俺たちと謎と青春と   作:ちゃんま2

65 / 69

前回のあらすじ
茜が弱音から「告白されていたこと」「廻から暴行を受けた」という話しを聞いた廻。
さらに、そこから「嫉妬」というワードを気にしているようだが?

それでは本編どうぞ!


過去と今 その5

数時間後 音楽スタジオ「TRY」

 

今は講義が終わって食堂に集まっていた。

 

灯「ど、どうしよ…同窓会もう明日だよ…」

 

廻「落ち着け。慌てたってどうにもならないだろ。」

 

弘人「けど、灯ちゃんの言うとおりだぞ。どうする?」

 

廻「今日も弱音を探すしかないだろ。」

 

実際それしかやれることがないからな。何か手がかりでも見つかるといいんだけどな…

 

弘人「そうだな。よし、それじゃ、行くか!」

 

玲央「…待ってくれ。」

 

弘人に続いて俺たちも弱音を探しに行こうとしたところで、玲央に呼び止められる。

 

廻「何だよ、急に…」

 

玲央「実は、気になることをいくか見つけてな。これ見てみろ。」

 

玲央にそう言われて、ノートパソコンの画面を見る。

 

弘人「何々…〇〇年度 〇〇社 決算報告?」

 

廻「〇〇社って言ったら弱音の親が社長を努めてるとこの会社じゃねえか。」

 

玲央「あぁ。気になって調べてみたんだ。そしたらこの決算報告にたどり着いた。」

 

弘人「それがどうかしたのかよ?」

 

玲央「…ここを見てみろ。」 

 

そうして玲央がスクロールして画面を下げていくと、そこに棒グラフがあった。

 

廻「どうやら、ここ数年間の売り上げがまとめられているみたいだな。」

 

玲央「で、このグラフを見てみると分かるが、10年前からどうやら売り上げが落ちてるみたいだ。」

 

10年前というと、丁度俺たちが中学の時か…

 

廻「そうか、あいつの会社あんまり良い状態じゃないみたいだな…」

 

そう言えば、あいつ会社を継ぐことをストレスに感じてたな…

何か関係あるのか?…

 

玲央「それともう一つ、これも見てくれ。」

 

弘人「まだ何かあるのかよ…」

 

玲央「これだ。」

 

そうして、SNSの画面を見せてきた。

 

廻「このアカウントは?」

 

玲央「これは、弱音の裏アカだな。」

 

毎度の事ながらよく見つけられるな…

 

廻「あいつ、裏アカなんて作ってたのか。」

 

弘人「まあ、話しを聞く限りいじめとかあったみたいだから、せめてここでストレス発散したかったのかもな…」

 

廻「そうかもな。で、何が書かれてたんだ?」

 

玲央「これだ。」

 

廻「なんだこりゃ…」

 

泊「この投稿、本当にあの弱音が投稿したのか!?」

 

泊が驚くのも無理はない。

そこには、弱音が書き込んだとは思えないほど、汚い言葉で投稿されていた。

 

廻「…ん?」

 

そこでいくつかの投稿に目が行った。

 

泊「どうかしたのか?」

 

廻「いやこれ…」

 

弘人「どれだ?…あぁ、これか。この投稿がどうしたんだ?」

 

『クソが!どいつもこいつも俺を舐めやがって!何で思い通りにならないんだよ!』

 

何か怒ってるみたいだな。

 

『まあ、いい。もうすぐであの人のことが手に入ると考えたら、そんなの些細なことだ。それに、あいつらももうすぐ消せるからな(笑)どんな顔を見せてくれるか今から楽しみだ。』

 

『しかし、これみよがしに新しい女性を連れ来ていて本当にムカつく。俺はモテますよアピールでもしたいってのか?あぁ!?けど、これでハッキリした、やっぱりあの人とは所詮遊びだったってわけだ!滑稽だな(笑)』

 

泊「これって誰のこといってるんだろうな?」

 

廻「さあ?」

 

灯「あ!日付見て。この投稿、最近されたものだよ。」

 

灯にそう言われて日付を見る。日付は二日前のものになっていた。

 

泊「『どいつもこいつも俺を舐めやがって』…これって、あの三人のことか?」

 

廻「確証はないけど、その可能性は高いな。」

 

弘人「だとすると、『あいつらももうすぐ消せるからな』ってのがわからねえな。他に邪魔になるやつがいるのか?」

 

そこだよな…。仮に過去にいじめられていたあの三人に復讐したかったとしたら、もう目的は果たしているはず…。

けど、まだ復讐したい人がいるってことか。しかもあいつ『ら』ってことは一人じゃないってことだよな?

