俺たちと謎と青春と   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ
光輝から「通報者をみつけてほしい」という依頼を受けた廻たち。しかし、光輝は何かを隠しているようで?
さて、どうなる?

では、本編どうぞ!


その『正義』は何のため その2

 

翌日 佐々野木大学 食堂

 

次の日、俺たちは昼に食堂に集まっていた。今回の件に関して話し合うためだ。

 

弘人「どうやら、全員揃ったな。よし、早速話すか。…で、これからはどう動く?」

 

廻「そうだな…。取り敢えず、信条さんからの連絡を待つしかないからな…」

 

まだ、信条さんからの連絡はない。だから、正直今やることはないな…

そんなことを考えてると…

 

 ♪♪♪♪♪

 

灯「廻、電話鳴ってるよ」

 

廻「分かってるよ。…っと、信条さんからだ。どうやら何かわかったらしいな」

 

そう言って俺は電話に出る。

 

廻「もしもし?」

 

信条『お、廻か。頼まれてたこと分かったぞ。』

 

廻「そうか。で、どうだった?」

 

信条『資料によると、○○年○月○日、近所の人の「大声が聞こえる。争っている様な物音もする」っていう通報を受けて、最寄りの警察が向かったらしい。』

 

なるほど、これでDVが合ったことは確定だな。

 

廻「それで、肝心の通報者は分かったのか?」

 

信条『あぁ、分かったぞ。通報者の名前は「佐々倉望(ささくら のぞみ)」って人だ。で、住所は……だ。』

 

廻「流石、信条さん。仕事が早いな。」

 

信条『そりゃどうも。……そう言えば、調べている内に気になることを聞いたぞ?』 

 

廻「気になること?」

 

なんだそれは?気になるな…

 

信条『その光輝って子、何でも施設で上手くいってないらしいぞ。』

 

廻「上手くいってない?」

 

信条『あぁ、施設に来たときも相当嫌がってたみたいだし、喧嘩なんて日常茶飯事らしい。』

 

廻「そうか、信条さん、その施設の名前と場所分かるか?」

 

信条『ん?、あぁ、ちょっと待ってろ。施設の名前は「お月様園」ってところだ。住所は、……だ。』

 

廻「ありがとう。また何かあったら連絡する。」ッピ

 

そうして、信条さんとの通話を終わった。

 

弘人「お、何か分かったみたいだな。」

 

廻「あぁ。…弘人、ちょっと行きたい場所があるんだが、いいか?」

 

弘人「いいけど、どこに行くんだ?」

 

廻「光輝くんがいる施設だ。ちょっと、施設の人に話しを聞きにいこうと思ってな。」

 

弘人「分かった。じゃあ行くか。」

 

そうして俺たちは「お月様園」に向かった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 お月様園

 

弘人「着いたぞ。」

 

廻「よし、行くか。」

 

ここで何か分かればいいんだけどな…

 

そして俺たちは施設内に入っていった。

そして受付の人に声をかける。

 

廻「すみません、光輝くんのことでお話しを聞きたいんですけど、担当の人って居ますか?」

 

受付「分かりました。しばらく、お待ち下さい。」

 

そう言うと、受付の人が内線電話で担当の人か誰かに連絡しているようだ。

そうして数分後…

 

受付「お待たせしました。こちらへどうぞ。」

 

そして俺たちは、応接室へ案内される。

 

受付「こちらです。」 

 

廻「ありがとうございます。」

 

そして俺たちはノックして応接室に入る。

 

廻「失礼します。」

 

恵梨香「よくいらっしゃいました。私が、光輝くんの担当の田所絵梨花(たどころ えりか)です。」

 

そして、俺たちも挨拶を済ませ、早速本題に入る。

 

恵梨香「で、話しというのはなんですか?」

 

そこで、今まで合ったことを話した。

 

恵梨香「なるほど、そんなことが…。で、私たちに何を聞きたいんですか?」

 

…?何か関心がないように聞こえるな…気のせいか?

