オーバーロード 絶死絶命 ~199年前の墜とし仔~   作:空想病

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※オーバーロード4巻に関する作者雑感より引用
 法国の人々
 書籍オリジナルのキャラ。もう一人の、そしてこの世界のオーバーロード登場。
 彼女がいると5柱の装備があって、彼女がいないと4柱の装備がある。どんぐらい強いかはその内にわかると思います。でも大陸10指(同じタレントは1つとして数える)に入る最強タレント持ちなので……。
 しかし神人は3人と言ってよかったんだろうか? それとも2人という方が正解なんだろうか? 難しいなぁ。

 ──以上引用終了──

 ここでの重要情報は、

1、番外席次は「この世界のオーバーロード」
  =種族的な意味でなく、文字通りの「超越者」としての意味?
2、「彼女がいると5柱の装備があって、彼女がいないと4柱の装備がある」
  =残る一柱(六柱目)の装備は、番外のもとにはない。
3、「同じタレントは1つとして数える」
  =他者から奪ったタレントは、番外の能力の一部となり、カウントされない。
4、「でも大陸10指(同じタレントは1つとして数える)に入る最強タレント持ち」
  =『他者の異能や能力を捕食し強奪するタレント(という名の番外の能力)』
5、「神人は3人と言ってよかったんだろうか? それとも2人という方が正解?」
  =番外は神人と呼べるか、微妙?
  (同神人であるはずの第一席次くんを一方的にボコボコにしすぎ)

 まとめとしてはこれくらいでしょうか?


昔語り

/Old Story

 

 

 

 

 

 ・

 

 

 

 

 

 サラ・ルーファウス・───

 彼女はスレイン法国で信仰される闇の神・スルシャーナの第一の従者……中位アンデッド作成によって此の世界に留まることが許された、死霊(レイス)だった。

 だが、闇の神・スルシャーナは、最初から彼女を──恋人だったサラを、アンデッドに変えるつもりはなかった。

 

 

 

 

 

 ・

 

 

 

 

「よいしょっ、と」

 

 存在しない足腰を回して、オルガン席での座る向きを変えるルーファウス。

 最上位死霊女王(グレイテスト・ハイレイス・クイーン)──アインズ、否、サトルの特殊技術(スキル)でも一日に作成できる上位アンデッドの中では、文字通り“最上位”に位置する強さを誇る。

 肉体を一切もたない星幽界(アストラル)体でありながら、装備品によっては物理ダメージを通すことも可能。だが、彼女自身は星幽界(アストラル)体への攻撃以外はすべて無効化される。打撃も、斬撃も、射撃などに類する物理攻撃の完全無効化だ。しかも、この星幽界(アストラル)体というのは、他の星幽界(アストラル)体に属する種族を隷属支配することも可能な反則ぶりで、死霊系種族としては最高峰に位置するだけの能力はある。このアンデッドを打ち倒すには魔法攻撃系が必要不可欠──だが、純粋な魔法職では、その種族特性故の速度(スピード)についていけず、一方的にボコられることが多い。つまり、必要となる職業レベルは聖騎士(ホーリー・ナイト)魔法剣士(マジック・ソードマン)、あるいは竜騎士(ドラゴン・ナイト)などの特異な職業(クラス)レベル・魔法系と戦士系を両立させた職業(クラス)による攻撃能力が必要になる。たとえば、聖騎士の〈光輝の刃(シャイン・エッジ)Ⅴ〉や、魔法剣士の〈火炎剣Ⅲ〉〈雷霆剣Ⅲ〉〈氷雪剣Ⅲ〉など。場合によっては、魔法攻撃判定を繰り出せるモンスターの召喚と使用──竜騎士の(ドラゴン)による息吹(ブレス)攻撃が有効打たりえる。

 サトルの脳裏に、ニヴルヘイム・ワールドチャンピオンとミズガルズ・ワールドチャンピオンの非公式練習試合の動画が映し出される。

 物理攻撃完全無効の最上位アンデッドに対し、最上位竜を駆る竜騎士の戦いは、たっち・みーから贈られたおみやげの中でも一、二を争う戦闘動画であった。

 