 

廻「…」

 

灯「廻?」

 

廻「あ、あぁ悪い。考え事してた。」

 

弘人「見せたいのはこれで全部か?」

 

玲央「…全部だ。」

 

廻「そうか。ありがとうな。」

 

泊「で、今日はどうするんだ?」

 

廻「…予定を変えよう。もう一度、弱音の家を調べてみるぞ。」

 

弘人「分かった。じゃあ、早速行ってみるか。」

 

そうして、俺たちは弱音の家に行くことにした。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数時間後 弱音の家

 

泊「何回もすみません。これで、最後ですから。」

 

「いやいや、泊くんなら歓迎するわよ!いつでも遊びに来てちょうだい!」

 

「で、今日はどうしたの?」

 

泊「もう一回、菊くんの部屋を見せてもらいたいんです。」

 

「わかったわ。好きに見ていいわよ。」

 

泊「ありがとうございます。」

 

「じゃ、帰るときに声をかけてね。」

 

泊「分かりました。」

 

そうして、私たちは弱音くんの部屋をまた調べることにした。

 

 

 

数分後…

 

灯「……何も見つからないね…」

 

部屋は前に来たときと変わってなくて、正直もう新しい証拠なんて見つかりそうになかった…

 

弘人「もう少し頑張ってみよう。前に気付けなかった新しい証拠が見つかるかもしれないから。」

 

灯「そうだけど…」

 

弘人「はいはい、口じゃなくて手を動かそうね。」

 

灯「分かってるよ…。……あれ?」

 

弘人「どうしたの?」

 

灯「これ、なんだろう?…」

 

そこで私はある一冊の本を見つけた。

 

泊「これは本だね。これがどうかしたんですか?」

 

灯「本だけなら別に変じゃないんだけど、その本に、一つの封筒が挟まっていたから、変だなと思って…」

 

そうしてみんなに封筒を見せる。

 

弘人「取り敢えず、後で見てみようか。」

 

また数分後…

 

弘人「もうこれまでだな。時間も遅いから帰ろう。」

 

灯「そうだけど……」

 

弘人「灯ちゃん…気持ちは分かるけど、これ以上は迷惑がかかるから…」

 

時間が許す限り、探したけど、有力な証拠になりそうなものは何もなかった…

もう同窓会は明日なのに……

 

弘人「もう明日乗り込むしかないな…」

 

泊「そうですね…。取り敢えず家を出ましょうか。」

 

そうして私たちは、家を出るために一階に行って、弱音くんのお母さんに帰ることを伝えることにした。

 

 

「あら、もう帰るの?」

 

泊「えぇ、ありがとうございました。…ところで、まだ菊くんは帰ってきてないんですか?」

 

「そうなのよ…。連絡もなくてね…」

 

泊「そうですか…。」

 

?「あれ?お母さん、この人たちは?」

 

泊さんが話していると、一人の男性が出てきた。

 

「あー、この人たちは、菊のお友達よ。」

 

泊「どうも、泊です。あなたは?」

 

菊兄「あー、これは失礼しました。僕は菊の兄です。」

 

泊「菊に兄がいたんですね…」

 

驚いたように泊さんが言う。

 

灯「あれ?泊産、知らなかったんですか?」

 

泊「あぁ、菊は家族のことをあんまり話さなかったから。」

 

灯「そうなんですね…。」

 

菊兄「あー、まああいつとは仲がいいとは言えないですからね…」

 

そうなんだ…喧嘩でもしてるのかな?……

 

弘人「喧嘩でもしてるんですか?」

 

灯「ちょっと、弘人!」

 

そういうデリケートなこと、すぐに聞いたらダメでしょ!!

 

灯「すみません、いきなり変な質問して……」

 

慌てて私はすぐに謝る。けど、返ってきたのは意外な反応だった。

 

菊兄「ハッハハ!」

 

いきなり、弱音くんのお兄さんが笑い始めた。

 

菊兄「あー、すみません。そんなにストレートに質問されたのが久しぶりで。」

 

弘人「そうですか…」

 

菊兄「質問の答えがまだでしたね。そうですねぇ、喧嘩…ではないですが、菊が一方的に僕を嫌っているのは分かります。」

 

弘人「嫌っている、ですか?」

 

菊兄「まあ、それも少し違いますけどね。正確には、菊が僕に嫉妬してるんですよ。」

 

泊「その話しも初めて聞きましたね。なんで嫉妬してるんですか?」

 

菊兄「実は、父のせいなんです。」

 

弘人「どういうことですか?」

 

菊兄「父は厳しい人でした。」

 

それは、前に見つけた日記から分かっていたことだったよね。

私も最初見つけたときビックリしたからね……

 

菊兄「父は僕たちを企業を跡取りにするために、特に教育に力を入れていました。」

 

そういえば、日記の中でもテストの点数が悪いことを怒られたって書いてあったよね…

 

菊兄「で、父は菊のことをあんまりよく、思ってなかったみたいです。言い方は悪いですが、『出来が悪い』と思ってたみたいで…」

 

実の父親なのに酷い……

 

菊兄「で、まあ自分で言うのもなんですが、僕は成績はいい方で、父には良く褒めてもらってました。」

 

お兄さんの方は人生がいい方に進んでるみたいね……

 

菊兄「で、卒業してから系列の『〇〇ホテル』の経営を任されたんです。」

 

灯「あれ?『〇〇ホテル』ってお父さんが経営してるホテルですよね?あそこ経営してたのお兄さんだったんですね。」

 

