現在
灯「で、まずはどう動いたの!?」
弘人「まあまあ、落ち着いて灯ちゃん。それも話すから。」
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1年前
次の日俺と弘人は図書館で集まって話していた。
弘人「…で、まずはどう動くんだ?」
おいおい、あれだけ言ったのに人任せかよ…
廻「何も考えてないのかよ…。」
弘人「悪かったな。考えてるけど、何からしていいか思いつかないんだよ。」
廻「…取り敢えず、話を聞くしかないだろ。暴行を受けた学生とあの映像に写っていた奴らにな。」
弘人「じゃあ、まずは暴行を受けた学生から話を聞くか。確か、…あ、そうそう巻さんが、『牧子凪(まきこ なぎ)』って言ってたな…」
それは俺も珍しい名前だから覚えている。住所も聞いてるから大丈夫だ。
廻「じゃあ、話しを聞きに行きますか。」
弘人「じゃ、俺の車に乗っていけよ。」
廻「何だ、免許持ってるのか。」
弘人「まあな。高校卒業して大学に入学する前に急いでとったんだよ。廻は?」
廻「俺は取ってないな。遠出もしないし別にいらねえよ。」
弘人「そうかい…」
そうして泣さんの家に向かった。
数分後 凪の家
弘人「よし、行くか…」
ピンポーン
?『はい?』
弘人「同じ大学の弘人です。少しお話しが聞きたくて来たんです。」
?『…帰ってください…。話すことはなにもないです。』
弘人「待ってください!このままだと、僕たちが、」
?『知りません!』ガチャ
廻「…切られたな…。まあ、無理に行くことはできないな。」
弘人「じゃあ、どうするんだよ…」
廻「他のやつに話しを聞くしかないな。明日は大学で聞き込みをやってみるか。」
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翌日 大学構内
今は講義が終わって聞き込みをやっている最中だ。
弘人「聞いてるけど、中々いい情報が集まらねえな…」
廻「そうだな。まあ、そんな簡単に聞けたら苦労はしないな。」
有力な証言は中々聞けなかった。誰か目撃者はいないのか…
そんなことを考えていると一人の女性学生が俺たちに声をかけてきた。
女性「あの、数日前に起きた暴行事件のことを調べているってのはあなたたちですか?」
そうか、もう情報が出回っているんだな…
弘人「そうだけど、何か用?」
女性「いや、友達から有力な情報を持っていたら教えてほしいってことを聞いたので来ました。」
廻「もしかして、何か知ってるんですか?」
女性「えぇ、関係あるかはわからないけど、気になることは聞いたので。」
弘人「やったな、廻!」
廻「これで、何か分かるといいんだけどな…」
そこから女性の話しを聞くことにした。
廻「それで、何を知ってるんですか?」
女性「実はその事件が起こる数日前なんですけど…」
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数日前…
その日は用事があってサークル棟の近くを通っていたんです。
そしたら…
先輩『おい、こら!てめぇ、何言ってんのかわかってんのか!』
女性『!!』
突然大声が聞こえてビックリして何かあったんじゃないかって録音して会話を聞くことにしたんです。
どうやらサークルの内の誰かがサークルを抜けたくて相談していたみたいでした。
?『お、お願いします!もうこのサークルを抜けて真っ当に暮らしたいんです!』
先輩『おいおい、そんな言い方じゃまるでこのサークルが悪いことしてるみたいじゃねえか?』
?『お、俺聞いてしまったんです。先輩と部長があのことについて話してたことを…』
先輩『……そうか、「あのこと」を聞いてしまったのか。』
?『お願いします、誰にも言いませんから!』
先輩『…そうは行かねえな。ちょっとこっちで話そうぜ。』
そこで先輩と男の人は部屋の中に入って行ったんです。
残念ながらそこからは外に声がもれないから何を話していたかは聞こえなかったですけど…
確かにサークル棟の室内は防音対策がされているから当たり前か…
廻「なるほど、そんなことがあったんですね。…すいません、ちょっといいですか?」
女性「なんですか?」
廻「その録音した物を僕達に貸してもらえませんか?ことが済んだらお返しするので。」
女性「えぇ、いいですよ。あ、それとその後のもう一回サークル棟を通ったときのやり取りもあるのでよかったら聞いてください。」
廻「ありがとうございます。それと、この人のたちが所属しているサークルって分かりますか?」
女性「あぁ、それは、『マッチング合コンサークル』だったと思います。」
……凄いサークル名だな…
廻「ありがとうございます。」
そうして俺たちは録音機をもらって去っていった。
数分後…
弘人「…録音の内容を確認したけど、聞いた通りのままだな。それにこの声どこかで聞いたことあると思ったら入学式の時に廻に絡んできた先輩の声か…」
廻「あぁ、そうだな。そして、最初のやり取りはさっきの女性に聞いた通りだな。じゃあ、次はその後のやり取りを聞くか。」
そうして次の日のやり取りを聞いた。
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先輩『部長、どうしましょう!』
