須賀京太郎断片集   作:星の風

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いずたんイェイ~
泉の誕生日なので京泉を投稿します。

今回は試験的に短めの話になるように作ってみました。
できる限りいちゃラブコメディになるように仕上げてみました。

この場を借りて皆様にお礼申し上げます。
お気に入り登録や評価、感想ありがとうございます。
皆様の評価や感想が活動の励みになっています。
改めてお礼申し上げます。


二条泉と隠しモノ

 ふと窓の方を見ると雲一つない青空が目に入る。窓から感じる陽気もちょうど良い感じだ。きっと土手の草むらに寝転がればすぐに眠気に誘われるだろう。そんな絶好の小春日和に・・・

 

 

「なあ?泉?」

「ん~?」

「せっかく大阪からはるばる来たんだからどこかに行かなくても本当に良いのか?」

「あ~・・・今はええや」

 

 

 そう言って目を閉じる泉。

 俺の名前は須賀京太郎。長野にある清澄高校に通っている高校生だ。

 そして俺の膝を枕に横になって目を閉じた女子が大阪にある千里山女子に通っている二条泉だ。

 

 

「きょうたろう~?」

「どうした?」

「呼んでみただけ、ふふ」

 

 

 このやりとりで察すると思うが泉と俺はまあ・・・付き合っている。大阪に住んでいる泉と長野に住んでいる俺、普通なら関わることのない関係だったが色々あってこんな関係になった。手持ち無沙汰になった手で泉の頭を撫でる。

 

 

「あ~!女の髪に勝手に触るなんて京太郎は悪いやっちゃな~」

「その割に嬉しそうな声だな」

「え~?そうかな~?」

「嫌なら止めるぞ」

「あ!ウソウソ!もっとお願い」

 

 

 家に来た泉は外で会う時と違いダダ甘だった。何回か会ったことのある泉の先輩達が見たらきっと驚くだろう。まあ最初は面を食らったが普段の活発な泉も甘えてくる泉もどっちも好きになった泉だから関係ないと気にしないことにした。撫で続けながら俺達に近づく影に気付く。

 

 

「~♪。あ!カピー!一緒に横になりに来たの?」

 

 

 近くに来たカピーを撫でながらさらに上機嫌になる泉。最初に会った時はカピーは少し警戒していたが俺とのやりとりを見て安全だと判断したのか今では平常運転になった。・・・それはそれとして。

 

 

「なあ、本当に良いのか?明日帰るんだからどこかに行かなくても?」

「こうやって京太郎と触れ合いながらカピーと過ごすのが私にとって一番や」

 

 

 泉の意思は堅いようだ。ならこれ以上は野暮か。・・・だったらあれはどうしようか。時計を見るとちょうど12:00になったのが目に入る。

 

 

「だったら昼メシはどうするんだ?」

「え?」

 

 

 そう昼メシだ。俺は元運動部だったからか食に関してはそれなりにこだわっている。どうせ食べるならうまいメシだ。だから泉と出かけたら俺のおすすめの店に行こうかと思っていたんだが・・・出かけないならどうしようか?

 泉も時計の方に目を向けると合点がいったようだった。

 

「ああ~そういうたらそんな時間か~」

「出前でも取るか?」

「出前か~。う~んそんな気分ちゃうなぁ~」

「だったらどうするんだ?お菓子とかでやり過ごすのはおすすめしないぞ」

 

 

 お菓子で済ませるのも学生らしいと言えばらしいが、俺は出来るならちゃんとしたモノを食べたい。それに・・・うまいモノは好きな人と共有したい。まあ泉がそれで済ませるって言うならそれに従うがな。

 俺の言葉に泉はカピーを撫でながらうんうん唸り始めた。そしてパッと俺の方を見て笑顔を浮かべた。

 

「ほな京太郎の手料理が食べたい」

「え?」

「インハイのインタビュー記事に書いたったで。『優勝したのは京太郎のタコスのおかげだじぇ』って。私も京太郎の作った料理が食べたい」

 

 そう言って目を輝かせる泉。

 手料理・・・手料理かぁ。別に隠すモノじゃないから良いけど。

 

 

「冷蔵庫に入っているモノでのあり合わせしか出来ないけどいいのか?」

「わがまま言うてるのはこっちなんやさかいかまへんで」

「だったら一旦台所に行くから立ち上がるぞ」

「もう少し堪能したかったけどしゃあないか」

 

 

 カピーにぶつからないように立ち上がった泉はそのまま俺のベッドに腰掛けた。カピーはそのまま寝転がっている。

 俺は冷蔵庫に何が入っていたか思い出しながら部屋から出て行った。

 

 

**********

 

 

 部屋から出て行く京太郎を見送った私は近くにあった枕を抱きしめながら後ろに倒れ込んだ。京太郎の匂いを堪能しながら口元を緩ませた。

 

 

(京太郎の手料理・・・夢みたいや)

 

 

 頬を軽くつねる。痛みを感じる。

 

 

(夢ちゃう。今私は京太郎の家で恋人として過ごしてる!)

 

 

 嬉しい。嬉しい。嬉しい。

 宮永咲や原村和じゃなくて自分を選んでくれた!

