俺たちと謎と青春と   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ
護衛をしていくうちに彩乃が恨まれる可能性が低いと、考えた廻たち。だとすると、脅されているのは?

それでは、本編どうぞ!


光と影、表と裏 その4

 

翌日 佐々野木大学 食堂

 

俺たちは大学の食堂で弘人たちと情報共有するために食堂で話していた。

 

弘人「それで、映像を見て何か分かったのか?」

 

廻「あぁ、実は映像を見ていろいろ分かったぞ。取り敢えず、あの脅迫状を置いたのは角田さんで決まりだな。バッチリ映ってたよ。」

 

弘人「そうか…。じゃあ、このことをすぐに知らせるか?」

 

廻「それはちょっと待ってほしい。」

 

灯「何で?早くしないと、彩乃さんが危ないよ!」

 

廻「多分、彩乃さんは大丈夫だよ。あの人は自分から敵を作るタイプじゃないから。」

 

灯「それは、そうだけど…」

 

廻「それに、角田さんも同じ事務所にいるんだから、襲おうと思えばいつでも襲えたはず。」

 

弘人「確かにそうだな。じゃあ、襲わないのはなんでだろうな…」

 

廻「そこまでは分からない。けど、角田さんは何か別の目的がありそうなんだよな…」

 

灯「別の目的?」

 

廻「あぁ、これを見てくれ。」

 

そこで、もう一つの社長室での映像を見せる。

 

弘人「社長と角田さんの言い合いか…。で、これが別の目的と何の関係があるんだ?」

 

廻「目的までは分からない。けど、この映像が無関係とは思えなくてな。」

 

弘人「まあ、気になること話してるし、無視はできないけど、関係あるのか?…」

 

廻「そこは調べてみないと分からないな。」

 

弘人「けど、よく社長室のことも調べようとしたな…」

 

廻「そのことなんだけどな、実は角田さんが気になることを言ってたから見てみることにしたんだ。」

 

弘人「気になること?」

 

廻「そうだ。何かロビーで会ったから話したんだが、『社長室でも何も映ってないからな(笑)』って言っててな。」

 

弘人「それは確かに変だな。社長室なんて今回の件に全く関係ないのにな…」

 

廻「あぁ。それに、角田さんの言い方だと、俺たちに調べてくれと言わんばかりの発言だからな…」

 

自分が脅迫していることを疑われて、気をそらそうとでもしてるのか?…

どちらにしろ、今は何も分からねえな…

 

玲央「…ちょっと、これを見てくれ。」

 

そうして、玲央がいつものノートパソコンを見せてくる。

 

玲央「実は丸井プロダクションで検索してたら、一つの掲示板に辿り着いてな。」

 

弘人「ん?匿名掲示板か。これがどうしたんだ?」

 

玲央「ここを見てみろ。」

 

廻「……『元丸井プロダクションで働いていた者だが、あそこは酷い企業だ。人を人だと思わない』」

 

…要するにブラック企業ってわけか?見たところ、そんな感じではなかったが…

 

玲央「そうして、もうひとつ見てほしい書き込みがこれだ。」

 

弘人「『当時人気だった三田(みた)さんが辞めたのも、過酷なスケジュールに耐えれなかったから』…」

 

灯「!三田さんっていったらもう引退したけど、丸井プロダクションに所属してたアイドルじゃん!」

 

弘人「そうだね。確か、人気絶頂期にひっそりと引退していったから、凄い話題になってたな…」

 

廻「…何か一気に丸井プロダクションが怪しく見えてきたな…」

 

今まで気づかなかったけど、とんだ、ブラック企業だな…

確かに彩乃さんのスケジュールも詰め込みすぎてたからな…

 

廻「……いろいろ考えたいけど、時間だから事務所に行くか。」

 

弘人「そうだな…」

 

丸井プロダクションについても考える必要があるな。

 

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 丸井プロダクション事務所

 

今回も護衛は弘人たちに任せて俺は星乃さんと話していた。

 

星乃「それで、今日は何を聞きたいんですか?」

 

廻「前に話していたやめていった同僚たちのことについて聞きたいんです。」

 

星乃「同僚たちですか…。特に話せることはないですよ。」

 

廻「何でもいいんです。気になったことを教えてくれませんか?」

 

星乃「そう言われても……あ、そう言えば…」

 

廻「何か思い出しましたか?」

 

星乃「そんなに大したことではないと思いますけど、辞めていった人たち全員『一身上の都合』で退職してますね…」

 

廻「『一身上の都合』…」 

 

星乃「本当に一身上の都合で退職していった人たちもいるけど、皆!一身上の都合で退職していったからずっと変だと思ったんです。」

 

なるほど、確かにそれは変だな…。

 

 ガチャ

 

俺たちが話していると角田さんが部屋に入ってきた。

なんだ?外で盗み聞きでもしてたのか?

