宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH" 作:箕理 田米李
尚、あと設定資料三つほど書いたらしばらく『外伝BBB』をお休みしたいと思います。それまでお付き合いください。ではどうぞ↓
地球連邦防衛軍司令部・会議室
閣僚A「先の戦いに陰ながらとはいえ大きく貢献したからといってオールトの雲と冥王星基地の件が帳消しになるなんてのは大間違いだぞ。
たかが実験艦隊の一(いち)艦隊司令がやっていい範疇(はんちゅう)を超えている。」
同B「確かに何事も結果オーライで済まして良いわけではありませんからね。場合によっては軍法会議を開いてはどうでしょう?」
同C「責任を取らせるべきでしょう。規律違反の常習犯は≪ヤマト≫だけで結構ですから。」
同D「このような事態は組織に悪影響を及ぼす!」
先の戦い...「デザリアム戦役」から約半年が過ぎた頃、西暦2208年も半分以上の月日が過ぎ少しずつだが復興が始まりつつあった。
そんな中で防衛軍司令部の会議室の一室。円卓状に並んだテーブルと椅子に並び腰を掛けるは防衛軍司令部勤務の官僚、各惑星基地や艦隊司令、軍関係の閣僚らだ。
一部は直接ではなく旧ガミラス式のホログラム映像を通して参加している者もいる。
無論、本部付きの藤堂司令や芹沢副司令も列席しており2人共瞼(まぶた)を閉じているが話はちゃんと聞いていてその顔は話されている内容に肯定でもなければ否定でもないというどちらか図りかねる様子だ。
「なら辞表を書かせようかな?ここにペンもタブレットもあります」と1人の金髪碧眼のイギリス系、縁(ふち)の細い眼鏡を掛け長い髪を一つに結(ゆわ)えた車椅子に乗る初老の紳士が語り始め皆の視線がそこに集まる。
エリオット・ジョージア・ウッドマン「君達は彼等...第99特殊戦略戦術機動打撃群の功績のことを全く理解できていないようだね。
オールトの雲の基地はいずれ解体する予定だったし冥王星の基地に関しても強力な防御兵器が置かれていたのはそのレポートに目を通している君達なら分かることだろう。
解体の予算はガルマン政府とちょうど揉めていたそうだから手間と時間と資金の節約になった上、敵に対する爆弾として充分機能した。寧(むし)ろ一石四鳥と言っても差し支えないだろう。
冥王星基地だけでなく他の太陽系の各惑星の基地も少なからず被害は受けたが基地は所詮(しょせん)"物"だ。ガミラス戦争後の時のようにまた建て直せば済む話だ。
それに君達は彼、司令の多田部の行為を"越権(えっけん)"と言うが彼と彼の艦隊がオールトの雲で必死に敵の補給線を妨害していた頃、私を含む諸君らは何をしていた?【デザリアム】の捕虜になって豚箱に押し込められ強制労働させられるか<パルチザン>の運営で忙しかっただろう。
仮に通信ができたとしてもそのせいで多田部司令らや我々の位置が露呈(ろてい)されればたちまち敵に袋叩きにされることくらい軍人である君達に分からないことではない筈だ。
そんな状況下で一体誰の許可が取れるというのか是非お聞かせ願いたいものだ。遠慮なく言ってくれたまえ。」
批判していた者達の全員が押し黙る。ウッドマンの言う通り彼等もプロの軍人であるからそれが分からない程愚かでもバカでもない。
だが、それ以前に人間であるが故に文句の一つや二つ言いたくなるものだ。それはウッドマン自身も分かっている。
反論がなくなったのを確認し話を続ける。
ウッドマン「そもそも彼等がいなければ第7艦隊はおろか≪シュンラン≫も完成しなかった。
それも含めれば君達はもっと彼等に感謝するべきだがまぁこの話はここまでにして本題に戻ろう。
『第99特殊戦略戦術機動打撃群の独立遊撃部隊への再編成案』...このプランの"独立"という単語から司令官である多田部が≪ヤマト≫のような独断専行が横行させるではないかと連想批判ゲーム大会したようだが、彼は基本そのような逸脱はしない男だと断言しよう。
嘘だと思うなら自分の足で彼の下まで行き直(じか)に話すといい。お尻で椅子を磨くのが自分の仕事じゃないと胸張って言えるならな。
それに付け加えておくと彼と連想ゲームでやり合うのはやめておくといい、君達ではまるで相手にならんぞ?」
本題から批判大会に発展したのをなんとかイギリス人らしい痛烈な皮肉とジョーク交えながらの演説で持ち返しのを聞きもう何も言えなくなる者や「ふんっ!」と鼻を鳴らし納得していないながらも反論が思い浮かばず曇った表情を浮かべる者と反応は様々だが、藤堂長官と芹沢副司令の2人だけは瞼を閉じているままなれどその口元は若干緩んでいた。
会議が終了し部屋から続々と人が出て行く。ウッドマンも車椅子を操作して後にすると廊下で1人の男が敬礼をして待っていた。
そう、99特戦機群司令 タクローこと多田部だ。
