宮永照さんの誕生日なので投稿します。
筆が進んで完成したのであげます。
評価及びお気に入り登録ありがとうございます。
この場を借りて改めて皆様にお礼申し上げます。
追記:桃子さんの最新話を2/20に編集更新しました。
目の前の記入欄がほぼ真っ白の紙を見る。唯一記入されているのは自分の名前だけだった。それを見ているだけで自分が追い詰められている感覚に陥る。溜め息をつきつつ残りの空欄を埋めるように努力をするが……ダメだった。
「……むう」
うなり声をあげても目の前の現実は全く変わらない。この紙は私の人生を決めるもののようで、その実──全く影響を及ぼさないもの。しかしこれを書くことで自分の道を定めることができる……かもしれない。だからこそ書き込まなければいけないのだが……
「う~ん」
どうしても書く気が起きなかった。書こうと思えば書けるのに自分の指先はまるで鉛のように重くなっていた。その事実に私は更に気分が重くなった。気分転換に側に置いていたチョコレートに手を伸ばして気付く。
「無い……」
そこにあるはずのチョコはとっくの昔になくなっていた。ゴミ箱を見ればチョコの外装が用意していた数だけ入っているように見えた。その事実を認識して更に気分を重くさせた。本命はまったく進んでいないのにただ時間だけを無為にしたことに憤りすら感じた。
「どうしよう……」
そう呟いても誰も助けてはくれない。今これを書いているのは自室で周囲に人はいない。“これ”は最終的には自分で決めないといけないものだ。しかし意味はないにしても呟かずにはいられなかった。
「気が……進まない」
そう愚痴りながら改めて紙を見る。その紙にはこう書かれていた
“進路希望調査”と
「う~ん」
世間ではインハイチャンプなどと持て囃されている私──────宮永照も今この瞬間は一介の女子高生だった。
自分を見直す意味を込めて自己紹介をしよう。
私の名前は宮永照。東京の白糸台高校に通っている高校二年生だ。家族構成は父と母、それに…………妹がいる。言い淀んだことにはそれ相応の訳があるからこれ以上は追求しないで欲しい。
勉強が程々に出来て本を読むのが好きなどこにでもいる女子高生だと言い張りたいが……世間は私のことを“インハイチャンプ”、“牌に愛された子”と呼んでいる。
私は自分の一番の特技は利きシャンプーだと思っているが、結果を見れば麻雀が一番の長所になってしまっている。ならそれを活かす進路に行くのが安牌なんだけど……
「ふぅ」
進まない、本当に気が進まない。
再び袋小路に迷い込んでしまう。目の前の紙にプロ或いは強豪大学と書いてしまえばいいのだがそれができない。それをしてしまえば麻雀が本当に人生の一部になってしまう。私は麻雀に対して複雑な感情を抱いている。上手くできるからとしてもそれが好きではないのだ。
「ままならない」
私の身近にいる人達ならこの葛藤を理解してくれるかもしれない。だがそれは世間には理解されないだろう。それ以外の道に進むには些か以上に結果を出しすぎた。振り切ろうにもしがらみが多くなってしまった。要は甲子園春夏3連覇の立役者であるエースがなぜその才能を活かした道に進まないのかと言われるのと同じだ。
しかし、今の私には確固たる夢あるいは目標がない。日々を複雑な想いを抱えている麻雀に集中することで色々な問題から目を反らすので精一杯だからだ。小さい頃大切に抱えていた将来の夢も擦切れて思い出せなくなってしまった。ただただ深い深い底なし沼に沈まないように足掻いているだけだ。
「咲……」
虚空に向かって麻雀以上に複雑な想いを抱えている妹の名前を吐き出す。そうすれば心の中には溢れんばかりの後悔が湧き上がってくる。あの時ああすれば、ああしておけば……巻き戻せない時間にすがりついてしまう。自分から拒絶したくせにそれを後悔している自分に嫌気がさす。大切に想っていても口か態度に出さなければそれはただの自己満足に過ぎないのに。
「…………」
これ以上は無理だ。幸いまだ提出期限が残っている紙を机に残し軽く携帯を操作しベッドに寝転ぶ。目を閉じて深呼吸をする、そうしてようやく心に溢れていた後悔に蓋がされる。そしてそのまま体から力を抜く。そうして心地よい浮遊感と共に意識は次第に闇に溶けていく。
そうして走馬灯のような夢を見る。幸せだったあの時の夢だ。家族や咲と一緒に旅行したり山に登ったりしたときのことや楽しかった小学校や中学校の思い出それに…………近所にいた子に一目惚れした夢。声を掛けることは引っ越しするまで結局できなかった、顔も朧気になってしまった今でも憶えているのは特徴的な髪の色────
(~♪)
アラームと共に溶けていた意識は現実に引き戻される。微かに心に温かな熱が灯る。夢の内容はきっとすぐに朧気になるかもしれないがそれでもいい夢を見たという結果だけは残る。少しだけ上向きになった気持ちと共に現実を足掻き続ける決意をする。
(銀の弾丸なんて都合のいい物なんて無いけど……)