 

 

「そらそれとして京太郎にわがままを言うてもうたな・・・」

(一緒に出かけとったらそらそれで楽しいんやろうけど、滅多に会われへんねんさかい二人っきりで過ごしたかったんや・・・)

「ん?」

 

 

 足に何かが当たった感触がして、起き上がり足下を見るとカピーがすり寄ってきていた。まるで自分もいるぞとアピールしているように。

 

 

「ごめん、ごめん。カピーもいたなぁ」

 

 

 すり寄ってきたカピーを撫でつつ気持ちを落ち着ける。そうして落ち着いたら改めて部屋を見渡す。

 

 

(それにしても男子の部屋に入ったのは初めてだけど・・・こう思たよりも片付いてるな)

 

 

 ベッドもきちんと整えられていたし。本棚も種類別に分類分けされている。見慣れないボールを飾っているのが見えるがきっと話に聞いていたハンドボールなんだろう。

 急いで片付けたみたいな違和感がないから普段から整理整頓しているんだろう。京太郎の意外な一面が見られて嬉しくなる。

 

 

(普段京太郎は何読んでるんやろう)

 

 

 普段の会話とかだとわからないさらなる一面を知りたくなった私はカピーに一声掛けてから本棚に向かう。本棚を改めて見ると多種多様な本が目に入る。麻雀の参考書・・・ハンドボールの雑誌・・・マンガ・・・料理本・・・麻雀雑誌・・・ん?麻雀雑誌だけ番号が飛び飛び?私は麻雀雑誌を手に取った。表紙には瑞原プロのグラビアが載っている。次の雑誌を手に取った戒能プロのグラビアが載っている。次の雑誌には宇野沢プロ・・・。・・・・・・。

 

 

「こらちょいな・・・」

 

 

 机の上には麻雀雑誌が並べられた。そのすべてに共通している点がある、それは・・・胸だ。胸が豊かな人が載っている雑誌だけ集められている。

 

 

「なんとなしに清水谷先輩の見る目ぇ他の先輩方と違うとった理由がこれかぁ・・・」

 

 

 改めて声に出して確認するとクルものがある。私の胸を確認する。・・・あるのは絶壁だった。さすがにこれから成長するのは無理があるだろう。京太郎が大きさで人を判断しないのは解っているが、もし瑞原プロみたいな豊かな人が迫ってきたら・・・

 少しブルーな気持ちになって大きく開いた本棚に目を向ける。・・・?なにか違和感が・・・。奥行きが合わない?

 私は麻雀雑誌が入っていた部分を改めて見る。よく見ると右上に小さい穴が見える。その穴に指を掛けると横に少しずれた。そのまま横にスライドすると完全に開き紙袋に包まれた何かが出てきた。大きさ的に雑誌が入っているように見える。袋を取り出し机に置く。

 

 

「こら多分あれやな・・・」

 

 

 18歳未満が見てはいけないモノだという予想というか確信があった。わざわざ紙袋でさらに隠しているんだからよっぽど見られたくないモノなんだろう。見なかったことにして元に戻すのが一番・・・なんだけど。ここまで来たら破れかぶれだ。意を決し袋からブツを取り出す。出てきたのは・・・

 

 

「うぇ?」

 

 

 わきを強調した女性の表紙の本とへそを強調した女性の表紙の本だった。予想と違うモノが出てきてフリーズしてしまう。

 

 

「は?え?ええ?」

 

 

 てっきり胸が豊かな人が描かれている本が出てくると思ったのに・・・これは。とりあえずわきを強調した本をさっと流し見る。

 予想通りの内容が展開されていた。へその方も同じだった。確認したモノを速やかに元の袋に戻して隠し戸を閉める。雑誌も元に戻してからベッドに戻る。

 幸い京太郎は手の込んだ物を作っているのだろう、こっちに戻ってくることはなかった。先程の出来事を考える。

 

 

(あの本の内容が正しいのなら・・・)

 

 

 京太郎と初めて会った時私の服装は夏服でわきとへそを出した改造制服を着ていた。あの本もわきを強調したモノとへそを強調していたモノだった。よくよく思い出すと書かれていた人の胸は平たかった。

 胸が平たくてわきとへそを出した人・・・

 

 

(え?ウソ?ホントに?)

 

 

 顔が熱くなる。枕を思いっきり抱きしめて再び京太郎の匂いを嗅ぐ。イケナイ気持ちに・・・

 

 

「できたぞ」

「ぴぃ!」

「うお!」

 

 

 いきなり声を掛けられて変な声と共に飛び上がってしまう。それを聞いて京太郎も驚いていた。

 

 

「どうした?そんな変な声を出して?」

「いっ、いきなり声を掛けられてびっくりしただけやで」

「ノックしてから開けたんだが・・・。とにかく出来たんだから食堂で食うぞ」

 

 完全に自分の世界に入っていて気付かなかった。京太郎に謝りつつ食堂に向かう。顔に出さないで食べられるかな・・・

 

 

 こうして食堂に行った私は無事挙動不審となり、京太郎に風邪を疑われ額に手を当てられた瞬間に限界を迎え京太郎に謝罪した。

 京太郎は最初訳がわからないようだったようだったが、『本棚の・・・』という言葉を聞いた瞬間、顔が真っ青になり土下座してきた。

 

 

**********

 

 

 そこから2人は謝罪合戦になり、最終的に相手の良い点を褒め合うこととなった。

 ひとしきり良い点を言い終わると2人同時に笑い出しこの話は終わりとなった。

 後に残ったのはより熱々になったカップルと冷めてしまった料理だった。

 

                                    カン!

 




一応完成させましたが後で追記修正するかもしれません。

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