やはり俺が家出女と仲良くするのはまちがっている。 作:幅滝翔
とある日の小町からのメール
差出人:比企谷小町
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宛先:比企谷八幡
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知らない人
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お兄ちゃーん、買い物先で仲良くなった女の人と一緒に家寄ることになったから!もうすぐで買い物終わるから、小町たちが着く前に、飲み物とか用意しといてね。
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は?ちょっと小町ちゃん、お兄ちゃんよりコミュ力が高いのは羨ましいけどね、さすがに知らない人を家に連れてきたらダメでしょ?常識だよ?あと、どういう話したら家来ることになるんだよ!知りたいわ。
ん?あ、このメール30分前じゃん。やべぇ、小町に怒られる… ピンポーン あ、オワタ。
「お兄ちゃーーーん、ただいまぁー!」ニコニコ
「お、お邪魔します」
「ん?あれ、お兄ちゃん居ないのかな?まぁ上がって行ってください」
「あ、ありがとね」
良かったぁ、急いで準備したけど大丈夫だったぜ!八幡たら天才!!飲み物は自販機のやつをコップに移して、お菓子は適当にあった焼き菓子でも出しとけばOK!え、ペットボトルのはダメって?それは気にしない気にしない。
ん、ちょっと待てよ……女の人って書いてたから勝手に年上かと思ってたけど、声質的に年下っぽいな。挨拶だけしたら自分の部屋に篭ろう!
「あ、お兄ちゃん居るじゃん!居たなら返事してよねー」
「あ、おう」
「っ!!…………あ、初めまして」ペコ
「うん、挨拶はいいけどね、初対面の人の顔を見てびっくりするのは失礼だと思うな?ショックで泣くよ、俺」
「お兄ちゃん、初対面の人の前で泣くのもダメだと思うな………まぁそれは置いといて改めて自己紹介しましょうか」ニコッ
置いとくのかよ、うわぁーんうわぁーんって泣くぞごら!
はい、気持ち悪いですねごめんなさい。
ゴホン、まずはこの人の事で分かったことを挙げよう
①名前は中野二乃というらしい→ほう、聞いたことないな(当たり前)
②住んでいるとこは愛知県らしい→え、遠すぎやろここ千葉やぞ?まぁ新幹線とかでちょちょいのちょいか
③五つ子の姉妹らしい→は?初めて聞いたぞ、その言葉。お母さん大丈夫?
④ツンデレ→そ、そうか
⑤姉妹思い→良い奴じゃねぇか
⑥家出した理由は、みんなが家庭教師の味方をするから→え、いい事じゃないのか?知らんけど
⑦千葉に居た理由は、怒りに任せて電車に乗ったら、いつの間にか居たらしい→いや、普通に考えてすごいな。愛知から千葉って結構あるぞ距離。もうその間を知らないことがすごい
⑧お金が見当たらないらしい→行きの運賃しかなかったのか、泥棒に取られたのか。まぁどっちにしろ可哀想だな
⑨親に言ったら、どっかで数日間泊まれる許可を得たらしい→ん、もしかしてここに泊まる気か?嫌な予感が…
「────ということで、お兄ちゃん!今日は二乃さん泊まって行くから」(お姉ちゃん候補が増えたなぁ)ワクワク
「」(予感的中……)
「あ、小町ちゃん?寝る時ソファーの上でいいからね」
はぁ、俺のとこ使わすか。お客さんだししょうがないな……嫌だと思うけど我慢してくれることを願う。ていうか小町よ、そんなに睨まないでくれます?今すぐ言うから。あれ、笑ってる?どっちだよ
「あー、中野さん?嫌だと思うけど俺の部屋使っていいから。いやむしろ使え!後々小町になにされるか分かんないし」
「アン……、あ、貴方ってシスコンですか?」
アン?なにを言いたかったんだ?もしかしてアンタって言おうとしてたのか?それともアンゴラ!て言おうとしてたのか?まぁどっちにしろ嫌だけど 。
「シスコンじゃねぇし、妹が可愛くて好きなだけだし」
(いや、それをシスコンって言うんだけど、、、、)ボソッ
「ん?(なんだったんだ?)まぁそれはどうでもいいけどさ、この家ではいつもと同じ感じで過ごしたらどうだ?」
「え?いや、でも…」
「変に敬語よりいつも通りの方が、俺もそっちもWinWinになるだろ?疲れるしな」
「……分かったわ、いつも通りに過ごさせてもらうから。よろしくね」
oh......一瞬雪ノ下の感じがしたぜ。雪ノ下と川なんとかさんの合体Ver.か?要らねぇぞ、それは
「アンタのことは八幡って呼ばさせてもらうわ」
oh......こいつもしやリア充か?いやリア充だな。
会って間もないのに名前呼びとかやっぱリア充じゃねぇか!リア充滅べ
「代わりにアンタも私のことは二乃って呼んでね」
は?ひ?ふ?へ?ほ?………危ねぇな、驚きすぎて変なこと言いそうになったじゃねえか。誰が初対面の人の名前を、下の方で呼ぶんだよ!俺にそんな適正はねぇ、ここは普通に断ろうか
「ごめんなさい、普通に無理です。恥ずかしすぎて死んでしまいます」
「お兄ちゃん、呼んであげたらいいじゃない」
あ、小町のやつ居たんだ。普通に忘れてたぜ、もう少しで殴られるか絶交されるかになるとこだったわ(?)
でもね、さすがの小町ちゃんのお願いでも無理なものは無理なんですよ。だから俺がここで言うのは────
(言わないとお兄ちゃん、この家から追い出すよ?)ボソッ
いや、え、マジで?じゃあお兄ちゃんもう一択しか選択肢ないのかよ…悲しいなぁ。言いたくないけど、言わないと小町に追い出されるからな、これは仕方ない。奉仕部の面々にバレなきゃいい話だ。主に雪ノ下な、雪ノ下に見つかったらめんどくさいからなぁ、色々と
「分かったよ、言えばいいんだろ?あ、まぁ数日間よろしくな、二乃」
「分かればいいのよ」
「…」
あんれー、おかしいな。なぜ上から目線なんだ?1つ年下だろアンタはよ。目上の人を敬えって習わなかったのか。え?あいつ同級生だって?ふーん、え、マジかよ…
こうして俺の謎の1日が始まるのであった。
リア充爆発しろ!