最狂の転生者がモルモットになる話。   作:最弱神

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ジュニア期のやることの少なさと自身の原作知識の少なさに頭を悩ませながら書いてます。あと理事長のURAファイナルズ開催発表がかなり遅れましたね…知識の少なさから来たミスです。
あと今回巻けそうなところは巻いてます。


第十話 「修羅、驚愕する」

危なげ無くメイクデビューを制し、一つ駒を進めた二人。その事について取材を受けてもらいたいと理事長から言われたので、二つ返事で了解した。

 

「さて、そろそろ記者が来るな…どんなのなんだろ?理事長が言うには熱意があるらしいが…」

 

「失礼します。」

 

「あ、取材申し込んできた記者さんですか?」

 

「はい。初めまして、本日取材させていただきます月刊トゥインクルの乙名史(おとなし)悦子(えつこ)と申します。本日は宜しくお願いしますね。濱田トレーナーさん。」

 

そう言って名刺を差し出してきたので受け取りこちらも名刺を渡す。

 

「これはご丁寧に。タキオンのトレーナーをしてる濱田です。本日は宜しくお願いします。」

 

「普段通りで構いませんよ?敬語も使わないで結構です。」

 

「そう?ならお言葉に甘えて…」

 

そんな感じで取材がスタートした、最初は簡単な質問だったので無難な感じに答えておく。

 

「…なるほど。つまり、貴方のトレーナーとしての役割はーー」

 

「担当ウマ娘が夢を掴む手伝いをすること…かな。」

 

「…。」

 

急に乙名史記者が豆鉄砲を食らったように止まる。そして尚人の方をじっと見ている。

 

「…乙名史記者?どうしたんだ?」

 

「…す。」

 

「す?」

 

「す…す、す…!!素晴らしいです!!」

 

「!?」

 

フリーズしていたかと思ったら急に立ち上がり大きな声で叫ぶ。その行動に思わず尚人は動揺した。

 

「ご担当のウマ娘に夢を掴ませる!その手伝いをする!そう仰いましたね!?」

 

「え、えぇ…確かにそうですが。」

 

あまりのテンションの上がり具合に思わず敬語になる。それほどに尚人は圧されていた。

 

「つまりそれは、夢を掴ませるためならすべてを受け入れるということっ!!トレーニングを頼まれたらいつでも付き合い、レースの後の疲労回復は名湯巡り、水が飲みたいと言えば、山まで汲みに行く!ああ…トレーナーさんのお覚悟、とても…とても感服いたしましたぁ…!」

 

「そ、そうですね。」

 

そんなことこれっぽっちも言っていないが、実際頼まれたら温泉に連れて行ったり、山の水汲みくらいは余裕で出来るので頷いておく。

 

「上々ッ!早速取材が始まっているようだな!」

 

そう言って理事長が入ってくる。

 

「あ、理事長。お疲れ様です。」

 

「うむッ!どうだ!このトレーナーはなかなかの逸材だろう?」

 

「ええ、ええ!私、初対面ながら取り乱すほどに感服いたしました…!」

 

「果たしてあれを取り乱すなんて生温い説明で良いのだろうか?」と思ったが黙っておく。余計事が拗れそうだ。

 

「ウマ娘のためであれば、たとえ嵐の中にさえ飛び込んでいく覚悟がおありになるとか…!」

 

「言ってねぇよ?まぁそれくらいならやるけど。」

 

「重畳ッ!!さすがだな!それでこそ、スターウマ娘候補のトレーナー!」

 

そのあと2、3問質問された後、取材は終わった。少々人の話を聞かないところはあるが、理事長の言っていた通り、とても熱意のある記者だった。

 

(つーかこの世界人の話聞かない奴多すぎだろ…それとも俺が会った事ある奴が人の話聞かない奴ばっかなのか…?)

