俺たちと謎と青春と   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ
遂に脅迫事件の真相にたどり着いた廻。果たしてこの事件の裏に隠された真実とは?

それでは本編どうぞ!


光と影、表と裏 その6

翌日 丸井プロダクション事務所

 

今日はみんなに星乃さんの部屋に集まっていた。

まあ、俺が連絡して集まってもらったんだけどな。

 

弘人「これで皆揃ったぞ。」

 

廻「そうだな。それじゃ始めるか。」

 

関係者が全員揃ったので話しを始める。

 

廻「皆さん、お待たせしました。」

 

社長「で、これはなんの集まりですか?私も暇ではないから、早く済ませてほしいのですが…」

 

お望み通りすぐに終わらせてやるよ。

 

廻「実は、彩乃さん宛かどうかは分からないんですが、一ヶ月前にこんなものが届きましてね。」

 

そう言って、届いた脅迫状を見せる。

 

社長「!何だこれは!私は聞いてないぞ!」

 

そりゃ、今初めて言ったからな。

 

社長「それに、あなたたちは不審者について調べていたんじゃないんですか!?」

 

廻「嘘をついてすみませんね。本当は星乃さんから頼まれて彩乃さんの護衛をしてたんですよ。」

 

社長「星乃くん、何故はじめに私に相談しなかったんだ!」

 

星乃「…すみません。大事にしたくなくて、私だけで解決しようと思ったんです。」

 

信条「まあまあ、社長さん、落ち着いてください。話しが進みませんから。」

 

社長「…フン」

 

信条さんがそう言うと、渋々だが納得してくれたようだ。

これで、ようやく話しが進めるな。

 

廻「まあ、犯人はすぐに見つかりましたよ。角田さん、あなたですね。」

 

角田「…何の証拠があってそんなことを…」

 

反論はしているが、角田さんは落ち着いているようだった。

 

廻「この映像を見てください。」

 

そうして、角田さんが星乃さんたちが使っている部屋の机に脅迫状を置いて部屋を出てくる姿が映されていた。

 

廻「この映像だけじゃなくて、あなたは僕達と最初に会ったときに、『それに何か脅されてるみたいだし』って言ってましたよね?」

 

角田「…それが?」

 

廻「このことは、僕達と星乃さんたちしか分からないはすなんですよ。そうですよね、星乃さん?」

 

星乃「そうです。」

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数日前 

 

廻『あ、最後に一つだけいいですか?』

 

星乃『何でしょう?』

 

廻「このことを知ってるのは、僕達と彩乃さん以外にいますか?」

 

星乃「いえ、まだ誰にも行ってません。社長にも、警察にも。」

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

廻「だから、角田さんがこのことを知ってるのはおかしいんですよ。知っているとすれば、脅迫している犯人だから。違いますか?」

 

角田「…そうだよ。俺が二人を脅したんだよ…」

 

二人……なるほど、確かにあの文面だとどっちも脅しているとも取れるからな。角田さんは二人まとめて脅してたのか。

 

社長「貴様!なんてことを!うちのアイドルや社員を脅すとは!恥を知れ!」

 

……さて、そろそろ『本題』に入るか。

 

廻「まあ、落ち着いてください。実はここからが本題なんですよ。」

 

社長「なんだと?」

 

廻「ずっと、引っかかってたんです。何で、角田さんが二人を脅そうとしたかを。」

 

社長「そんなの、星乃くんに嫉妬でもしてたんじゃないのか?彼女は今彩乃さんをプロデュースしてるんだから。」

 

廻「確かに僕も最初はそう思いました。けど、それだと変なんですよね…」 

 

信条「何が変なんだ?」

 

廻「星乃さんを恨んでるなら、すぐにでも襲えばいいじゃないですか?一緒の職場にいるんですから。」

 

弘人「確かにそうだな…」

 

社長「じゃあ何かね、角田くんが脅した別の目的があるとでも?」

 

廻「僕はそう考えています。」

 

信条「じゃあ、その理由ってなんだよ?もったいぶらずに教えろよ。」

 

別にもったいぶってるわけじゃないけどな…

まあ、俺も回りくどいのはいやだから結論だけ言うか。

 

廻「…ハッキリ言います。角田さんが、二人を脅した本当の理由。それは、社長から解放するためじゃないですか?」

 

星乃・彩乃「「!!」」

 

角田「…」

 

角田さんは黙って話しを聞いている。

 

社長「何を言うかと思えば、バカバカしい…。だいたい私が何をしたと言うんだ。」

 