諦めてしまえばきっと楽になる。けど私にはそれができない。だから麻雀を続けているのだ────大切な妹との繋がりの一つだから。そう心の中で再び確認した。なら次は
「……とりあえず」
さしあたって机の紙から片付けよう。そうして私は頭を悩ませる現実に再び向き合った。
朧気になった夢で印象に残った金色に想いを馳せながら。
「んん?」
**********
そんなことがありつつ時は流れて私は3年生になった。
3年になったことで劇的な変化はなかったが、ささやかな喜びはできた。
授業が終わり、部室に向かって歩いているとパタパタと走る音が聞こえた。その音を出している人物が誰かわかっている私は足を止め振り返る。そうすれば想像したとおりの人物がこちらに向かって走ってきていた。
「テル~!!」
そう言いながら光り輝く金髪をもった少女が勢いそのままに抱きついてくる。
彼女の名前は大星淡、今年入学してきた1年生だ。最初の頃は軽く突っかかってきたけどすぐに懐いてきた。彼女の表裏のない性格は色々なしがらみのある私には眩しくそして好ましかった。
そんな彼女の
「今日は部内対抗戦だったよね!!」
「そうだね」
「よ~し、前よりもさらに強くなったスーパーノヴァあわいちゃんの力をみせてやる!!」
「空回りしないようにね」
私の忠告に淡は「わかってるよー」と返してきた。ノリにノっている淡は強いが、そんな淡の自信に不安になるときがある。いつでもフォローできるようにしているけどそれでも不安なものは不安だ。
……ああ。
「テル―?」
淡が心配そうにこちらを見ながら問いかけてくる。
「すっごく苦しそうな顔してたけど大丈夫?」
顔に出てしまってた、か。いつものポーカーフェイスの仮面を慌てて着けつつ淡に平気と返す。それでも心配そうにしている淡に申し訳なく思いながら歩き始める。そろそろ部活が始まる時間でもあるし深く追求されたくなかったのもある。そんな私の行動に少し心配そうな表情をしつつも淡も歩き始めた。
淡は淡だ。そして……咲は咲だ。どちらも代わりにならないし代わりにしてはいけない。
あの時……私は咲にもこうして世話をしたなと思ってしまった。そんなことを考える資格がないのに、だ。それは咲にも淡にも失礼な話だ。けれど淡と話していれば否応なく心が揺さぶられてしまう。それは淡の年齢が咲と同じだからなのか、方向性は違うが手のかかる点が似ているところなのか……それとも金髪に思うところがあるからだろうか。
(こじらせすぎだな、私も)
数ヶ月前の進路希望調査の頃から私の中であの時の初恋に徐々に執着するようになっていた。恋に恋しているとも言えるかもしれない。両親が不仲になる前に聞いていた惚気話に憧れを抱いているのもあるかもしれない。結局の所なぜ執着するようになったのか自分にもわからなかった。
(けど一つだけわかることはある)
想っているときだけは宮永照やインハイチャンプじゃないただの照でいられるからだ。きっとこの想いは成就することはないけど……これだけは誰にも譲れない。
そんなことを考えていると部室に着いていた。不安にさせてしまった淡に対して軽い笑みを浮かべながら頭を撫でる。淡はそんな私の行動に身を委ねながらいつもの元気を取り戻していた。
夜、私は自室で改めて自分の将来を見つめ直していた。
あの時は結局第一希望にプロ、第二希望に大学と記入していた。後もう少しで決めなければいけなくなる。私くらいの成績を収めていればある程度無理を通せるかもしれないがそれはあまりしたくなかった。
「こんな気持ちでプロに行っても良い成績を残せるかは疑問が残る」
今は私の自身の実力とオカルトでなんとか勝ててるけど、プロを見てみると私以上の選手はゴロゴロいる。もちろんプロになっても研鑽は止める気はないが。結局の所、最後の最後で勝敗をわけるのは気持ちだと私は考えている。より強い気持ちに牌は応えるのだ。その点で言えばきっと私は誰よりも弱い。
「勝手に期待して勝手に失望されるのが一番辛い」
有名になれば一定数の批判者が出てくるのは当然の結果だ。プロになれば母数が増えるわけだから批判者も当然増えてくる。それも非常に憂鬱だ。そこに結果を残せなければ……考えるだけで恐ろしい。つまり、さらにしがらみが増えるわけだ。
「向き合わないといけないよね」
そうなってしまえば咲ともう一度話すこともできなくなる。淡達のおかげでようやく前を向けるようになった今、ようやく目標と言えるものができた。長野にいる父とは定期的にメールで連絡はしていたが咲のことはあまり聞けないでいたが……そう考えて自嘲する。
「本当、救えない」
咲に対して消えない傷を刻んだ私がこうして許しを請うのも可笑しな話だ。しかし、この問題は今決着をつけなければきっと咲の傷も一生消えないだろう。これが姉としてできる最後のことになるかもしれないがどんな結果になったとしても甘んじて受け入れるしかない。
「いけない」
