オラリオに神の子が来るのは間違っているだろうか? R   作:ケツアゴ

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今回ロキ・ファミリアにちょっとアンチ要素


アンケート終了! 圧倒的にキャストリア人気 リリィも使いやすそうだし候補に加えれば良かった、結果はどうなっていたか分からないけれど


失敗

「好み、ですか? 辛い物よりも甘い物が好きです。後は卵料理でしょうか?」

 

「えっとね、そうじゃなくてね」

 

 冒険者の相談等の支援が仕事のアドバイザー、その中でも特に熱心で新人にダンジョンに関する講義を行っているハーフエルフのエイナがアナの担当だ。

 希望はあるかと問われた際、ティオ同様に特に無いと答えた結果彼女となった。

 

 ちなみに今現在、ティオの担当であるミイシャは同じく担当しているロキ・ファミリアが昨日遠征から戻ったばかりなのもあって悲鳴を上げて同僚に助けを求めているが、誰も助けてくれはしない。

 神は沢山居るが神も仏も在りはしなかった。

 

 そんな講義もアナが既に知識は得ており、Lv.3なのもあって知識に穴が無いかの摺り合わせや復習が主であり、二人して真面目に行うものだからか比較的早く終わり、急に始まった雑談にアナは怪訝そうな表情を浮かべている。

 

「……成る程。アドバイザーとの親交を深める為のお話ですね。フレイ様の所に居た時、別行動している方が合流した際には女子会に参加させられました」

 

 ”専ら聞く係でしたが”と呟いた彼女が思い浮かべるのは女神の如く多情なアマゾネス。

 色事に奔放ではあったが誇り高く世話好きであり、ガウェインとは合わないようで合っていた奇妙な友人関係であった。

 尚、自分の美への拘りからアナの持つスキルに似た物を発現したり、スカサハとは相性が悪かったりしている。

 

「そ、そんな所かな? それでアナちゃんってどんな男の子が好み?」

 

「……分かりません。周りの男性はそんな風に意識もしませんでしたから。只、絶対的な条件として”何があっても私を受け入れる強い心の持ち主”でしょうか。……では、私に語らせたのですからエイナさんも話して下さい」

 

「わ、私も!? え、えっとね……」

 

 アドバイザーはギルドの顔だけあって美女揃い、当然言い寄る男も多く、話に聞き耳を立てる者がチラホラと見える。

 それに視線を向けたアナは話を切り上げるように立ち上がった。

 

 

「冗談です。詮索はするにもされるのも嫌いですし、この話は終わりにして、今後はお仕事の話だけにしましょう」

 

 それは拒絶の言葉、あくまで仕事上の関係以外は望まないという意思を示したアナはその場から去って行った。

 

 

「という事がありまして……何で撫でているのですか?」

 

 ホームに戻りエイナとの会話について話すアナ、ティオやステンノが他の人達との交流を深めて欲しいと願っているのは知っているが、モンスターと人間の関係や自分を売り買いした連中の事もあって抵抗があった。

 だから次からは頑張れと言われると思ったのだが、何故か両側から撫でられている。

 

 

「姉様は良いですが、ティオは止めて下さい、セクハラですよ」

 

 アナは心底嫌そうにティオの手を払いのけ、ステンノに抱きつくように腹に頭を埋め、ティオは少し大袈裟に肩を竦めていた。

 

「うわっ、酷っ! 人が折角お前の成長を喜んでやっているのにさ」

 

「成長……?」

 

「ええ、成長よ、アナ。出会った頃の貴女だったら講義すら受けなかったでしょうし、Lv.2になった頃の貴女じゃ講義後のお喋りになんて付き合わなかったでしょう」

 

「そうですか? 自分では分からないものですね……」

 

 二人に言われてもハッキリとは分からない、アナはそんな態度で首を傾げ、お腹がグゥとなった。

 

 

「そろそろご飯に行きましょうか。今日はロキ・ファミリアが宴会の予約を入れているらしくてフレイヤも大変そうなのよ。ちょっと見に行きましょう」

 

 悪戯をする時の少し恐ろしい笑顔を浮かべながらステンノはアナの頭をもう一度優しく撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ! この席に座って下さい!」

 

 うわっ、フレイヤ様怒ってるっ!

