最狂の転生者がモルモットになる話。   作:最弱神

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相変わらず後書きのネタ切れを起こしてます…ファーザーモアが実装された時の性能でも書いときます。次回は天皇賞(春)になると思います。走るのはタキオンではありませんが。


第十八話 「修羅、披瀝する」

正月ムードもすっかり消えたある冬の日、アグネスタキオンとマンハッタンカフェは並走トレーニングをしていた。

 

「タキオンさん…最近はサボらずにトレーニングをしてるそうじゃないですか…」

 

「ふぅン?カフェからもそう見えるかい?」

 

「普段の貴女なら最低でも3日に1度は実験などの理由でサボるじゃないですか…どういう風の吹き回しなんですか…?」

 

「失礼だなぁカフェ!私が今欲しいのは実際に試した際のデータだよ。よってトレーニングのついでにそのデータを集める。実に合理的だろう?」

 

「…まぁ、そうですね。」

 

そうは言っているが、マンハッタンカフェは直感で感じていた。最近のタキオンが何処かおかしいことに…そして尚人もそれは気付いていた。その原因も…

 

「ふーっ、そろそろ私は上がらせて貰うよ。忘れないうちにデータを取っておきたいからね。カフェも肉体には気を付けたまえよ?」

 

「…了解、手伝うことは?」

 

「今回は集中したいからねぇ、特に無いよ。」

 

「そうか…んじゃ、お疲れ。」

 

「…アグネスタキオンのトレーナーさん。」

 

「…何だ?」

 

「最近のタキオンさんは…何処か変で…」

 

「分かってる。」

 

「分かってるって…本当にですか?」

 

「そんなに知りたいなら()()()()()()()()()にでも聞けば良い、並走ありがとな。それじゃ。」

 

そう言って尚人はその場を去る。

 

「待って下さい、貴方まさか見えて…」

 


 

「…知ってんだよ…積み立ててきたもん全部ブッ壊れる絶望も、異常が産まれた時から引っ付いてる悲しみも…」

 

そんな事を誰にも聞こえないように呟きながら彷徨いて居たら、気付けば校門まで来ていた。

 

「…どうしたのですか?そんな暗い顔初めて見ましたよ?」

 

「…ああ、たづなさんですか。気にしないで下さい、こっちの話です。」

 

「悩みは一人で抱えてても解決しませんよ?」

 

「…分かってます。」

 

「そうだ!この後予定空いてますか?」

 

「特に無いですけど…」

 

「では…一杯付き合ってくれませんか?」

 


 

居酒屋

 

「…ぷはぁ!!仕事終わりのビールは最高です!」

 

そう言いながらたづなさんはジョッキに入っていた生ビールを飲み干し、ツマミの焼き鳥を噛っていた。

 

「普段とはキャラ変わってますねたづなさん。」

 

「そうですか?濱田トレーナーはあまり飲まないんですね。」

 

「酒は今まで一人で飲んできたので誰かと一緒にどう飲めば良いのか分からないんですよね…」

 

「それじゃあ今日は飲めるだけ飲んじゃいましょう!」

 

そう言って駿川たづなはビール瓶をラッパ飲みし始めた。

 

「ほどほどにお願いしますよ…?」(アルコール耐性はある程度下げとくか…)

 


 

数十分後…

 

「なぁんでいつもいつもポケットマネーを勝手に使わないで下さいって言っても理事長は聞かないんでぇすか!!」

 

「…」(たづなさんって絡み上戸なんだな…)

 

「聞いてますか!?」

 

「いえ全く。」

 

「酷い!!」

 

そんな感じで話してると後ろから話し声が聞こえてきた。

 

「なぁ…せっかく出てこれたのに全然箸進んでねぇじゃねぇか。もっと食おうぜ?勤め果たした後の最初の飯なんだしよ。」

 

「いや…なんか俺なんかがこんな旨いもん食って良いのかなって…防衛とはいえ殺しだぞ?」

 

「良いんだよ、あの時はしょうがなかったんだ。」

 

「悪いな…俺みたいな前科ものは何も返せねぇし出来ねぇのに…」

 

その発言を聞いた瞬間に尚人がグラスを握る力が強くなる。当然その握力にグラスは耐えられる筈もなく…

 

パリーン!!