ウッドマン「こんなところに足を運ぶとはまた【デザリアム】がとんぼ返りして来たのかな?」
タクロー「もしくは星間大戦になったかです。お待ちしておりました。」
ウッドマン「堅苦しいのはそこまでにしてくれ、君は司令官だ。」
タクロー「そうは行きません。行政を任せきりにしているのですから"副司令殿"。」
と言って互いに握手を交わす2人。そう、ウッドマンの肩書きは第99特殊戦略戦術機動打撃群の副司令なのだ。
そして艦隊創設を後押ししたメンバーの1人であり実働部隊の運用はできるが政治と金の動きに無頓着でからっきしなタクローを支えるべく内惑星戦争で負傷し車椅子に頼らざるを得なくなった自身の身体のこともあり行政を担う副司令の立場となった経緯がある。
タクロー「揉めましたか?」
ウッドマン「あぁ、だが金と権限でどうにかなる。みな鬱憤(うっぷん)をどこかに向けて発散したいだけだ。言わせておけばいい。」
タクロー「では99特戦機群は無人艦隊実験部隊から独立遊撃部隊にですか、また忙しくなりますね。
まぁ功績が認められたのは素直に喜ぶべきでしょうが、少し目立ち過ぎた感じがしてなんだかなぁ...と。」
ウッドマン「ハッハハ、君のそういうところを買っている。物事に対して素直に喜び過ぎないところがね。」
タクロー「恐縮です。」
「頭が上がりません」と言わんばかりに深々と頭を下げるタクローだった。
=====================================
プレアデス改攻勢型戦艦≪グレート・エルギーラ≫
艦橋
ルーギラ「その報告、ノイズはないなアルフォンよ...?」
アルフォン(映像通信)『はっ、それは違いなく...。カザン総司令は地球脱出を拒み徹底抗戦の構えを見せ、壮絶な戦死を遂げました。』
時は数刻(すうこく)遡(さかのぼ)る。アルデバラン星系...冬のダイヤモンドを形成する恒星の一つであり牡牛座α星が存在し地球連邦防衛軍総旗艦(二代目)と同じ名を冠するその宙域にあるもう一つの恒星 牡牛座β星には無数の【デザリアム】艦隊の姿があった。
地球から約65光年と比較的近距離にいるワケはというと、本宙域には未だ【地球連邦】の探査や開発が及んでいないことに加えβ星には致死量の未知の放射性物質が流れており有機生命体が近付けばたちまち死に至る為に航路を避けられているからだ。
その点、彼らデザリアム人は身体は機械であるので何の問題もなくそこに存在できるのだ。故に絶好の隠れ家と言える。
そこに敗走してきた地球侵攻派遣軍のゴルバ型浮遊要塞≪ニィデ・ドゥ・ディアブルⅠ≫と残存艦隊及び再編され地球への増援としてデザリアム本星より向かっていたルーギラ&クーギラ姉妹率いる第XXⅣ師団が合流した。
「我々にはまだこれだけの戦力が残っているぞ!」
「そうだ!十分(じゅうぶん)にやれる!今からでも反撃に出るべきだ‼︎」「甘い!地球側の戦力を正確に把握できていない状況下でやり合えば、やる前から結果は見えている‼︎」
「左様(さよう)!本星を失い、マザーの導きも無くした今の我らに何が為せようか‼︎」
「キサマそれでも【デザリアム】に将か‼︎」
「再起を期す為にもここは下がるべきだ‼︎」
まさに"烏合(うごう)の衆(しゅう)"..."マザー・デザリアム"こと、彼等【デザリアム】のトップに君臨する聖総統 ラー・デザリアム・スカルダーナが死んだ...この事実が及ぼす影響は我々生身の人間...そう今これを読んでいる君達地球人、いやブラザー?シスター?フレンド?はたまたファミリーか?...いややめとこう果てがない...(汗)
要するに"想像がつかない"...いや敢えて我々地球の言語で分かりやすくするなら「独裁者を失った軍隊や政治家は各々好き勝手に目立ち指揮りたがりしたがる」という感じだ。
だが【デザリアム】の場合はこう言葉や文面で表せるほどそう単純な話ではない。半人半機械のサイボーグである彼等の思考はスカルダーナと巨大で強大なネットワークで繋がっている。それが突然シャットダウン(絶たれた)したのだ。機能不全に陥りパニックになるのも当然である。
やれやれ聖総統(マザー)に全てを委ねた者達これが末路とは...アルフォンは一人そんなことを思考している。終わりが見えない論争...誰か止める者はいないのか...そう思った時だった。
「静まれぇぇぇいッ‼︎‼︎」という強烈な一喝とネットワークの電波がこの場にいる全てのデザリアム人並びに兵器群に響き渡る。これほどの衝撃波とも呼ぶべき波導はそうそう出せるものではない。
声からして女性...そうルーギラであった。彼女の座乗艦である≪グレート・エルギーラ≫の右舷(艦後方から見て)にいる同じグレート・プレアデス級の姉妹艦≪グレート・エルクーギラ≫...ルーギラの双子の妹クーギラは両耳の穴を人差しで塞いで瞼をキツく閉じていた。
