最狂の転生者がモルモットになる話。   作:最弱神

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就職活動などをしていたら遅くなってしまいました。大変申し訳ありません。これからも不安定になるかもしれませんが、気長にお待ちください。


第十四話 「修羅、奔走する」

トレーニング後、会議室

 

「…ということで、これからサイレンススズカの恋愛成就作戦会議を行います。チームスピカの皆さん今日は宜しくお願いします。」

 

会議室には、尚人とチームスピカのメンバー全員を集めた。沖野トレーナーは書類作成で居ない。

 

「ちょっと待って?もしかして…皆知ってたの?」

 

「少なくともスピカ全員が気付いてたぞ?」

 

「嘘でしょ…」

 

「恋してるんですかスズカさん!?」

 

そう驚くのはスペシャルウィーク。北海道から越してきたウマ娘で、食事量と脚の速さは中央トレセンでも一二を争うほどだという。

 

「…すまん、スペシャルウィーク以外はに訂正する。」

 

「…で、誰に恋してるんですか?」

 

「スペちゃん…そんな大声で言わないで…」

 

「そりゃ…トレーナーだろ?」

 

「ヤッパリゴールドシップモソウオモッテタ?」

 

「…///」

 

「話を戻そう。恋愛成就に必要なのは相手を知ることと聞く。沖野トレーナーについて知ってることを教えてくれ。」

 

そうして沖野トレーナーについての情報を纏めていく。が、大した情報は集まらなかった。せいぜい彼女とかが居ないことくらいしか分からなかった。

 

「…今分かる情報はこんなとこか。取り敢えず最悪の展開だけは無かったが…」

 

「意外と私たちトレーナーさんのこと知らないんですね…」

 

「…こうなったら、別の方法でいくしかないな。」

 

「別の方法…というと?」

 

「次のオフの時、サイレンススズカには沖野トレーナーと1日デートに行って貰う。」

 

「え!?」

 

周りから動揺と困惑が混ざったような声が飛び出してくるが無視して話を続ける。

 

「他のメンバーは後方支援(バックアップ)に専念して、良い雰囲気を作り出す。こんな感じか?」

 

「ちょ、ちょっと待てよ、展開急ぎすぎじゃないか?」

 

そんな風に待ったをかけるのはウオッカ。チームスピカ所属のウマ娘で、カッコいいものの憧れが強い不良気取りのウマ娘だ。なお同室のダイワスカーレットとはライバル同士でしょっちゅう競ってるらしい。

 

「あのな、学生生活ってのは長いようで短いんだ。最悪卒業後二度と会わない。」

 

「…っ!!」

 

「本来未成年の学生が教育者と恋愛関係になるって世間からかなり白い目で見られるか…まぁ約束を取り付けるくらいなら問題無いだろ。」

 

「…どうしてそこまでしてくれるのですか?」

 

…ここで正直に話すつもりも無かったので、尚人は本当とも嘘とも言えない内容で誤魔化した。

 

「決まってるだろ、いつかタキオンと戦う相手がそんな顔で競ってもつまらないからだよ。」

 

「…つまらない?」

 

「ああ、どうせなら最高の状態で戦って貰った方がどう考えても双方に良い。」

 

「そうだったのですか…」

 

「んじゃ、具体的なデートプランを決めようか…」

 

そんな感じで会議内容が変わりながらも話し合いを続け、準備を進める。

 


 

数日後 トレーナールーム

 

沖野トレーナーはうんうん言いながら悩んでいた。

 

「どうしたのですか沖野トレーナー?」

 

「ああ、濱田トレーナーか。実は担当達から息抜きとして遊園地に行こうって誘われてるが、今月も厳しくてな…おハナさんにはこの前借りたばっかりだし…」

 

「…10万もあれば良いですかね?」

 

「へ?」

 

「貸しますよ、金利期間担保一切無しで。」

 

そう言って尚人は机の上に10万円を置いた。

 

「いやそんなポンと渡されても!?」

 

「こういう時金が原因で断るのってトレーナーとしても男としても情けなくなりません?それにこう見えて昔結構稼いでたので。」

 

「だが…」

 

「私達トレーナーの最優先事項は何ですか?担当の為に動くことですよ?その為に必要なのが金なら、私は貸せる範囲なら貸しますよ。それにこの時期調整とかで忙しい筈なのにわざわざ誘ってくれたってことは結構良く思われてるんですよ。やり過ぎたら止めなきゃ駄目ですが、たまにはその気持ちに答えてもバチは当たりません。というか()()()()()()()。」