 


 

数日後

 

朝にスマホを確認すると理事長からトレーナー及び学園所属のウマ娘全員へメールが届いていた。内容は『伝令ッ!本日13:30より緊急の会見を行う!!会見後に全校集会を行うので全員体育館に集合すべし!!』だった。

 

「理事長…?なんだろ、あの時言ってた企画の説明とかか?」

 

タキオンの性格を考えるとたとえ来るように言ってもほぼ確実に来ないと思われるが、念のため伝えておき、会見をスマホで視聴する。そこで理事長が言ったことは…

 

「提言ッ!トレセン学園理事長の名において、ここにーー新レース、『URAファイナルズ』の開催を宣言するッ!!!」

 

会場、そして学園中にざわめきが巻き起こる。が、それを気にも止めずに理事長は詳細を説明する。

 

「『URAファイナルズ』とは、言うなれば『全てのウマ娘にチャンスを与えるレース』。あらゆるウマ娘が、己の全力で以て、頂点を!最強を!トップの座を!!競うことができるレースなのだッ!!!」

 

周りのざわめきが大きくなる、あと乙名史記者は相変わらず人が変わってる。

 

「チャンスを…トップの座を…あらゆるウマ娘が…!!…ふ。ふふ。ふふふふふふっ…!!はぁぁぁぁっ…!これは、面白いことになってきましたぁ…!」

 

その後、今度は体育館で学園関係者に向けた説明を聞く。内容は大雑把に分けて4つだった。

全距離、全コースでG1レベルのレースになる『URAファイナルズ』を行うこと。

参加するには多くのファンを得てスターウマ娘にならなければいけないこと。

それぞれの距離などで予選、準決勝、決勝としてレースを行い、1着を取ったウマ娘とトレーナーには『初代URAファイナルズチャンピオン』という最高の名誉を与えられること。

開催予定日は3年後だということ。

これらを聞いて流せるような者は居なかった。いつの世も知的生命体は一番という言葉に弱いのである。無論尚人もその一人だった。

 

「…狙うなら芝、中距離かな…ファン集めは…ファンサービスはタキオンの性格的にキツいか…?」

 

頭の中で考えていた今後の予定を更新し、どうやってタキオンをスターウマ娘まで育て上げるかを考える。そんなことをしていたら集会は終わってた。

 

「あ、もう終わってた。タキオンの元に行くか。」

 


 

「というわけでタキオン、このURAファイナルズは恐らくデータを得るには最高の機会だと考えられるんだよ。」

 

「そうかい。URAファイナルズに出走するには、ファンを集める必要があるが…どうやって集めるんだい?」

 

「クラシック三冠を取る。ただこのままじゃファン不足で最初の弥生賞にも出れないからその前にホープフルステークスも出走したい。」

 

クラシック三冠…G1レースでも特に強いウマ娘が出ると言われる『皐月賞』『日本ダービー』『菊花賞』を制覇したウマ娘に与えられる称号だ。これを取ればスターウマ娘に大きく近付けるだろう。

 

「ふぅン…『ホープフルステークス』に『皐月賞』『日本ダービー』『菊花賞』を見据えて…最初の目標は『ホープフルステークス』か。なるほど?しかしメイクデビューの次がG1レースで、その後の目標がクラシック三冠とは!随分とまあ、強気だね?」

 

聞いてくれてはいるが、どこか乗り気じゃなさそうだ。やはりこの前の違和感が原因か?

 

「フ、期待を寄せるのは君の勝手だ。否定はしないよ?このローテーションも、まぁ、君の思い描く未来にマッチしていると思うしね。目指すのは構わない。ただし、この通りのレースに出る約束は出来ない。出るかどうかは自分で決めるよ。1番の目的は研究だからね!無駄なことに使う時間はないのさ。」

 

「そうか…ま、最悪ドタキャンされても説教したりしねぇから。理由は聞くけど。」

 

そんなこんなで、次に出るレースの予定が(一応)決まった。果たして上手くいくのだろうか…




『乙名史悦子』
月刊トゥインクルという雑誌を担当している記者。ウマ娘に関する知識はその辺のトレーナーよりも高く、熱意がよく分かる。興奮すると人の話を聞かなくなるのが玉にキズ。
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