多くの者が怯(ひる)む中、ただ一人、アルフォンは違った。瞼(まぶた)を閉じながらも直立不動を保っている。
しかも≪グレート・エルギーラ≫と真正面で対面している形で一番近くに位置するプレアデス級指揮型戦艦≪アルファウスト≫にいるのにだ。
そこからルーギラは「自分がこの場を執(と)り指揮る!まず指揮官は誰か‼︎⁉︎」と尋ねアルフォンが代理として報告して現在に至る。
アルフォンは虚偽を報告している。実際にはカザン総司令は壮絶な戦死など遂げていない、彼が謀殺(ぼうさつ)したのだというのが事実だが、誰もそれを見た者はいないしましてや諜報(ちょうほう)専門に調整されたデザリアム人である為、容易に事実を捻じ曲げ改変することなど造作(ぞうさ)もないことだ。
しかしルーギラは敢えてそのことを言及しなかった。アルフォンの報告が事実か否かなど「無知(無血)な男など所詮この程度」と思っているような彼女には真実が否かなど鼻からどうでもいいことであったからだ。
クーギラ「...で?これからどうするのさお姉ちゃん?ゴルバは損傷しててここは暗黒物質が少な過ぎるし、艦隊の規模的に全艦の重核子機関(ウラリウムドライブ)を充電できる程の余裕はなさそうだよ?」
「まだ耳がキーンってするよ」と最後の小声も含めて妹 クーギラの意見は最もだった。
【デザリアム】が有する重核子機関は波動機関と同等の出力を誇るがそのエネルギー組成や駆動方式が全く異なる。
波動機関や【ガミラス】のゲシュ=タム機関と違い、真空から無限にエネルギーを生成する半永久機関というわけではなく、機関内に一定量の重核子(ウラリウム.別称:暗黒物質)を充填、循環させて発電し電力を生み出しエンジン(というよりモーター)を稼働させる方式で定期的に補充を必要とするいわば「バッテリー駆動方式」のようなモノなのだ。
その重核子生成・補充スタンド兼移動要塞がゴルバ型で暗黒物質の多い宙域で蓄えるまたは真空から微量に含まれる暗黒物質を抽出する機能を有している...故に【デザリアム】の艦隊運用の要(かなめ)なのだ。
だが、そのゴルバ型が≪ニィデ・ドゥ・ディアブルⅠ≫のただ一基のみの上に損傷している。
しかも真空から暗黒物質を取り出せると言ってもその量はごく微量で艦一隻分の重核子機関をフル充電できる量を生成するのも多大な時間が必要となってしまう。
まず第一に地球への再度侵攻は無理と考える。時間は経過してしまい地球の防衛軍は態勢を立て直し防衛網も復興しつつあるだろうしこちらは疲弊しロクな補給もないからだ。
自分達が根城にしていた二重銀河もダメだ。確認の為に引き換えさせた艦隊からの報告によれば恐らく≪ヤマト≫とその艦隊が本星を撃破した余波か...銀河自体が崩壊してしまったということだからもはや自分達の故郷にも来た西暦3199年に帰る術(すべ)も存在しない。
戻れないし帰れない、二重の意味で後には退けない芳(かんば)しくない四面楚歌(しめんそか)...瞼(まぶた)を閉じて思考し続ける。
その答えを待つ妹クーギラとアルフォンそしてその他大勢のデザリアム将兵...「結論なんて出ない」と思う者もいる中、ルーギラは瞼を開く。
ルーギラ「結論が出たぞ皆の者!これより我々はここよりさらに遠方!遥(はる)か彼方(かなた)のアンドロメダ星雲へと向かう‼︎」
クーギラ/デザリアム将兵達「「「「「ッ‼︎⁉︎」」」」」
アルフォン「... ... ...。」
クーギラとほぼ全てのデザリアム将兵達がルーギラの結論に驚く中、ただ一人アルフォンは特段驚くことなく静かに聞いていた。
ルーギラ「今我々に必要なのは休息と時間だ!それには安住の地がいる!戦力を蓄え、整える時間がいる!
その為にはここではない未知の星系へと向かいそこで我らの新たな帝国を築くのだ‼︎」
決断の内容が内容だけに唖然としてるせいか反対意見が特に出なかった為、この後の移動は割とスムーズに行われた。
そこは縦社会の傾向が強い【デザリアム】である。上の命令は絶対なのだ。
今は潔く退き力を蓄える時と見た彼ら【デザリアム】の残党達が後の【大アンドロメダ機械化惑星帝国】の礎(いしずえ)を築き上げることになるのは、まだまだだいぶ先のことであるのであった。
=====================================
タクロー「都市部は進んでますが、相変わらず郊外は手付かずですね。あちこちに残骸が見えます。
あっちの方はスクラップ置き場と化してるようです。」
ウッドマン「"形ばかりの復興政策"...軍拡路線のツケは相変わらずだね。」
タクロー「変わりませんね...そればっかりは...。」
二人の会話は続くがその場所は変わる。復興途上の郊外や地球環境が復興してからも変わらず遊星爆弾のクレーターや【ガトランティス】そして【デザリアム】の兵器の残骸が散らばる赤茶色の不毛な大地を横切る幹線道路を走る黒い軍関係者用のホバーリムジン車内の後部座席。