また自罰的な思考になってしまった。ここまで拗れてしまったこの問題は考えを巡らせれば巡らせるほど負のスパイラルに陥ってしまう。必要なのは心の準備だけだ。思考を切り替えるように目を閉じそして再び未来に想いを馳せる。
プロになって対局して、対局して……それで? そこまで考えて愕然とした。今の私には麻雀以外なにもない……。しかもその麻雀に熱を持ててない。麻雀以外に何をするか? というヴィジョンがまったくない。その事実に私は打ちのめされた。力なく座っていた椅子に身を委ね背もたれに首を乗せる。
「……会いたいな」
そう独りごちる。私はなんで一目惚れしたのか思い出した。遠目から見た彼は光り輝いているように感じたからだ。何でも暴いてしまう鏡も光がなければ何も映さない。人の本質を暴くことはできても自分の本質は暴くことができない。しかし、彼がいれば“私”がなんなのかわかるかもしれない。だから彼を求めてしまうのだろう。
「けど、今は」
進路は変わらず、夢はない。しかし、目標はできた。
ならば……
「がんばろう」
そう自分に言い聞かせた。
「あー、これは」
**********
時は流れてインハイ。
私は二回戦を終え、部屋で休みながら思い耽っていた。
神のイタズラか或いは必然だったのか……咲も選手として参加していた。それを知ったとき私はほんの少しだけ安堵していた。咲と再会する決意をしたのはいいが機会を図りかねていた。それに……
(咲の方が私よりも)
咲がこっちに来た理由は聞いていた。二の足を踏み続けていた私よりも咲の方が前を向いていた。それが嬉しかった。……けど。
(なんで大将?)
一応、個人戦も勝ち抜けているようだが確実に私と対局をするなら団体戦の先鋒にいた方がいい。しかし、咲は大将だ。咲の実力は身内だからこそ正確に把握している────私をも凌ぐかもしれない存在だ。だからこそ…………いや。
(重要なのは……)
考えるべきはこれからのことだ。
咲のいる高校は反対のブロックだ。相対するとしたら決勝戦になる。咲のいる高校は個性的な人達で固まっているからジャイアントキリングを起こして決勝まで来る可能性は高い。
手を抜く気は一切無い……が麻雀に絶対なんて無い。もしもを引き起こさないように気を引き締めないと。
(……会場でばったりとあった時は?)
そう気合いを入れていたときにフッと頭に浮かんだ可能性に私の思考は硬直した。私はそのときどうするだろうか?
大きく息を吸い、心を整える。考えて、考えて……答えを出す。
もし……そうなったとき、私は『決勝で待ってる』とだけ言おう。
それが咲にもいいはずだ。もしその時色々と話して……結果的に咲のモチベーションに悪影響を及ぼしてしまえば咲のいる高校の人に迷惑をかけることになる。今の咲の立場を悪くすることは絶対にしたくない。
「……もうこんな時間だ」
時計を見ればもう少しで予定していた就寝時間になりそうだった。軽く体をほぐしながらベッドに横になる。今日のことを思い返しながら意識は次第に闇に落ちていく。
(そういえば)
完全に闇に落ちる直前、咲のいる高校──清澄のとある情報を思い出す。
男子が帯同している。聞いたときは軽く流した情報が今になって引っかかることに疑問に持ちながら私は眠りについた。
「ねえ」
そうしてインハイは進んでいき。団体戦は……咲達がいる高校が全国制覇という形で幕を下ろした。泣いている淡を慰めながら、思いを巡らせる。
(淡達は全力を尽くしていた)
麻雀に絶対はない。私や菫は最後だが淡達はまだ来年がある。これをバネに更に飛躍する心の強さを持っていることを私は知っている。だから私がやるべきことはこの後の個人戦だ。
(咲……)
目を閉じて先ほど咲と交わした会話を思い出す。
咲とは危惧していたように決勝戦前にばったりと会ってしまっていた。心の準備が出来ていたから咲の目を見つめて一言声を掛けることができた。……それだけで凄まじく消耗してしまったが。しかし、そうすることで心構えができたのか決勝戦後の挨拶の後、咲に話しかけられてもそれほど消耗しなかった。
(個人戦の後か……)
個人戦の後に咲と話し合う場が設けられた。話し合う時は一対一だがそこまでは付き添いがいても良かったのはありがたかった。話し合いが終わった後もしかしたら支えて貰わないといけないくらいに憔悴しているかもしれないからだ。心構えが出来ていても実際に咲から絶縁を突きつけられたらきっと私は耐えられない。だから本当にありがたかった。
「テ゛ル゛~」
「淡は本当に頑張った、だから今は思いっきり泣いてもいいよ」
「う゛わ゛~ん゛」
淡が私の胸で泣いている。周りを見れば菫も尭深も誠子も泣いていた。淡の涙が私の胸を濡らす。濡れるほど私の胸に後悔が降り積もっていく。ああ……そうかこのメンバーで大会に出るのはこれで最後なんだ。元々潤んでいた瞳からついに一筋の光が落ちていった。……そういえばこうやって泣いたのはいつ以来だろうか?
