5話では三人の出会いが語られます。
因みに過去の話は廻視点で話が進んでいきます。
では、本編どうぞ!
出会い その1
某日 音楽スタジオ「TRY」
チリーンチリーン
弘人「おいーす、今日も来てやっ…ってなんだ灯ちゃんだけか」
灯「今日は、廻はバイトはお休みだからね。…で、何か用があったの?」
弘人「いや、特にないよ?暇だから来ただけ。」
裕次郎「お前は前からそうだよな…ここに来てもやることないだろうに…」
弘人「かと言って家にいても一人だから暇なんだよ。」
灯「あ、そっか。弘人は一人暮らしだもんね。」
玲央「…」カタカタ
灯「玲央は…パソコンやってるのね…。家でやればいいのに。」
玲央「…俺も家に居ても暇だからな…」
裕次郎「…たく、お前らは…本当に出会った時と変わらねえな。」
灯「…」
少し考えて黙り込む。そこで、弘人から声をかけられた。
弘人「…灯ちゃん、大丈夫?ぼーっとしてたけど…」
灯「あ、ごめんね。大丈夫だよ。…それよりも一つ聞いていい?」
弘人「ん?何?」
灯「…前から気になってたんだけどさ、廻と二人はどうやって知り合ったの?」
弘人「ん?そんなの廻から聞けばいいじゃん?」
灯「それがね、廻に前に聞いたんだけど、『嫌だ、俺からは絶対に話さない』って言って教えてくれなかったんだよね…」
嫌そうな顔もしてからね…よっぽど話したくないんだろうね…
弘人「…あー、まあそうだよな…。俺たちの出会いは最悪だったからな…」
玲央「…確かにそうだったな。」
灯「そんなに酷かったの?」
弘人「…仕方ない、俺から出会いを話してやるよ!」
灯「ありがとう、弘人!」
弘人「さて、どこから話すか…」
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1年前 佐々野木大学 入学式後
先輩「おい、そこの1年、待てよ!」
長ったらしい入学式が終わったから帰ろうとしていると、先輩から声をかけられた。
廻「何か俺に用ですか?」
先輩「何か?じゃねえよ、せっかく俺が誘ってやってるのに無視するなんてお前、なめてんのか?」ギロ
そう言うと先輩が俺を睨みつける。
……はぁ、今日は早く帰ってゆっくり休みたいんだけどな…
廻「別になめてませんよ。それに興味がないから無視しただけです。それじゃ、」
帰ろうとすると先輩に腕を掴まれる。
廻「…離してくれませんか?急いでるので…」
先輩「おうおう、黙って聞いてりゃ後輩のくせに調子乗りやがってよ…どうなるかわかってるだろうな?」
…めんどくせー…
?「先輩、そのへんにしておいたほうがいいですよ?」
先輩「あー、てめぇ、誰だ?」
?「そこの人と同じ1年ですよ。で、確か無理なサークルの勧誘は違反じゃありませんでしたっけ?このままだと、先輩のサークル活動停止になっちゃいますね?」
先輩「…ッチ。」
舌打ちをすると先輩はそのまま去っていった。
弘人「迷惑な先輩もいたもんだな…っと、俺は君と同じ1年の海瀬弘人だ。大丈夫か?」
廻「あぁ。けど、あれぐらい放っておいても大丈夫だったのに…」
弘人「…おいおい、それはないだろ?助けてやったのに」
廻「誰も助けてくれなんて頼んでねえし。それに暴力沙汰になってもあれくらいのやつならどうとでもなった。」
弘人「…ふん、そうかよ。」スタスタ
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現在
灯「…は、ハハ…ま、廻らしいね…」
弘人「ほんとに最初はただのムカつく野郎だったからな…」
灯「ん?廻と出会ったのは弘人だけなの?玲央は?」
玲央「…俺が出会うのはもうちょっと後のことだな」
弘人「ま、それも話しを聞いてたら分かるよ。」
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それからしばらくは何事もなく平穏な続いた。
あの日までは…
ピンポーンパーンポーン
ある日校内放送が流れた。
教師「〇〇科の音咲廻さん、〇〇科の海瀬弘人さん、〇〇科の…さん、学内にいましたら至急、職員室に起こしください。繰り返します…」
……!?俺かよ…
放送が終わると、同じ講義に出席していた奴らが俺に視線を向けてくる。
ヒソヒソ話しも声を抑えているつもりだろうが聞こえてるぞ…
…目立つのは嫌いなんだけどな…
…はぁ、仕方ない、行くか…
佐々野木大学 職員室前
弘人「…て、お前も呼ばれたのか。」
そこにはいつぞやの男がいた。
そっか、こいつも放送で呼ばれてたな…
廻「放送をよく聞けよ。俺の名前も呼ばれてただろ。」
弘人「相変わらず、生意気なやつだな…」
?「…行くなら早く行ってくれないか?邪魔なんだが…」
廻「!…びっくりした…」
俺の後ろにもう一人男が立っていた。
そう言えば、もう一人呼ばれてたな…
弘人「あー、君が呼ばれてたもう一人の、確か名前は…」
玲央「…玲央、広田玲央。これでいいか?…で、早く話しを聞いて帰りたいから早く行かないか?」
廻「そうだな、行くか」
そこでようやく、職員室に入った。
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現在
灯「へぇ…これで3人が初めて合ったんだね。」
弘人「そうだね。…けど、これから『ある事件』に巻き込まれていくことになるんだよ…」