4人程が座れる席同士が向かい合ったスペースで話を続ける二人。運転手は"キョウキョウ"こと黒異士 狂耶だ。彼女はタクローの個人秘書としても働いている。
タクロー「そういえば、連邦政府は【ゼニー合衆国】の申し入れを受ける気でいるんですか?」
ウッドマン「"GWTO(ギャウトー)"のことか?先日、大統領がデスラー総統と協議した。承諾する方向に向かっていると聞いたよ。」
銀河系中心部を【ボラー連邦】と二分するもう一つの巨大星間国家【ゼニー合衆国】は地球から銀河中心部に向かって見た場合、左方向...つまり東に【ボラー】が右方向...西に【ゼニー】が位置している。
その広大な領域とそこから採掘される豊富な資源を合理的に活用し全盛期の【大ガミラス帝国】をも上回る程の力を持つ【ゼニー合衆国】は武力はさることながら外交等の政治パフォーマンスに優れておりそれを武器に同盟国を増やして現在(いま)に至る。
そんな星間国家が執り仕切る"GWTO(Galactic center Western Treaty Organization)...「銀河中心西部条約機構」という軍事同盟は【ボラー連邦】の本国と傘下の衛星国で構成される軍事同盟「※ヴォログヲ条約機構」に対抗する為にある。
同軍事同盟構成国は【ボラー】本国の「永久管理機構」による恐怖体制による支配によって強制的に参加させられている衛星国とその国軍も多くこれに対し【ゼニー】の指導者 ロナルダ・ゴーマン大統領は【ボラー】とその条約機構を「悪の帝国とその同盟」と呼んでいる。
そんな同盟に入ることを決めたのも【地球連邦】と【ガルガミ】の情勢上によるところが大きい。
片や度重なる星間戦争と復興の繰り返しによる不安や軍民の疲弊、もう一方は本星とその住民及び広大な支配領域の喪失に伴う大幅な国力の低下だ。
そして「ボラー寄りのガルマン人」達の【ガルマン・ボラー共和国】の問題...それを支援すると言ってきている【ゼニー合衆国】に対し【地球連邦】の軍民は半信半疑で【ガルガミ】も今まで国交はおろかその存在も噂程度にしか聞いたことがなく地球と同じで得体が知れない。
だが両国とも安保条約を結んだ同盟国ではあるが今じゃどちらもその頃よりも弱体の疲労困憊(ひろうこんぱい)コンビであり本音を言ってしまえば強力な味方と支援は例え裏のある意図を相手が持っていようとも願ってもないことなのである。
※【ボラー連邦】本星の首都の名に由来
タクロー「積極性のない大統領はともかく、あのデスラー総統ですら同盟に賛同とは驚きでした。てっきり突っぱねるかと...。」
ウッドマン「それだけ自分達の国力を理解しての判断だよ。なにせ同盟しても独立は尊重・維持させてくれるのだ。過信し過ぎは良くないが、決して悪い話ではない。」
タクロー「まぁそうですが...おぉっとぉ...⁉︎」
突然惰性(だせい)が働き車が急ブレーキしたのが伝わり分かる。
タクロー「キョウキョウ?」
黒異士「前方に人だかりができている。デモか何かか?」
不思議がっているとその人だかりを見張っていると思われる警備兵が近付いてくる。
「ここは通れません。身分証を...」と尋ねられた黒異士は後部座席の右側(車体後部から見て)の窓を開けタクローとウッドマンの姿を見せる。
著名人ではないので二人のことを知らない警備兵だが、軍服を着ているので彼等が軍人であり乗る車が軍用車だというくらいは分かり「失礼致しました!」と銃を構え直し詫びる。
タクロー「ご苦労様です。何の集まりですかあれ?」
警備兵「対デザリアム協力者達の護送に市民達が怒りをぶつけているんです。」
「この国賊がぁーっ!」
「人でなしの売国奴野郎ーッ‼︎」
「金儲けの豚共めぇーっ‼︎」
と言う人々の野次(やじ)と喧騒(けんそう)が遠くだが聞こえ感じる。
「対デザリアム協力者」...その名の通り保身の為に【デザリアム】側に情報を売る、施設を解放し使わせてやる等の便宜を図るなどをした者達のことだ。
そんな「裏切り者」達が護送される車両に向かって市民達は非難轟々罵詈雑言を浴びせ石などを投げつけている。
第二次世界大戦でのナチ協力者に対する処罰と似た者を感じるタクローは「歴史は繰り返す」とはよく言ったものだと感じた。
タクロー「キョウキョウ、言う通りにして迂回しよう。よろしいですか?」
ウッドマン「あぁ、構わんよ。私もあれは見るに耐えんからね。」
見ていて気持ちのいいものではないのは間違いないのでさっさとその場を離れることにする。
これを≪ヤマト≫クルーが見たらどう思うかとふと考えてしまう。一部とはいえ散々命懸けで守って来た地球とその人々が恩知らずで浅ましいにも程がある裏切り行為に手を染めていた...「万死に値する!(台詞/演技指導:✖︎クラウス・キーマン/⚪︎ティエ○ア・アーデ)と思う者がそりゃ多々だろうし「なーんだ、また〇〇だったのか⁉︎だらしねぇ‼︎(CV.松本梨香)」だろう。