一方の社長は心当たりが無いという感じだ。

いや、多分逃げてるだけだろうな。

 

廻「まずは、これを聞いてください。」

 

そこで、社長室での会話を流す。

 

彩乃「な、なんですか、これ…!」

 

星乃「社長!これはどういうことですか!」

 

録音を聞き終わるとすぐに星乃さんは社長に詰め寄る。

 

社長「…これはなにかの間違えだ。加工でもしてるんだろ!」

 

信条「残念ながら、ちゃんと調べてるんですよ。加工はされてませんよ。」

 

ま、信用できないならそれでもいいさ。

 

社長「こ、これが本当だとして、何が関係あるんだ!」

 

いちいちうるさい奴だな…

 

廻「あなたは、成果を出せない社員を『臨時室』というところに配属させてますね?臨時室のことはここの社員から聞きました。」

 

社長「それが何だと言うんだ!ただ仕事ができない社員を送り込んでいただけだ!」

 

廻「本当にそれだけですかね?」

 

星乃「どういうことですか?」

 

廻「あの部屋に送られたのは仕事ができない人だけじゃないんですよ。そうですね?」

 

社長「な、何を根拠にそんなことを…」

 

さっきまでの勢いがなくなってきた。攻めるなら今か。

 

廻「臨時室にはあなたに歯向かう人も配属してたんでしょ?」

 

星乃「なんですって!」

 

社長「う、嘘だ、嘘だ!そんなこと!」

 

廻「じゃ、証拠を聞きますか。」

 

そこで、あの部屋にいた人に頼んだボイスレコーダの録音を再生する。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

社長『おい、しっかり運べよ、ゴラー!』

 

男『こんないっぺんに持てませんよ…』

 

社長『…ッチ。つかえねーな…』

 

何かを運ぶように指示されているようだった。

 

社長『お前も俺に逆らわなければ、ここに送られずにすんだのにな(笑)』

 

男『お言葉ですが、私は自分が間違ったことをしたと思ってません。あのままだと、あの子は倒れてましたから。』

 

社長『…黙って聞いてりゃ、グチグチうるせーんだよ、てめえは。オラァ』ガン

 

そこで男を社長が蹴るか、殴るかしている音が聞こえた。

 

男「…うっ」

 

そのまま男はうずくまっているようだ。

 

社長『あいつらは金のなる木だ。俺のために金を産めないアイドルに用はねえんだよ。』

 

社長『言っておくが、訴えても無駄だからな。まあ、どうせお前みたいなやつの言うことなんて誰も聞かないだろうけどな(笑)』スタスタ

 

そのまま社長は部屋を出ていった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

灯「…なにこれ、酷い…」

 

廻「…と、こんなふうに自分に歯向かう人は容赦なく臨時室行きにしてたわけです。そして、聞いてもらったように社員はおろか、所属しているアイドルも自分の道具としか見てなかったんです。」

 

社長「…」

 

ここまでくると社長は黙りこんでしまった。

 

廻「まあ、ここまで歯向かう人は臨時室に配属してたわけですが、実は成果を出している人は自分に意見をいう人でも臨時室送りにしてなかったんです。」

 

廻「その証拠にさっきの録音でも、角田さんと、社長が言い争ってましたからね。」

 

誰でも臨時室送りにしてたら、今頃角田さんも辞めてただろうからな。

 

角田「…えぇ。確かに私は社長とよく言い争ってました。」

 

廻「それはアイドルのプロデュースの方向性で、ですよね?」

 

角田「…」コク

 

角田さんは静かに頷く。

 

廻「社長はアイドルのことなんて考えないで、無理な計画とプロデュースをしてたみたいですからね。現場で働いてるプロデューサーからしたらそりゃ怒りたくもなるでしょう。その結果、一人のアイドルを引退に追い込んだんですから。」

 

灯「そ、それってもしかして…」

 

廻「そう、掲示板に書いてあった、三田さんだよ。そうですよね?」

 

角田「そうです。三田は私がプロデュースするアイドルの一人で初めて私がプロデュースしたアイドルでした。三田は有名になった途端社長が私のプロデュースに口を出してきて、無茶なプロデュースをやるように勧めてきたんです。」

 

社長「き、貴様!」

 

廻「うるさいですよ!今、角田さんが喋ってるんです!」

 

社長「っ!」

 

俺がそう言うと社長は黙ってしまった。

 

廻「で、それからどうなったんですか?」

 

