オラリオに神の子が来るのは間違っているだろうか? R 作:ケツアゴ
僕はティオ、ティオ・アヴァロン、お母さんはガウェインで、お父さんの名前はフレイ。
僕には先生が何人も居ます。
座学と格闘術と弓を教えてくれるケイローン先生、絶対に怒鳴ったりせずに丁寧に優しく教えてくれるけれど、優しい笑顔のまま厳しい所もあるんだ。
「大丈夫、君なら未だ出来ますよ。じゃあ、弓を四方から放つので弾きながら走りましょう」
僕が眠っちゃうまで走り込みをさせるし、組み手ではポンポン投げて来るから結構痛いんだよね。
もー! 優しく励ましてくれるから頑張れるけれどさ。
槍を教えてくれるのはスカサハ先生、凄く美人なんだけれど、凄く厳しい。
槍の稽古じゃ凄く痛いし、何度も宙を舞うし、正直言って怖いんだよね。
「立て。限界を超えろと言った筈だ。儂の期待に応えて見せよ」
お父さんの眷属の中には別行動している人も居て、中には他の先生をしてくれる人も居るんだけれど、スカサハ先生が一番怖い。
でも、僕が武器の中で一番槍が得意だと他の先生に自慢しているのは誇らしいな。
僕に期待してくれているんだし、張り切らなくっちゃ。
そして剣と魔法の先生はお祖父ちゃん、名前はマーリン。
えっとね、Lv.9に一番最初になった凄い人で、お父さんみたいな神様が
「じゃあ、今日は四肢の強化を保とうか。大丈夫、失敗しても良いからやってご覧」
朝はケイローン先生、昼はスカサハ先生が教えてくれて偶に同時にするんだけれど、お祖父ちゃんは夜に僕をお膝に乗せて魔法の勉強を教えてくれて、古代魔法で夢の中に入って剣を教えてくれる。
お祖父ちゃんが忙しい時はお母さんが剣を教えてくれるけれど、お母さんもお祖父ちゃんから習ったらしいんだ。
正直言って大変だけれど、皆、オラリオでも弟子が居て、同じ内容の修行をさせていたらしいし、これが普通ならもっと頑張らなくちゃね。
お父さんのフレイ・ファミリアはダンジョンがあるオラリオの外で悪さをするファミリアを邪魔したり、この前みたいに喋る……あっ、これは言っちゃ駄目なんだった。
それと三大クエストの一つである黒竜の調査とか、暴れている所から人を避難させたりとかしているんだよ、僕は危ないから小太郎さんとお留守番だけどさ。
世界中を回って旅をしているけれど、僕もオラリオには行ってみたいなあ……。
「ふふふふ。ほっぺがプニプニね」
今日出会ったお父さんに似ている女神様はお父さんの妹でフレイヤ様って言うらしい、伯母さんって呼ぶのは眷属の人が怒るから駄目だってさ。
うーん、確かにアレンさんって先生達には劣るけれどちょっと怖いな、目が。
そんな僕はフレイヤ様の膝に乗せられてほっぺを突っつかれながら大人の話を聞いているんだけれど、難しい話ばっかりだし、釣りに行く途中だった……あっ。
「先に行っているお祖父ちゃんにお弁当を持って行くんだった」
今日はスカサハ先生の授業が休みの日だしお祖父ちゃんと一緒にお母さんの作ってくれたお弁当を食べる予定だったんだ。
お母さんは凄く料理が上手で、僕もお手伝いしながら習っているんだ。
小太郎さんは”ハイエルフが家事をしている姿をエルフが見たら卒倒しそうですね”って言ったけれど、そのハイエルフがおーぞく? だって事がよく分かんないし、お母さんも分からなくて良いってさ。
「覚えていなさい。私もお祖父ちゃんも王族としての義務を放棄しました。だから王族としての権利も持っていません。ティオも自分が王族だと偉そうにしては駄目ですよ」
あっ、それとお父さんが神様だって言っちゃ駄目だったし、フレイヤ様に言っちゃったの後で怒られるのかな?