だが腐っても彼等も同胞の地球人だ。それでも彼等は守り続けるのだろう。
なんとも"青い"がそれが≪ヤマト≫とそのクルーの「愛でるべき限界」なのだ。
しばらく車を走らせて墓地の入り口に着く。そこでタクローは車を降りるという。
タクロー「では、私はこれで。」
ウッドマン「さっきの話、こちらに任せてくれたまえ。」
タクロー「ありがとうございます。じゃあキョウキョウ、副司令をしくよろ。」
狂耶「分かっている。夕飯を用意して待っている...早く帰れよ。」
そう言ってドアを閉め走り去って行く車にタクローは一礼し墓地へと歩みを進めて行く。話は車内に移る。
ウッドマン「そうか、君を含む3人は彼と同棲しているのだったね。」
狂耶「あなたも知っての通り私らには身寄りがない。
アイツは私達の夫であり恋人でありそして良き友人でもあるんだ。それに感謝しているし、それに応えるのが私らの恩返しなだけだ。」
ウッドマン「おっと失礼、君達が何者であるかは私も知っている。彼なら大丈夫だ。君達を丸ごと包んでくれるのは彼しかいないからな。」
そう言われバックミラー越しにウッドマンと目があった狂耶は視線を外し頬(ほお)を赤らめた。
「戦士の地」...≪ヤマト≫のクルーが眠る有名な「英雄の丘」とは対を成すように反対方向に建てられたその軍の墓地は「ガミラス戦争」から「ガトランティス戦役」「サレザー事変」そして「デザリアム戦役」の戦没者が祀(まつ)られ眠っている。
「地」は「血」と兼ねており「彼等兵士諸氏の犠牲によって大地が、星が平和でいられている」という意味合いが込められている。仕事も一息着いたので立ち寄ることにした。
慰霊碑に向かって歩みを進めると既に先客がいたらしい。
タクロー「あれミホ大尉?」
ミホノラ「あ、これは艦長(敬礼)。」
タクロー「いやいいよ今は仕事じゃないしさ。」
仕事とプライベートは分けてよしとしてタクローは柏手(かしわで)、ミホノラは一礼し黙祷(もくとう)する。
タクロー「故郷に里帰りしに行ってたと聞いてたけど早い戻りだったんだね、ご両親は元気だった?」
ミホノラ「はい故郷の方は戦火に呑まれずに済んだそうで両親も相変わらずでした。ただ... ...。」
タクローから慰霊碑の方に視線を向け憂いた表情を取るミホノラ。戦いが終わり落ち着いた頃に同じ宇宙防衛大学の同期生がどうなったのかを知った。
その多くが【デザリアム】の侵攻もしくは<パルチザン>に参加し地上でのゲリラ戦や反抗作戦で命を落としたらしく戦闘終了後や捕虜となって生き残った者は僅かだったという。
それを聞いてショックを受けたものの自分も同戦役で散々酷い惨状は目(ま)の当たりにしてきたつもりだし覚悟はしていたのでちゃんと向き合わねばとここに足を運び弔(とむら)いに来たというわけだ。
俯く彼女の傍ら、タクローは視線を新都郊外にその存在感を放つ【デザリアム】の重核子爆弾の発を方を見やる。
解体しようにもあまりにも巨大で費用がかかり過ぎることから「デザリアム戦役平和祈念モニュメント」として整備・保存されることが決定している。
タクロー「... ...あ、そうだ大尉。このあと空いてる?」
ミホノラ「え?あ、はい...。」
タクロー「良かった。大事な話がある。秘密の場所でね。」
ミホノラ「...?」
=====================================
「我らの覇道に揺るぎなし!」の一喝(いっかつ)で言い争いが一瞬で収まる。
【ボラー連邦】本星 首都ヴォログヲにあるボラー連邦国家保安委員会本部のある"ルヴァンガ・ビル"の会議室と呼ぶには豪奢(ごうしゃ)な装飾が施された一室。
縦長の机に対面する形で席が並びそこに軍の官僚と各連邦衛星加盟国の最高指導委員長と支配星系の総督が腰を掛けたら或いはホログラム映像を使っての会議が行われていたが進むにつれ葉巻の煙でモクモクとした中で言い争いとなる。
それを見かねたボラーの最高指導者 ベルム・フォン・ベムラーゼ 国家最高指導委員長は副官であるリュドミ・ダーリヤ一等書記官に耳打ちをし自身の意思を代弁させたのが先の一言である。
ラヴォレン・ベルャア「同志ダーリヤ、僭越(せんえつ)ながら最高指導委員長たる我らが大同志ベムラーゼに異議を唱える訳ではないが、【バース】と【ガルマン・ボラー】の【地球連邦】と【ガルマン・ガミラス】との接触の件は座視(ざし)すべきことではないのは事実であります。」
手を挙げて発言したの眼鏡の男はニタァと薄気味悪い微笑を浮かべながらダーリヤに言う。
ダーリヤ「同志ベルァア。貴官の任は連邦永久管理委員長として、また国家安全保障総司令官として国の内外を問わず連邦体制を引き締めることにあるのを忘れてはないないだろう?