 

 自信作だったクラムチャウダーを冷蔵庫に仕舞った後、僕達は豊穣の女主人にまでやって来たけれど、僕達を案内してくれたのはフレイヤ様、シルの時間だから接客スマイルだったけれど他の客やウエイトレスからは見えない角度で女神の顔になった上にテーブルの下で手を抓られた。

 

 妹の存在を伝え忘れていたの相当怒っているな、どうしよう。

 彼奴の存在は当たり前だったし、誰にでも家族構成を敢えて言う事でもないって感じだから言い忘れただけだったのに……。

 

 

「取り敢えず僕は本日のパスタとオススメ料理を魚と肉、それぞれ三人前。飲み物はジュースで」

 

「私はワインと魚料理にするわ。ティオ、食べきれない分は貴方が食べなさい。食べさせてあげるから」

 

「私はジュースと本日のパスタで」

 

「はい、少々お待ち下さい」

 

 僕達の注文を受け取ったフレイヤ様がテーブルから離れる時、小さなメモを渡されたけれど、”今度ホームに行った時に教えて貰うわよ、存分に”、か。

 

 

「彼奴についてなんて”お転婆で元気なのが取り柄”としか説明出来ないんだけれどなあ……」

 

 兄から見た妹なんてそんな物だろう、容姿が良いとか何とかは普通兄妹間でする紹介じゃないし、中身も僕からすれば元気とかその程度しか浮かばない物だ。

 そもそも紹介する相手だって身内だし……。

 

 

「アレンさんに相談するか……お祖父ちゃんに頼もうか」

 

 何処からか”馬鹿、止めろ。知るか、自分で解決しやがれ”とか聞こえた気がするけれど気のせいかな。

 

 

 そして料理が運ばれて来た頃、僕がステンノ様の顔を見つめるのに夢中になって居た時、トイレに行っていたアナがカウンターの方に視線を向けていた。

 テーブルには料理が置かれているし、誰かが席を立ったのかな……いや、誰か隠れている。

 

 

 

「知り合いでも居た?」

 

「いえ、名前も声も知らない何処かの誰かが居ただけです」

 

 ……成る程、助けられたのにお礼も言わずに逃げ去った奴がアナの姿を見て気まずくなった、そんな所か。

 アナも特に興味が無さそうだけれど、只でさえ人間不信なんだから勘弁して欲しい気分だよ。

 

「あら、騒がしいのが来たわね。ちょっと面倒だから貴方で私を隠しなさい」

 

 騒ぎながらやって来たのは周囲の話し声からしてロキ・ファミリアで間違い無いのだろう、特に興味が無い相手だ、主神と団長は別として。

 

 団長の方は兄弟子、挨拶くらいはしておきたいけれど、主神の方は父さんの元カノだから母さんに恋人を取られた、しかも女神だ、面倒臭い。

 ステンノ様が会いたくないみたいだし、僕はステンノ様を体の陰に隠しながらロキ・ファミリアに背中を向けて、アナもフードを深く被って顔を見られないようにしていた。

 まあ、印象深いだろうしさ。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ行きましょうか」

 

 ロキ・ファミリアは随分と盛り上がっているし、他の客の陰に隠れるようにして店を出ていこうとする。

 その際、ちょっと不愉快な話が聞こえたんだけれど……。

 

 

 例のミノタウロスはロキ・ファミリアが大量に出て来たのを逃がしてしまったけれど、それに追われた例の冒険者を幹部らしい男が仲間を口説く為に貶し始めた。

 そして本人は途中で逃げ出した。

 

 

 ……まあ、彼が死にかけたのは実力からして進み過ぎな階層で、ダンジョンだからどんな理由で死にかけようとも自己責任、同情はしない。

 これで心折れるのなら逆に彼の為だ、そうなら今回の件が無くても何処かで死んでしまうだけだ。

 

 その場合、あのベートって男は彼の命の恩人って事になるのかな?

 

 

 

「あの……」

 

 おっと、彼に気が付いて追いかけようとしたのか金髪の少女がアナに話しかけようとしたけれど、アナはその横をすり抜けた。

 

 

 

 

 

 

「Lv.5や6なら逃げ出した瞬間に回り込んで大半を押さえ込んで直ぐに全部倒せたでしょうに、逃げ出した事に驚いて対処が遅れたのでしょうね。結果論かも知れませんが……実力からして直ぐに逃げ出せたから生き残ったであろう彼の方が咄嗟の判断力が優れて居るのでは? お仲間にお伝え下さい。長年やってその程度なら冒険者には向いていないから死ぬ前に辞めたらどうですか、と」

 

 その際に最大限の嫌味まで向けてだ。

 ったく、面倒な所に喧嘩を売っちゃってさ……人間不信が深まったみたいだし、店に来たのは失敗だったか。

 

 

 

 

「あら? アナ、何処に行くのかしら?」

 

 バベルの方に視線を向けたアナはそのままホームとは別の方角へと向かう。

 ステンノ様の問い掛けにアナは一瞬だけ足を止めた。

 

「恩知らずの恥知らずが命知らずだったみたいなので、誰かさん達の尻拭いです」

 




ミノタウロスがバラバラに逃げる前にベートやフィンが階段で回り込めば大半は押さえ込めて、残りが取りこぼしを追う マンガを見ていると可能だった気がするのですよね
驚いて動かなかったっぽい描写もあったし アニメでも遭遇時にナメプしてたし


アナはその場にいなかったので 結果論とは認めています

オリジナルの方も更新したのでよろしくお願いします

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