 

角田「なーんだ、探偵さん、また来てたんですか(笑)」

 

廻「…ま、依頼ですから。」

 

星乃「…何かようですか?」

 

角田「そーんなこと言わないでよ?同僚でしょ?」

 

星乃「私が話すことはありません。用がないのなら帰ってください。」

 

角田「そーんなこと言ってると、三階の臨時室に飛ばされるよ?(笑)」スタスタ バタン

 

そんなことを言いながら、部屋を出ていった。

 

……また気になることを言ってたな…

 

廻「…星乃さん、さっき角田さんが言ってた臨時室ってなんですか?」

 

星乃「さあ?分かりません…。私もさっき初めて聞いたので…」

 

?長く勤めてて知らないのか……

 

廻「…星乃さん、お願いがあるんですが、いいですか?」

 

星乃「なんでしょうか?」

 

廻「ここの事務所の三階を見せてもらいたいんです。一緒に来てくれませんか?」

 

星乃「いいですよ。」

 

そうして、俺と星乃さんは三階の捜索に向かった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

丸井プロダクション事務所 三階

 

星乃「ここが三階です。」

 

見たところ何も変わりないな。

 

そう思っていると、一人の男性が倉庫から出てきた。

 

廻「あの、すみません。」

 

男「……ん、俺に何か用かですか?」

 

…やけに元気がないな…

 

廻「…今あなたが出てきた部屋って、倉庫ですよね?何か作業してるんですか?」

 

男「…違うよ、そうだな…見てもらったほうが早いか…。ついてきてください。」

 

そうして男についていく。

そうして倉庫の奥についた。

 

廻「奥まで来たけど、ここに何かあるんですか?」

 

男「ちょっと待ってください。」ピッ

 

男が壁についているパネルを操作する。すると、

 

 ゴゴゴ

 

なんと、壁が動いて部屋が出てきた。いわゆる隠し部屋だ。

 

星乃「……驚いた、この事務所にこんな部屋があったなんて…」

 

廻「僕もびっくりです。で、この部屋で何をしてるんですか?」

 

男「何もないですよ。」

 

どういうことだ?…

 

男「ここはいわゆる追い出し部屋ってやつですよ。仕事ができない人を追い出すためのね…」

 

廻「『そういうことか。でも、何で隠し部屋にしてるんだ…』」

 

男「ここは確かに追い出し部屋です。一応雑務とかをたまーに頼まれますけどね。けど、それだけじゃないんです。」

 

廻「と、いうと?」

 

男「……」チラッ

 

話しを聞こうとするが、男が星乃さんを気にして見ているようだ。

 

星乃「…何か話しづらそうなので、私はここで失礼します。」

 

そうして、星乃さんは部屋を出ていった。

 

廻「これで話せますか?」

 

男「はい。実は、この部屋は、仕事ができない人だけじゃなくて、社長に逆らった人も送られるんです。」

 

廻「…」

 

男「逆らったと言っても成果を出している人はこの部屋には送られないんですけどね…」

 

なるほどな…

 

男「それだけならまだいいんですけどね…。実は、パワハラをこの部屋で行ってるんです。」

 

廻「…確かに見たところ、この部屋だけ防犯カメラがないですね。」

 

男「そうです。だから、社長がすき放題してるわけです。で、だいたいの人が『一身上の都合』として辞めていくわけです。まあ、大手ですから体裁を気にしてるんでしょうね。」

 

廻「…今まで訴えて来た人っていないんですか?」

 

男「いたけど、金で揉み消されます。それか黙っているように金を渡されます…」

 

ここまでブラックなんてな……創造以上だ…

 

廻「他の社員はこの部屋の存在を知らないんですか?」

 

男「そうです。この部屋に送られた人は、周りに黙っているように言われるんです。というより脅しですけどね…」

 

だから星乃さんも知らなかったのか…

 

廻「…因みにあなたがこの部屋に送られた理由はなんですか?」

 

男「社長に歯向かったからですね。」 

 

廻「歯向かった?」

 

男「プロデュースの方向性で言い争いになってこの部屋に送られました。もう最悪ですよ。勝手に、給料も減らされるし…」ハア

 

見ていると本当につらそうだ…。

 

廻「一つ協力してもらってもいいですか?」

 

男「なんですか?」

 

廻「これを渡すから社長との会話を録音してくれませんか?」

 

そう言ってボイスレコーダを渡す。

 

男『これはボイスレコーダですね。無駄ですよ、証言とっても消されますよ。』

 

廻「いや、もしかしたらこれも表沙汰にできるかもしれません。」

 

男「……そうだな、どうせなら最後に一泡吹かせてやるか。協力します。」

 

廻「ありがとうございます。」

 

よし、これでまた協力者が増えたな。

 

廻「…最後にもう一つ聞いてもいいですか?」

 

男「なんですか?」

 

廻「この部屋の名前ってなんですか?」

 

男「あぁ、ここは『臨時室』って言われてます。」

 

……やっぱりか。

 

廻「ありがとうございます。録音できたら連絡してきてください。」

 

そう言って臨時室を後にした。

 

もしかしたら、今回の脅迫状での脅しと関わってくるだろうな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




事件メモ
・丸井プロダクションでは、かつて人気アイドルだった『三田(みた)』が人気絶頂期であるにもかかわらず、引退している。
理由は、過酷なスケジュールに耐えられなかったから。
・同僚は全員『一身上の都合』で辞めている。

丸井プロダクションには『臨時室』なる追い出し部屋がある。


以上です。

次回予告
丸井プロダクションの黒い部分が見えてきた廻たち。このことが今回の依頼とどう繋がってくるのだろうか?

では、また次回会いましょう!




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