貴官の懸念(けねん)は敵国家との接触による連邦体制に揺らぎが生じるのではと言いたいのだろうが、それを防ぐのが責の筈...早急に対処せよとベムラーゼ閣下は申し上げている。」
ベルァア「それは重々承知しておりますとも...同志との繋がりは神聖な物でありますからな...ここから先はゴロボコフ君あとを頼むよ。」
ベルァアは一旦自身の言を止め、代理として向かい側の席に座る一等書記官の男性一人が話しをするという。
ミヘイル・ゴロボコフ「は、はい...先日国内に侵入していたスパイを尋問しました。【ゼニー合衆国】のスパイは他にも紛れ込んでいるようでそれが国内に混乱を齎しています。以前より各衛星国に独立の機運が増しているのもそうですが、まずはスパイ狩りを徹底してはどう...」
「同志ゴロボコフ!」と話を遮るよう突然名前を呼ばれたゴロボコフは少したじろいでしまう。右目の眼帯からも見えないが睨まれているようにも感じるのは左目の眼光が鋭いからか...。
ダーリヤ「先程の話を聞いていたのならそれはベルァア同志と連携してことに当たれば良いことだとわざわざ言わねばいけないか⁉︎」
ゴロボコフ「そ、それは...そうですが...」
ダーリヤ「【バース】と【ガルマン・ボラー】が持ち帰った情報は中々に興味深い内容だった。
小なりとはいえ【地球連邦】並びに【ガルマン・ガミラス】の情報を得ることができたし【デザリアム】という勢力とそれが根城にしていた二重銀河のことも調査する必要が出て来た。」
レルヲード・ブレガネク「その件に関しては既に調査艦隊を編成済みです。各艦隊や補給・支援部隊との打ち合わせも済んでおります。」
【ボラー】の軍内部の規律の統率とベムラーゼ国家最高指導委員長に次に強い指揮権限を持つ「軍政治将長」の地位にあるブレガネクが挙手をして調査艦隊と手配を報告し、ダーリヤは彼の方を向き返答代わりに少し頷き了解と伝える。
ダーリヤ「問題が山積しているのは重々承知だが、それを【ゼニー合衆国】に知られてはならん。
我ら【ボラー】に綻(ほころ)びなどないことを示すよう同志諸君らにはこれからも徹底してもらう‼︎」
ダーリヤの言葉はベムラーゼの代弁...即ち彼女の言うことはベムラーゼの意思だとして反論は起きなかった。
とりあえず会議が落ち着いたのを喜ぶ者、「ふん!」と鼻を鳴らしたり「※カゾォルフの成り上がりが!」「ベムラーゼの腰巾着女狐め‼︎」と辺境の国の出身が偉そうにと内心毒付いて不満がる者もいたが会議は踊れはしても見事終演してみせたのだった。
※カゾォルフ・ボラー人民共和国、【ボラー連邦】構成共和国の一つ
=====================================
新都・旧時間断層工廠
タクロー「"ブラック・ベース・ベイ"へ。」
エレベーターアナウンス音声『ハーガワネン大尉は当ドッグへの立ち入りは許可されていません。』
タクロー「司令権限だ。多田部拓郎。」
エレベーターアナウンス音声『確認しました。』
地下工廠へと繋がるエレベーターに乗る二人。タクローは奥に両手を広げてもたれミホノラは扉から見て左、タクローから見て右の方に前に手をやって休めの姿勢を取る。
タクロー「そういや大尉、街の様子見た?」
ミホノラ「あぁ、デザリアム協力者への非難の声...ですよね?」
タクロー「そうそう、あぁいうの見るとさ人間って生き物が嫌になっちまってなんだか疲れが出てくるよ。
生きる為とはいえ敵に加担してしまう...そんな人達もひっくるめて≪ヤマト≫は救おうとするんだよな...そんな聖人染(じ)みたこと俺にはできんね。」
いつになく真剣な表情をして台詞を言うタクローに少し戸惑うミホノラ。相変わらず表情と言動をコロコロ変える人ではあるのは二年間一緒に同じ艦で戦ったからよく分かっていたつもりだったが、「複雑怪奇」「変幻自在」の言葉が似合うくらいにいつどこで何のきっかけで変わるかは予測不能だ。
ミホノラ「誰にも真似できませんよ...ましてや地球を何度も救うなんて芸当も含めてなら尚更です。」
タクロー「そうだわね。君の言う通りまたもや我らが英雄は名を上げたワケだ...が、俺はいつまでもそれじゃダメだと思ってる。
≪ヤマト≫も兵器だ、いずれ無くなる...だから≪ヤマト≫以外の俺達がもっともっとしっかりしないといけないんだ...。」
ミホノラ「艦長...。」
その無敵伝説故に忘れそうになっていたことを言われてハッとする。言われてみれば≪ヤマト≫も所詮(しょせん)は宇宙戦艦の一隻に過ぎないということに。
「ガミラス戦争」「ガトランティス戦役」「イスカンダル(サレザー)事変」そして今回の「デザリアム戦役」と≪ヤマト≫は数々の戦いに勝利しその度に地球を救った。
しかし軍人である彼女自身もその戦いの戦闘詳報(せんとうしょうほう)には目を通したことがあるから知っている。
「≪ヤマト≫が高いスペックとそれを存分に発揮できる乗員に恵まれているのはその通りだが、それだけでなく非常に"幸運"に助けられて今の今まで戦没せずに済んでいた」ということに...。
それでふと考えてしまう。そんな≪ヤマト≫が今後も勝ち続けるとは限らない。
ミホノラも他の防衛軍軍人と市民達と同様に無意識的に≪ヤマト≫に絶対的な自信というか期待を持ち過ぎていたのだと密かに反省した。
