MARVEL ULTRAWORLD   作:競馬好き

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ベリアルの乱

ひとしきり、ランは泣いた後、ゲンから話があると言われ、テーブルに着き、コーヒーを飲んでいた。

 

「まず、ラン。君に伝えることがある」

「なんですか?」

 

ゲンは家にランを上げた後、倉庫の奥にしまっていたある資料を取り出してきた。その資料は、地球外の技術でデータ化されているものだ。

 

「ダンのことだ」

「親父の?」

「ああ・・・・。ダンは・・・

 

 

     

地球人じゃない

 

「え?」

 

意味がわからなかった。確かに、近頃、アメリカでは、ニューヨークに宇宙人が現れたり、宇宙同士の戦いが展開されたりと理解不可能な出来事は多々あった。

だが、自分の父親が地球人ではない。そんなことは考えもしていなかった。

 

「ダンは、とある星の外交官の息子だったんだ。その星にあるウルトラマンが避難してきた」

「ある、ウルトラマン?というかウルトラマンは実在したんですか?」

「ああ、だが、故郷の光の国はとあるウルトラマンに破壊されてしまった」

「ウルトラマンが光の国を?親父そんなこと話してなかった」

「話せなかったんだ、奴に見つかるから」

「奴?」

「お前の父さんを殺した奴だ」

 

ランの頭に、黒に、赤い稲妻のラインがあるスーツを着た者を思い浮かべた。

 

「あいつか」

「ああ、奴の名は、ベリアル。ウルトラマンベリアル」

「ベリアル・・・」

「奴は光の国で唯一、悪に堕ちたウルトラマンだ。彼は、力を欲したんだ。圧倒的な力をね。ベリアルは、その圧倒的な力を手に入れるために、あるものに手を出してしまった」

「あるもの?」

「ああ、プラズマスパーク、君のお父さんが君が小さい頃に話していたウルトラマンの神話に出てくるだろ?」

 

ランは、小さい頃、ダンがベッドの上で話してくれたウルトラマン誕生の話を思い出した。その話しにある一文。

 

「太陽を作り出し、光の国を、もう一度、光で満たした・・・」

「そう、それがプラズマスパークだ。プラズマスパークには、宇宙に居るありふれたただの種族を、ウルトラマンにしてしまうほどの強い力を放っていた。ベリアルはそれがほしかった。スパークさえあれば圧倒的な力が手に入るからな」

「それと、父さんに何の関係があるんですか?」

「さっき言っただろう?ダンが住んでいた星にウルトラマンが避難してきたと」

「ああ」

「そのウルトラマンは、瀕死の状態だった。彼が言うには、守りきれなかった、光の国が消えてしまったと」

「もしかしてベリアルが?」

「そう、ベリアルが光の国を破壊したんだ。スパークの力で」

「そんな・・・。そのウルトラマンはどうなったんだ?」

「ダンに、自分の力と遺伝子、それを分け与えて死んでしまった」

「・・・。親父はその後どうしたんだ?」

「ダンから話されたんだが、最初は、その力が制御できず、何度も死にかけたらしい。そこで、さっきお前が着てたスーツを作った。それでウルトラマンの力を制御し、使用するためにな」

 

ランは腹部に穴が開いてしまっているスーツを見た。確かに、こんな高度な技術が詰め込まれたスーツは地球では作れないだろう。アイアンマンもここまでのスーツは作ったことはない。メガネをかけたら装着できるなんてそんなスーツは。だが、アイアンマンはさらにコンパクトにしたスーツをいずれ作る。

 

「ラン、ここからが重要だ」

「うん」

「君にも、ウルトラマンの力が流れている。しかもダンのように間接的に手にいれたものではなく、生まれつき持っているものだ。ダンよりも強力な力だろう」

「うん」

「その力を持っているということは、ベリアルから狙われる。逃げるべきだろう。だが、ランはそれは嫌だろう?」

「もちろん、奴を倒す」

「何のためにだ?復讐か?」

「それもだけど、生き残ったウルトラマンは他にも居るの?」

「たぶん、もしかしたらこの地球に居るかも」

「なら、そのウルトラマンたちも家族を持っているかも。光の国、惑星ひとつを破壊してしまう奴だ。生き残ったウルトラマンたちも奴に負けてしまうかも。それに、これ以上、親父と母さんが生きたこの地球を破壊されるのは嫌だ。それに、親父を殺したのを見ると、奴はすべてのウルトラマンを殺す気なんでしょ?」

「ああ、その通りだ」

「なら、身を守る手段を手にいれないと、親父と母さんの分も生きるためにも」

(もしかしたら、親父と母さんとところに行けるかもしれないしな)

 

ランは、ゲンの問いにそう答えた。だが、その言葉の裏には、そんな思いがあった。

 

「そうだろうと思ったよ。ダンから、ある程度の年になったら、ランに修行をつけてくれと頼まれていた。宇宙の戦闘術だ。名は宇宙拳法。それをお前に覚えさせる。それと同時に、これを作る」

 

ゲンはその答えにひどく喜び。先ほど倉庫から出してきた物を起動した。3Dモデルで映し出されたそれは、新たなスーツだった。ダンのスーツに加えて、鶏冠か一本追加されており、赤と銀のみだった色が涼しげな青が追加されていた。

 

「これは、ダンのスーツを元に、お前の持つ強力なウルトラマンの力に合わせた性能をした新たなスーツだ。一本のみ装着可能だったスラッガーを二本に拡張し、さらに、大気中にある水素、酸素を吸収、または他の星の大気を吸収し急速圧縮することで生じるプラズマや爆発エネルギーを利用して強化ワイドショットの発射も可能となっている。これを、今から作るぞ」

「今から!?」

「ああ、まぁ、大部分はダンと私が作っておいた。後は仕上げとラン専用にチューニングすれば完了だ。さぁ、始めるぞ!」

 

ゲンは完成しかけのスーツを取りに、ランは道具を取りにそれぞれ取りに倉庫へ向かった。

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