オラリオに神の子が来るのは間違っているだろうか? R 作:ケツアゴ
三ヶ月に一度開かれる
「なんだあれは!」
「鳥だ! いや、ドラゴンだ!」
そんな会合だが、基本的に意味の無い事を話す暇潰しの面が多く、開催場所はバベル。
既にそれなりの数が集まっていた時、緑の光を纏ってバベルに接近する存在に神々は騒ぎ出す。
尚、それがティオが召還した神馬に引かれた戦車であると分かっているのだが、神とは基本的にノリで動く存在なので仕方が無い。
「てか、あれってフレイがポセイドンから賭けで貰った奴だよな? 俺、天界で見た事あるぞ」
「嫁さん取られて、お気に入りの戦車も使われてるのか、フレイ……」
オラリオで結婚式まで挙げたのだ、ガウェインとフレイが夫婦だった事は知っているが、まさか神と人の間に子供が生まれたとは全知零能たる神であっても分かりはしない。
「……」
既に参加しており、ティオの両親が誰なのかを知っているフレイヤを除いて。
可愛い甥っ子が不義の子のように言われるのは神の感性であっても腹が立つのだろう、笑顔だが僅かに眉毛が動いている状態だ。
「ステンノ様、終わったら手を振って教えてくれれば迎えに来るから」
「ええ、分かったわ。ああ、それとこれはご褒美よ」
そんな神々の会話など知らず、好奇の視線も気にせずにイチャイチャしている二人、腰を抱えられ密着していたステンノはお姫様抱っこされて戦車からバベル内に着地し、降ろそうとした時にステンノの唇がティオの頬に軽く触れた。
「……すげー。俺、フレイヤ様と出掛けたと知って何時ものパターンかと思ったよ」
「友神だから返したって感じじゃねーな」
「そんな事より空飛べる戦車とか乗りてー」
そんな様子を目にして驚きつつも好き勝手口にする神々、フレイヤは二人の様子を目にしてすっかりご満悦だ。
「早く素直になって結婚すれば良いのに……」
そんな彼女の呟きは誰にも気付かれてはいない。
「……ふぅん」
そのフレイヤも気付いていない事だが、二人の様子をジッと眺める女神の姿があった。
「それで何か面白そうな話とかあるか?」
「はいはーい! フレイがまた大規模な盗賊団ぶっ潰したってさ」
「相変わらずだなー」
「あっ、メレンでフレイヤ様が珍しいモンスターを発見したってのは?」
「黙秘するわ」
「詰まらない。だが、それが良い!」
「それじゃあ二つ名を決めようか。先ずはアンリマユの所のカレンだ!」
「え? マジで俺ん所が最初? まあ、お手柔らかに頼むぜ?」
「確かに儚い感じの美少女だ、苛めたら可哀想だよな。だが、断る!」
「だと思ったぜ」
基本的に二つ名は悪ノリで決定される、神にとっては痛々しく、人にとってはセンスがバツグンの物にされる事が多いのもあり、神は己の眷属が痛々しい二つ名を堂々と名乗る事にダメージを受けるのだ。
「次はフレイヤ様の所のアレンだけれど……おおっ、遂に副団長までLv.7か」
「確か発表では”大賢者”に散々やられても最後は課題をクリアしたとか」
「ロキ、うかうかしてられねぇんじゃないの?」
だが、それはあくまでも力の弱いファミリアへの洗礼のような物、力のあるファミリアならばマトモな二つ名を勝ち取る事は容易であり、今回もアレンの二つ名は変更無しで終わる。
「んじゃ、続いてステンノ・ファミリアだけれど3と4か」
一度のランクアップさえしない者が大半を占める以上、Lv.4にまでなった団員を抱えるステンノのファミリアは初参加ながら決して発言力が弱くは無い。
フレイヤと親密な仲なのも周知の事実であり、フレイ・ファミリアの関係者だとも知っているので喧嘩を売ろうとする神は流石に居なかった。
「えっと、先ずはアナちゃんの方にしようか。……てか、この子ってステンノの所の妹に似てねぇ?」
「あー、三女が姉二人と同じ位の見た目ならこんな感じか」