あの時枯れるほど泣いたと思っていたけど……。そうか、そうだった。私に何もないと思っていたけど違った。気付かないうちにこれだけ大切な物を抱えていたのか。気付くのが遅すぎたな。…………いや、まだ終わってはいない。
負けられない理由ができた。淡達のためにも個人戦を優勝して白糸台の強さを改めて見せつけよう。
そういえば、団体戦の会場を出るとき咲達の通路の方から男の子の声が……
「お姉ちゃん!!」
咲の強めの声で語りは中断される。
**********
「もう少し真面目に話してよ!!」
「何言っているの? 私はちゃんと真面目に……」
「京ちゃん関連の蛇足が激しくなってるよ!!」
「あのインハイで私と京ちゃんが知り合えたんだからそこも大事。それよりもここから私と京ちゃんの邂逅の話が──」
「いいよ!! そこから先は大体知ってるから!!」
「咲からお願いしてきたでしょ、“私の白糸台時代の話が聞きたいって”だからこうやって話を」
「そうだね、初めはちゃんと話していたよね。麻雀部に入るきっかけになった菫さんの話や先輩の話はよかったよ……でもねお姉ちゃんの惚気は聞き飽きたの!!」
「惚気じゃない」
「じゃあ何なの」
「本心」
私の言葉に咲は大きな溜め息と共にがっくりと肩を落とす。
私は今、長野の実家でプロ1年目生活の疲れを癒やしていた。それにしても咲のワガママには困らされる。せっかく話してあげていたのに無理矢理中断して。けど私は気にしない。咲のお姉ちゃんで……
「京ちゃんも黙ってないで何か言ってよ!!」
「ええ~なんて言えばいいんだよ」
「というよりもべったりしすぎ!! お姉ちゃん!! お菓子の食べ過ぎで頭まで砂糖まみれになったの!!??」
「出会いがないからって嫉妬は醜いよ咲」
「あ゛あ゛~もう!!」
「むぅ、妹の心は複雑怪奇。あ、京ちゃんそっちのクッキーちょうだい」
「はいはい」
「あと、もう少し強く抱きしめて」
「はいはい」
心地よい力加減から少し息苦しさを感じる力加減になる。それがたまらなく心地よかった。背中で感じる体温も最高。そこに京ちゃん特製お菓子でとどめ。今の私は極楽にいる。
それを見た咲は口に砂糖の塊を放り込まれたような顔になる。そしてそのままソファーにドスンと座り込む。体から力を抜き全てをソファーに委ねつつ言葉を紡ぐ。
「それにしてもあのお姉ちゃんがここまでなるなんて予想外だよ」
「私としては自然体で過ごしているだけ」
「今の姿を昔のお姉ちゃんに見せたらきっと三度見すると思うよ」
「そう? ……ああそういえば、咲は知ってる?」
「何?」
「最近淡が冷たいんだけど……」
「ああ~」
咲は気怠げに返事をしてから“反抗期じゃない?”*1と投げやりに答えた。
その答えに釈然としなかったが、まあそんなこともあるかと結論づけて流した。京ちゃんは苦笑していた。
「ふふ」
「なに、そのほほ笑み」
「こうやって咲と話していられるなんて夢みたい」
「お姉ちゃん……」
「それに京ちゃんに甘えていられるのも」
「お姉ちゃん……」
そう話しながら私を抱きしめている京ちゃんの手に手を合わせる。感じる暖かさが心も暖める。色々と空回りしてしまっていたがようやく答えを得た。
父がいて、母がいる。妹がいて、親友がいる。そして、京ちゃんがいる。この光景を守ることが今の私の目標。そして……京ちゃんをもらうのが夢になった。
「色々と言いたいことがあったけど吹き飛んじゃった」
「そっか」
「けど一つだけ」
「なに」
「京ちゃんが18になるまで節度ある付き合いしてね」
「……」
「お姉ちゃん?」
「もっと強く抱きしめて」
「お姉ちゃん??」
「夜はもっと強く」
「お姉ちゃん!!??」
そんなやりとりをしつつ長野の宮永家の夜は更けていった。