俺たちと謎と青春と   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ

大手の丸井プロダクションからアイドルの彩乃の護衛を任された廻たち。果たして犯人の手がかりを見つけることができるのか?

それでは本編どうぞ!


光と影、表と裏 その2

翌日 丸井プロダクション 事務所

 

次の日、俺たちは講義が終わり次第事務所に集合して彩乃さんの護衛に当たった。

 

彩乃「廻さん、今日からお願いします!」

 

廻「こちらこそ、お願いします。」

 

星乃「揃ったみたいね。それじゃ、今日のスケジュールを話すわよ。」

 

そこから星乃さんが今日一日のスケジュールを話した。

 

星乃「……以上よ。何か質問は?」

 

彩乃「ないです。」

 

星乃「じゃあ、行くわよ。」

 

そこから撮影のあるスタジオまで移動した。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 撮影スタジオ

 

スタッフ「辻本彩乃さん、いらっしゃいましたー!」

 

星乃・彩乃「「よろしくお願いします。」」

 

二人に続いて俺たちも挨拶をする。

 

スタッフ「…あれ?そちらの方たちは?」

 

星乃「気にしないでください。私達の連れです。」

 

スタッフ「そうですか、分かりました。」

 

そう言うとすぐに撮影の準備を始めた。俺たちは特にやることがないから見ているだけだ。

 

 

数時間後…

 

スタッフ「……はい、OKです!お疲れ様でした!」

 

彩乃「ありがとうございます!」

 

ようやく、撮影が終わる。

 

廻「お疲れ様です。」

 

彩乃「あ、廻さん!どうでした?私、上手く撮れてました?」

 

廻「素人だから何も言えないけど、良かったと思いますよ。」

 

彩乃「本当ですか!ありがとうございます!」

 

そんなことを話していると星乃さんが俺たちに声をかけてくる。

 

星乃「彩乃さん、喋ってる暇があったら帰りの準備をしてきなさい。」

 

彩乃「す、すみません、マネージャー。すぐ準備してきます。」

 

…何もそんなに怒らなくていいのに。

 

弘人「俺たちも何か手伝ったほうが良さそうだな…」

 

廻「そうだな。」

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

星乃「今日は、このまま帰ってもいいわよ。」

 

彩乃「分かりました。お疲れ様でした!」

 

こうして撮影スタジオで星乃さんと別れて、彩乃さんを家に送ることになった。

 

弘人の車の中

 

弘人「しかし、マネージャーさんもあんなに怒らなくていいのにな…」

 

廻「そうだな。」

 

彩乃「まあ、星乃さんは自分にも相手にも厳しいですからね…」

 

そうなのか…。それじゃ敵をつくりやすかもな…

 

灯「そう言えば、ずっと星乃さんがマネージャーなんですか?」

 

彩乃「そうです。私をスカウトしたのも星乃さんです。」

 

弘人「へぇー、そうなんだ…」

 

彩乃「私、星乃さんには感謝してるんです。星乃さんがいたから自分を変えられたんです!」

 

廻「それはどんなことがあったんですか?」

 

そうして、彩乃さんは星乃さんとの過去を話してくれた。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

あれはまだ3年前でした。

その時は地味なタイプの方で、自分に自身がなかったんです…

 

そんなある日、町中を歩いていると、星乃さんに声をかけられたんです。

 

彩乃『わ、私がアイドル、ですか…』

 

星乃『えぇ、あなたにはその才能があると私は思ってます。』

 

彩乃『そ、そんな…わ、私なんて何の取り柄もないただの女性ですよ…』

 

星乃『…私は思ってもないことを言うタイプの人間じゃありません…』

 

彩乃『?』

 

星乃『だから、さっきも言ったように、あなたには才能があると思ってます。そして、やるもやらないもあなたの自由です。』

 

彩乃『…』

 

星乃『ですが、やってみないと分からないことはたくさんあります。』

 

彩乃『…ほ、本当に私に、アイドルなんてできるでしょうか?…』

 

星乃『充分、その素質はあると思います。』

 

彩乃『…分かりました。私、アイドルやります!』

 

星乃『…改めて、よろしくお願いします。』フフッ

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

廻「…それで、アイドルやることにしたんですね?」

 

彩乃「そうです。それからは私の性格も変わって友達に会うと明るくなったって言われるようになったんです!これもアイドルをやってなかったら昔のままでした…。だから、星乃さんには感謝してるんです。」

 

弘人「確かにそれは感謝しますよね。自分を変えてくれた恩人ですから!」

 

彩乃「はい!だから、星乃さんの期待に添えるようにこれからも頑張ります!」

 

そう話しているうちに彩乃さんの家に着いた。

 

彩乃「じゃ、今日はありがとうございました!また、明日もよろしくおねがいします!」

 

廻「えぇ、ではまた。」

 

そうして今日の護衛が終わった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

翌日 丸井プロダクション事務所

 

さて、今日も護衛するか。

今日は、雑誌のインタビューがあったな。

 

そう考えて部屋に入ろうとしたときだった。

 

星乃「いい加減にしなさい!」

 

廊下にまで聞こえる大声で星乃さんが喋っていた。

何かあったのか?