 

「!?」

 

握り潰されたグラスは破片と中に入っていたビールをばら撒きながら地面に落ちていった。

 

「…やっちまった…悪酔いしちまったか…?」

 

「だ、大丈夫ですか!?手とか傷付いて…」

 

「大丈夫です…これ弁償代と迷惑料と今回の代金です…釣りは要らないので余ったら適当に使ってください。」

 

尚人は駿川たづなに10万円を渡す。

 

「えっ!?」

 

「すんません、悪酔いしたっぽいので今日はもう帰ります…では。」

 

尚人はそう言うとすぐに店を出ていってしまった…

 

「…本当にいったい何があったのですか?濱田トレーナー…」

 


 

尚人の自宅

 

居酒屋から帰ってきた尚人は取り敢えず手を洗おうと洗面台の前に立っていた。しかし鏡に写ったのは尚人ではなく、尚人と同じ姿をした別のナニカだった…

 

「…幻覚系の耐性は完全にしてるんだがな…本格的に悪酔いしたか?あんな量でなるとは思えんが…」

 

…気付いてるだろう?

 

「幻聴までセットかよ…フルコースだな。」

 

貴様は過去数えるのも億劫になるほどの人間や天使、神々悪魔その他意志ある者達を殺してきた。

 

「数えてるし一人残らず覚えてるわ、82兆5366億3756万4771体。その内72兆3300億1236万2561人は人間。忘れられると思ったか?」

 

そんな殺戮者の貴様が誰かを救えると?

 

「今まで俺は償いの為に色んな奴の命を守ってきた、知ったような口を聞くな…!!」

 

予言しよう、貴様は彼女を…アグネスタキオンを

 

バキィ!!

 

鏡の中のナニカが言い終わる前に鏡をぶん殴って叩き割った。

 

「…黙ってろ、てめぇはただの悪夢だ、悪夢は寝てる間しか活動しちゃいけねぇ…現実にしゃしゃり出てくるなクソ野郎が。」

 

壊れた鏡を直しながら、尚人は言われた事を思い出す。

 

「…タキオンに打ち明けるべきかなぁ…脚に気付いてること…明日トレーナー室に呼び出すか…」

 


 

翌日 トレーナー室

 

「…で、用ってなんだい?トレーナー君?」

 

「…タキオン、俺はタキオンに黙ってた事がある。」

 

「なんだい?」

 

「…タキオンの脚について。」

 

「!?」

 

タキオンは動揺している。まさか知られてるとは思っていなかったのだろう。

 

「…確信したのは去年の夏、タキオンの脚を触れて確認した時だ。違和感を感じたのはメイクデビューの時だがな。」

 

「…そうだよ、私の脚は天性のスピードと最初の3年間も耐えられるか分からない程の脆さを兼ね備えていた。だから私は2つのプランの研究をしていたのさ。1つ目はプランA、これは私の脚の補強。私の脚で限界まで到達することを目標として、それに伴うエトセトラの実験だ。2つ目はプランB、プランBは私での到達を諦め、他のウマ娘を代わりに到達させる実験。この2つの研究を平行して行っていた。そんな中で、君がトレーナーになった。君は私の脚に期待してくれていた。クラシックレースに出ようと意気込んだ。」

 

タキオンは何かを思い出すように目を閉じた。それを尚人は…黙って見ていた。

 

「正直なところ、私も、クラシックレースの提案には夢を見たよ。しかし、現実は現実だ。私は…この脚がURAファイナルズどころかクラシック3冠を取ることすら私の脚には耐えられないと感じた。それにプランAの研究も進みが悪くてね。私のピーク中に、間に合うとは思えない。」

 

「…だからプランBに舵を切ろうとしていて、その他のウマ娘にマンハッタンカフェを選ぼうと考えていた?」

 

「正確にはもう切ったが正解だよ。トレーナー君には悪いがこれから私は自分の脚を壊してでもデータを得て、他のウマ娘に試す薬用のデータを取るつもりさ。」

 

「…」

 

「専属契約は破棄してくれて構わないよ。元々私は問題児と扱われてるしねぇ、他のウマ娘でも君なら強く出来るだろう。」

 

