廻たちの代の同窓会の日付を弱音がしつこく聞きまわっていたことや同窓会が行われるホテルは、元々は違って弱音の親が経営している系列店だということが分かった廻たち。
そして、帰り道で久しぶりに茜と話せた廻。そして、茜から語られる弱音との過去とは!?
それでは、本編どうぞ!
茜「実は、中学のときに廻を信じられなかったのはもう一つ理由があってね…」
俺は引き続き茜から話しを聞いていた。
それにしても、信じられなかったもう一つの理由ってなんだ?…
廻「理由?」
茜「そう。実はね…」
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数年前 中学時代
あれは、弱音くんが暴行を受けた次の日のことだったわ…
弱音くんからまた呼ばれたから朝早くに弱音くんのクラスの教室に行ったの…
そしたらそこに怪我をした弱音くんがいたの。
茜『弱音くん、来たよ…って、その怪我どうしたの!?』
菊『…先輩、来てくれたんですね。』
茜『それは、弱音くんが呼び出したから…。それよりも、その怪我だよ。どうしたの?』
菊『この怪我は…』
一瞬、言い留まったように見えたよ。
そして、次の瞬間驚くことを言い出したの。
菊『この怪我は、廻先輩にやられたんです!』
茜『!』
一瞬驚いたけど、すぐに聞き直したわ。
茜『廻にやられたって…。何かの間違いでしょ!廻はそんなことする人じゃないよ!』
菊『嘘じゃないですよ。この怪我は本当に廻先輩にやられたんですよ。』
茜『廻は理由もなく手を挙げる人じゃないよ!』
菊『先輩が信じるのは自由ですけど、本当ですよ。』
茜『なんで、廻が弱音くんに暴行するの!?』
菊『…例の窃盗事件ありましたよね?』
茜『あっけど、それがどうしたの?弱音くんの怪我と関係ないでしょ!』
菊『…実は、その窃盗事件の犯人が廻先輩だったんですよ。』
茜『!う、嘘でしょ…な、なんで、そんなこと…』
菊『本当ですよ。そして、先輩が盗むのを目撃したから黙っているように暴行を受けたんです…』
茜『…廻、どうして…』
菊『これで、先輩がどういう人か分かったでしょ?表ではよくしていても裏では何考えてるか…』
茜『…』
私はそういう弱音くんに何も言えなかったの…
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現在
廻「…弱音、そんなことを言ってたのか。」
茜「裏では嫌っていたみたいね…。DJやるのもいやいやだったのかな?…」
廻「さあ?それは本人に聞いてみないと分からないな…」
俺自身は、嫌われるようなことをした覚えはないが、知らないところで恨みを買ってたんだろうな…
茜「私が話せるのはこのくらいだよ。」
廻「そうか。話してくれてありがとな。…もう暗いし、帰るか。」
茜「そうだね…。…ねえ、廻。」
廻「なんだ?」
茜「弱音くんが何をしようとしてるかは分からないけど、絶対に止めてね。…私が言えることじゃないけど…」
廻「…心配すんな。絶対に止めてやるよ。じゃあな、気をつけて帰れよ。」
茜「うん。」
そうして、今日は家に帰った。
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数時間後 春田家 廻の部屋
夜、俺はベッドで横になって考え事をしていた。
寝るにはまだ早いけど、特にやることもないからなんとなく横になっていた。
廻「(…今日は、久しぶりに茜と話したな…)」
考えるのは、茜とのことだった。
まあ、最初に再会したときは何も話せなかったからな…
廻「(いろいろあったけど、中学の時の窃盗事件を解決したおかげで、あいつの誤解を解くことができたな。…ま、それは良かったな。)」
灯のストーカー事件を解決したのがきっかけで始めた探偵だったけど、思い掛けず誤解を解くことになるなんてな…
廻「(…そう考えると、探偵やってて良かったな。)」
ほんの少しだけだが、探偵をやっててよかったと思えた。
…少しは、裕次郎さんに感謝しなきゃな……
っと、それよりもだ…
廻「(ここまできたけど、未だに弱音の目的が分からねえな…)」
本当に、青酸カリまで買って何がしたいんだ?