「それで」

 

 そんな淡い思い出のフィルムも、ルーファウスの声で一時中断される。

 何もかもがナザリックの思い出と直結してしまう事実に苦笑しつつ、サトルは存在しない耳を傾けた。

 

「それで。この私を起こしてくれた死の支配者(オーバーロード)くんの名前は?」

「あ、ええと、ア……鈴木、サトル、です」

「サトルくん、ね。そう(かしこ)まる必要はないわ……あなたのオーラのおかげで、私は久々に自由に動き回れていることだし。気楽にルーファウスとか、サラって呼んでくれていいから」

「いやしかし」

 

 サトルは恐縮するというか委縮してしまうというか──相手は数百年を生きるアンデッドだ。

 アインズ・ウール・ゴウン魔導王という化けの皮が剝がれた今のサトルにとっては、まさに別次元の存在と言える。

 純黒のヴェールに隠された相貌も漆黒に鋳固められていたが、彼女の砕けた口調は思わず鼻白(はなじら)むものがある──なにより、

 

「いいのか? 俺は君の組織を、ズーラーノーンを壊滅させた、張本人だぞ?」

 

 そう。

 サラ・ルーファウスを盟主に据えていた秘密結社は、もうこの地上には存在しない。構成員の多くは死ぬか捕らえるか、魔導王の洗礼を受けるかして隷従を誓約している。

 

「うん、知ってる」

 

 にもかかわらず、サラはあっけらかんと事実を受け入れていた。

 

「あの仔から──番外席次から聞いてはいたからね。ピーターやシモーヌには、本当に気の毒な役目を負わせたものだわ。私は地獄に落ちて当然でしょうね」

 

 シモーヌと聞いて、シャルティアが自階層の玄室でペット扱いしている吸血鬼の存在が脳裏をよぎるが、そっと記憶の抽斗(ひきだし)にしまい込むサトル。

 ピーターというのは誰だろうと小声でたずねると、副盟主としてサトルが対峙し対峙した、小さな黒竜のことであると判明する。

 

「500年前に、父親に棄てられていたのを拾ってやってね……その恩義に報いようとしてくれたのはありがたいけど、まさか自滅の道を選ぶとは」

 

 親と同じ宿業(しゅくごう)というやつだろうかと小首を傾げるサラ。

 

「ま、そのあたりのことはいいわ。今の問題を早急に改めないと、魔導国や法国どころか、世界そのものがヤバいことになりかねない」

「どういうことだ?」

「君たちが対峙した番外席次が、世界盟約に反する存在──彼女が、ワールドエネミーの『仔』であるという情報は?」

「それはすでに僕の感知能力で把握済みです」

 

 ツアーの鎧が答える。

 サラは一瞬だが存在しない表情をしかめかけて、その鎧の持ち主──より正確には操作している主が誰か、わかった。

 

「ツアーくんじゃないの、久しぶり! ──あれ? 90年ぶりだっけ?」

「あの時はどうも、ご苦労をおかけして」

「いいのよ。こちらこそごめんね。後始末まかせちゃって?」

 

 まるで平のサラリーマンが上役に声をかけられたような印象だ。

 あの白亜の巨竜ですら丁重に言葉を選ぶ様は、なんというか、いろいろとヤバい人物なのだなということをサトルに教え込んでくる。あるいは、ツアーよりも年長にあたるのかもしれない。そういう雰囲気だ。

 

「そう気負わんでいいぞ、サトル」

 

 信徒席にドッカリ腰を落ち着け、両足を組んで前の席に置くリグリットに言われ、振り返る。

 

「状況は逼迫(ひっぱく)しておる、ルーファウス。事と次第によっては、このあたり一帯に累が及ぶ──法国も完膚なきまでに滅びるじゃろう」

「滅ぶ、か」

 