「じゃあ……”小女神《メドゥーサ》とか?」
「あら、だメドゥーサよりもアナの方が可愛いわよ? 妹の癖に姉よりも無駄に大きいし。でも、悪くは無いわね」
「主神で姉もこう言ってるし、それで良いんじゃねぇ? じゃあ、次はティオ・アヴァロンか。……この子、戦い方はどんなの?」
「母親そっくりだと俺の眷属が言ってたぞ」
「じゃあハイエルフなのにバリバリの前衛か。あっ、俺は回復魔法使ってたって聞いたけれど……」
「私の所は死んだ子の遺品を持ち帰って貰ったし、変な名前は止したいわ」
アナは直ぐに決まったが、ティオの方は難航する。
そんな中、口を開いたのはフレイヤ・ファミリアと同等の規模を誇るファミリアの主神であるロキだった。
「ちょっと前に本人に会ったウチの眷属からの話やけれど、こないなのはどうや?」
空は青くて雲一つ無い、こんな日には花畑にお弁当でも持ってピクニックにでも行きたい気分だけれどそうは行かない。
今僕が居るのはバベルで神々が集まっている部屋の窓がよく見える建物の屋根の上だ。
「ちゃんと掃除しておくんだよ!」
「大丈夫大丈夫。散らかしたままになんてしないさ、ミアさん」
具体的に言うと”豊穣の女主人”の屋根の上、お店で注文した食べ物と飲み物を自分で運び、食べ終わった後で掃除をしろと掃除道具を渡されて漸く許可された。
まあ、他人の家の屋根の上で何か飲み食いしながら待つんだからその程度は仕方無い。
目を凝らし、道行く人達を……その魂を観察する。
フレイヤ様が魂を気に入った相手を引き抜いて回る気持ちが分かる、こうして眺めているだけで暇は潰せるよ。
「……おい」
「やあ、アレンさん。妹さんの様子でも見に……っと、そんなに睨まないで」
前にピクニックに行った時は花の冠をステンノ様の分だけでなくってアナの分まで作らされて、母さんが留守だったからお弁当も全部僕が用意させられた、そんな事を思い出しているとアレンさんが背後に飛び上がって来た。
ちょっとからかったら触れちゃ駄目な部分に直撃だったみたいだね。
「つい言ってしまったんだ。僕の所は何だかんだで妹とは仲良くやっているからね。……それで手に持ってる妙な物は何?」
恐らく僕の所に持って来たんだろう妙な魔石、何か妙な色が混ざってるって言うか、普通の魔石とは感じる力が違う。
舌打ちをしながら顔面目掛けて投げられたのをキャッチ、少し魔力を吸い取ってみれば確信に変わる。
「精霊……かな? モンスターが混じっているけれど……」
多分これは僕だから分かった事だと思う。
神だから感じ取れる事、恩恵を受けて研ぎ澄まされた感覚、それがスキルとも合わさって理解が出来た。
「これを調べろってフレイヤ様から……もう居ない。さて、そろそろ掃除するか」
ちょっと意識を外したら既に遙か彼方に去って行ったアレンさん、どうやら戦争でケイローン先生から出された課題関連でランクアップしたばかりで生まれた自信を壊されたらしいし、フレイヤ様を迎えに行った後で鍛えにでも行くんだろう。
……って、戻って来た。
「いや、妹生まれてたのか。フレイヤ様に伝えてねぇだろ、それ」
「ついウッカリね。アレンさん、フレイヤ様のお迎えのついでに伝えて……」
「親戚だろうが、テメェがやれや。教え忘れの巻き添え食らうだろうが」
妹、誰にしようか
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ラン子
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ガレス
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キャストリア
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ナーサリー