明後日、お祭りに連れて行って貰うのにお小遣い減らされたら困る……。
「じゃあ、私はアレンも何度も言っているし、他の眷属も心配しているだろうから帰るわ。運命の相手は見つからなかったけれど、もっと良い相手に会えたから満足ね」
「フレイヤたん、分かっていると思うけれど……」
「ええ、私だって可愛い甥っ子を危ない目に遭わせたくないし、兄さんの子供だって事は黙っているわ。じゃあ、ティオ、もしオラリオに来る事があれば顔を見せなさいね。私の眷属にしたい……んだけれど、ちょっと大変な環境だし、贔屓しちゃいそうだもの、止めておくわ」
「うん!」
「……兄さん、本当に連れて帰ったら駄目?」
「駄目!」
「フレイヤ様、それは流石に……」
結局、難しい話を半分寝ながら聞いていたらフレイヤ様は帰る事にしたらしく、最後に僕の頭を撫でて、抱っこして連れて帰ろうとしたけれどお父さんとアレンさんに止められていた。
……そーいえば別行動中の先生にも僕を養子にしたいって言ってお母さんに怒られている人が居たし、大人の女の人ってそんなのが多いのかな?
「しかし残念なのは彼女ね。一緒に行動しているって手紙で読んだから会えると思っていたのに用事で出ているだなんて。神友だから会いたかったのだけれど」
そうそう、昨日から居なくて寂しいんだけれど、フレイ・ファミリアと一緒に行動している女神様が居るんだ。
凄く綺麗な人で、僕、眷属にして貰うのはお父さんじゃなくっても良いや。
うーん、ランクアップしたら体の成長が遅れるし恩恵を貰うのはある程度育って体の動かし方を身に付けてからだって言われているけれど、僕も速く欲しいなあ。
先生達みたいになりたいんだよ。
「あれぇ? おかしいなあ。孫が私の分もお弁当を持って来てくれる筈だったんだけれど来ないぞ。困った困った」
この後、思い出してお弁当を持って行ったけれどお祖父ちゃんは叱らずに持ってきた事にお礼を言ってきたんだ。
反省しなくちゃね。
そして数年後、僕はオラリオにやって来た。
美しい女神様と一緒にだ!
「此処がオラリオか。広いな」
少し受け付けで手間取ったけれど、僕と女神様は街の入り口付近で立ち止まって大勢の人が行き交うのを目にした後、バベルに目を向ける。
「ほら、ボサッとしていないで行くわよ。面倒な手続きでお昼過ぎになってしまったし、ご飯にしましょうか。揺れない程度に急ぎなさい」
「はい、ステンノ様!」
僕と共にオラリオに来てくれたのは麗しの女神ステンノ様、紫の髪をした美しさ、優雅と上品を形にし、男の憧れを具現化したかの如き存在。
そんな存在に雑踏を歩かせるなどさせられない、当然の如く僕は与えられた名誉ある仕事を全うする。
「女神を運ぶのだもの、揺らしたら駄目よ」
それはステンノ様に触れ、抱き上げ、足となる事。
当然お姫様抱っこである。
まさしく恋の奴隷として麗しの存在を近くに感じる光栄さに身を震わせそうになりながらも言われるがままに歩を進めた。
至近距離に愛しの女神のご尊顔、けれど見惚れて転んだり揺らしたりはしてはいけない。
最大かつ細心の注意を払い、己の役目を全うするんだ、僕。
「ちゃんと分かっているわね。後でご褒美をあげるわ」
……よし!
さて、フレイヤ様への連絡は知り合いでお祖父ちゃんに性格の似ている胡散臭い神に手紙を渡しているし、先ずはステンノ様の望みを叶えないと。
何処か気に入りそうなお店は……。
「あれ?」
「……あっ」
数分後、何故か都市最大ファミリアの主神であるフレイヤ様が夜は酒場をやっていそうな店で従業員として働いているのに遭遇した。
「あらあら、これは……ふふふ」
ステンノ様、何か悟ったらしいけれど、相変わらず美しい、好きだ。
父さんとフレイヤ様共通の友であり、僕の初恋の相手、僕の主神になってオラリオまで同行してくれた恩は生涯を掛けて返すとしよう。
仰る事は絶対だ。
……夜、同じベッドで寝るのは(健全)少し恥ずかしいけれど。
「此処にしましょうか。降ろしなさい、店の中では歩くわ」
「はい!」
言われた通りにステンノ様を店の中で降ろす。
何人か店員が此方を見ているけれど、ただ者じゃなさそうだ。
「……いや、何でオラリオに居るんだよ」
あっ、端の方にアレンさん発見。
あれ? あの胡散臭い神様、手紙を届けてくれていないのかな?
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