 そう聞かされたサラは存在しない肩をすくめて告げた。

 

「現実味ないわね」

「事実じゃて」

「わかってる。あの仔の暴走を止められなかった──止めようがなかった責任は、何としても取るつもりよ……」

 

 サトル、ツアー、リグリット、そして現第一席次と第七席次の前で、彼女は語りだす。

 

「すべての発端は、199年前のこと」

 

 ルーファウスは語った。

 番外席次のこと。

 彼女を見つけた最高神官長のこと。

 彼女を育てあげた旧・第一席次のこと。

 あまりの強さゆえに「神人」と信じられたこと。

 彼女の異能──と呼ぶには邪悪に過ぎる捕食能力のこと。

 すべて。

 

「おそらく。あれは饕餮(とうてつ)と同じ能力よ。饕餮は、その暴食によって諸国を食い荒らし、喰らった者の能力をすべて己のものへと変換した」

「ふむ──ユグドラシル的には、“捕食”によるステータスの増強と、能力の強奪、というわけか──厄介なワールドエネミーなのは間違いない」

「彼女が取り込んだ能力は多岐にわたる。暗殺や暗闘、防諜や監視、それに転移能力や、純粋な戦闘能力に至るまで、すべてが完璧と言わざるを得ない」

「では、どうやって倒す?」

 

 ツアーは腕を組んで述懐する。

 

「奴には僕の炎も通用しなかった。破壊無効や炎無効にしても、こちらの攻撃が通らないと、やりようがないぞ?」

「手があるとすれば──」

 

 サラが見据える先にあるのは、第一席次の青年が握る、みすぼらしい槍。

 

世界級(ワールド)アイテム──光の神が残した、第一席次の槍……“聖者殺しの槍(ロンギヌス)”」

 

 サトルは火の瞳を見開いて振り返った。

 六柱の装備中、五柱の分は番外と共に聖域に安置されている。そして、番外は、死の神にして闇の神・スルシャーナの戦鎌(ウォーサイズ)を受け継いだ。

 彼女が聖域にいる間は五柱の装備が守られ、彼女がいない間は四柱の装備──火・風・水・土──が聖域に留まることになる。

 本来、番外席次はそのために存在する番兵だった、はずだった。

 しかし、

 

「代々、第一席次のみが担うことを許される“聖者殺しの槍(ロンギヌス)”──これを使えば、とりあえず一殺は可能なはず」

「……(いっ)……(さつ)?」

 

 サトルの見つめる先で、第一席次が震えながら瞠目し、問いただした。

 サラは朗々と告げる。

 

「その世界級(ワールド)アイテムの効果は、一人の人間の全存在を代価に、一人の存在を完膚なきまでに殺すこと……意味は解ってるよね? その槍を引き継ぐときに全部、おしえられるはずだけど?」

「そんな!」

 

 青年は槍の詳細は当然知っていた──それでも叫んでいた。

 叫ばずにはいられない理由があった。

 

「できません! 自分には、彼女を殺すなんて、そんな……」

「第一くん……君って、やっぱり……番外ちゃんのこと──」

 

 占星千里は彼の拒絶ぶりからすべてを理解した。

 サトルやツアーたちも、同様の納得を得ていた。

 自分が死ぬことはもとより覚悟の上。だが、この槍の穂先を彼女に──番外席次に向ける気は、彼には存在しなかった。それこそ、一方的にボコられ、厩舎で馬の小便で顔を洗わされた相手だというのに。第一は番外のことを、恨みに思ったことはなかったのだ。

 彼が神官長らから何度も(よめ)をとるよう……子種を残すように(さと)され催促されていた、が、その通りにはしなかった、根本的な理由。

 だがサラは、平然と第二プランを披露(ひろう)する。

 

「うん結構。別に、君がやる必要はないよ」

「……え?」

「若い身空、大切な命を謳歌しなさい……というわけで、リグリット頼める?」

「おう──この儂に死ねと?」

 