 

部屋に入ると一人の男と星乃さんが話していた。

 

男「だって、そうでしょ?あんな小娘一人に時間をかけるなんてバカみたいでしょ、あなたも?それに何か脅されてるみたいだし、早く切り捨てたほうがいいよ。」

 

星乃「いちいち、嫌味を言いに来たんですか。あなたはそんなに暇なんですか?」

 

廻「どうかしたんですか?それにあの男性は?」コソコソ

 

部屋に入って彩乃さんに小声で話しかける。

 

彩乃「…あの人は、『角田治郎(かくだ じろう)』って言う人です。私がここの事務所に来たときからこうなんです。見ての通り仲が悪いみたいです…」

 

星乃「…!お帰りください。これから彩乃の仕事があるので。」

 

部屋に入った俺たちに気づいたのか、角田さんに帰るように促す。

 

角田「…ッチ」

 

角田さんは舌打ちをせると部屋を出てきた。

 

星乃「…すみません、お見苦しいところを見せてしまいましたね。…彩乃、ごめんなさい。」

 

彩乃「大丈夫ですよ。早く行きましょう!」

 

星乃「そうね。」

 

そうして、気まずいまま仕事の現場へ向かった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

取材者「そうなんです。…じゃあ次の質問です。」

 

今彩乃さんは取材を受けている。アイドルらしい笑顔で受け答えをする。

 

廻「…おい、弘人、ここ頼んでもいいか?」

 

弘人「いいけど、お前はどうするんだよ?」

 

廻「ちょっと聞きたいことがあるからな。」

 

弘人「わかった。」

 

彩乃さんの護衛を弘人たちに任せて、俺は星乃さんに話しを聞きに行く。

 

廻「…星乃さん、ちょっとお話を聞いてもいいですか?」

 

星乃「後じゃだめなんですか?」

 

廻「そうです。ここじゃなんですから、外でいいですか?」

 

星乃「…分かりました。」

 

そうして、外に出て星乃さんと話すことにした。

 

星乃「それで?話しってなんですか?」

 

廻「角田さんとはどういう関係ですか?」

 

星乃「……それって今回のことと関係あるんですか?」

 

廻「まあ、そうですね。」

 

少し気になったからな。

 

星乃「…あの人は私と同期としてこの丸井プロダクションに入社したんです。」

 

廻「同期だったんですね。」

 

星乃「えぇ。でも、角田さんは私よりもできる人でどんどん出世していきました。その時は、あんな恨みを言って来なかったんですけどね…」

 

廻「何か原因があったんですか?」

 

星乃「それは、私が彩乃をスカウトしたからですね。」

 

廻「彩乃さんのスカウトとどう関係があるんですか?」

 

星乃「…彩乃はここに来たときには、暗い性格でとてもアイドルには向いてませんでした。そのことで周りには『アイドルを辞めさせるべき』という声が多かったです。」

 

これは前に彩乃さんから聞いた通りだな。

 

星乃「けど、私はあの子がアイドルに向いてると思って諦めないでプロデュースし続けたんです。そして、彩乃は結果を出してデビューしました。あの子の頑張りが認められたんです。」

 

そうやって彩乃さんはデビューしたのか…

 

星乃「でも、そこまでしても周りからは『どうせ一時的な人気で時間の経過とともに忘れられる』そう思われてたんです。けど、予想を遥かに覆して、今でも忙しい日々を送ってます。」

 

それは、スケジュール帳を星乃さんに見せてもらったから分かる。休む暇がないくらい過密なスケジュールだったからな。

 

星乃「それを角田さんは妬んできたんです。」

 

廻「なるほど。それで、今朝も嫌味を言われてたんですね。…でも、角田さんも出世して結構な人数プロデュースしてるんですよね?こう言っちゃ悪いですけど、彩乃さん一人プロデュース成功させたくらいで嫉まれるとは思えなんですけど…」

 

星乃「確かに仕事はできました。けど、角田さんのプロデュースするアイドルにはある共通点があったんです。」

 

廻「共通点ですか?」

 

星乃「はい。それは、一時期は有名になるけど、時間の経過と共に忘れられてしまうんです。」

 

廻「なるほど。つまり、人気が続かないと。」

 

星乃「そうです。だから、今でも人気の続いている彩乃をプロデュースしている私を妬んでいるんです。」

 

そういうことだったか…

 

星乃「…あの、もういいですか?もう取材が終わると思うので。」

 

廻「あ、最後に一つだけいいですか?」

 

星乃「何でしょう?」

 

〜〜〜〜〜

 

廻「…なるほど、分かりました。ありがとうございます。」

 

星乃「それじゃ、戻りましょうか。」

 

廻「そうですね。」

 

そうして、彩乃さんが取材を受けている部屋へと戻った。

 

弘人「やっと戻ってきたか。随分と長かったな、何話してたんだよ?」

 

廻「悪い、時間がかかった。後で話すよ。」

 

星乃「それじゃ、今日はこのまま解散します。お疲れ様でした。」

 

彩乃「お疲れ様でした!」

 

そうして今日も護衛が終わった。

 

 

 




事件メモ
・角田治郎(かくだ 治郎)
星乃と同期で丸井プロダクションに入社した。成果を出した星乃を妬んでいる。

次回予告
星乃を妬んでいる角田の存在が分かった廻。果たしてこのことが依頼解決につながるのだろうか?
それではまた次回会いましょう!
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