MARVEL ULTRAWORLD   作:競馬好き

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修行1

「ラン、完成したスーツを着ろ」

 

組み立てとラン専用のチューニングを完了したスーツのヘルメットを投げ渡しながらゲンは言った。それを落としそうになりながらキャッチするラン。

 

「え?今?宇宙拳法は?」

 

「スーツを着て、修行を行うんだ」

 

「でもゲン先生は?」

 

「俺にもスーツはある。それに、俺も地球人じゃない、獅子座L77星というところから来た」

 

「そうだったの!?俺の周り、母さん以外みんな宇宙人なんだけど。他にもいたりしないよな?」

 

 

驚愕の事実だったが、もう聞き慣れてしまい、かえって呆れてしまっている。とりあえず、スーツを着たラン。そこに、小型の機械を持って、ゲンが近づいてくる。その機械をカラータイマーの部分に押し当てると、アーマーが展開され、ランの体が重くなった。

 

 

「なんだこれ!?」

 

「テクターギアだ。それでお前の体に負荷をかけながら宇宙拳法の修行を行う」

 

「マジかよ!?」

 

 

テクターギアからかかるとてつもない負荷は確かに体を鍛えるに丁度いいが、なんと、このギアは脱ぐことができなかったのだ。

 

 

「ゲン先生、これ脱げねぇんだけど・・・」

 

「あたりまえだ、このギアを脱ぐことが許されるのは、修行が完了したときのみだ」

 

灰色のウルトラマンと少し酷似したスーツを着に、裏に行って戻ってきたゲンは言った。

 

「学校どうすんだよ!?」

 

「退学だ。というか、お前がそのスーツを着てベリアルと戦うとなれば、将来は決まったようなもんだぞ」

 

「どういうこと?」

 

「わからないのか?戦いが終われば、アベンジャーズがお前のところに現れるってことだよ」

 

そのことをすっかり頭の中から抜けていたのか、ランは参ったなという顔をする。

 

「何とか入らずにすまない?」

「無理だ、ソコヴィア協定に反することになる。速攻でお尋ね者だ」

「はー、入るしかないのかぁ」

「ああ、だが、スーツを押収されたときのために、内装されている技術は盗まれないようにある装置を仕込んである。しかも、お前が決まった動作をすることで、どんな場所からもお前に転送することが可能だ」

「なら安心だ。ところで、技術を盗ませないように装置を仕込んだって、一体どんな?」

「ん?簡単だ、解析装置を超強力な電磁パルスで使い物にならなくするんだ。ちなみに、着けた俺らでも解除不可能だ」

「わーお」

 

ひどいことするなぁ、とゲンに対して思いながらも、このスーツは破壊力といい転送機能といい色々とすごい装置がついてることを考慮し、妥当な選択だとランは思った。その後、ゲンに連れられついた場所はなにやら岩だらけの場所であった。

 

「今日からここで一日過ごす」

「マジか・・・」

 

ランは項垂れ、しゃがみこんだ。

 

「寝るときとかどうするんだよ?」

「もちろんここでだ」

「そっかぁー、ここでかぁー!」

 

これから岩を枕にして寝ないといけないということを知り、さらに力が抜けるラン。

ここまで、父の正体を知り、ウルトラマンは実在していたということを知り、自分にその力があると知り、そして、その力を扱えるようになるために高校を辞めた。いろいろなことが起き、ラン的にはゆっくりベッドで寝たいところなのである。

 

「ラン、さっそく始めるぞ」

「はぉ、わかったよ」

「まずは光線系統を覚えてもらうぞ」

「スペシウム光線とか?」

「ああ、だが、ダンはスペシウム光線と呼んでいなかった。それに、構えも違ったしな」

「へー、どんな名前なの?」

 

ゲンは腕をL字型に組んで言った。

 

 

 

「ワイドショットだ」

 

 

「ワイドショット?」

「ああ、スペシウム光線とは少し違う仕組みになっていてな。スペシウムのマイナスとプラスのエネルギーをスパークさせて放つのがスペシウム光線なのだが、ワイドショットはプラスはプラス、マイナスはマイナスと同じ性質を持ったものを使うんだ。このプラスとマイナスのエネルギーは、磁力と同様に同じ性質のものをぶつけ合うと反発し合うんだ。それを利用してスーツに内蔵された光子加速エンジンのエネルギーを高速で発射する。これがワイドショットだ」

「それを今から覚えるの?」

「いや、お前のは少し、というかだいぶ仕組みが違くてね。前回言った通り、お前のはワイドショットの強化型だ。さっき言った仕組みにさらに大気を圧縮して生じるプラズマや爆発エネルギーを利用する機構が組み込まれている。コントロールするのは至難の技だ」

「てことは、親父の光線よりも遥かに強い光線を発射できるってことか?」

「そういうことだ」

 

それを聞いて、ランは、少しだけ、安心した。

ランは、ウルトラマンに似た存在をニュースやオカルトサイトなどで目撃することがあった。そこでは、怪獣を光線で粉砕したり、スラッガーや一本の刀で真っ二つにしたり

などで、ダンは無敗記録を誇っていた。そんなダンが負けた相手、ベリアル。ランはベリアルと戦うことに内心不安に思っていた。勝てないのではないかと。

だが、ダンの扱う光線よりも強い光線が放てる。それだけでも、ランにとってはベリアル打倒への希望になったのだ。

 

「よし、それじゃあやってみるぞ。あそこの岩に向けて光線を発射してみろ」

「わかった。・・・。どうやって空気集めんの?」

「お前が一番しっくり来るポーズを取ってみろ」

 

ランは首をかしげながら、とりあえず、右手の拳を、腰の辺りで構え、手刀の形にした左手を水平に広げた。

すると、今はテクターギアで隠れてしまっているカラータイマーがある部分に空気が集まっていった。

 

「よし、それで良いだろう。その後、腕をL字に組んでみろ」

 

ランは岩をしっかり見据えると、腕をL字に組んだ。すると、勢いよく黄金の光線が左腕から発射された。それと同時にランの体は吹き飛ばされた。

 

「痛ったぁああああ!!」

「よし、まずは体を何とかしないとダメだな」

 

 

 

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