 

廻「…光輝くんが、ここに来たときのことや、施設での生活がどんな感じか聞きたいんです。」

 

俺がそう言うと恵梨香さんが少し渋るような表情をしたあとに話しだした。

 

やっぱり、面倒事には関わりたくないタイプの人か…

 

恵梨香「…光輝くんがここに来たときには、それはもう大変でしたよ。『離して』とか『家に返して』って言ってて。それはもう、拒否が凄かったですよ…」

 

そりや、まだ小さい子どもがいきなり親と離されて施設で生活なんてなったら拒否もするだろ。

 

恵梨香「それから、ここでの生活は、……まぁ、とても落ち着いてるとは言えませんね…」

 

廻「…どういうことですか?」

 

そういうと、「…あんまり大声では言えないんですけど…」と言うと俺たちに話してくれた。

 

恵梨香「あの子、暴言暴力は日頃から当たり前で、とても大変なんですよ。」

 

……?俺たちの前ではそんな人には見えなかったけどな。

言葉遣いは丁寧だったし…

疑問には思ったが、俺たちは黙って恵梨香さんの話しを聞き続けた。

 

恵梨香「それで、他の子と上手くいってなくてね。食事も他の子とは別の場所でしてるし、入浴の時間だって、みんなとずらしていますから…」

 

廻「なるほど、そんなことが…。」

 

恵梨香「そうです。ここに来たときにはそんな子じゃなかったのに…」

 

廻「ここに来たときにはそんな子じゃなかったら、何か原因があるんじゃないですか?」

 

恵梨香「…」

 

すると、恵梨香さんが黙ってしまった。

 

弘人「…そんなに言えないことなんですか?」

 

沈黙を破ったのは弘人だった。

 

弘人「一概には言えないけど、子どもってだいたい周りの大人の影響を受けますよね?」

 

灯「ちょっと、弘人!」

 

弘人「灯ちゃん、ごめん。ちょっと黙ってて。」

 

弘人がそう言うと、気迫に押されたのか灯はそこから黙ってしまった。

どうしたんだよ、弘人…

 

弘人「あなた、光輝くんの行動や訴えを無視してたんじゃないですか?」

 

恵梨香「な、なによ!急に!」

 

弘人「じゃあ、光輝くんのこと包み隠さず離してください!」

 

廻「おい、弘人、落ち着け!…すいません、今日は、この辺で失礼します。」  

 

そうして荒れている弘人を俺と玲央で抑えて施設をでた。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 

 

廻「…落ち着いたか?」

 

弘人「…あぁ、悪かったな。どうもあの恵梨香って人が他人事にしか考えているようにしか聞こえなくてな。イライラしてしまった…灯ちゃんもごめん…」

 

灯「別に大丈夫だよ。けど、何であんなに怒ったの?」

 

弘人「ただ、許せなかっただけだよ。実の親と離されて頼れるのは施設の大人なのに、それなにあんな人がいて…」

 

廻「それに、お前、保育科だったからな。将来子どもと関わる仕事に就く人として許せなかったのもあるだろ。」

 

弘人「…まあ、それもあるけど、一番はやっぱり俺の『正義感』が許さなかったってのもあるな。」

 

……正義、ねぇ…

 

廻「別にお前の正義感ってのを批判する気はないけど、一つだけ気をつけておいたほうがいいぞ?」

 

弘人「なんだよ?」

 

廻「…『正義』なんてのは立場が変われば『正義』なんてのは変わるからな。自分だけが正義なんて思わないことだ。」

 

玲央「…」

 

灯「…?」

 

弘人「どういうことだよ…」

 

ま、わからないならそれでもいいよ。

いずれお前も分かるだろうから…

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

翌日 星乃中学校

 

俺たちは光輝くんから「途中経過を聞かせてほしい」と言われていたので、学校の前で待っていた。

 

ん?俺の出禁はどうなったかだって?