彼女の目は、あの時のように狂った色が消えてきている。このまま止めなければ、彼女は本当に自身の脚を壊すだろう。それを止めずにいるほど尚人は血も涙もない悪魔じゃない。

 

「…嫌だ。」

 

「は?」

 

「…ガキみたいだと笑ってくれて構わない。これから言うのはただの俺の我が儘だしな。」

 

「…何が言いたいんだい?」

 

「俺は…元々新人トレーナーとして何処かのチームのサブトレーナーとして勉強するつもりだったんだよ。けどなタキオン…タキオンと皇帝のあのレースを見て、俺は迷わずその道筋(ルート)を蹴った。何でだと思う?」

 

「君も言ってたじゃないか…私が言う"果て"…それが見たくなったと。」

 

「確かにそう言ったがな…俺はな、タキオンが果てを全力で追いかけるのを…支援し助ける道、それが()()()()だから俺はタキオンの担当になることを決めたんだ。頭可笑しいだろ?他のトレーナーなら『強くしたい』とか『レースに勝たせたい』とか考えるのを自分が面白そうと感じたからだぜ?ある意味トレーナー失格だろ?」

 

「…つまり君は、あくまで自分の為に私と契約したと?」

 

「ああそうだ。だからこそ、俺はタキオンの脚が壊れて欲しくないし、他の奴の面倒を見るのも御免だ。」

 

「…それでも、耐えられないことには…」

 

「そんなもん俺が耐えられるようにしてみせる!」

 

「…何を言うかと思えば、理屈の無いただの熱意だけで奇跡と呼ばれるものは起きないのだよ?」

 

「奇跡も魔法も要らねぇよ、タキオンが望むなら起こしてやるがな!」

 

「…本気で、言ってるのかい?」

 

「本気も本気、大本気(おおまじ)だよ…あまり俺を舐めないでくれ、俺は『濱田尚人』だぞ?」

 

そう言う彼の目は、タキオンをスカウトした時よりもずっと狂っていた。

 

「なんで…そこまで…?」

 

「決まってる、俺がお前のトレーナーで、俺が運命って奴が大嫌いだからだよ。」

 

「…君をそこまで狂わせたのは、私が原因かな…」

 

「元々かなりクレイジーだった自覚はあるがな。」

 

顔をニヤけさせながら尚人はそう言った。

 

「…良いだろう、私の脚が壊れるまで…君に賭けてみよう。」

 

「ありがとよ、もうタキオンが夜通し涙で枕を濡らす日は来させない。約束だ。」

 

尚人は約束をする時に行う指切りの為に小指を前に出す。

 

「君って案外詩人(ポエマー)なのかい?」

 

「ちょっと格好つけただけだよ…別に良いだろ?」

 

「ふぅン…まぁ良いだろう。」

 

そんな感じで2人は指切りをした。尚人とタキオンの間の絆が強まった気がした…




『ファーザーモア』
見た目
毛色 青鹿毛
髪型 ショートカット
耳 ボサボサで右耳に切れ込みが入ってる
尻尾 ボサボサ(一度切り落とそうとした)
勝負服 女番長をイメージした特攻服

概要
年齢 30代?
誕生日 不明
身長 166cm
体重 見た目よりかは重い

性能
バ場適正 芝B ダートA
距離適正 短距離C マイルB 中距離A 長距離A
脚質適正 逃げB 先行G 差しG 追い込みA
固有スキル 『死神の精算』
初期スキル 『直線巧者』『末脚』『ペースキープ』
覚醒スキル Lv2 『コーナー加速○』
Lv3 『円弧のマエストロ』
Lv4 『直線回復』
Lv5 『全身全霊』
練習適正 スピード10% パワー10% 根性10%

固有スキル 『死神の精算』
効果 レース中盤以降で追い抜いた時、前方を死神に魂を刈り取られたような感覚に襲わせて掛かりやすくし、速度を若干落とす&刈り取った魂を吸収し自身の速度が上がる

固有二つ名  『死神』
習得条件 G1レースで5回以上追い込み・四番人気以下で出場し一番人気のウマ娘をレース後半で追い越し一着を取る。
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