部長『綺羅、なんてことを…やりすぎるなとあれほど言ってただろ!』
どうやら、部長と呼ばれる男性とあの先輩が話しているようだった。
それに先輩って奴は綺羅(きら)って呼ばれてるみたいだな。
綺羅『で、でも、あいつが抜けるって言うから!それに部長とのあの会話も聞かれてたみたいです!』
部長『ッチ、そうか…取り敢えず、この件を隠さないと。』
綺羅『それなら俺にいい考えがあります!俺に任せてください。』
部長『…そこまで言うならお前に任せる。ただし、今度は失敗するなよ…』
綺羅『はい!』
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弘人「……なるほど。暴力したことを隠そうとしたらしいな。」
廻「みたいだな。それにしても謎が増えたな…。」
弘人「そうだな。二人が話していた『あの会話』ってのが気になるよな…。」
廻「けど、少し希望が見えてきたぞ。」
弘人「マジかよ!」
廻「あぁ、要はその『あの会話』ってのが分かれば、俺たちに凪さんに暴行する動機はない。」
弘人「よし、じゃあ今度はそこを調べてみるか!」
廻「そうだな。取り敢えずやることは、『あの会話』の内容を知ることと、サークルを調べることだな。」
弘人「お、時間はあるな。早速今から『マッチング合コンサークル』を調べてみるか。」
数分後 マッチング合コンサークル
弘人「来たな、よし行くか。」コンコン
弘人がノックするとすぐにサークルの学生が出てきた。
サークル生「はい、誰ですか?」
廻「この前あった暴行事件のことについて調べてるんですけど、話し聞かせてくれませんか?」
サークル生「…」
ん?急に表情を変えて黙ったな…
弘人「どうかしましたか?」
サークル生「あ、いえ何もありません。それで何を聞きたいんでですか?」
廻「ただ、サークルのことを聞きたいだけですよ。」
サークル生「…そうですか。では、中へどうぞ。」
そうして部屋の中へ案内される。
サークル生「それで何を聞きたいんですか?」
廻「その前に、綺羅という人と部長はいますか?」
サークル生「…今日は、いません。」
廻「そうですか。では、まずこのサークルの活動内容を聞いてもいいですか?」
サークル生「活動内容と言っても名前の通りです。男女をマッチングさせて合コンを開くんです。」
廻「そうですか。具体的にはどうやってマッチングさせるんですか?」
サークル生「それは、このアプリを使うんです。」
そう言ってスマホの画面を見せる。
そこには「佐々大生のためのマッチングアプリ」と表示されたアプリを開いた。
弘人「へぇー、こんなアプリがあるんですね。」
サークル生「はい、うちの学生が開発したんです。それで、このアプリでどんな異性が好みかとかを入力してその情報をもとにこのサークルで合コンや出会いの場をセッティングするんです。」
廻「要するに出会いの場の中継をするってことですね。」
サークル生「そんな感じですね。…で、聞くことはもうないですか?」
……何か焦ってるような気がするな。気のせいか?
廻「いや、まだありますよ。暴行を受けた学生のこと何か知りませんか?」
サークル生「知ってることは暴行を受けたその学生がこのアプリを作ったってことだけです。それ以外は何も知りませんよ。…あなた達は何でそんなにその暴行事件のことを調べたいんですか?」
弘人「俺たちがその犯人に疑われてるからですよ。」
廻「だから、簡単に引き下がるわけには行かないんですよ。」
サークル生「それは同情しますが、知らないのは知りません。…もう話せることはありません。お帰りください。」
そうして、俺たちは部屋を出ていった。
弘人「結局分かったのは、凪ってやつがアプリを作ったことだけか…」
廻「まあ、収穫は少なかったな…見たところ部屋と廊下に防犯カメラがあるからそれを見れればいいんだけどな…」
弘人「学校に頼んで見せてくれないか?」
廻「無理だろ。警察しか見せてくれねえよ。」
弘人「じゃあ、どうする?俺たち警察の知り合い何ていないだろ…」
廻「……いや、一つだけ防犯カメラを見る方法があるかもしれないぞ。」
弘人「本当か!」
廻「あぁ、可能性は半々だけどな。取り敢えず行くか。」
弘人「行くってどこへ?」
廻「『俺の家』だよ」
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数時間後 春田家
廻「ただいま」
実「あら〜、廻くん、お帰りなさい。あら、そちらの方は?」
弘人「こんにちは。海瀬弘人です。」
実「まあ!まさか、廻くんがお友達を連れてくるなんて!さ、どうぞ、上がって。」
弘人「は、はぁ。失礼します。」
弘人「……なあ、お前の家族って」コソコソ
廻「あぁ、覚悟したほうがいいぞ」コソコソ
実「?二人とも何してるの?」
廻「何でもないです。今行きます。」
事件メモ
・暴行を受けたのは牧子凪。
・凪は「マッチング合コンサークル」に所属している。
・事件が起こる数日前に、サークル棟の廊下で言い合いをしているところが目撃される。
・部長と綺羅という人物が凪に暴行を行ったのを隠蔽している。
次回予告
防犯カメラを見るために奔走する廻たち。廻の考えとは?
それではまた次回会いましょう!