頭を垂れ少し地面を見つめた後、ふと顔を上げガラス張りのエレベーターの外を見やる。
ここからは『♪Project Insight(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』より)』を流しながらお読み下さい
ミホノラ「... ...ッ⁉︎」
タクロー「あぁアレ?...私なりの地球の果たすべき責の体現ってヤツだよ。」
タクローに紹介されたそれは一見すると通常のアンドロメダ級の空母型に思えた。
しかしその艦体は黒とオレンジのカラーリングに彩られ、舷側と艦橋後部の巨大な艦載機格納庫のある区画の飛行甲板上に大きく施された艦隊のシンボルである髑髏(ドクロ)のマーキングは紛う事なき我らが第99特戦機群の所属艦を表すモノだった。
それが三隻がドック入りし艤装中で、上述した飛行甲板には艦載機で同じく黒とオレンジで塗装されたコスモタイガーⅡがクレーンでそこに下ろされている。
よく見ると同じ機体が既に何機も飛行甲板に並んでいるが、そのコスモタイガーⅡはどこか通常型と違う感じがあるのはその手の物が専門じゃないミホノラでも分かった。
タクロー「これが計画の一部さ。無人機型のコスモタイガーⅡ[ゴーストタイガー]を搭載した無人機母艦仕様に改造したアンドロメダ空母三隻だ。」
ミホノラ「より一層艦隊の無人化を進めるんですね...。」
タクロー「ウチの航空隊の何人かを教官に欲しいって上から言われてね。軍全体の練度向上を図るには熟練パイロットを色んな方面で活躍させた方がプラスになるからその代わりさ。
【デザリアム】式の無人制御アルゴリズムを組み込ませてある。「ガトランティス戦役」の頃のAI制御よりかは遥かに優秀だよ。
調整はツゥニィがやってくれてる。」
ミホノラ「ツゥニィさんが?」
タクロー「その手のことは対話インターフェイス搭載型の未来のAIであるあの子に任せておけばOKかなって。アンドロメダ空母の方もやってくれてる。
元々、空母型は将来無人機母艦としての運用を想定し計画されていたらしいからな。」
航空隊の無人化だけでなく、その弱点を補う【デザリアム】の電子技術の応用と抜かりはない。
タクローの歩きながら解説が続く中、ふと視線を外すとその先にある物に注視し足を止める。
それは我等が旗艦≪デア・エクス・マキナ改≫と第二群旗艦≪ネメシス≫の傷を負い薄汚れた姿だった。
ミホノラ「... ...≪マキナ改≫と≪ネメシス≫はどうなるんですか?」
タクロー「≪マキナ≫は度重なる戦闘と応急処置の連続でもう艦が限界で修理は費用対効果に合わないとさ... 。
≪ネメシス≫も最終的にはほぼ大破、冬月司令をよく守ったさ。最も司令は歳よりも先に怪我で退役だがな。
今は使える部品を取り払ってる。どちらも無人艦隊運用のデータ収集の任務は十分果たしてくれたよ。」
ミホノラとしては2年という短い時間ながらも改装前から乗艦し無人艦隊管制システム担当官を務めたからというのもある。
愛着もそれなりに持っている...故に寂しく思うのだ。
タクロー「そう落ち込まないでよ、量産優先の廉価・低品質素材で作られたBBB級を原型としてる艦としては二隻ともよく頑張った方さ。
それに、この娘達は単にバラされるだけじゃない。新しく生まれ変わるのさ。」
ミホノラ「新しく...?」
※突然ですがここから♪『悲しいデュエル』ことまたの名を『覇王十代のテーマ』を流していただけると分かりやすくなりますのでよろしくお願いします。
タクロー「そう!※絶対無敵!究極の力を解き放て!発動せよ!超融合‼︎」
相変わらずどこからともなく音楽が流れ決めポーズを取るタクローに困惑するミホノラ。
もう慣れたと思っていたが、突然に始まり出す場合はまだ驚いてしまう。そして単に艦隊の再編成があるからというだけでなくまた本人の中には新しい野望が次々と生まれては具現化していっているのだろう...この人の果ては見えそうにないなと感じた。
※『遊戯王GX』に登場する速攻魔法カードの発動口上
タクロー「あ、そうそうそれからもう一つ。君に辞令があるんだ。」
ミホノラ「辞令...。」
相変わらず切り替えも早いも来ている。全く変わらない、ブレない...そんなこんやで突然の辞令...何事か身に覚えがなかった。
タクロー「君の先の活躍振りに鑑みて出すことにしたんだ〜。新設の特務艦隊だよ、エレエレと一緒に行ってきてね⭐︎」
ミホノラ「先輩と...ッ!」
今時珍しい紙の封筒に封入された辞令書を手渡された直後、ミホノラはふとタクローの背後にある艦艇群に気付く。
そこの部分は照明が当たっていないせいか影っていてよく見えないが大小様々な艦艇群が立ち並んでいるのは夜目(よめ)が慣れてきたミホノラにはわ分かる。
ミホノラ「その艦達の中にあるんですか?私が乗る艦(ふね)が...?」
タクロー「今は詳しく言えないが正解だよ。
これも私が"地球が付けるべき力"そして"地球が【デザリアム】にならないようにする為の力"だ。
さて地球がそうなって欲しくないような願いを込めて今回はこの曲で締めくくろうと思う。
よろしく頼むよ"少佐殿"...そして読者の諸君!」ピッ!