「うん」と手を組んで頷くサラに対し、リグリットは本気で愉快そうに大笑いした。

 

「ハハハハハ。そうじゃな。おまえさんは、世界級(ワールド)アイテムで消滅するよりも重要な役儀がある……とすれば、適任者は元・第二席次にして元最高神官長たる、儂しかおらんだろうよ!」

「リグリット……」

 

 惜別の声を落とすツアーに対し、リグリットは揶揄(やゆ)するような熱い視線を送る。

 

「なんじゃあ? こんな婆様(ばあさま)が命を張ることに、異議でもあるってのかい──“白金の竜王”よ」

「……いや」

 

 ツアーは鎧の向こう側で居住まいを正した。

 

「援護は僕が務めよう。万が一にも失敗しないように」

「ふふん。おまえさんの助力があれば、まず失敗などせんだろうて」

 

 二人の間にある見えざる絆のようなものを、サトルは感じた。

 それこそ、200年来の戦友に対する信頼感が、透けて見えるかのように。

 

「ところで、サトル君」

「……え、あ、はい?」

「君。ピーターを殺したってことは、『朽棺』はどうしたの?」

「あ…………ああ。あの黒い(はこ)か」

 

 サトルはアイテムボックスを探った。

 死の大螺旋事件──それに失敗した黒竜ピーターが、自死も同然にモモンの剣に貫かれると同時に発動しかけた、慮外の力。しかし、アインズの竜への特攻効果を持つ世界級(ワールド)アイテムによって、『朽棺』は活動を停止。ピーターの死骸だけが黒泥(こくでい)となりはて、今もナザリックの調査室で保存されている。

 そのときにアインズ・ウール・ゴウン魔導王、もといサトルが採取したのが、この黒い匣であった。

 外観は常に朽ち果てた木材で出来ており、いかにも脆そうであるが、死の騎士(デスナイト)が踏んでも壊れないほどの耐久性を保持している。

 サラは告げた。

 

「君は、その(はこ)を使えば、竜王として覚醒することができるでしょうね」

「……えっ?」

「簡単に言うと。竜王というのは“継承式”と“襲名式”があり、『朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)』は代々アンデッドがなるものなのよ。『破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)』や『白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)』みたいに自分の嫡出子に継承させる例も勿論あるけど……そうだ。竜王国の女王ちゃん、まだ生きてるよね?」

「ああ、“黒鱗の竜王(ブラックスケイル・ドラゴンロード)”と言っていた。ナザリックに協力するよう手配した時に、内々のうちに顔を合わせている」

「けれど、あの子の血筋は八分の一“七彩(ブライトネス)”が入っているだけ。──意味わかる?」

「ああ、そういうことか」

 

 つまるところ。竜王とは各自で名乗っても虚飾にはならない。有名どころは襲名のための段取りがあるものの、それ以外の竜王は自由に名乗ることが許される、というところか。

 

「無論、“黒鱗”は例外中の例外──彼女が扱える始原の魔法(ワイルド・マジック)も、犠牲(コスト)がえぐすぎて国民が滅びるって感じらしいし」

「確かに……そんな話を聞いたな」

「にしても。200年前の『破滅の竜王』と『朽棺の竜王』、『吸血の竜王』は、本気で最悪だったわ」

「幸い、現在は襲名竜がいないのが現状だが──双方、あのアイテムの行方が知れぬ以上、油断は禁物といったところ」

「ツアーくんの言うとおりね。

 さて。竜王についてはこれぐらいにして、今度はあなたの世界級(ワールド)アイテムについて、情報が欲しいところよね?」

 

 等価交換というべきか。これだけ手の内をさらけ出したのだから、サトルだけ何の手段もありません、は通らない。

 実際、ピーターという黒竜を殺した際に、『朽棺』を受け継いでしまったのだ。相応の実力──実戦力は備わっていると見做しているサラ達。

 サトルは自分の世界級(ワールド)アイテムについて語った。

 するとサラは指を顎の部分にあてて考え込む。

 そして、存在しない唇を開いた。

 