 

「…すまん、助かる!今度うまいメシでも食いに行こうぜ!」

 

「いえいえ、思いっきり楽しんで来て下さい。多分それが一番彼女たちに良いと思います。」

 


 

数日後 近場の遊園地

 

「いやー、晴れて良かったな!」

 

「そうですねトレーナーさん!」

 

そんな感じでスピカメンバーと沖野トレーナーは近くの遊園地に来ていた。表向きは今後の為の息抜きとして、本当の目的はサイレンススズカと沖野トレーナーを近付ける為である。

 

「どれから乗りたいんだお前ら?」

 

「トレーナーさん、もう他の皆居ませんよ?」

 

「は!?」

 

「スペちゃんは…」

 

あ!あれ美味しそう!!スズカさん!私行ってきますね!!

 

「って言って屋台に向かいました。」

 

「じゃあテイオーとマックイーンは!」

 

オオー!ゲンテイハチミーダ!

美味しそうなスイーツですわ!私ちょっと食べてきますわ!

 

「って言って甘味系の売り場に向かいました。」

 

「じゃあウオッカは!」

 

俺はスカーレットと決着を着ける!

望むところよ!かかってきなさい!!

 

「そう言ってスカーレットさんと対戦系のアトラクションに行きました。」

 

「じゃあゴルシ…は…うん、駄目か。スズカも一人で回るか?」

 

「…トレーナーさんと一緒が良いです。」

 

「お、おう…そうか。」

 

こうして二人は一緒に遊園地を楽しむ事にした。

 

「…イヤーアンナイイワケデツウジルモノナンダネ」

 

「私たちがああいう風に思われてるということでしょうか…」

 

「何でゴルシちゃんだけ理由聞かれないんだよ~…」

 


 

その後、ジェットコースターの先頭に一緒に乗ったり、コーヒーカップを楽しんだり、何故かゴールドシップがメインパフォーマーをやってるショーを観たり、今までの事を話しながらのんびり観覧車に乗ったりと楽しく濃密な時間を過ごした。

そして夕方…

 

「そろそろ戻らないと寮の門限に遅れるな…」

 

「そうですね…」

 

「ちょっとスズカはそこで待っててくれ、他のメンバー探してくるから…」

 

そう言って駆け出そうとした沖野トレーナーの裾をサイレンススズカはそっと掴む。

 

「…スズカ?」

 

「…トレーナーさん、少しだけ…二人きりになって下さい…」

 

「…分かった。」

 

二人は人気の無い場所に移動し、お互いを見る。そしてそれをスピカメンバーがバレないように見守る。

 

「…どうしたんだ、スズカ?」

 

「…トレーナーさん、その…私…」

 

(良いぞ、言っちまえ!)

 

(もう少しですよスズカさん!)

 

「私…トレーナーさんのこと、好きなんです!」

 

((((((言った!!)))))))

 

沖野トレーナーはとても動揺しており、咥えてた飴を落としてしまう。がそれを気にせずサイレンススズカは続きを話す。

 

「返事は…今は聞きません。だって今答えを聞いても…トレーナーさんは絶対に答えてくれない。立場や私たちの将来を考えて…答えてくれません。だからせめて、私が卒業して答えを聞けるようになるまで、待っていてくれませんか…!?」

 

教師と生徒の恋愛を…あまり世間は良い目で見ない。その事はサイレンススズカも分かっていた。ならせめて、待って貰う約束をし、先手を打っておくことにしたのだ。

 

「スズカ…確かにスズカの言う通りだ。今返事をしようとすると…断るしか無い。ただ、卒業後なら改めて返事を考えることが出来る。分かった、こんなおっさんで良いなら…待ってるよ。」

 

「トレーナーさん…!!」

 

「言っておくが、今回の件はあいつらには秘密な?あと対応も変えずにちゃんと鍛えるからな。」

 

「はい!!」

 

こうして、デート大作戦は大成功に終わり、二人の絆はより強固な物になったのだった。




『近場の遊園地』
トレセン学園から電車で数駅進んだ所で営業している大型の遊園地。
子供からお年寄りまで皆の憩いの場になっている。
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