宇宙戦艦ヤマト外伝 "BLACK BAD BUTCH"   作:箕理 田米李

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お次は用語解説です。ここでも本編では語られなかった設定が読者さんを楽しませてくれることでしょう。ではどうぞ↓


「用語解説」その1

「新生BBB戦隊」

正式名称「第99特殊戦略戦術機動打撃群」。アンドロメダ改級戦略指揮戦闘航宙母艦 ACVBC-99 デア・エクス・マキナを旗艦とする独立実験開発部隊。「戦略指揮艦管制型無人艦隊の研究/開発」「特殊装備による戦略と戦術の研究」「防衛軍次世代艦/兵器/装備の試験」などを主に担当している。

略称の「BBB(BLACK BERSERK BATTALION(黒色狂戦士大隊)」はこの部隊では「BLACK BAD BUTCH(黒色不良艦隊)」と改名されている。

BBB級の特徴的なマーキングであった髑髏(どくろ)を艦隊章として引き継いでおり「骨になっても戦い、艦(ふね)は残骸になっても戦う」という意味合いが込められている(多田部曰く「ナチスドイツの親衛隊の紋章だったトーテンコップ(ドイツの髑髏のシンボル)から引用したという)。

その任務と艦隊章から「バッド・バッチ(不良)」「黒いモルモットたち」「ブラックパイレーツ」などと揶揄されている。

 

「雷王作戦(オペレーション・ゼウス)」

ガトランティス戦役を生き延び、アステロイドベルト帯に逃げ延びたナチュルガトラン率いるガトランティス残党軍が土星沖に集結するとの情報を得て立てられた作戦。

3個空母打撃群からなる航空隊による奇襲と制空権の確保、敵戦力の漸減(ぜんげん)の後に2個打撃艦隊が敵艦隊直前にワープアウトし敵旗艦に火力を集中して撃沈するという手筈だったが、突然のアポカリクス級の出現により作戦は頓挫したものの第11番惑星で哨戒任務に付いていた別働隊の新生BBB戦隊の救援もあり防衛軍本体の被害は最小限に留められた。この戦いで旗艦と戦力のほとんどを失ったガトランティス残党軍は、事実上瓦解したとされ「これ以上は組織的な作戦行動はできないであろう」と判断された。

 

「オルケストラ」

新生BBB戦隊 旗艦 デア・エクス・マキナに搭載されている戦略指揮システム。従来のアンドロメダ級に備わっていた「艦隊の戦略/戦術規模の指揮」に「無人艦隊の指揮管制」を加えたもの。それまでの「指揮AIによる自立無人戦闘艦」から「戦略指揮艦による指揮管制」を念頭にしたこのシステムにより、先のガトランティス戦役に於ける無人艦の脆弱性は大幅に改善された。

マキナに搭載された物はまだ試作品に過ぎない為、データの収集は新生BBB戦隊にとって最重要課題である。このシステムで得られた蓄積データを元にさらに発展/改良させたものを搭載した「第二世代型戦略指揮艦」の建造が予定されている。

 

「血の一滴も通わないメカニズム」

ヤマト副長兼技師長の真田志郎が執筆した書籍。「AI搭載型無人艦隊の可能性と脆弱性」について彼なりの推測と論理が書かれており、この本を読みガトランティス戦役でそれを目の当たりにし実感した多田部が新生BBB戦隊を創設するきっかけを作った本。

元ネタは「宇宙戦艦ヤマト2」に於ける同氏がアンドロメダについて語ったセリフから。

 

「クローンガトラン/ナチュルガトラン」

"クローニングで世代を重ねる者"と"人為的な遺伝子構造の変更をせず、自然の摂理に従って繁殖する者"を指す地球・ガミラス側のガトランティス人それぞれの通称。"作られし命を死に追いやる制御装置"である「ゴレム」の発動で死亡したのは前者の「クローンガトラン」であり、自然の状態にある「ナチュルガトラン」は生き残った事が戦役後の調査で判明した。

 

「波動砲艦隊構想」

ガミラス戦争後に地球連邦が進めた軍拡路線の中核を成す計画。その名の通り多数の波動砲搭載艦によって、強大な火力を有する艦隊を編成するもの。

旧ヤマトクルーらや内外からの反発・疑問視する声が大きく、ガトランティス戦役中に構想の限界が露呈し時間断層も失った事で本計画は凍結及び見直されることになった。

 