角田「当時の私は社長に意見することができなくてそれを実行してたんです…。その結果は世間で騒がれたように引退することになったんです。本人から『もうアイドルを続けていく自信がない』って泣きながら言われて…」

 

なるほど、そんなことが…

 

角田「だから、それからはプロデュースするときは本人と話し合いながら、無理がないようにしていったんです。…まあ、その結果人気が続くアイドルの輩出が難しくなったんですけど…」

 

それで、角田さんがプロデュースするアイドルは人気が続かないのか。でも、それは角田さんのあんな過去があったからなのか…

 

星乃「で、もう話してくれませんか?それが何で私達を社長から解放することに繋がるんですか?」

 

そうだな、そろそろ話すか。

 

廻「それじゃ、まずはこれを聞いてください。」

 

そして、今度は角田さんが落とした紙に書いてあった『○月○日』の映像を見せる。

 

星乃「こ、これは!」

 

廻「そうです。社長は星乃さんを『臨時室に送る』と言って角田さんを脅してたんですよ。だから、その結果、二人を助けるために脅迫状を送り続けてきたんです。」

 

灯「それが二人を助けることにどう繋がるの?」

 

廻「ここからは想像になるが、二人を脅して辞めて別の事務所に移ってもらいたかったんじゃないか?」

 

弘人「確かに、普通自分が命を狙われてるとなると辞めるよな…」

 

廻「まあな。けど、それが上手くいかなかった。だから、俺たちを利用しようとしたんじゃないか?」

 

弘人「利用ってどういうことだよ?」

 

廻「このままだと、二人は辞めない。どうしようかと考えているうちに俺たちが来た。だから俺たちを誘導して社長の悪事を暴くように仕向けたんじゃないか?」

 

灯「そうなの?」

 

廻「可能性は高いと思うぞ。じゃないと『社長室でも何も映ってないからな(笑)』とか発言をしてからな。あのときは社長のことを調べようなんて思ってなかったからな。」

 

実際角田さんのあの発言がなければ、社長を調べようとも思わなかったからな。

 

廻「それをきっかけとして俺の前でわざとメモを落として行ったしな。」

 

信条「そう言えば、あのときは確かにわざと落としたように見えたな…」

 

廻「まあ、要は脅迫が上手くいかなかったから、それならと俺たちに社長の悪事を暴かせようとしたんだ。合ってますか?」

 

角田「…ハハ。あなたの言うとおりですよ。まさか、ここまで分かってしまうとは。凄いな、想像以上だよ、あなたは…」

 

廻「そりゃ、どうも。」

 

どうやら、俺の考えは当たっているらしい。

 

廻「っと、これが今回の事件の真相です。」

 

星乃「角田さん…」

 

角田「……今は何も言わないでください…」

 

社長「フッ。おいおい、黙って聞いてりゃ何いってんだ、おめえーら!」

 

ここまで黙っていた社長が再び話しだした。

 

廻「…まだ何か?」

 

社長「俺がそんなことした証拠はあるのか?言っとくけど、そんな証拠だけなら金で揉み消せるっての(笑)」

 

…はぁ、仕方ないか…

社長の目の前にとあるコピーを出す。

 

社長「何だよ、これは?」

 

廻「ここを辞めていった人たちや、臨時室に送られた人の給料明細や、タイムカードのコピーです。皆、『何かに使えるように』って捨てずにそのまま持ってたみたいですよ。」

 

社長「は、はぁ、それがなんだってんだよ!」

 

まだわからないのか…

 

廻「まだわからないんですね。これだけの証拠があれば、いろんなところが動きますよ。」

 

社長「ふ、ふん。だからなんだってんだ!金で…」

 

廻「残念ながら、もうその手は使えないと思いますよ?」

 

社長「ど、どいうことだよ!?」

 

廻「下見てください。」  

 

そうして社長が下を見る。

 

社長「な!こ、これはどういうことだ!」

 

弘人「?いったい何があるってんだ?」

 

弘人「……!おいおい、マジかよ…何でたくさんのマスコミがいるんだよ」

 

廻「俺が呼んだんだよ。知り合いがいてね。その人に情報を話して、他の会社にもリークしてもらったんですよ。」

 

そう、徳野さんに連絡して協力してもらった。

 

廻「これで、逃げも隠れもできませんよ。」

 

彩乃「あ、もしかして、マスコミに情報伝えるからライブに行くのを辞めさせたんですね!」

 

廻「そういうことです。こんな噂が立つとライブもやりづらいでしょうからね。」

 

弘人「これで、証拠も揃ってるから罪に問えるだろうな。」

 

社長「……ダヨ」

 

???

