憎きスペースパイレーツは壊滅した。第2の故郷といえる惑星ゼーベスとベビーメトロイドの喪失によって。
私は絶対絶命のところをベビーによってマザーブレインから助けられ、その犠牲によってマザーブレインを倒すに至った。そして、自爆によって惑星ゼーベスも消滅した。
その喪失感の中、私はバウンティハンターを続けていたのだが、ある日生き残っていたスペースパイレーツ残党の戦闘機によって私のスターシップは撃墜されてしまった。ゼーベスでの最初のミッションのときと同じだった。
操縦不能となり錐揉み回転するスターシップ、船内で鳴り響く警報音、画面に赤く表示されるスターシップの破損した箇所・・・やがて、目の前は閃光で埋め尽くされた。
「はっ!」
サムスの意識は目覚めた。仰向けになっていたところから立ち上がって周囲を見ると、巨大な岩石でできた柱が多く乱立している荒地だった。
幸い、バリアスーツは損傷していないようだ。さらに、アビリティも全てが生きていた。とりあえず、活動に問題はない。
前方を見ると地面に何かに抉られたような溝があり、溝の進む先を見れば、オレンジ色の自身のスターシップが転がっていた。溝はスターシップが地面と擦れたときにできたのだろうとサムスは推測した。
「ここは何処だ?」
現在地を知るためにはスターシップに搭載された計器類を再起動させる必要がある。そこで私はスターシップに近づいた。しかし、スターシップは酷い状態になっていた。
「これは・・・」
左舷側の外装甲は大半が吹き飛んでおり、下部のエンジンも1つだけを残して喪失していた。自己修復機能こそ搭載されているが、流石に喪失したものまで直すことはできない。
サムスはスターシップの中に入る。すると、内部の計器類が一斉に起動した。どうやら、中までは壊れていないらしい。そこで、現在の座標を確認しようとしたのだが・・・
「不明・・・・だと?」
ここは連邦の領域ではない。状況は最悪だった。せめて、機械を作れる文明が近くにあればいいのだが・・・
ガサッ
「!」
私は聞こえてきた物音の方向へと振り返り、右腕のアームキャノンを向けた。そこには、十字型の大型ライフルを装備した白いインコのような頭部の宇宙人が立っていた。一瞬チョウゾかと思ったが、明らかに違う種族なのは間違いなかった。
「何者だ?」
「待ちな、別に怪しいもんじゃない。俺はガッツ星人のガルム、星人ハンターだ。あんた、お困りのようだな。見たところ、遭難した感じか?」
「そうだ。私はサムス・アラン、ここが何処だか教えてくれるか?」
「あぁ、ここは・・・・」
「プラズマギャラクシーにプラズマ怪獣、プラズマソウルか・・・・聞いたことがないな」
「俺も、あんたの言う銀河連邦やチョウゾという種族、スペースパイレーツなんて聞いたことがない。それに、俺の知る限りでは地球は限定的な宇宙進出しかしていない」
「あまりにも情報が食い違うな」
「もしかしてあんた、別の宇宙から来たのかもしれないな」
別の宇宙だと?銀河連邦が認知していない惑星なのだろうと思っていたが、遭難のスケールはそれ以上だったようだ。
「別の宇宙?」
「そうだ。時折、プラズマギャラクシーには別の宇宙からやって来る連中がいる。間違いなく、あんたはその類いだ」
これが、プラズマギャラクシーと私のファーストコンタクトであった。この宇宙に来た意味を、私はまだ知らない。
俺はガッツガンナー・ガルム。ラッシュハンターズというチームに所属する星人ハンターだ。仲間とハンティング中にすごい音がしたもんで、チームメイトの2人を置いて俺は確認に向かった。
そこで見たものは、大破しているオレンジ色の宇宙船と、その傍にいるオレンジのパワードスーツのヒト型だった。近寄ろうとしたんだが、俺に気づいたのか右腕の砲を向けられてしまった。
幸いだったのは、言葉が通じたことだ。とりあえず、無用な衝突を避けることはできた。その時点で分かったことは、パワードスーツの中身が女だということ、宇宙を航行中に遭難したということくらいだ。
そして、情報交換をしたのだが、お互いの知る常識が大きく異なっていた。まるで、相手が別の宇宙から来たかのようにだ。実際、プラズマギャラクシーに別の宇宙から来訪者が現れることは珍しい話ではない。とりあえず、プラズマギャラクシーについて説明しようとしたのだが、突然地揺れが発生し、地面を割ってプラズマ怪獣が現れた。俺は、サムスを連れて岩影に隠れた。
そいつは古代怪獣ツインテール、今回の獲物だ。下部にある頭と高く上げている尾、尾の先に付いている2本の鞭が特徴の怪獣だ。見る限り、奴のプラズマソウルは頭の上に1つ、頭のサイドに2つ、鞭の先に2つ、胴体に3つというところだ。
「来たぜガルムの旦那!そいつは誰なんだ!?」
ガルムという宇宙人と私のところに、2人の宇宙人が降り立った。1人は、右腕にサーベルを装着した炎のような色の髪が特徴的な宇宙人。
「・・・・・・」
もう1人は、甲殻類のような意匠の機械的な青い宇宙人。右手がゼーベス星人のようにハサミになっており、頭には2つに別れた角が付いていた。そして、そいつは無口だった。
「ヒヨッコ、若造、来たか。こいつは遭難者の地球人、サムスだ。しかも、別の宇宙から来たらしい」
後で知ったのだが、サーベルの方がマグママスター・マグナ、ハサミの方がバルタンバトラー・バレルという名前とのことだった。
「サムス・アランだ」
「その声、おめえもしかして女なのか!?」
大きく反応するのは、マグナという宇宙人。いかにも熱血という感じの奴だった。
「そうだが、悪いか?」
「ビックリしただけだぜ。こんなゴツイパワードスーツの中身が女なんて普通は思わないだろ?」
「ヒヨッコ、それだけは俺も同感だ。俺も最初は驚いた。だが、こんな無駄話をしている暇はない。獲物は目の前だ」
「ガルム、私もハンティングに参加していいだろうか?このパワードスーツの武装がどれだけ通じるか試したい」
目の前の巨大生物は、45m級の大きさ。惑星ゼーベスの原生生物クレイドよりも巨大だった。
「構わないが、あそこまで大きい奴と戦った経験はあるのか?」
「あそこまで大きいのは経験がない。だが、弱点さえ分かれば問題ない」
「自信はあるみたいだな。プラズマ怪獣の弱点は体表のプラズマソウルだ。全て壊せば倒せる」
「なるほど、だったらやれる」
こうして、3人の宇宙人+地球人サムスによる怪獣ハンティングが開始されようとしていた。
捕捉ですが、メトロイド世界の時系列はスーパーメトロイド後です。