「ガトランティス戦役」

西暦2203年 5月8日〜6月某日まで行われた地球・ガミラス連合と帝星ガトランティスとの戦争。

 

「ガイゼンガン兵器群」

ガトランティスがテレザート星発見後に確立し生体技術を利用した兵器群の総称。その全容と詳細はガトランティスの滅亡により永遠の謎となってしまった。

 

「カラクルムショック」

第11番惑星に出現した250万隻のカラクルム級の大群を確認した防衛軍がガトランティスの軍事力を知り、防衛計画を根本から覆させられる事になった事件。これにより巡洋艦、パトロール艦、駆逐艦、護衛艦の建造計画は大幅に縮小され、アンドロメダ級簡易量産型自立無人戦闘艦のBBB級及び「最小の拡散波動砲搭載艦」であるクラスDの建造が最優先となった。

敵艦隊の撃破効率は高かったが、この極端な艦隊編成が「艦隊運用の柔軟性を欠いたピーキーなものであった」という評価が下されている。

 

「時間断層」

別名「リバース・シンドローム」。コスモ・リバース・システム(CRS)による副作用で地下空間の時間が地上の10倍の速度で進む"特異点"。

ここに大規模軍事工廠を作り「波動砲艦隊構想」と「地球の復興政策」植民星と資源を見返りに時間断層の所有権を得たガミラスの軍事力増強、「G計画(地球脱出兼地球人類存続を目的)」の準備が可能となった。

ガトランティス戦役後、高次元世界から古代進、森雪両名を救う為、時間断層は消滅した。しかしそれはあくまで「時間の経過が地上の10倍」という事情が消滅しただけでその巨大な工廠設備自体は健在であり、現在も稼働し続けている。

 

「第11番惑星」

元はガミラスが地球侵攻作戦(地球側呼称:ガミラス戦争)中に開拓した地球圏最外縁部に位置する惑星。地球との和平後は連邦政府が管理する事になったが、ガトランティスの襲撃により都市と駐留していた「外洋防衛師団」は壊滅し住民の9割は虐殺され、ガミラスが設置した人工太陽もヤマトの波動砲により機能が停止してしまう。

ガトランティス戦役後には復興計画が立てられたが、地球は自身の復興、ガミラスは移民計画がそれぞれ優先され遅々として進んでいない。それだけでなく未だ宙域に浮かぶ250万隻のカラクルム級の残骸が復興計画の妨げとなっている事もある。

 

「土星沖海戦」

西暦2203年 5月8日にエンケラドゥス守備隊とガトランティス軍 第七機動艦艦隊が激突し、後に防衛軍総旗艦 アンドロメダ率いる主力艦隊が到着。有利に戦闘を進めるも突如ワープアウトした白色彗星の撃退に失敗し、ガトランティス側の勝利で終わった。

 

「シャンブロウ海戦」

西暦2199年 8月某日に古代アケーリアス文明の遺跡にしてジレル人の聖地である恒星間播種船「シャンブロウ(ガトランティス側呼称「静謐(せいひつ)の星」)」周辺で行われたヤマトとガミラス第8警務艦隊の連合部隊と帝星ガトランティス グダバ遠征群との戦闘。

第8警務艦隊はほぼ全滅したが、奮闘もあってグダバ遠征群も壊滅的打撃を被りヤマト・ガミラス連合の勝利で終わった。「ヤマト(地球艦)とガミラスが共闘した初めての例」として知られ、戦史ファンの間では「ガミラス戦争中、最も奇妙な戦い」と称されている。

 

「第1艦隊"ブルー・プルミエ(青の一番)"」

現防衛軍総旗艦 アンドロメダ級2番艦 アルデバランが率いる主力艦隊の一つ。「総旗艦艦隊」とも呼ばれる。艦隊所属艦が青色に統一されているのが特徴。艦隊司令は谷 鋼三(たに こうぞう)。艦隊のニックネームである"ブルー・プルミエ"は「ストライクウィッチーズ」の登場人物であるペリーヌ・クロステルマンの通称から。

 

「第2艦隊"ファスト・ライトニング(速き稲妻)"」

アンドロメダ級4番艦 アキレスが旗艦を務める艦隊。艦隊のニックネームにある通り機動力に於いては「防衛軍No.1」とされており、「雷王作戦」では突撃部隊の先鋒を務める筈だった。艦隊司令は仁科鷲雄(にしな わしお)。