廻「(それに、茜は弱音から告白されていたんだよな…」
何か関係がしてるのか?今回の事件を起こす動機が全く分かんねえな…
ガチャ!
そんなことを考えていると、ドアが勢いよく開いた。
そして、綾が入ってきた。
廻「ノックぐらいしろよ、綾…」
綾「だって、今『告白』って聞こえてきたから!ま、まさかおにい、誰かに告白するの!」
やっべー…いつの間にか、口にしてたか…
それも綾に聞かれるとは…
廻「落ち着け。告白なんてしねえよ。」
綾「ほんと?」
廻「本当だよ。だいたい、告白する相手なんていないっての…」
綾「ほっ…良かった。」
廻「何そんなに慌ててんだよ?…」
綾「だって…おにいが、灯ねえに告白すると思って…」
廻「?何で俺が、灯に告白する話しになってんだよ…」
綾「…」ジトー
俺がそう言うと、綾がジト目で俺を見てくる。
廻「…何だよ、そんな目で見るなよ。」
綾「…はぁ…そんなんじゃ、灯ねえも大変だね…」
だから、何で灯が関係するんだよ…
俺たちが話していると下から実さんの声が聞こえてくる。
実「二人とも〜、仲良く話すのはいいけど、早く寝ないと、朝に起きれないわよ〜。早く寝なさい〜!」
綾「はーい! おやすみ、おにい。」
廻「おやすみ。」
そうして綾は自分の部屋に入っていった。
たく、嫉妬されるのも大変だな…。
………『嫉妬』か…。
まあ、まだまだ考えるの必要があるな。
そうして、再び一人になった部屋でまた考えることにした…
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翌日 春田家 同窓会まであと1日
♪♪♪♪♪
廻「…」ガチャン
朝目覚ましの音で起きる。
どうやら昨日はいつの間にか寝てしまってたみたいだ。
廻「(やばいな、あれから考えていたけど、何もいい考えが浮かばなかった…)」
同窓会はもう明日だぞ…。このままだと、本当に同窓会に乗り込むことになるな…
実「廻くーん、朝ごはんできてるわよ〜!起きてらっしゃい!」
廻「はーい、今行きます!」
取り敢えず、朝ごはん食べるか…
服を着替えて、下に降りていった。
俺が下に降りていくと3人とももう席についていた。
大輝「お、やっと起きてきたか。」
廻「ごめんなさい、遅くなりました。」
大輝「それは別にいいんだが、昨日は遅くまで何を話してたんだ?綾と話してたよな?」
廻「あぁ、実は…」
大輝「…なるほど。確かに廻が誰かに告白してる姿なんて想像できないな(笑)」
話しを聞いた大輝さんは笑いながらそう話しかける。
廻「まあ、告白する相手もいないですけどね…」
しかも、そこから綾が嫉妬してきて大変だったからな…
廻「…」
実「…ん?廻くん、どうしたの?」
廻「あ、すみません、なんでもないです。」
そうは言ったが聞いておきたいことがあった。
大輝「そうは言うが、何か言いたそうな顔をしてるぞ。…もしかしてお前ほんとに告白したい人が…」
綾「そうなの、おにい!」
…うるせぇ…朝からなんでそんな大声出せるんだよ……
廻「綾、落ち着け、そんな相手はいないから。」
大輝「じゃあ何だよ?」
聞きたいが、こんなことを聞いてもいいのか?