菊兄「ご存知だったんですね。」

 

弘人「えぇ。それに今度、音峰中学校の同窓会も〇〇ホテルで開催するんですよね?」

 

菊兄「そうです。……話がそれましたね。で、ホテルの経営も上手くいって順調だし、恋人もいて結婚もしますからね。」

 

泊「結婚されるんですね。おめでとうございます。」

 

菊兄「ありがとうございます。」 

 

そっか…。確かに、ここまで話しを聞くとお兄さんと菊くんは今まで真逆の人生だったんだね……

 

菊兄「…まあ、僕は父のことは好きではないんですけどね……」

 

「ちょっと!!」

 

お兄さんが話していると、お母さんが慌てて話しを止めに入る。

 

菊兄「別にいいだろ。どうせ、この人たちには関係ないことだから。」

 

そう言ってお兄さんは話しを続ける。

 

弘人「…何でお父さんを嫌ってるんですか?」

 

菊兄「それは簡単なことです。あの人は、人を見下す人ですから。だから、菊にもあんな酷い対応できるんですよ…。」

 

灯「お兄さんは、菊くんのことを嫌ってはないんですね?」

 

菊兄「まあ、あんな父ですから、反面教師にしてますから。だから、僕は別に菊を嫌ってはいないですよ。」

 

「そういうことなのよ…。っと、悪いけど、もう遅いから帰ってくれないかしら?」

 

泊「そうですね。遅くまですみません。失礼しました。」

 

なんか、無理やりっぽいけど、お母さんにそう言われたので、帰ることにした。

まあ、家庭の事情なんて人に知られたくないこともあるよね……

 

 

 

数分後 弘人の車の中

 

廻「随分と遅かったな。」

 

弘人「悪かったな。けど、いろいろ興味深い話しが聞けたぞ。」

 

そうして弘人から弱音の家庭のことを話してもらった。

 

廻「…なるほどな。あいつの家庭にそんな問題があったなんてな…」

 

泊「驚いただろ?俺も全くあいつの家族のこととか聞いてないからな…」

 

廻「そうだな。」

 

灯「……あ、そうそう、忘れてた…」

 

廻「?何かあったのか?」

 

灯「実は、部屋でこんなもの見つけたの。」

 

そこで、灯から封筒を渡された。見たところ封がされていて、締められていた。

しかも、この封筒なんか分厚いな……

 

廻「へぇー、部屋にね…」

 

灯「うん。しかも、本の間に隠されてたの。『なんかこの本分厚いな』って思ったから調べてみたらこれが挟まってたの。」

 

廻「そうか。ま、中を見てみるか。」

 

そうして、中を見るために封筒を開けた。さて、何が入ってるんだ?

 

泊「ん?なんだこれ?」

 

そこにはニ通の紙が入っていた。内容的に何かの告発文か?

 

廻「……!」

 

灯「廻?」

 

廻「悪い、少し考える…」

 

そう言って俺はヘッドフォンを耳に当てた。

 

『今日なんとなく雑誌を読んでいると、廻先輩が雑誌に載っていた。ビックリした。』

 

『あの子は、夫との関係で相当ストレスを受けててね』

 

  『青酸カリを購入していた』

 

「そのことも、金で黙らせてきたけどな(笑)」

 

『そこで被害妄想があるって言われてね…』

 

『まあ、いい。もうすぐであの人のことが手に入ると考えたら、そんなの些細なことだ。それに、あいつらももうすぐ消せるからな(笑)どんな顔を見せてくれるか今から楽しみだ。』

 

 

なるほど、そういうことか。

 

考えをまとめて、ヘッドフォンを外す。

 

廻「…」

 

灯「廻、もしかして……」

 

廻「あぁ、『真実が繋がった』!」

 

 

ようやく、この事件の真相が見えたぞ。

っと、その前に…

 

廻「泊、弱音のお兄さんに一つ聞いてほしいことがあるんだがいいか?」

 

泊「いいけど、何を聞けばいいんだ?」

 

廻「それは………だ。」

 

泊「…おいおい、マジかよ…」

 

廻「マジだよ。それに俺の考えが合っていれば、弱音はそこにいるはずだ。」

 

泊「分かった。少し待ってろ。」

 

 

 

 

数分後

 

泊「…はい…はい…、夜遅くにすみません。ありがとうございました!」ガチャ

 

廻「どうだった?」

 

泊「お前の考え通りだったよ。」

 

廻「やっぱりな…」

 

弘人「これで、やっとケリつけれるな。」

 

廻「そうだな…」

 

絶対にあいつの犯罪を止めないとな…

 

 

 





事件メモ
・弱音のお父さんが経営している会社は10年前から経営が悪化している。
・弱音はまだ復讐したい人がいる。
・弱音は兄に嫉妬している。
・弱音は何かの告白文を隠していた。

以上です。

次回予告
ついに事件の真相を突き止めた廻。一体誰がどういう思惑で動いているのだろうか?

それでは、また次回会いましょう!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。