 

「第3艦隊"ポイズン・テール(毒の尾)"」

アンドロメダ級5番艦 アンタレス(空母型)が率いる艦隊。アンタレスは正座のさそり座であり、「サソリの尻尾に毒がある」事に由来して艦隊所属艦のエンジンノズルは紫色に塗装されているのが特徴。艦隊司令は富山繁(とみやま しげる)。

 

「第4艦隊"コールド・ウォー(冷戦)"」

アンドロメダ改級戦闘航宙母艦(旧CCC級) エンタープライズを旗艦、同級アドミラル・クズネツォフを副旗艦とする艦隊。ニックネームに由来して所属艦はアメリカ、ロシアに所縁のある艦名が付けられている艦で構成されているのが特徴。決して艦隊間の中が冷戦(コールド・ウォー)しているわけではない。

艦隊司令はエメラルダ・イシカワ、副司令はユリィーシュ・アンドロポフ。

 

「第5艦隊"キングス&ケーニヒ"」

上記と同じくA改級戦闘空母(旧CCC級) アーク・ロイヤルを旗艦、同級グラーフ・ツェッペリンを副旗艦とする艦隊。艦隊のニックネームは英語とドイツ語でそれぞれ「王」という意味。イギリスとドイツに所縁のある艦名が付けられた艦が多く所属している。

艦隊司令をキャメラ・レーアド、副司令をサオリナ・D・ヴェルケが務める。

 

「第6艦隊"重桜(じゅうおう)"」

アンドロメダ級19番艦 アマギが旗艦を務める艦隊。日本の所縁のある艦名が付けられている艦が多く所属している。艦隊司令は沢城 美希(さわしろ みき)が務める。

 

「エンケラドゥス守備隊」

土星の衛星であるエンケラドゥスに駐留する戦闘艦40隻からなる部隊。ガトランティス戦役の「土星沖海戦」ではバルゼー率いる第七機動艦隊により壊滅的打撃を受けたものの、戦役後にはその戦略のほとんどが回復している。守備隊司令は 尾崎 徹太郎(おざき てつたろう)。

 

「ファントム・スイープ」

アンドロメダ級21番艦 アルフェラッツを旗艦に二個パトロール戦隊(一個戦隊:パトロール艦2隻と護衛艦4隻)を付けた特務艦隊の名称。「雷王作戦」の最中に起きた第11番惑星のカラクルム級の再活性化を監視すべく特別に編成された"亡霊狩り部隊"。




いかがだったでしょうか❓オリジナルや「旧作シリーズ」に他のヤマトファンの考察を含め「2199」と「2202」の設定もおさらいという形でここに書いています。「あれってどういうのだっけ❓」とか「あれどうだったっけか❓」や「「2205」から見始めたんだけど、前作と前々作ってどんなでした❓」や「実はこの小説が初ヤマトです←ってさすがにそれはないかw.」って人向けに用意しておきました。
第1〜6艦隊のニックネームは旗艦の艦名に因んだ物をできるだけ用意して設定し、既存の設定には本作オリジナル要素と自身の考察とヤマトファンの皆さんの考察の混合トリプルで仕上げました。「2205」では前作の「2202」の事があまり語られてないのが寂しいというか、「まぁ本筋に関係ないから触れてないんだろうけれども」で済ませたくなかったのでこちらで色々勝手に書かせていただきました。それでも楽しんで頂けたら幸いです。
さて次はいよいよ「2205」そして次作の「3199」で期待大の絶賛盛り上がり中の「デザリアム戦役編」となります。ですが私コロナの影響で「後章」が観に行けなかったのでまだ観ておらずですし、ストーリーはほぼできたんですが「世界観がまだ狭い」と思い模型や設定についてまだ作り考えたい所があるので、間が空くと思います。その間はTwitterで#新生BBB戦隊や#ターベワールドのヤマト世界と艦船、#宇宙戦艦ヤマト外伝BLACKBADBUTCHで模型作品を展開していますのでそちらをご覧くださいませ。
尚、本作の「デザリアム戦役編」はPS2版「暗黒星団三部作」の内容を基にリメイクの設定と世界観を入れていくので「リメイクアニメ」とはパラレルワールド的な物になっていく事をご了承ください。それでも楽しみと思ってくださる方がいましたら、ごゆっくりお付き合いとお待ちくださいませ。ではさらば。

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