そんなことを考えていると、実さんが口を開く。
実「…もしかして、廻くん、遠慮してるの〜?」
廻「いや、そんなことでは…」
実「廻くんが家に来たときのこと覚えてる?」
急にそんなことを聞いてくる。
廻「そりゃ、覚えてますよ。忘れるわけないじゃないですか。」
実「…じゃあ、その時の約束も覚えてる?」
そう言われて、春田家に来たときのことを思い出す。
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数年前 春田家
実『いらっしゃい、君が廻くんね?』
廻『そうです。僕を引き取ってくれてありがとうございます。』
確か、春田家に来たときは、暗い表情をしてて上手く笑えなかったな…。それに、そのことが原因で、周りからは距離を置かれるし、俺も必要以上に関わろうとしなかったから『友達』と言える存在が全く居なかった。
そんな俺を気遣ってか、実さんと大輝さんは俺にこんな言葉をかけてくれた。
実『もう、家族になるんだからそんな他人行儀にならないで。』
廻『え?』
大輝『そうだぞ。だから、遠慮なんてするなよ?むしろ、遠慮して我慢なんてしてたら怒るぞ?』
実『そうよ〜。今から産まれてくるこの子も、廻くんも家族なんだからね!』
二人のそんな言葉を聞いて人前だというのにボロ泣きしてしまった。
家族を失って不安だったのが、新たな家族との出会いで安心できたからだろう。
本当の親は亡くなってしまったけど、この家族との出会いで立ち直れた。
それから今日まで、春田家の人に支えられながら生きてこれた。
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…たく、本当にこの人たちには頭があがらないな……
廻「…すみません、変に遠慮してしまって……」
実「分かればいいのよ〜」
大輝「それで、何を聞きたいんだ?」
意を決して、二人に質問する。
廻「では、聞きます。二人は誰かに嫉妬したことってありますか?」
大輝「嫉妬?なんでまたそんなことを聞きたいんだ?」
廻「変な質問してるのは分かってます。けど、参考までに聞きたくて…」
大輝「そうだな…」
少し考えた後に大輝さんが話し出す。
大輝「そりゃ、俺もできた人間じゃないからな、嫉妬の一つや2つあるぞ。」
実「あら〜、初耳ね〜」
大輝「そりゃ、今初めて話したからな。」
廻「そうだったんですね。」
大輝「あぁ。それこそ、廻のお父さんにもな。」
廻「え!?」
お父さんのことがいきなり出てきて驚いてしまう。
大輝「お前のお父さん、音咲駆(おとさき かける)は優秀な警察官だった。同期の俺はライバルでもあり親友として前線でバンバン活躍してたよ。」
廻「…」
大輝「でも、駆のほうが俺よりも優秀でな…いつも俺の先を言ってた。その上、あいつの口癖のように『結果なんて、人助けしてたらいつの間にかついてくる』っていっててな。周りからの評価何て二の次だったよ…」
大輝「それに、人を見下すような奴じゃなかったからな…。性格も良くて、成果も出ている。そういう駆を良く思わない奴もいてな…ま、俺もその一人なんだけどな…。だから、弱みを探したりしてたよ…」
大輝さんは懐かしそうに話す…
……そうか、父さんはそんなことを考えながら警察官してたのか…
大輝「けど、そんなことやっててもバカバカしくなってな。」
大輝「ある時、駆から言われたんだ。『何のために警察やってるんだ!』ってな。その言葉を聞いて考え直したんだ。俺は何をしたいから警察官になったのかってな。そしたら、一番初めに持ってた『人々の助けになりたい』っていう思いを思い出したんだ。」
大輝「そうしたら、嫉妬してたのがバカバカしく思えてな…。っと悪いな、お前の親のことを…」
廻「いえ、聞いたのは俺だからいいですよ。」
それでも、父さんのことが聞けるとは思わなかったが…
大輝「そうか…」
廻「…」
実「私もあなたのことが聞けて良かったわ〜、全く仕事のこと話してくれなかったから…」
大輝「ハハ、心配させたなら悪かったな」
実「あら〜、もう出ないと間に合わないわよ〜」
廻「そうですね。話しを聞かせてくれてありがとうございます。」
そうして、俺は準備を終えて家を出た。
話しを聞けて良かった。もしかしたら、俺は何かを見逃してるのかもしれなかったからな……
事件メモ
・茜が廻を信じられなかったのは、暴行を受けた次の日に弱音本人から、「廻から暴行を受けた」と言われたから。
以上です。
次回予告
同窓会まであと一日になった廻たち。廻は「嫉妬」というワードを気にしているようだが?…
それでは次回また会いましょう!