オラリオに神の子が来るのは間違っているだろうか? R 作:ケツアゴ
ダンジョンで私をお母さんと間違えた女の人、ジャンヌというらしい彼女との話し合いの席があるから来ないかと誘われた時、ロキやリヴェリアは断って欲しい様に見えたけれど私は迷わず行く事にした。
初めて会った人なのに私の中の何かが反応して、何故か懐かしいと思った不思議な人。
あの人が誰なのかを知りたい、お母さんを知っている理由を知りたい。
そして気になった事はもう一つ。
「ロキ、リヴェリア。フレイってどんな神様だったの?」
あの赤い髪の人も私をお母さんと間違えたけれど、誰かに言われて私を連れて行こうとしていた彼女が現れたのはジャンヌさんと……神フレイを追い掛けて来たと行っていたけれど……。
「もの凄い女誑しやったで。フレイヤの兄として存在しとる奴や。天界での奴はフレイヤの噂を参考にしたら予想出来るやろ。……ウチもちょっとの間だけ恋人やったちゅうか、領地が近い女神は殆ど手を出しとったで、あの色ボケ」
「私が森で暮らしていた頃には随分と落ち着いていたがな。まあ、それでも冗談で口説く真似をしては私の母や祖母に叱られていたが、その口説き文句を本気にして惚れ込んだのが従姉妹に居てな。猛アタックの末に恋人になって結婚までしたのが居るんだ」
神様が天界から降りて来た最初の頃からエルフと過ごしていたって聞いたからロキとリヴェリアに聞いてみたけれど、神様と人間が恋愛の末に結婚するなんて事があるんだ……。
二人の反応は別物で、ロキがちょっと怒ったり拗ねた感じなのにリヴェリアは少し困った人だけれど親しみを
「あれ? でも確かその人の息子がステンノ・ファミリアの団長だってレフィーヤから……」
「神との結婚だが、フレイ様はエルフにとって特別な存在だからな。エルフの中では巫女として仕えているのだと判断した者も多い。ハイエルフの血を残すのも大切だと結婚相手以外との間に子が居ようが不貞とは捉えていないんだ」
「そ、そんな事よりも急ぐで。遅れるのも良いけれど、リヴェリアやフィンは親戚の子や弟弟子の前で遅刻する姿とか見せたくないらしいし……」
本当に二人の様子は何か変。
二人に会わせたくないないみたいな態度だったっし、今だって
実は私は少し彼が気になっている、それは恋愛とかの意味じゃなく、その特異的な力への興味から。
天界に存在していた戦車を呼び出して使えるだけでも驚きなのに、Lv.4にも関わらずLv.6以上の動きをしていたから、その力の秘密を知りたい。
だって私はもっと強くならないといけないから……。
神フレイヤが仲介役として用意したというのは路地を少し曲がった先にあった小さな喫茶店。
今日はお休みらしいから使わせて貰うけれど、どうしてこんな店を建てたんだろう。
「おうおう、先に来てたんかい」
「まあ、親戚や兄弟子も来ますし、遅れる訳にはね。……どうも」
「どうも」
彼とはダンジョンで会ったのが最後、ちゃんとした言葉も交わしていないけれど、何故かジャンヌさんみたいに私の心をざわつかせる。
風が、お母さんから受け継いだ力が反応しているの?
「やあ、あの地獄を潜り抜けた同士よ。元気にしているみたいで安心したよ」
「フィンさんもお元気そうで。….まあ、互いにそろそろ元気じゃなくなるかも知れませんが」
「おいおい、何を言ってるんだい? 縁起でもない。まるで師匠がオラリオに戻って来るみたいじゃ……来るのかい? あの人がまさか……」
……あれ? フィンが震えている?
思い出すのはフィンが師匠と呼ぶ人に鍛えられた冒険者は皆凄く強い人だと聞いた時の事。
当日L v2になったあと暫く経った頃で焦っていたのを覚えている。
今まで以上にステイタスの伸びが悪くなって、だから同じ修行をつけて欲しいとお願いしたんだけれど、その瞬間に今と同様の反応を見せた。
顔を真っ青にしながら震えて、普段のフィンとは違う様子で私の肩に手を置いて言った。
『アイズ、覚えておいてくれ。僕はあんな修行という名の拷問を行う冷血無情の悪鬼羅刹の真似は到底不可能だ。うん、強くなったしお世話にもなった。尊敬もしているけれど……それでも師匠の真似はしちゃいけないんだよ、人として』
あの時のフィンの表情が真剣過ぎて当時の私は諦めたけれど、今から会う相手なら第一級冒険者になった私に教えてくれるかも知れない。
もう限界を迎えた今より殻を破る為にも、私は何か力を得る方法を……。
「お久し振りですね、アリ……いえ、アイズ・ヴァレンシュタインさん。先日は失礼を致しました」
「いえ、大丈夫です……」
私の中で力への欲求が高まった時、まるでそれを諌めて落ち着かせるかの様な静かな声がジャンヌさんから掛けられる。
やっぱり彼女を前にすると変な感覚を覚えるのは勘違いじゃなかったんだ。
懐かしくて暖かい、そんな奇妙な感覚に後押しされる様にして、気が付けば私は彼女の方へと歩み寄っていた。
「ジャンヌさんは一体何者なんですか? お母さんとは、アリアとは一体どんな関係で……」
「それをお話しする為に本日は参りました。では、入りましょうか、皆様」
ロキ達は油断するなと言っていたけれど、私には彼女を警戒する事が出来ない。
何だろう、この妙な感覚の正体は。
お母さんと一緒にいる時に似ているみたいで違って、ファミリアの皆と過ごしている時とも似ているけれど違う、そんな安心感。
親戚のお姉さんが居たならこんな感覚なのかな?
「さて、早速ですが私が何者なのかをお話し致しましょう」
他に誰も居ないお店の中に入って向かい合わせに座った途端にジャンヌさんが口を開く。
それと同時に彼女の周囲に突然現れた水、それにロキ達が咄嗟に身構えたけれど、私は宙に浮く水を目にしてとある言葉が頭に浮かんだ。
「……精霊?」
そう、その水から感じ取った力はお母さんや私の風と同じ物、精霊が振るう力だったのだから。
「その通り、私は精霊です。主であるフレイ様の命令でダンジョン奥地へと向かった末にダンジョンに取り込まれてしまっていたのですが、ティオ様……こほん、ティオ君によってこの様に精霊に戻して貰いました」
私達が驚いて声を失う中、最初に口を開いたのはロキだった。
「……どうやって精霊に戻ったのかもステンノ・ファミリアの冒険者を名乗ってるのかは聞かんでおいてやるわ。でも、この質問には答えて貰うで。……赤髪の妙に強い女、あれは何者や?」
「え? 誰ですか、それ?」
精霊 誰? 活動報告でも
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