁉︎」と驚く≪ヤマト≫一行。女性の声だ...だがテレサからのメッセージみたくテレパシーみたいな感覚の物ではない。研ぎ澄まさなくてもハッキリ皆に聞こえる。すると≪ヤマト≫らの眼前にモヤの様にうっすらと徐々にハッキリと現れ始める。巨大なホログラム映像の様な物で映し出された胸の高さまでの女性...風貌はさながら女王と呼ぶに相応しい荘厳さと能面の様な白い顔がそこに現れる。
ラー・デザリアム・スカルダーナ『我が名はラー・デザリアム・スカルダーナ...【暗黒星団帝国/デザリアム】の絶対的君主にして...闇に住まう新人類の教祖"マザー・デザリアム"とも呼ばれる者なり...。』
ようやく現れた【デザリアム】の親玉を前に、古代達は息を呑んだ...
読了ありがとうございます。「ダイソン球殻」のシーンはほぼまんま原作ゲーム版から取りましたが、艦隊のメンツが多いのを活かし色んなキャラに喋らせてます。この敵本星に辿り着くのに≪ザフキエル≫と≪ラジエル≫それぞれの原型艦の能力を活かすというのは2隻をメカコレで作り且つ「デザリアム戦役編」のプロットを書いてる時から考えていたものでようやくそれが書けるまで話が進んだのはなんだか感慨深いというか...「次元エナーシャルキャンセラー」の設定ってそんなに深く書かれてないし描写もなかったので独自解釈と設定が過ぎるかもですが存分に活かさせていただきました。副作用として「肉体の老化が遅くなり負荷が強いと若返る」というのは「≪銀河≫のクルーらがみんな時と話が進んでるのに歳を重ねてる風に見えないのはあの装置のせいなのでは?」と思い付いて書いたものです。≪シュンラン≫がいた事でこの装置をフルに使って艦隊ごと敵本星に迎えるのもまたこれは"ヤマトが繋いだ縁"ですね。また『3199』が公開されたこともって「時空結節点」や「マザー・デザリアム」という単語を逆輸入し本編とは違う形で設定を使いました。
タクロー達防衛軍艦隊の生き残りと藤堂長官ら<パルチザン>をサーシャが繋げましたね。原作ゲーム版を観直してて「第7艦隊以外の防衛軍艦隊の生き残りは居た筈だしそれにいくら軌道上の暗黒星団艦隊の数が減ってるとはいえそれが重核子爆弾の防衛に回ったら<パルチザン>はひとたまりもないのでは?なんでその時に艦隊は攻撃してこなかったんだろう?それと仮に防衛軍艦隊の生き残りがいたら連携を取る為にコンタクトを取らないとダメだろうな」と思いどうするかな〜ってことでサーシャの持つイスカンダル人特有の力でどうにかして貰いました。便利ですね(笑)。選曲は私が普段聴いてる趣味の物ですが、「フレーミーのうた」以外は全てドラマ『フルハウス』に縁のある曲です。たぶん真田さんがサーシャに教えたんですねw.因みにリメイク版真田さんの声を務めている大塚芳忠さんは本ドラマでは主人公の一人であるダニー・タナーの吹き替えを担当していました。
さぁようやく出ましたラスボス!しかし本作のスカルダートはまさかの女性です。この小説のリメイクの【デザリアム】を「手足は機械化しても生命を産み出す身体を残しそれを神聖な物として崇める宗教を持つ女尊男卑社会の国家」という独自設定の為こうなりましたを名前やヴィジュアルは『銀河鉄道999』のラスボスであるラー・アンドロメダ・プロメシュームが元ネタとなっています。クライマックスに掛けていく者達を最後まで読んでください!それではまた‼︎