須賀京太郎断片集   作:星の風

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いずたんイェイ~
泉の誕生日なので京泉を投稿します。

色々なことがありすぎて短い話になりました。
咲さんの話ももうすぐ投稿できると思います。

この場を借りて皆様にお礼申し上げます。
お気に入り登録や評価ありがとうございます。
皆様の評価や感想が活動の励みになっています。
改めてお礼申し上げます。


二条泉とガンシュー

 

 ガンシューティング。

 それは巨大な筐体に映る目標に銃型のコントローラーを向けて引き金を引くゲームだ。そこにペダルや座席などのアレンジが加わることもある。

 そんなゲームを二人の男女がやっている。

 暗い金髪の男と黒髪で短髪の女は真剣に画面に向き合っている。

 

「「……」」

 

 画面には巨大な怪物が映っている。画面上部に体力を表していると思わしきゲージが表示されており、その少なさからどうやらこの戦いはクライマックスのようだ。

 

「やった」

 

 女が軽く呟くと共にゲージはなくなり怪物が倒れ伏した。

 そこからムービーが流れ、そしてスタッフロールに突入した。どうやらクリアをしたようだ。

 二人は一度互いの顔を見てからサブマシンガン型のコントローラーを筐体に戻した。女は少し乱れていた息を整えながら余韻に浸り、男はそんな女を優しげに見つめていた。

 

「少し休むか」

 

 機を見計らった男がそう提案した。女は軽く頷く。

 男は近くにあるベンチに向かっていき女はそれについていく。自販機で飲み物を購入した二人は並んで座って飲み物を一口飲んだ。

 

「やっぱ」

 

 飲み物を飲んだことで少しばかり気分が落ち着いた女は男の方を見ながら口を開いた。

 

「自分の手で成し遂げて見るエンディングって格別や」

「そうだろうな」

 

 そう言って笑い合う二人。

 ここは様々なガンシューが取りそろえてあるゲームセンター。そんな好きな人には楽園なそんな場所で男と女──須賀京太郎と二条泉は遊んでいた。

 

 

 

 

 

 夏のインハイでひょんなことから知り合った二人。冬休みを利用して京太郎が泉の住んでいる大阪に遊びに来ていた。

 昨日は地元の有名なスポットや隠れた名店を泉が京太郎に紹介して、今日は泉の希望でゲームセンターに来ている。明日は泉の実家の雀荘で麻雀をすることになっている。

 なぜ泉がこうしてゲームセンター、しかもガンシューに特化している店に京太郎を連れてきたのか? そこには二つの理由が存在していた。

 

 まず一つが泉の趣味だ。泉の趣味はFPSゲームだ。しかしその腕前はお世辞にも上手いとは言えず、エンジョイ勢と表現するのが正しいだろう。そしてその食指はゲームセンターのガンシューにも伸びていた。しかしそこでも腕前は平凡の域を出ることはなかった。そこに不満は全くなかったが、それはそれとして一緒にする仲間が欲しいと思うことは何度もあった。

 しかし泉の通っているのが千里山女子高校。そう女子校なのだ。もし泉の腕前が上級者なら友人を誘ってフォローしながらやるという手段も取れなくもなかった。しかし普通の腕前が誘ってもなんとも言えない空気になるのが火を見るよりも明らかだった。

 そこに京太郎が現れた。京太郎自身ガンシューはゲームセンターに行ったらたまに触れるくらいのレベルだった。しかし、ハンドボールをやっていたので運動神経と反射神経が良かった。そこに本人の凝り性な面も合わさって泉と遊びに行く頃には中級者ぐらいの腕前になった。

 

「二人でやるのも新鮮で楽しいな」

「そうやろ」

 

 次に泉のアピールだ。

 泉は京太郎に惚れていた。しかし、京太郎の周りには魅力的な女性がいた。泉がライバル視している原村和だ。麻雀の腕は負けていないと泉は自負しているがそれ以外の女性的魅力でははっきり言えば白旗をあげていた。例えば体型。和と泉、比べるのも烏滸がましいくらい差がついている。泉の胸は微かに膨らみを確認できるレベルだ。対して和は胸にスイカが入っていると錯覚するくらいの爆乳だ。

 泉は負けず嫌いだが現実も見ていた。絶対に勝てないところで張り合うよりも自分だけの強みを活かした方が良いことをわかっていた。そこで趣味のFPSだ。京太郎から聞いた話から泉は京太郎が所属している清澄高校麻雀部にはゲーマーはいないと推理した。だからそこから話を広げていくことにした。

 FPSは遠距離でも一緒にできるが、泉のそこそこ以下の腕ではすぐに京太郎に越されて気を遣わせてしまう可能性があった。だからガンシューを選んだ。これならば最低限の腕があればいいのだから。

 

「けどこんな所があるなんてな」

「私のお気に入りの場所や」

 

 それにここのゲームセンターは都合がよかった。

 種類もだがお金の心配もないのだ。入場料さえ払えば店舗内のゲームはフリープレイ、つまりタダで遊び放題だ。泉の抱えていたこっちに来るのに京太郎のお金を使わせてしまっている申し訳なさもこれで軽減されていた。

 

「じゃあ次は何にする?」

「なら……あれなんてどうや」

 

 泉が指さした先には有名な怪盗アニメを原作にしたガンシューがあった。

 京太郎は軽い笑みを浮かべ了承した。飲み終えたペットボトルをゴミ箱にいれてゆったりと二人は歩き始める。

 

 

 

 泉は平静を装っていたが実際は小躍りしそうになるくらいには今の時間を満喫していた。ガンシューをクリアできたという高揚感もだが京太郎と一緒にやっているという現実が泉にとってかけがえのないものだった。

 好きな人と並んで共通の目的を果たすために尽力する。そこには一体感、心が通い合う感覚があった。クリアしたときに見つめ合ったあの瞬間──喜びを分かち合ったあの時はきっと忘れないだろう。

 だからだろうか泉は気付けば京太郎の腕に自分の腕を絡めて寄り添って歩いていた。泉は自分がそんなことをしていることに気付かない。京太郎も気にすることなく歩いていた。

 

 泉がその事実に気付くのは家に帰って寝る瞬間。一日を振り返ったときだった。

 ついでに言えばさらにやらかしてもいた。

 冒頭、泉と京太郎がやっていたガンシューの番外編の名前を連呼もしていた。

 

 その夜、泉の部屋からは枕によってフィルタリングされた泉の羞恥の声が延々と漏れていた。

 

 翌日、泉の実家の雀荘で先輩方にからかわれている泉の姿があった。さすがに顔を赤くして挙動不審でいればさもありなん。京太郎はその光景を見て苦笑いをしていた。

 

 そこから泉の攻勢は吹っ切れたのかさらに激しくなっていく。

 京太郎のハートを撃ち抜くことができるのかは……想像にお任せしよう。

 

 




以前泉さんの誕生日を間違ったことは密に密に。
後、作中の外伝のタイトルは皆さんで調べてみてください。ヒントは露骨にまいたのでわかる人はわかると思います。

あと動かしてないですがFANBOXを開設してます。ユーザーページから飛べますので支援していただければ嬉しいです。
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