 

社長「何なんだよ、お前ら!俺が誰だか分かってるのか!」

 

社長「大手の丸井プロダクションの社長だぞ!」

 

廻「だから何だよ。」

 

社長「は?」

 

廻「誰でもお前の思い通りに動くと思ったら大間違いだってことだよ。」

 

社長「!い、いいのか?俺が捕まれば角田、お前もただではすまないぞ!」

 

まだ諦めてないのかよ…

 

角田「そんなの分かってますよ。もとよりお前を道連れにするつもりだったんだからな!」

 

社長「く、クソがー!!」

 

社長が殴りかかってくる。がそれを受け流して羽交い締めにする。そこから信条さんに身柄を渡す。

 

社長「離せ!俺にこんなことをしてどうなるかわかってるのか!」

 

廻「知らねえよ。けど、お前には社長の椅子じゃなくて、もっとお似合いの場所があるってことだ。」

 

社長「!〜~~」

 

まだ何か言ってたが、信条さんの部下が連れて行った。

 

星乃「…角田さん!」

 

星乃さんが角田さんに近づく。

 

星乃「私と彩乃を助けてくれようとしたんですよね?ありがとうございます!」

 

角田「……本当はあの脅迫状見て辞めてくれると嬉しかったんですけどね…」

 

廻「信条さん、一つ聞いてもいいですか?」

 

角田「なんですか?」

 

ここで俺はどうしても分からなかったことを聞いてみる。

 

廻「実は一つだけまだ分からないことがあります。それは何故、あなたがそこまでして、星乃さんたちを助けようとしたんですか?」

 

角田「別に星乃さんだけを助けようとしたんですけどね。」

 

角田「……ただ、もう俺の前で苦しむ人を見たくないと思ったからですね…」

 

確かに角田さんは何人も臨時室送りになって、社長に苦しめられて辞めていく人を何人も見てるからな…

 

廻「そうだったんですね…」

 

角田「……けど、一番は星乃さんのためですね。」

 

星乃「私の為?」

 

角田「一緒に同期として入社してきて真剣にこの仕事をしてアイドルと向き合っているあなたを見ていいなと思ったんです。」

 

星乃「…え?」

 

角田「けど、なかなかプロデュースが上手くいってなくて悩んでいるあなたを見て、俺も悲しかった。けど、彩乃さんをプロデュースするようになって以前の笑顔が戻ってきたような気がして俺も元気をもらいました。」

 

角田「けど、あいつが臨時室に送るって脅してきたときに『また星乃さんのあの表情が失われる』と思ったら居ても立っても居られなかったんです。つまり…」

 

角田「…星乃さん、あなたのことが好きなんですよ。」

 

……そういうことか。だから、必死で二人を守ろうとしたのか。

 

星乃「…え?え?」

 

星乃さんは酷く混乱しているようだった。そりゃそうか、いきなり告白されてるんだからな。

 

角田「…別に返事はいいですよ。私も罪には問われますし…」 

 

信条「そうですね。確かに『偽計業務妨害』や、『脅迫罪』には問われると思います。まあ、事情は分かってますから多少は情状酌量が認められると思いますが…」

 

角田「ここまで話したらもういいでしょう。刑事さん、行きましょう。」

 

信条「分かりました。」

 

そうして二人は歩いていく。すると…

 

星乃「…角田さん!」

 

星乃さんが角田さんに呼びかける。角田さんも立ち止まる。

 

星乃「…私、待ってます!だから、早く会いに来てくださいね…約束ですよ?」

 

角田「…フッ。分かりました。必ず会いに行きます。」

 

そうして今度こそ信条さんと歩いていった。

 

これで一件落着だな。

 

彩乃「皆さん、今回は本当にありがとうございました!」

 

星乃「皆さんのおかげで、解決することができました。」

 

廻「僕たちも二人に何事もなく解決できてよかったです。」

 

廻「……これから二人はどうするんですか?」

 

星乃「分かりません。けど、角田さんの想いを無駄にしないためにも彩乃を大切にしてプロデュースしていきたいと思ってます。」

 

廻「そうですか。頑張ってください。僕たちも陰ながら応援してます。では、僕たちはこれで失礼します。」  

 

そうして俺たちは帰路についた。

 

 




さて、いよいよ7話も次回で終わりです。そろそろこの物語自体も終わりに近づいています。
最後まで応援よろしくおねがいします!

それでは、また次回会いましょう!
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