あれから、翠たちが気になって何回か見に来て教師にもあったけど、俺を見た途端に血相を変えて逃げるように去っていった。

どうやら事の真相が分かったみたいで、俺に何か訴えられるんじゃないかと怯えているらしい。

 

別に俺はそこまで関わろうと思わないけどな…

 

そんなことを考えていると前から見知った人がやって来た。

 

空「あ、廻さん、皆さん、お久しぶりです!」

 

空さんが俺たちに気づいて近付いてきた。

 

弘人「空ちゃん、久しぶりだね。元気にしてた?」

 

空「はい!あれからは何もなくて順調です!これも廻さんたちのおかげです。本当にありがとうございました!」

 

灯「ねぇ、そう言えば、翠くんとはどうなってるの?上手くやってる?」

 

空「翠も元気にしてますよ。転校しちゃったからメールと電話でしかはなせてないですけど。…灯さんのほうはどうなんですか?」

 

灯「へ?私?」

 

空「だって灯さんって廻さんのこ…」

 

灯「ストープ!」

 

廻「俺がなんだって?」

 

灯「なんでもないよ!///」

 

空「…弘人さん、灯さんも苦労してるんですね…」

 

弘人「まあね(笑)ま、暖かく見守るしかないから俺たちには何もできないけどね」

 

ていうか、こんな話しするために来たわけじゃないんだけどな…

ま、灯が楽しそうだからいいか…

 

空「…あ、そう言えば皆さんは何をしに来たんですか?もう翠のことじゃないですよね?」

 

弘人「あぁ、実はね…」

 

そう言って今まであったことを弘人が話した。

 

空「なるほど、皆さんは光輝くんに頼まれて来たんですね。」

 

灯「そうだよ。…あ、そう言えば同じ学校なら光輝くんのこと何か知らない?」

 

空「知ってることですか…。そうは言ってもクラスが違うから何も…あ、そう言えば!」

 

弘人「何か知ってるの?」

 

空「はい。重要かはわからないけど、事あるごとに『許さない』って言うのが口癖のように言ってましたよ。」

 

『許さない』ね……

 

空「あとは、光輝君といえば、授業を凍りつかせることで有名らしいです…」

 

弘人「…?どういうこと?」

 

空「私もまた聞きになるんですけど、作文で発表があったんです。その時に『俺は施設に入れられてから、碌な人生を送ってこなかった』とか『施設では上手くやっていけてなくて喧嘩が絶えない』とか。途中で先生が発表を止めさせる事態になったらしいです。」

 

廻「そんなことが…」

 

空「はい。先生が詳しい話しを聞いたところ、『施設に入った時に持っていた大事にしていたものを年上の子に壊された』たり、『母親から大切にもらったプレゼントも他の子に使われて自分が使う前に壊された』って話です。それで、喧嘩をよくすると。」

 

廻「分かった、ありがとう。」

 

空「噂だからどこまでが本当か分からないですけどね…。けど、その話しを聞いたときビックリしました。」

 

灯「何で?」

 

空「だって、学校じゃ、そんな子に見えないですから。喧嘩なんて誰ともしてないですし。むしろ、大人しくて目立たない人にですから…」

 

確かに、それが本当だと、学校と施設で随分と態度が違うみたいだな…

 

廻「…そう言えば、光輝くんに俺たちの話ししたんですよね?その時どんな感じでした?」

 

空「翠の事件の話しを聞いて、何か嬉しそうに話しを聞いてましたよ。どんなふうに相手を追い込んでいったとか詳しく聞かれましたね。で、話しを聞いた後に『使える…』って一言言って去って行きました。」

 

廻「そうですか。…まあ、いろいろと話してくれてありがとう。」

 

空「えぇ、ではまた!」

 

そう言うと空さんは帰っていった。それと入れ替わりに光輝くんがやって来る。

 

光輝「皆さん、お待たせしました。…あの人と何を話してたんですか?別に何でもないですよ。それよりも移動しましょうか…」

 

そうして、俺たちは近くのカフェに移動した。

 

 




事件メモ
・通報者は「佐々倉望(ささくら のぞみ)」
・光輝は施設で上手くいってない。
・光輝は施設と学校で態度が違う。

・田所恵梨香(たどころ えりか)
施設での光輝の担当。面倒事はきらっているようで、積極的に話したくないらしい…

次回予告
段々と光輝について分かってきた廻たち。通報者を知った廻だが、果たしてこのまま教えるのか?

では、また次回会いましょう!
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