灯「『ある事件』?…あ、それってもしかして前に弘人が少し言ってた…」
弘人「そう、よく覚えてたね。その事件ってのが灯ちゃんと初めて会ったときに言った俺たちが解決した事件のことだよ。この事件が俺たちが探偵を始める前に解決した事実上最初の事件になるね。」
灯「そうだったんだ。」
弘人「…これがまた大変な事件だったんだよな…」
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三人「失礼します。」
巻「来たわね。まずは、ここに座りなさい。」
そこにいたのは講義の一つを担当している巻という女性教師だった。
取り敢えず、俺たちは指定された席に座った。
弘人「で、僕達になんのようですか?呼ばれるようなことをした覚えはないですけど…」
弘人の言葉に俺と玲央も頷く。
俺も呼ばれるようなことはしてないからな…
巻「…まずはこれを見なさい。」
そうして俺たちにとあるビデオを見せる。
映っている場所は佐々大のPCルームの映像だった。
この部屋は佐々大の学生が自由に使える部屋だ。
早送りで映像を見ていると数分後に俺たちが入ってきた。
弘人「お、これ俺だな。なんだ、お前らもいたのか。」
玲央「…ここは自由でPCを使えるからな。」
数分後には俺たちはPCルームを出ていた。
そこから更に映像を見ていると数分後にまた数人の集団が入ってきた。
……ん?よく見たらこいつら、前に強引に勧誘してきたサークルの奴らじゃねえか。
そこで、先輩たちが驚いた表情をした。何かを発見したみたいだ。
……何か演技くさいな…
そして…
数秒後にボコボコにされた一人の学生が映し出された。
弘人「な、なんだよこれ…」
玲央「…酷いな…」
それから先輩たちに運ばれて行くところで映像が終わった。
廻「…で、この映像と俺たちが呼ばれたことに何の意味があるんですか?」
巻「そうね。そろそろ本題に入りましょうか。…あなたたちがこの学生に暴行をしてない?」
弘人「!待ってください、確かにPCルームには居ました。けど、それだけで何で俺たちが疑われるんですか!?」
廻「そうです。理由を話してください。」
巻「実はね、暴行を受けた学生に話しを聞いたところ、あなたたちに受けたと言ってたのよ。それに映像を確認したところこの日PCルームに入ったのはあなた達とあの映像の集団しかいないのよ。その後でこの学生が見つかったわけだし。で、どうするの?今なら自宅謹慎で済むけど?」
俺が反論しようとする前に弘人が口を開いた。
弘人「冗談じゃないです、そんなことだけで疑われるなんて!」
巻「…認めない、ということでいいのかしら?」
廻「…えぇ、認めませんよ。絶対に。」
巻「そう。なら仕方ないわね。私達も然るべき対応を取らせてもらきます。」
弘人「好きにしてください。」
弘人の言葉に続き俺たちは職員室を退室した。
弘人「…やばいな、俺たち…」
廻「あぁ、めんどくさいことに巻き込まれたな…」
玲央「…」スタスタ
弘人「おい、玲央。どこに行くんだよ?」
玲央「帰るんだよ。」
弘人「お前、犯人に疑われていいのかよ?」
玲央「…別にどうなってもいいからな。」
弘人「どうなってもいいって…。それで、人が一人大変な目に合ってるんだぞ?」
玲央「…俺には関係ないね。逆に聞くが俺たちにできることなんてあるのか?なるようにしかならないだろ。」
…まあ、俺も面倒事には関わりたくないから気持ちは分かる…
弘人「いいや、俺はやってやるよ!」
廻「…一応聞くが何をするんだ?」
弘人「決まってるだろ?あの学生に暴行した奴らを見つけて俺たちの無実を証明する!」
つまり、犯人を探すってことか…
廻「…あのな、簡単に言うけど、どれだけ大変なことか分かるのか?」
弘人「けど、黙っているわけにも行かないだろ?俺はやってないことは絶対に認めないぞ!」
廻「…」
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?『廻、大丈夫!?』
廻「あぁ、大丈夫だからそんなに心配するな。」
?『良かったよ…けど、何でそんな無茶するの?』
廻「やってないことを認めるわけには行かないだろ?」
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廻「……ハァ…仕方ねえな。」
弘人「?」
廻「俺もこのまま終わるのは嫌だからな。手伝ってやるよ」
弘人「じゃあ!」
廻「あぁ、絶対に犯人を見つけるぞ。」
玲央「…好きにしろ。俺は帰る。」
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現在
弘人「これで、俺たちが事件に巻き込まれたわけだ。」
灯「そうだったんだ…。てか、玲央も最初は付き合いが悪かったのね…」
玲央「…ほっとけ。」
弘人「まあまあ、ちゃんと玲央も事件解決に協力してくれるから。」
灯「そうなんだ!」
…けど、廻って前から巻き込まれる体質の人だったんだね…
事件メモ
今回の目的
暴行をした学生を見つけて無実を証明する。
分かったこと
・現時点ではなし
次回予告
弘人から話される三人の過去。廻と弘人は聞き込みから行うようだ!果たして解決のヒントを得られるのか!
ではまた次回会いましょう!