「うまくいけば、二殺目ができるかも」

二殺(にさつ)目?」

「君のところで復活不能に陥っている、えーと」

 

 サラは(くう)を指で回した。

 

「ンフィーレア・バレアレとパンドラズ・アクター」

「そう。その二人を救うためには、最低でも二回、番外席次を殺す必要がある──彼女の異能を剥奪し、魂を解放するといった感じね」

 

 神妙な口調で告発するサラであるが、その表情は窺い知れない。漆黒のマネキン人形に純黒のヴェールをかぶせたような姿だ。わかるヤツの方がどうかしていると言っていい。

「仮にも、法国の仲間だろう?」という問いは、「あなたは、自分の身内が自分の身内を殺しておいて、それを許しておける?」という即答に切って捨てられる。

 確かに、正論ではあるのだ。

 番外席次は闇の神官長を含む大勢の法国民を犠牲(ぎせい)(にえ)とした。

 そしてそれは、ナザリック──パンドラズ・アクターを殺すのに加担した守護者統括にもいえること。

 

「君が魔導王を続けるも続けないも勝手だけど。『身内殺し』は絶対に許しちゃあ、駄目なやつだよ? たとえ、それが自分のNPCに向けられたものでも」

「……いわれなくても分かってる」

 

 アルベドのことを思い出し、暗然と項垂れるサトル。

 彼女が反旗を翻し、パンドラズ・アクターを殺害したことから、すべてがおかしくなった。

 

(いや、おかしくしたのは俺のせいか)

 

 あの最終日。

 愚かにもアルベドの設定をイジったことで、彼女は凶行に(はし)った────

 

「待て。今、NPCと?」

「言ったけど?」

「君はNPCを知っている? ということは、ユグドラシルのことも?」

「うん。知ってる」

 

 サラは誇らしげな声で天井を見上げた。

 

「思い出すなあ……ギルド:七芒星(セプタグラム)……スルシャーナと呼ばれるようになった、彼と出会えたことは、私にとって、絶対の幸福だった」

 

 サラは語りだす。

 600年前のこと。

 人間が弱かった時代のこと。

 魔法など誰にも扱えなかった時代のこと。

 ルーファウス家は人々を災厄や異形から守る戦士の家系だったこと。

 

 そんな自分を助けてくれた、不思議なアンデッド──彼との、逢瀬(おうせ)

 

 最初は警戒感しかなかった。けれど、彼の演奏するパイプオルガンがとても美しくて、惹かれてしまう自分に驚いた。

 そんな自分を認めたくなく、幾度も彼に決戦を申し込んだけれど、ただの一度も勝てやしなかったこと。

 やがて、人間たちに魔法が普及し、“六人”は“六柱の神”となったこと。

 彼のプロポーズを私は受け入れ、私は闇の初代・巫女姫になったこと。

 無論、現在のような叡者の額冠を必要としない、ただのパートナー関係だったこと。

 ────────六柱の内、五柱が戦乱や寿命で死んでいったこと。

 アンデッドの彼は、皆との約束を守り、永続性あるアンデッドに変えなかったこと。

 皆を(みにく)い姿のバケモノになんてできないと、彼は笑っていたこと。

 そして、(サラ)が死ぬときが来た時────

 

「み、皆さん! 大変です!」

 

 今まで門外漢として信徒席の端の端に移動していた第七席次「占星千里」が警告を発した。

 彼女は咄嗟に“視て”しまった。

 

「番外ちゃんと、黒髪の白い女悪魔を発見──これって──カルネ領域を超えて、ナザリック地下大墳墓に向かうルートです!!」

 

 昔語りもそこそこに、最終局面の舞台は整った。

 ──整ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 闇の神・スルシャーナに何が起こったかは、
『天使の澱』の「終戦 -3 ~盟約~」の / を
 ご参照のほど。
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