※ここからは♪『Virtual Insanity』-Jamiroquaiを流してください
=====================================
二重銀河跡地・仮称「無色銀河」
男性騎士「まさかの事態...これも天命か...別宇宙の扉が開くとは...。」
女性騎士A「好都合だ。ここには我々の宇宙では既に失った若々しく光り輝く生命に満ち満ちている...この好機を利用しない手はない。」
同B「アッハハ!2人とも真剣過ぎよ。生まれつき屈強な鋼の身体で作られた私らと違ってこの宇宙の生命体は皆かくも脆い"タンパクラン"がほとんど、比べるまでもなく戦う前から結果は見えてる。」
女性騎士A「妹よ!その驕(おご)りが命取りになるといつも言っているだろう‼︎」
同B「... ...ふん!そんな隙など与えずに圧してみせるわ!姉上‼︎」
???「... ... ...(我々にはよく聞き取れないノイズ音声)」
騎士一同「はっ!申し訳ありません...???様...。」
???「... ... ...」
男性騎士「はっ!それは滞りなく...まずはこの宇宙とそこに住む者達のことを知ることから始めようと思っております。」
???「... ... ...」
女性騎士A「はっ!斥候艦隊の用意はできております。」
同B「指揮は私が...!必ずや成果を...。」
???「... ... ...!」
男性騎士「はっ!今は情報を集め力を蓄えなければならない時なのは重々承知です。
血気盛んな者達をなんとか抑え、戦闘を控えさせます。」
???「... ... ...!」
男性騎士「はっ!我ら【メタノイド】に色褪せることなき全てを照らし尽くす光を!あなたに深淵の闇と栄光を..."ダークィーン"様。」
♪テーレッテテェェェェェェェン!(『MGS3』のオセロットの最後の無線のシーン、OPである♪「スネークイーター」の最後の部分が流れるとこ)
読了ありがとうございました。タイトルは挿入歌となっている♪「Virtual Insanity」の歌詞から来ています。
今回のエピソードは主に『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(序盤の会議と旧時間断層ドッグのとこ)、『機動戦士ガンダム0083Rebellion』(デザリアム残党艦隊の話し合い)、『2199』(タクロー達が検問に引っ掛かる、墓地の前に車を止めて貰うとこ)、『メタルギアソリッド3/スネークイーター』(最後の【メタノイド】達の会話)が元ネタとなっています。
対デザリアム協力者が非難されるシーンは第二次大戦の欧州戦での対ナチ協力者の末路を知っている方なら絶対外せないネタだと分かると思いますし、本家リメイクでもこうなるんじゃないかな?と個人的に思っています。それを『2199』でドメル将軍とディッツ提督、タラン兄が検問に引っ掛かり摘発された反乱分子を輸送機に詰め込む親衛隊を見るシーンを元ネタに落とし込みました。
99特戦機群が功績を認められ(?)無人艦隊実験部隊から独立遊撃部隊への再編の話が持ち上がりました。
引き続き無人艦隊の戦闘データは≪シュンラン≫率いる第7艦隊と共に取っていきますが、今後は独立性の高い部隊として最前線でもバリバリ戦うことになります。
その為にも新旗艦の建造や新造艦の建造を進めておりタクローの野望はまだまだ続くようですね。
【デザリアム】の残党の話は『ガンダム』のジオン残党っぽくしそれが後の『999』に登場する機械帝国になる風にしました。
本作のデザリアム艦の機関は本家リメイクの位相機関ではなく重核子機関というオリジナルの物となっておりその内容は『ガンダム00』の擬似GN-ドライヴに近い物となっています。
というのも本作が『3199』が始まる前に連載を始めたのでそういう形になりましたが、「定期的に補充がいる」ことや「ゴルバがバッテリー」という部分は公式から逆輸入する形で採用させていただきました。
【ボラー】の方はベムラーゼの肩書きが本家リメイクと違うことや、ダーリヤが衛星国出身の成り上がりなこと、元ネタである旧ソ連の政治家達をモチーフにしたであろう新キャラ達の登場と歴史ネタも絡めています。これも次の話の伏線です。
本作では『Ⅲ』で某となった【ゼニー合衆国】がおり【地球連邦】と【ガルガミ】に対ボラー同盟を結ぶ事を提案しています。
リメイクだとサジタリウス条約機構とペルセウス条約機構という名を戴いてますが、カッコいいけど銀河渦状腕の名前だと馴染みがないので現実のNATO(北大西洋条約機構)とワルシャワ条約機構と似通った名称にしました。
この同盟を結ぶことにより【地球連邦】と【ガルガミ】が【ボラー】に対抗できる力を得ていくことになると思います(『完結編』地球艦やリメイクではリストラ?かまだ出ていないガルガミ艦が出るかも?)。
そして最後の最後は私がこの「デザリアム戦役編」を書いててずっと書きたかった暗黒の別宇宙から来た鋼鉄の侵略者【メタノイド】のシーンです。
漫画『999/アルティメットジャーニー』でメーテルが自爆(詳しくは漫画を読んでください)したせいで銀河が歪みそこから【メタノイド】達が我々の銀河にやってくるシーンを読んでて「≪ヤマト≫が二重銀河を崩壊させた余波で同じことになるのでは?」と関連付けれると思って書きました。
最後のSEでふざけてる感じになっちゃってますが、サプライズ演出なら『メタギア3』のあのSEが欲しくなったのでやりました。
彼等もまた今後の私のリメイクヤマト世界に大きく影響を及ぼす存在となることでしょう。
ということでこれでホントの意味での「デザリアム戦役編」の終了とさせていただきます。ご愛読に感謝しつつお疲れ様でした。